ベストコスチューム16/17・アイスダンスフリーダンス部門

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 前記事に引き続き、ベストコスチューム16/17、アイスダンスのフリーダンス部門を書いていきます。なお、ショートダンスのベスト10についてはこちらをご覧ください。また、衣装を選ぶ上でのルールに関しても、ショートダンスの記事の冒頭に記してありますので、ご参考下さい。

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 フリーダンス部門第1位は、アメリカのケイトリン・ハワイエク&ジャン=リュック・ベイカー組の「愛の夢」です。

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 フィギュア界でも定番のフランツ・リストの「愛の夢」ということで、衣装も優しく柔らかい印象になっています。
 女性のハワイエク選手は胸元がV字になったノースリーブドレス。ラベンダー色が上から下にかけて濃くなるグラデーションとなっています。衣装は薄く柔らかい素材感で、スカートの部分は繊細なタックによって美しい布の表情が出ていて、全体を見ると装飾は控えめでシンプルなのですが、非常に上品でエレガンスな印象を与える衣装だなと感じます。一方男性は白いシャツに黒いパンツというモノトーンスタイル。色を使わないコーディネートにすることで女性の美しさを引き立てていて、両者のバランスで見ても、とても素晴らしい組み合わせだなと思いますね。


 2位はカナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組の「アランフェス協奏曲」です。

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 こちらも大定番の「アランフェス協奏曲」を使ったプログラム。ということで衣装もスペインらしさを感じさせるデザインになっています。
 女性のウィーバー選手はボディ部分がゴールド、スカートが赤というスペイン風衣装のおなじみのカラーコーディネーション。ともすれば平凡な印象になりかねませんが、ボディ部分をペイズリー柄のようなエキゾチックなデザインにすることで個性を表していますし、スカートも右脚を大胆に露出するスリットの深い作りとなっていて、一工夫しています。比較的肌の露出は多い衣装ですが、いやらしさを感じさせない高貴な雰囲気を漂わせるドレスになっていると思います。そして、男性のポジェ選手は対照的にシンプル。白シャツに黒いパンツ、黒いサスペンダーですが、女性の方が華やかな分、男性はこれくらいシンプルなくらいがちょうど良いですね。
 ウィーバー&ポジェ組はこのプログラムでシーズン前半は女性が濃い紫の、男性が全身真っ黒の衣装を着ていましたが、「アランフェス協奏曲」ということを考えると、やはり定番ではあるものの赤やゴールドを使った衣装というのはものすごく合うので、こちらの方を今回は選びました。


 3位はフランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組の「Stillness/Oddudua/Happiness Does Not Wait」。

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 ゆったりとしたピアノの音色から始まって少しずつテンポアップしていき、最後は壮大なオーケストラで幕を閉じる情感たっぷりのプログラム。衣装は男女ともに青を基調としていて音楽の静けさ、壮大さの両方に合っています。
 女性はワンショルダーの独創的なデザインのワンピース。布を体に巻きつけたような作りになっていて、色は上半身は青ですがスカートはグラデーションでピンクと少しギャップのある色づかい。しかしグラデーションの具合が絶妙なのでとても自然な色づかいに見えますし、スカートだけ淡いピンクにすることで軽やかさも感じさせますね。男性はトップスが青、パンツが黒という衣装ですが、トップスは胸元が大きく開いたスタンドカラーのノースリーブというこちらも個性的なデザイン。しかしシゼロン選手が非常にスタイリッシュに着こなしていますし、色も青一色ではなく少しシルバーのような色味が入った美しいグラデーションになっていて、女性の衣装同様に重厚さと軽やかさの両方が相まっていますね。


