浅田真央選手、16/17シーズンのプログラムを発表&新プログラム情報①

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 いよいよ新シーズン到来が迫り、日本国内ではアイスショーが各地で開催され、新シーズンへ向けて徐々に熱量が高まりつつある今日この頃のフィギュア界ですが、そんな中、選手たちの新プログラムについても少しずつ情報が明かされつつあります。この記事では今のところ公式に判明している選手の新プログラムについて、個人的な感想を交えつつ書いていきたいと思います。


 まずは上の写真でもお分かりのとおり、浅田真央選手の新プログラムについて。6月26日、浅田選手は自身の公式サイトでショートプログラム、フリーともに「Ritual Dance」を使用することを発表しました。
 「Ritual Dance」(日本ではおおむね「火祭りの踊り」と表記、英語では「Ritual Fire Dance」という表記もありますが、ここでは浅田選手の発表に従って「Ritual Dance」で統一します)は、スペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファリャのバレエ作品「恋は魔術師」の中の一曲で、そのエキゾチックな旋律が特によく知られています。浅田選手はこの発表に先立ち、ショートとフリーのイメージについて、前者は黒、後者は赤のイメージ、2つで1つの作品というヒントを明らかにしていました。その言葉から、タンゴとかラテン系の音楽を想像していたのですが、やはりスペインの作曲家のスペインの文化が反映された作品ということで、その点では予想どおりでした。
 ですが、それがファリャの楽曲であるというのは意外でしたし、何より今回驚かされたのはショートとフリーで同じ楽曲を使用するということです。同じ楽曲といってもショートはピアノバージョン、フリーはオーケストラバージョンでコンセプトをガラリと変えるようですし、また、当然演技時間も違うわけなので、フリーではショートに含まれていない旋律も入っているでしょうから、100%同じというわけではないと思います。ただ、ショートとフリーで全く同じメロディが流れるというのは異例のことですし、浅田選手にとってももちろん初挑戦となります。
 フィギュア界ではこれまでもショートとフリーで同じ作品を使用するということは(ほぼないですが)あって、近年そういったプログラム作りで個性を発揮しているのがカザフスタンのデニス・テン選手ですね。彼は世界選手権で初めてメダルを獲得した12/13シーズン、ショートもフリーも映画『アーティスト』のサントラを用いましたし、また、15/16シーズンはショートもフリーも「ミサ・タンゴ」という楽曲でした。ただ、前者は映画のサントラなのでもちろん複数の楽曲の組み合わせでしたし、後者も数十分ある長い楽曲なのでその中の異なるパートを抜き出してショートとフリーそれぞれで用いるという感じでした。なので、浅田選手のように元々4分くらいしかない短い楽曲をショート、フリー両方で用いるというのは、やはり前例のほとんどない、斬新なチャレンジだなと思います。
 浅田選手は自身が座長を務めるアイスショー「THE ICE」の名古屋公演でSPを初お披露目する予定であることを明かしていて、復帰2シーズン目に向けて着々と準備を進めていることが伝わってきます。
 15/16シーズンは復帰1季目とあって、シーズン前もシーズン中も浅田選手にとって未経験の感覚を味わったと思うのですが、現在はそうした経緯を経てさらなるタフさを手に入れたように感じるので、来季はまた進化を遂げた浅田選手が見られそうで今から本当に楽しみですね。


 続いては浅田選手の同門の後輩でもある宇野昌磨選手です。

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 宇野選手も自身の公式サイトで早々と新プログラムを発表していて、ショートは「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」、フリーは「Buenos Aires Hora Cero/Balada Para Un Loco」とのことです。
 SPは映画『ラヴェンダーの咲く庭で』の劇中曲で、浅田真央選手の07/08シーズンのSP、引退された町田樹さんの14/15シーズンのSPとして使用されていて、その曲を三度日本の選手が使用することにとても感慨を覚えますね。ヴァイオリンの音色がとても抒情的で、本当に心に染み入るような美しい旋律を持つ音楽なので、繊細な表現力を持つ宇野選手に合っていると思いますし、決して簡単に演じられる作品ではないでしょうが、宇野選手本来のスケーティングの美しさを引き出す選曲だなと思います。
 そしてフリーはタンゴ界の巨匠であり変革者であるアストル・ピアソラのタンゴの組み合わせ。「Buenos Aires Hora Cero」は靴音から始まるモダンなタンゴ。「Balada Para Un Loco」はボーカル入りのタンゴで、実際にボーカル入りを使うのか、それともインストゥルメンタルなのかは分かりませんが、ピアソラの定番のタンゴとは違う趣きがある曲です。ラテン系のプログラムに関してはジュニア時代に「タンゲーラ」や「ドンファン」など滑っていますし、ラテン特有の色気、熱っぽさを表現するのがうまい選手なので、異彩を放つタンゴプログラムですが、きっと宇野選手の“色”を見せてくれるんじゃないかなと期待しています。


 ここからは海外選手です。
 まずはアメリカの実力者ジェイソン・ブラウン選手。ブラウン選手は15/16シーズンを負傷でほとんど棒に振ってしまったため、プログラム作りも他の選手たちより先倒ししていて、新SPは4月に行われたチームチャレンジカップで披露済みの「Appassionata」、フリーは15/16シーズンから継続の「愛の香気 映画『ピアノ・レッスン』より」となっています。
 ショートはニューエイジグループ、シークレット・ガーデンの楽曲で、チームチャレンジカップで拝見しての印象はとても抒情的で神秘的、どちらかというとゆったりとした曲調なのですが、“Appassionata”=熱情というタイトルにふさわしい情熱的な曲想で、表現力豊かなブラウン選手の得意分野だなと感じました。
 そしてフリーは持ち越しプログラムですが、15/16シーズンは満足に滑り切ることができなかったプログラムだと思うので2季連続は嬉しいですね。継続することでプログラムの進化も望めるでしょうから、楽しみです。


 現カナダ女王のアレーヌ・シャルトラン選手も自身の公式フェイスブックで新プログラムを発表していて、ショートは「スウェイ」、フリーは「テレビドラマ『ROME[ローマ]』より」であることが分かっています。
 「スウェイ」はアメリカの歌手ニコール・シャージンガーの楽曲(正確にはニコール・シャージンガーがリードボーカルを務めるアイドルグループ、プシーキャット・ドールズの楽曲)で、元々はラテン音楽のスタンダードナンバーだそうです。セクシーさを前面に押し出した感じの楽曲なので、はたしてシャルトラン選手もそういった路線でプログラムを制作しているのかは分かりませんが、今までのシャルトラン選手のイメージとは少し異なる曲かなと思います。フリーは古代ローマを舞台にした歴史ドラマのサントラなので、たぶん重厚でダイナミックな感じでしょうから、ショートとフリーでそれぞれ全く違ったシャルトラン選手の表情が見られそうですね。



 今回はここまで。今後も選手たちの新プログラムが判明し次第、お伝えしていきますので、もうしばらくお待ちください。では。


:記事内の写真は全て、マルチメディアサイト「Newscom」から引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2016-06-27 16:18 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)