宇野昌磨選手、17/18シーズンのプログラムを発表&新プログラム情報①

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 7月となりいよいよ新シーズンが開幕。何といっても今シーズンは4年に1度のオリンピックが開催される記念すべきオリンピックイヤーとあって、例年以上に各選手のプログラムにも注目が集まります。そんな新プログラムについて、現時点でわかっている限りの情報をここでお伝えしたいと思います。ショートのみ、もしくはフリーのみプログラムを発表している選手も多くいますが、ひとまずこの記事ではショートとフリー両方わかっている選手について取り上げていきます。


 まずは上の写真でもおわかりのとおり、世界選手権2017銀メダリストの宇野昌磨選手の新プログラムについてです。
 宇野選手は5月に自身の公式サイトで早々と新プログラムを発表しており、こうして当ブログで記事にするまでに2か月も経ってしまい今更という感じなのですが、改めて書きますと、SPは「冬 「四季」より」、フリーは「トゥーランドット」で、振り付けはいつもどおり樋口美穂子さんであると思われます。
 ショートの「冬 「四季」より」はヴィヴァルディの代表作。フィギュア界でも定番です。すでに宇野選手はアイスショーでこのプログラムを多々披露し手応えのほどを口にしていますが、ヴァイオリンが奏でる「冬」独特の緊迫感と“冷え感”みたいなものをどう表現し切っていくかに注目したいですね。元々宇野選手はこういったクールな雰囲気のクラシック音楽も表現するのはうまいスケーターだと思うので、「冬」といえば宇野昌磨、といわれるくらいの代表作にしてくれることを期待したいと思います。
 そしてフリーは2度目の「トゥーランドット」。シニア1年目となった15/16シーズンのフリーであり、宇野選手が世界的に飛躍するきっかけとなった始まりのプログラムなので、オリンピックシーズンにふさわしいチョイスと言えます。2季前と同じ音楽を使用することでどれだけ進化したかというのをアピールしやすい選曲でもあると思いますし、逆に言えば、同じ曲だからこそ違いを表現できないとアピールとしては弱くなってしまう可能性もあるので、そうした課題を宇野選手がどう乗り越えて新たな「トゥーランドット」を見せてくれるか楽しみにしたいですね。


 同じく日本の樋口新葉選手は自身が契約を結ぶ企業の公式サイトで新プログラムを発表しました。

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 SPは「ジプシーダンス バレエ「ドン・キホーテ」より」、フリーは「スカイフォール 映画『007 スカイフォール』より」です。
 ショートの「ジプシーダンス」は定番のバレエ「ドン・キホーテ」の第2幕のワンシーンで、バジルとキトリの恋人同士がジプシーたちの野営地で歓迎の踊りを見るという場面です。バジルやキトリ、ドン・キホーテが踊る見せ場ではないので、版ごとにいろんなバージョンがあるようですが、私が知っている限りでは女性のジプシーが長いスカートを振り乱しながら情熱的に激しく狂ったように踊るというバージョンが多いように思うので、樋口選手もそういったイメージで演じるのかなと想像します。そうだとすると、ジプシーの女性の妖艶さだったり悲哀だったり重層性があって、若い選手の演じるものとしては比較的難しい曲だなと感じるのですが、昨季「ラ・カリファ」や「シェヘラザード」と自らの新境地にチャレンジして、女性的で柔らかな深みのある表現を手に入れた樋口選手ですので、元々の持ち味であるスピード感、ダイナミックな表現に女性的な表現が組み合わされば、ハマるプログラムになるんじゃないかなと思いますね。
 一方、フリーは映画『007 スカイフォール』の主題歌「スカイフォール」を使用したボーカル入りのプログラム。「スカイフォール」はイギリスの歌手アデルが歌う楽曲ですが、プログラム全編その楽曲のみになるのか、映画のサントラも合わせた感じになるのかなど詳しいことはまだ不明です。「スカイフォール」自体は基本的にはバラード調のポップソングなので、クラシックではないところに意欲的なものを感じますし、歌詞入りのプログラム自体が樋口選手にとっては競技用としては初めてだと思うので、あえてオリンピックシーズンに新しいチャレンジをするというのはリスキーな部分もあるでしょうが、ぜひ頑張って自分のものにしてほしいですね。