 4位はチェコのコートニー・マンスール&ミハル・チェスカ組の「映画『ゴッドファーザー』より」。

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 名作『ゴッドファーザー』のサウンドトラックを使用したプログラムですが、『ゴッドファーザー』のストーリーを踏襲したりイメージしたりということはなく、壮大かつドラマチックな音楽を表現したプログラムになっています。
 女性の衣装はライトブルーのレオタードの上に深みのある青のノースリーブワンピースを重ねたようなデザイン。ワンピースは胸元と腰元に細かくビジューが施され、黒いベルトで腰をウェストマークしたデザインがどことなくクラシカルでエレガントな雰囲気を醸し出しています。一方、男性は黒いシャツにストライプ柄の黒いベストとパンツというシックなスーツスタイル。紳士らしい正統派のコーディネートではありますが、全身黒にすることでクラシカルなスタイルとは違うおしゃれ感も出ていて、『ゴッドファーザー』のダークな感じにも合っているように思います。


 5位はカナダのアレクサンドラ・ポール&ミッチェル・イスラム組の「愛の夢第3番/ハンガリー狂詩曲第2番/「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ」。

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 上述したハワイエク&ベイカー組も使用した「愛の夢」に始まり、「ハンガリー狂詩曲」と「「リゴレット」による演奏会用パラフレーズ」で軽快かつ熱狂的に締めくくられるフランツ・リストのピアノ曲メドレー。
 その華やかさを示すように、女性の衣装は鮮やかなピンク。上半身は濃いめのピンクで、細かな刺繍とビジューがあしらわれた非常に繊細な作り。そこからグラデーションで淡いピンクとなったスカートは柔らかく優雅な印象を与えます。衣装自体が豪華なのでほかは装飾らしい装飾なくシンプルなコーディネートにしているのが良いなと思います。男性は女性と比べると地味目な色づかい。ブルーグレーの長袖シャツに黒いパンツですが、シャツはデザイン性のある作りなので華やかさもあります。シックな色が女性の衣装のピンク色ともマッチしていてバランスが取れているなと思いますね。


 6位は日本の村元哉中&クリス・リード組の「ポエタ」です。

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 フィギュア界でもたびたび使用されるフラメンコ曲「ポエタ」。村元&リード組の衣装もフラメンコらしさを前面に押し出した色づかい、デザインになっています。
 女性の衣装は上半身が黒のレース調の胸元が大胆に空いたデザイン。そしてスカートは透け感のあるこちらも縁取りがレースになっている黒のチュールスカートに、赤いサテン風素材のスカートを重ねています。男性は黒いトップスに黒いパンツで、トップスの襟元は女性と同じようなレース調のデザイン、腰にはエキゾチックな模様が入った赤いベルトというスタイルで、女性との統一感があります。男女ともに赤と黒というフラメンコらしい色づかいですが、それに加えレースやサテンといった素材感の工夫もあり、定番のスタイルの中にも彼らならではの個性を表した衣装になっていると思います。


 7位はアメリカのマイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組の「Evolution: Mirror In Mirror」。

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 壮大で重厚なオーケストラプログラムで、シーズン中に使用された衣装は男女ともに2種類。両方ともネイビーを基調にしていることは変わらないのですが、シーズン終盤で使用したものはより装飾が多いデザインとなっており、私が今回選んだのは主にシーズン前半に使用されたものです。
 女性はシンプルな形のワンピースで、上の写真では分かりにくいかもしれませんが、胸元に向けて放射線状にギャザーが寄せられたデザインとなっています。男性もトップスはネイビーの長袖シャツで、うっすらと透け感があります。見た目に分かりやすい華やかさはなく、地味といえば地味なのですが、音楽の重厚で穏やかな世界観にはよく合っていると思いますし、氷の上でもきれいに映える衣装だなと感じました。


