フィギュアスケーター衣装コレクション②―中野友加里編

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フィギュアスケーター衣装コレクション第2回は、元フィギュアスケーターの中野友加里さんです。



私が中野さんを認識したのは、彼女がブレイクした05/06シーズン。
優しい笑顔とともに、衣装が私好みだったので(笑)、すぐにファンになりました。
残念ながら09/10シーズンに現役を引退されましたが、今ではフジテレビ社員となり、大会の時などはレポーターとしてしばしばテレビにも登場なさっています。

では、さっそく衣装の数々を見ていきましょう。

まずは05/06シーズン、フリーの「ドン・キホーテ」。
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この「ドン・キホーテ」はスペインが舞台のバレエです。が、衣装自体はあまりスパニッシュという感じはしません。
第1回のアシュリー・ワグナー選手を取り上げた記事で、スパニッシュなプログラムの衣装の特徴について書いたのですが、例として挙げた無良崇人選手の「マラゲーニャ」、村上佳菜子選手の「マスク・オブ・ゾロ」、小塚崇彦選手の「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、どれも赤と黒を組み合わせた衣装でした。また、今井遥選手も以前「ドン・キホーテ」を演じていますが、その時の衣装も赤と黒。やはり赤と黒はスパニッシュなイメージを強めるのだと思います。
一方、中野さんの「ドン・キホーテ」の衣装は、あまりスペイン風というイメージではない。なぜだろう? と思い、改めてプログラムの動画を見てみますと、プログラムの音楽自体があまりスパニッシュではないのですね。
冒頭にスペインっぽさを感じられないこともない気もしますが、でも全体的には異国情緒漂うという感じではなく、優雅で上品さのあるプログラムとなっています。
この音楽に合う衣装となると、赤や黒よりも優しいピンクの方がやはり合っているなと思います。そういうことも考えてかはわかりませんが、音楽の優雅な雰囲気を表現する美しい衣装です。

次は06/07シーズンのSP、「SAYURI」。
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「SAYURI」にはエキシビションバージョンが複数あります。そのひとつがこちら。(小さくてすみません)
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同じ音楽をショートとエキシビションで演出を変えて演じるというのが新鮮で、印象に残っています。(エキシビションでは実際に傘を使ってましたね)
どちらの衣装も長袖で、襟ぐりがV字で着物の合わせ目のようになっていて、和を意識した衣装となっています。エキシビションバージョンはよりスカートが長くなっていて、着物らしい印象が強まっていますね。

こちらは、同じく06/07シーズンのフリー「シンデレラ」です。
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「シンデレラ」というイメージにふさわしく、そのままドレスのデザインに用いることができそうなエレガントな衣装。首のシルバーの部分はジュエリーっぽく高貴なイメージ。スカートの丈も長めですが、背中側の方がお腹側よりも長くなっているので、滑っている時には風に揺らめいてよりエレガンスさが増していました。
シンプルな形ではありますが、よく考えられた衣装だなと思います。

続いては07/08シーズンのフリー「スペイン奇想曲」。
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スペインらしさがあまりなかった「ドン・キホーテ」の一方、こちらはまさにスペイン!という感じです。
音楽自体がスパニッシュな異国情緒あふれる曲想ですが、衣装もスペインの太陽のようなまぶしいオレンジ(オレンジがかったピンクかな?)、腰のあたりの模様も、太陽であり南国の花のようでもありというデザインです。
同じスペイン風の曲でも、赤や黒を使った衣装を着て滑るのと、このように明るいオレンジの衣装を着て滑るのとではまた印象が違いますね。赤や黒の場合だといかにも異国的な雰囲気が作り出される気がするのですが、オレンジだととにかく屈託のない明るいスペイン、という印象の方が強まる気がします。
なぜそんなことを思ったのかというと、12/13シーズン、ロシアのアデリーナ・ソトニコワ選手がSPで「スペイン奇想曲」を使用していたからです。
中野さんの「スペイン奇想曲」が印象に残っていたので、どうしても比べて見てしまいました。
ソトニコワ選手は黒の衣装でしたが、同じ音楽を使っていてもこんなに印象が違うものなんだなというのを改めて感じました。
もちろん使っている曲の部分などが違いますから、それによる影響の方が大きいのでしょうけど。でも、衣装の色合いの違いによる影響も少なからずあるんじゃないかなーと思ったり思わなかったり……。