 今季シニアデビューとなる世界ジュニア2017銀メダリストの本田真凛選手はアイスショーに際して新プログラムを発表。

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 SPは「ジェラシー/ラ・クンパルシータ」、フリーは「トゥーランドット」とのことです。
 ショートは有名なタンゴ2曲のメドレープログラム。どういうふうに組み合わせるのか詳細はわかりませんが、やはりタンゴというのは大人の世界ですので難しさはあるでしょうが、元々艶やかな表現力を持っている本田選手なら初めてのタンゴでもうまくこなせそうな気がしますし、さらに表現の幅が広がって新たな魅力が加わるという意味でも楽しみですね。
 そしてフリーは上述した宇野選手と同じ「トゥーランドット」。ですが、もちろんプログラムの中身、構成、何より女性と男性とでは表現の仕方もだいぶ違ってきますので、このダイナミックで偉大であまりにも有名な作品を、どう本田選手ならではの「トゥーランドット」に仕上げていくか見守りたいですね。
 ショート、フリーともに少し背伸びをしたプログラムになりますが、本田選手らしさも残しつつ、シニア1年目の変化にも期待したいと思います。


 怪我からの再起を図る村上大介選手は、自身の公式You Tubeでプログラムについてショート、フリーともに昨季からの継続となる「彼を帰して ミュージカル『レ・ミゼラブル』より」「歌劇「道化師」より」であると語りました。振り付けも継続でローリー・ニコルさんではないかと思います。
 SPに関しては3季連続となりますが、昨季は怪我のためほとんど試合に出ていないので実質的には2季連続くらいの感覚ですね。また、一度4月に別の曲でショートプログラムを制作したもののしっくりこず、改めて「彼を帰して」を演じることにしたとも動画の中で話しています。振り付けもところどころ変わっているようですし、昨季までとはまた別の「彼を帰して」として拝見したいと思います。
 フリーも昨季からの持ち越しですが、昨季は上述したようにほぼ試合に出られなかったので「道化師」も演じる機会はあまりありませんでした。なので、こちらも新しいプログラムとしてどんな村上選手の表情が見られるのか楽しみにしています。


 世界ジュニア2017銅メダリストの坂本花織選手もスポーツナビのインタビュー記事で新プログラムを明かし、SPは「死の舞踏」で振り付けは宮本賢二さん、フリーは「映画『アメリ』より」で振り付けはブノワ・リショーさんであることがわかっています。
 「死の舞踏」の方は曲名のみの発表で作曲者についての記述はありませんでした。なので、サン=サーンスの「死の舞踏」なのかリストの「死の舞踏」なのかは現時点ではわかりません。より有名でフィギュア界で多く使われるのはサン=サーンスの方なので多分こっちかなとは思いますが、そう仮定してイメージすると、ダークで幻想的な世界観の作品なので坂本選手の活発で明るいイメージとは全く異なる雰囲気になりそうですね。シニア1年目ということで、慣れた雰囲気のプログラムをやるという選択肢もある中で、オリンピックを目指す上であえて新境地を開拓する方針がうかがえますね。
 そしてフリーはフランスの世界的ヒット映画『アメリ』のサントラを使用するとのこと。フィギュア界では定番というほど使用頻度は高くないですが、高橋大輔さんが10/11シーズンのエキシビションで演じていたのが個人的には印象に残っています。サントラのどの曲を使うかでも印象は変わると思うのですが、アイスショーでの演技を見るとサントラの中でも特に知られたメインテーマを主に使っていて、オルゴール風の旋律とマリオネット風の振り付けで女の子らしい可愛いイメージが強いプログラムになっており、坂本選手らしい明るさ、軽快さはありつつも、より繊細さだったりアンニュイ的な表現力も要求されるのかなという気がします。
 どちらのプログラムにしても坂本選手にとっては新たな試みが多く盛り込まれていると思うので、楽しみだなと思いますね。