 8位は中国の宋林書(ソン・リンシュー)&孫茁鳴(スン・ジュオミン)組の「映画『007 ゴールデンアイ』より/映画『007 スカイフォール』より」。

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 おなじみの「007」のサントラを使用したダイナミックなボーカル入りプログラム。
 女性はボルドー色の個性的な形のドレス。胸元はスーツの襟のようなデザインになっていて、腰のコサージュ風の装飾でその布を留めるような作りに。そこから垂れ下がった布がスカートになっているわけですが、体の前面は覆わず脚が全て見えるようなセクシーなデザインで、素材感や色は品がある一方で露出は大胆にというギャップが魅力的な衣装ですね。男性は白シャツに黒いスーツ、黒い蝶ネクタイというスタンダードなスタイルですが、スーツに細かなビジューが散りばめられていたりと隠れた工夫がなされています。
 「007」のかっこよく、クールで、セクシーなイメージをうまく自分たちらしく個性的に演出した衣装だと思います。


 9位は中国の王詩玥(ワン・シーユエ)&柳鑫宇(リュー・シンユー)組の「ニューヨーク・ニューヨーク」。

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 定番のスタンダードナンバー「ニューヨーク・ニューヨーク」をアレンジした女性ボーカル入りの軽快かつパワフルなプログラム。写真の衣装はシーズン初戦のスケートカナダのみで着用されたもので、シーズンのほとんどは男女ともにピンクを基調とした衣装を着ていたのですが、個人的にはこのプログラムにはピンクじゃない方が合うかなと感じたのでこちらを選びました。
 女性は鮮やかなライトブルーのスカート短めのワンピース。細かなビジューが施されて華やかさもありつつ、色づかいであったりスカートのふわっと広がる感じであったりと全体的に明るさ、軽快さを感じさせるデザインで素敵です。男性は白シャツに蝶ネクタイ、サスペンダーにパンツというオーソドックススタイルですが、一つ一つのアイテム、たとえばシャツはシルバーのラインが入っていたり、パンツは黒と白のストライプ柄にしたりと、アイテムごとに華やかさや軽やかさを印象づける工夫がなされています。男女ともにプログラムの世界観に合ったポップなコスチュームで好いですね。


 10位はイスラエルのイザベラ・トバイアス&イリヤ・トカチェンコ組の「パ・ド・ドゥ バレエ「くるみ割り人形」より」。

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 王道のバレエ「くるみ割り人形」を使用した華麗なプログラム。ということで女性も男性も白の衣装でバレエらしい清らかさ、優雅さを表していますね。
 女性はデコルテや腕をシアー素材で覆った白のワンピース。首元や胸元にふんだんに繊細なビジューをあしらっていて、白一色の中にも控えめなゴージャスさを感じさせます。シーズン前半は同じ白いワンピースでビジューのないものを使用していたのですが、それだとあまりにもシンプルすぎるように感じたので、この写真のようにビジューを施した方がほどよい華やかさがあって良いですね。一方、男性の衣装はシーズンを通して変わらずノーカラーのシンプルな白シャツと黒いパンツの組み合わせ。こちらももう少し装飾性があってもいいかなとも思いますが、逆にこれだけシンプルに徹底しているのを見ると、衣装のインパクトではなくプログラムで勝負、という感じがしますし、「くるみ割り人形」という誰もが知る名曲だからこそ、音楽が持つ力だけで十分アピールできるのかなという気がしますね。



 アイスダンスフリーダンス部門のベストコスチューム16/17は以上です。次は男子のショートプログラム部門を書く予定ですので、またしばしお待ちください。


:記事冒頭の国際スケート連盟のロゴは、国際スケート連盟公式フェイスブックページから、ハワイエク&ベイカー組の写真、シブタニ&シブタニ組の写真は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、ウィーバー&ポジェ組の写真、パパダキス&シゼロン組の写真、ポール&イスラム組の写真、王&柳組の写真、トバイアス&トカチェンコ組の写真は、アイスダンス情報サイト「ice-dance.com」から、マンスール&チェスカ組の写真、宋&孫組の写真は、写真画像サイト「ゲッティイメージズ」から、村元&リード組の写真は、デイリースポーツのニュースサイト内の写真特集記事から引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2017-06-01 23:41 | フィギュアスケート(衣装関連) | Trackback | Comments(0)