さて、次は08/09シリーズのフリー「ジゼル」です。
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「ジゼル」はバレエですが、村娘が主人公。衣装も昔のヨーロッパの村人の服のイメージを用いていて(あみあみでちょうちょ結びになっているのがまさにそんな感じ)、凝ったものとなっています。
ところで、このシーズンは安藤美姫選手のフリーも同じ「ジゼル」でした。
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「ジゼル」はそこまで定番というわけではないので、こういうこともあるんだなーと当時は少し驚きました。
こうして両者の衣装を比べてみますと、あみあみのベスト風という点では一致しています。
ですが、安藤選手の方は肩のところに花があしらってあったり、腕に蔓草のようなデザインがされていたりと、より個性的でモダンなデザインとなっています。
中野さんの方はクラシカルに、正統派な“ジゼル”という感じですね。

最後は中野さんの現役最後のシーズンとなった09/10シーズンのSP「オペラ座の怪人」、フリー「火の鳥」。
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09/10シーズン以前の衣装は、シンプルな形や柔らかい色、落ち着いた色の衣装が多かったように思うのですが、このシーズンはガラリとイメージが異なる衣装でした。
SPは一見ワンピースのようですが、実は上半身の部分と下のスカートの部分が別になっているんですね。(もちろん肌色の生地で一体となっていますが)スカートは薄いレース?ベール?を重ねたようなもので、エレガント。黒と白(シルバー)の色合いがゴシックな雰囲気を醸し出しています。
フリーの衣装は初めて見た時とてもびっくりし、思わず見とれてしまいました。「火の鳥」を使用したスケーターは多くいますが、ここまで“火の鳥”を表現した衣装は後にも先にもありませんね。

ここまで中野さんの衣装を見てきましたが、全体的にシックなものが多いです。ここには挙げなかった「ボレロ」「幻想即興曲」「ロマンス」なども含め、ぱっと見て派手なものではないし、ものすごく装飾が凝らされたものという感じでもないけれど、シンプルな中に細かいデザインがなされていて、品がありきれいだなあと思わせる衣装ばかりです。
また、これは中野さんの演技の印象ですが、何より女性らしさというものを感じます。いわゆるわかりやすいセクシュアルさではなく、気品の中にあるたおやかさ、しなやかさとでも言いましょうか。それでいて華奢という感じではなく、柔らかさの中にしっかりとした芯があるイメージ。
美しい衣装の数々は、まさにそのイメージを見事に表現していると思います。
そして、それらの印象は中野友加里というスケーターのイメージとも繋がります。

これからも中野友加里さんのご活躍をお祈りしております。


:記事冒頭のポートレート写真、エキシビションの「SAYURI」の写真はウェブサイト「nikkansports.com」の連載「自分流トレーニングの極意」の中野さんを取材した記事から、「ドン・キホーテ」、SPの「SAYURI」、安藤美姫選手の写真はウェブサイト「ゲッティイメージズ日本」から、「シンデレラ」の写真はウェブサイト「毎日jp」内の記事「写真特集:フィギュア世界選手権 19歳の安藤美姫が優勝 16歳浅田真央は銀(2007年3月掲載)」から、「スペイン奇想曲」の写真は「nikkansports.com」内の特集ページ「ロードto世界フィギュア2007-2008」から、「ジゼル」の写真はウェブサイト「デイリースポーツonline」内の写真一覧ページ「GPファイナル 2008年12月10日~14日 part2」から、「オペラ座の怪人」「火の鳥」の写真はウェブサイト「asahi.com」内の写真一覧ページ「フィギュアスケートフォトギャラリー」から引用させていただきました。


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Commented by かま猫 at 2013-09-28 22:48 x
はじめまして。そろそろフィギュアスケートのシーズンだなと思って検索していて、たどり着きました。
中野選手、ファンだったんです。私も彼女の衣装が大好きでした。
どの衣装を見ても、とてもなつかしく思いました。
エキシビションで使用していた、
マキシムのクロディーヌの時の、淡いグリーンの衣装や、
サンサーンスの白鳥(ボーカルバージョン)の時の、
バレリーナのような白い衣装も素敵でした。
フィギュアスケートは、衣装を見る楽しみもありますね。
今季は、どんな衣装が見られるでしょうか。
Commented by hitsujigusa at 2013-09-29 03:03
かま猫様、コメントありがとうございます。
同じ中野選手の衣装のファンということで、うれしく思います。
中野さんがスケーターでなくなってしまったことは今でも残念ですが、たまにテレビで拝見することもあり、変わらない姿を見ると一ファンとしてうれしい気持ちになります。
かま猫さんのおっしゃるとおり、フィギュアには衣装を見る楽しみがあり、それがフィギュアスケートという競技の魅力をさらに高めているなと思いますね。
by hitsujigusa | 2013-06-17 00:56 | フィギュアスケート(衣装関連) | Trackback | Comments(2)