 こちらもシニアデビューを迎える白岩優奈選手は、SPが「亜麻色の髪の乙女」、フリーが「展覧会の絵」です。
 ショートはドビュッシーの代表作。元々はピアノ曲ですが、ピアノのみとなるとかなり静かな曲なのでもしかしたらオーケストラバージョンかもしれませんね。静謐で優雅な雰囲気が白岩選手に合いそうでイメージのしやすい曲だなと思います。
 一方、フリーはムソルグスキーの代表作の組曲で、こちらもピアノバージョンとオーケストラバージョンが存在しますが、滑りやすさでいったらやはりオケ版の方がやりやすいでしょうか。組曲なので曲によって曲想や世界観もさまざまで、どういった組み合わせ、構成にするかによって印象はかなり変わってきそうです。なので、どんな感じのプログラムになるかはまだ想像できませんが、有名な曲のわりにはフィギュア界ではそんなに使われることはない音楽なので、新鮮味があって楽しみですね。


 ここからは海外選手情報です。
 まずは2年連続世界女王に輝いているロシアのエフゲニア・メドベデワ選手。

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 メドベデワ選手はロシアフィギュアスケート連盟の公式サイトのインタビュー記事で、SPは「夜想曲第20番」、フリーは「January Stars/The Departure(Luluby) テレビドラマ『LEFTOVERS/残された世界』より/Dona Nobis Pacem 2 テレビドラマ『LEFTOVERS/残された世界』より」であると語っています。
 ショートはショパンのピアノソナタの名曲。スタンダードな選曲と言えますが、シニアに上がってからのメドベデワ選手は純粋なクラシックというのはやっていなかったので、むしろ新鮮な印象を覚えます。誰もが知る名曲を、メドベデワ選手がどう個性を出して演じるのか、注目ですね。
 フリーは複数の曲の組み合わせになるようで、「January Stars」はアメリカのニューエイジの作曲家ジョージ・ウィンストンのピアノ曲、あとの2曲はアメリカのテレビドラマのサントラからの抜粋のようですね。メドベデワ選手は今までも複数の異なる曲を繋ぎ合わせて1つのプログラムにするというパターンを多く採用し、その上で明確なストーリーだったりテーマを掲げて一つの芸術作品として完成させていて、今回もそういったプログラムになるのではないかと予想します。どちらにしろ絶対女王としてオリンピックに向かう気持ちは人一倍強いはずですので、緻密に考えられたメドベデワ選手にしかできないプログラムを見せてくれるのではないかと今から期待が募りますね。


 同じくロシアの世界ジュニア女王アリーナ・ザギトワ選手も、ロシアフィギュアスケート連盟の公式サイトでプログラムを発表済みです。

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 SPは「映画『ブラック・スワン』より/The Middle of the World 映画『ムーンライト』より」、フリーは「バレエ「ドン・キホーテ」より」です。
 ショートは2つの映画のサントラからの抜粋。前者はバレエ「白鳥の湖」を題材にしたヒット映画のサントラですが、映画音楽を担当したクリント・マンセルのオリジナルの部分もあれば、チャイコフスキーの音楽をほぼそのまま引用した部分もあるので、どのパートを使うかによってプログラムの印象も大きく変わってきそうです。そして後者は今年度のアカデミー賞の作品賞を受賞した映画のサントラから。それぞれ全く異なる映画の繫ぎ合わせなので、どういったコンセプトになるか楽しみにしたいと思います。
 そしてフリーは昨シーズンからの持ち越し。何といってもザギトワ選手にとって、“アリーナ・ザギトワ”という名前を強烈に印象づけた記念碑的なプログラムなので、シニアに上がってイメージを変えるよりジュニアで培ったものを継続させる方がよりメリットが大きいという判断なのでしょう。多少なりとも手を加えたりはするでしょうし、昨季との変化もあると思うので、慣れ親しんだプログラムでさらに波に乗って勢いを加速させることができるかどうか注目です。


 世界選手権2017銀メダル、カナダのケイトリン・オズモンド選手は自身の公式インスタグラムで新プログラムについて発表。

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 SPは「サマータイム」、フリーは「映画『ブラック・スワン』より」とのことです。
 ショートの「サマータイム」はガーシュウィン作曲のオペラ「ポーギーとべス」の劇中曲ですが、現在ではジャズの名曲としておなじみ。オズモンド選手は女性ボーカル入りのバージョンを使うようです。「サマータイム」はフィギュア界でも定番となっていますがいろんなアレンジのバージョンがありますし、さまざまな苦悩を乗り越え大人になったオズモンド選手だからこそ演じられる「サマータイム」に期待したいですね。
 フリーはザギトワ選手のところでも言及した映画『ブラック・スワン』。ただ、こちらはフリーの全編に渡って『ブラック・スワン』を使うようですから、映画や「白鳥の湖」の世界観を大いに取り入れた正統派のプログラムになるのではないかと思います。かつてのオズモンド選手といえば明るく活発で踊れる選手というイメージでしたが、今はダークさも悲哀も存分に表現できる選手になりましたから、オズモンド選手ならではの『ブラック・スワン』がはたしてどんなプログラムになるのか今からワクワクします。


 2016年のカナダ女王アレーヌ・シャルトラン選手は自身のツイッターやインスタグラムでプログラムを発表しており、それによるとショートはシェイ=リン・ボーンさん振り付けの「リベルタンゴ」、フリーは「サンセット大通り」だそうです。
 SPはタンゴ界の巨匠アストル・ピアソラの代表曲。リズム感には長けているシャルトラン選手なので、タンゴ独特のリズムやテンポはもちろんのこと、表現面でも大人の女性の艶っぽさなど、今までのシャルトラン選手のイメージとは異なるものも要求されると思うので、新たな挑戦に要注目ですね。
 そしてフリーの「サンセット大通り」は映画とミュージカルの両方がありますが、そのどちらの音楽を使うのかは不明です。ミュージカルの方であれば歌詞が入ってくる可能性もありますし、今の時点ではどういうプログラムになるだろうという予想もつきにくいのですが、映画音楽を使用することの多いシャルトラン選手にとっては得意分野と言えるかもしれません。


 2015、2016年のペアの世界チャンピオン、カナダのメーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード組はフェイスブックやインタビュー記事で、SPが「With or Without You」、フリーが「ニュートロン・スター・コリジョン/アイ・ビロング・トゥ・ユー(あなたの声に私の心は開く)/アップライジング(叛乱)」であると明かしています。
 ショートはアメリカの歌手エイプリル・メサービーが、アイルランドのロックバンド、U2の世界的ヒットナンバーをカバーした楽曲。原曲よりも静かなバラード調になっていますのでしっとりしたプログラムになるのかなと想像します。
 フリーは初めて世界王者に輝いた14/15シーズンのフリープログラムの再演となります。3シーズン前に飛躍するきっかけとなったプログラムを再び演じることで再飛躍を図るという意味合いもあるでしょうし、人々の印象にも強く残っているプログラムなので、オリンピックシーズンにぴったりの選曲だと思いますね。


 続いてはアメリカ勢です。
 ベテランのアシュリー・ワグナー選手はネットのインタビュー記事などで新プログラムを明かしています。

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 SPは「Hip Hip Chin Chin」、フリーは「映画『ラ・ラ・ランド』より」で、どちらも振り付けはシェイ=リン・ボーンさんです。
 ショートは15/16シーズンのショートプログラム。ワグナー選手にとっては世界選手権のメダルを取った思い出深く縁起の良いプログラムと言えます。表現面でも複雑なリズムを見事に滑りこなしていて、間違いなくワグナー選手の代表作の一つといっていいハマりプログラムでしたから、オリンピックシーズンにこれ以上ない選曲ですね。
 一方のフリーは大ヒットミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。ワグナー選手は14/15、15/16シーズンのフリーでもミュージカル映画の『ムーラン・ルージュ』を演じていますからミュージカル映画を選択したこと自体に驚きはないですが、『ラ・ラ・ランド』のイメージとワグナー選手が今まで演じてきたプログラムのイメージには多少差があるのでそういった意味では意外な感じもしました。特に『ラ・ラ・ランド』はロマンチックな印象が強い映画なので、ワグナー選手のダイナミックでパワフルなイメージとは雰囲気が少し違うのかなという気もするのですが、『ラ・ラ・ランド』の中でも冒頭に流れる「アナザー・デイ・オブ・サン」とかヒロインの見せ場となる「サムワン・イン・ザ・クラウド」のようなパワフルなダンスナンバーもあれば、しっとりと歌い上げるタイプの曲もあるので、そういった数曲をうまく組み合わせながらメリハリのついたプログラムになると、ワグナー選手らしいドラマチックで躍動感にあふれたプログラムになるのかなと思いますね。


 2014、2016年の全米女王グレイシー・ゴールド選手はNBCのインタビュー記事でプログラムを発表。

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 SPは「People 映画『ファニー・ガール』より」、フリーは「バレエ「ラ・バヤデール」より」で、どちらもマリナ・ズエワさん振り付けになるようです。
 ショートはバーブラ・ストライサンド主演のミュージカル映画『ファニー・ガール』のストライサンドが歌う劇中曲。ですが、元々のミュージカル版でもストライサンドが同じ役を演じており、プログラムで使われるのが映画版かミュージカル版かは不明です。どちらにしろゴールド選手のプログラム史上ミュージカル映画の劇中曲(歌詞入り)というのは初めてであり、ゴールド選手の新たな表情が開拓されるのを期待したいですね。
 そしてフリーはバレエ「ラ・バヤデール」。ゴールド選手にとってバレエプログラムは3季連続4度目(シニア移行後)となり、ゴールド選手らしさを存分に活かせるプログラムになるのではないでしょうか。ただ、今までと違うのは振り付け師がローリー・ニコルさんからズエワさんに変わったことで、振り付け師の個性がプログラムにも表れますから注目ポイントかなと思います。また、バレエプログラムを多く演じているゴールド選手だからこそ、今までのバレエプログラムで培ってきたものを集大成として注ぎ込むという意味で、「眠れる森の美女」や「ダフニスとクロエ」の優雅さ、「火の鳥」の力強さなど、いろんな要素が組み合わさったプログラムになるんじゃないかなと今からとても楽しみです。


 現全米女王カレン・チェン選手は自身の公式サイトで新プログラムについて、SPは「ロクサーヌのタンゴ 映画『ムーラン・ルージュ』より」、フリーは「カルメン組曲」で、両方ともマーク・ピレイさんの振り付けであると明かしました。
 前者はもうフィギュア界ではすっかりおなじみとなったミュージカル映画の劇中曲のタンゴ。男性ボーカル入りになるようで、どちらかというとしなやかな表現が巧い印象のあるチェン選手ですが、最近は力強さだったり激しさだったりといった表現も多彩になってきているので、このパワフルで情熱的なタンゴを演じ切ってくれると思いますし、16/17シーズンのフリーでタンゴの「ジェラシー」を見事に表現し切りましたから、その延長線上のプログラムになるのかなと思います。
 そしてフリーは王道の「カルメン」ですが、よくある「カルメン」ではなくて「カルメン組曲」となっています。「カルメン組曲」とはオリジナルのビゼー作曲のオペラ「カルメン」から楽曲を抜粋し演奏会用に構成したもので、構成した作曲家によっていろんなバージョンがあるのですが、チェン選手が使用するのはロシアの作曲家ロディオン・シチェドリンが編曲したもののようです。よくある「カルメン」とどう違っているのか、どうチェン選手らしい個性が引き出されるのか、気になるポイントの多いプログラムになりそうですね。


 実力者の長洲未来選手は公式サイト等で新プログラムを発表し、SPは昨季と同じショパンの「夜想曲第20番」、フリーは「ミュージカル『ミス・サイゴン』より」で、どちらもジェフリー・バトルさん振り付けになるようです。
 ショートは昨季からの継続ですが、どちらかというと躍動感に満ち活発なイメージのあった長洲選手の新たな魅力を引き出したプログラムなので、引き続き見られるのは嬉しいですね。
 フリーは定番のミュージカル「ミス・サイゴン」。ベトナムを舞台にした物語なのでアジア系の長洲選手には合いそうですし、長洲選手は以前「蝶々夫人」を演じていて、元々「ミス・サイゴン」は「蝶々夫人」に着想を得た作品なので、そういった意味でも長洲選手にとって演じやすいのではないかなと思います。また、バトルさんがミュージカルプログラムを振り付けるというのは珍しい気がするので、その点でも新鮮味があってどんなプログラムになるのか今から楽しみですね。


 昨シーズン怪我のため全試合を欠場したポリーナ・エドマンズ選手は、SPが「Palladio」、フリーが「サラ・ブライトマン・メドレー」と、昨季のプログラムをキープする意向であることをインタビュー記事で語りました。
 ショートはモダンダンスの要素を取り込んだプログラム、フリーは世界的ソプラノ歌手サラ・ブライトマンの歌2曲を組み合わせたプログラムですが、両プログラムとも試合では一度も披露できていないプログラムなので、全く新しい作品として初お披露目される日を楽しみに待ちたいですね。


 1季ぶりの競技復帰を発表したジョシュア・ファリス選手は自身の公式サイトで、SPが「Give Me Love」、フリーが「ローマの松」で、ショート、フリーともに振り付けがジェフリー・バトルさんであると明かしています。
 どちらのプログラムも15/16シーズンに演じる予定で用意されたプログラムでしたが、そのシーズンの練習中にファリス選手は転倒して脳震盪を起こし、その後も2回の脳震盪があったため15/16シーズンはフル休養。そこから復帰することなく昨シーズン現役引退を表明していましたが、今年の2月に競技復帰することを発表していました。
 ショートの「Give Me Love」は14/15シーズンにも使用したプログラムで、ファリス選手の代表作といって過言ではないでしょう。最初に作られてから時間が経っているのでいろいろと手が加えられていると思いますが、またこのプログラムを見られることを嬉しく思います。
 フリーの「ローマの松」はイタリアの作曲家レスピーギの交響詩。こちらは試合では披露されていないはずなので、真新しいプログラムといっても差し支えないでしょう。古代ローマの情景を描いた幻想的で壮大な作品を表現力に定評のあるファリス選手がどう魅せてくれるのか、楽しみです。


 今季シニアデビューとなる世界ジュニア王者のヴィンセント・ゾウ選手は、SPが「Chasing Cars」、フリーが「映画『ロミオ+ジュリエット』より」で、前者はジェフリー・バトルさん振り付け、後者はゾウ選手のコーチでもあるドリュー・ミーキンスさんとアイスダンスソチ五輪王者のチャーリー・ホワイトさんが振り付けを担当しているそうです。
 ショートはイギリスのロックバンド、スノウ・パトロールの代表曲を、“Cinematic Pop”というクラシカルクロスオーバーのボーカルグループがカバーしたバージョンを使用。原曲よりクラシックに近く、壮大なバラードになっています。シニア1年目にもかかわらずあえて王道のクラシックなどではなくロックソングのカバーを持ってきたところにチャレンジ精神を感じますね。
 一方、フリーは1996年公開の『ロミオ+ジュリエット』のサントラを使用。ディカプリオ主演の“ロミジュリ”といえばかつて羽生結弦選手も使用し代表作としましたが、若くフレッシュな男子選手にしか表現できない甘美だったり初々しさというのが、この“ロミジュリ”にはよく合うと思うので、ゾウ選手ならではの“ロミジュリ”に期待したいと思います。


 同じくアメリカ男子のグラント・ホフスタイン選手は自身の公式サイトで、SPが「僕の歌は君の歌 映画『ムーラン・ルージュ』より」、フリーが「オール・アイ・アスク・オブ・ユー ミュージカル『オペラ座の怪人』より/ミュージック・オブ・ザ・ナイト ミュージカル『オペラ座の怪人』より」、両方ともピーター・オペガードさん振り付けであると記しています。
 SPはミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』の中で主演のユアン・マクレガーが歌う楽曲。元はエルトン・ジョンのヒット曲ですが、プログラムではユアン・マクレガーが歌うバージョンを使用するようです。壮大な曲想としなやかでスケール感のあるホフスタイン選手のスケートは合いそうですね。
 フリーはミュージカル『オペラ座の怪人』の楽曲2曲のメドレー。前者はインストゥルメンタルで後者は男性ボーカル入りのようです。数え切れないほど演じられてきた『オペラ座の怪人』をホフスタイン選手が演じるとどんな雰囲気、空気感になるのか、どうしても今までの「オペラ座の怪人」と見比べられてしまう部分はあると思うのですが、ホフスタイン選手にしか演じられない世界があると思うので楽しみですね。


 今年の全米選手権銅メダル、アイスダンスのマディソン・ハベル&ザカリー・ドノヒュー組も自身の公式サイトでプログラムを明かし、SDは「Le Serpent/Cuando calienta el sol」、FDが「Caught Out In The Rain/Across The Sky」であることがわかっています。
 今シーズンのショートダンスの課題は、パターンダンスがルンバ、クリエイティブパートがラテンダンスから選択と決まっています。そんなハベル&ドノヒュー組のSDは、アルジェリアのパーカッション奏者グエムの「Le Serpent」と女性歌手タリア・フェロが歌う「Cuando calienta el sol」のメドレープログラム。前者は全編パーカションが奏でるリズミカルなナンバーで、後者はどことなくけだるい情感のあるスローナンバーです。「Le Serpent」の方はアフリカ音楽なのでラテンというわけではないのですが、リズム的にはラテンっぽい感じもしないでもなく、「Cuando calienta el sol」の方がいかにもラテンっぽい感じがします。
 フリーはアメリカの歌手べス・ハートの「Caught Out In The Rain」とイギリスの歌手ラグ・アンド・ボーン・マンの「Across The Sky」のインストゥルメンタルバージョンのメドレー。前者はブルースロックの歌手の楽曲で、ハスキーな女性ボーカルが特徴的なクールでドライな雰囲気。後者は最近デビューアルバムを発表したばかりの新進気鋭の若手歌手の楽曲でこちらもカッコいい雰囲気の楽曲で、全体的にクールな世界観のプログラムになるのかなと思いますね。


 チェコのベテラン、ミハル・ブレジナ選手は自身のフェイスブックにおいて、SPが「鼓童」、フリーが「スタンド・バイ・ミー/Human」であると綴っています。
 ショートは日本の和太鼓グループの鼓童の楽曲を使うようですが、楽曲の詳細は不明です。ただ、ブレジナ選手は10/11、11/12シーズンのSPでも鼓童の音楽を使用したプログラムを演じていますし、その時と大体同じ感じになるのか、ガラッと内容を変えるのかは不明ですが、それだけ鼓童の音楽に惹かれ、思い入れが深いということなのだろうなと思いますね。
 フリーはそれぞれ異なる歌手の楽曲で、「スタンド・バイ・ミー」はかの名曲をアメリカのロックバンド“bootstrap”がカバーした楽曲。「Human」はハベル&ドノヒュー組のところでも上述したラグ・アンド・ボーン・マンのヒット曲です。ポップソングとロックソングのメドレープログラムというのはブレジナ選手にしては珍しい選曲だなという気がするのですが、ベテランが集大成のシーズンにどんな新境地を拓くのか楽しみですね。


 韓国の有望株、今年の冬季アジア大会で優勝したチェ・ダビン選手は、SPが宮本賢二さん振り付けの「パパ、見守ってください 映画『愛のイエントル』より」、フリーがニキータ・ミハイロフさん振り付けの「アイ・フィール・プリティ ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」より/マリア ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」より」であることが判明しています。
 ショートはキム・ヨナさんや村上佳菜子さんも使用したバーブラ・ストライサンド主演映画の劇中曲。しっとりと壮大な曲調をチェ選手がどう表現するかにも注目ですし、チェ選手が宮本さん振り付けのプログラムを滑るのは初めてだと思うので、そちらの化学反応も楽しみにしたいですね。
 そしてフリーはおなじみのミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」からの抜粋。全編的にボーカル入りなのか、一部ボーカル入りなのかなどはわかりませんが、明るく華やか、ダンサブルな作品ですから、チェ選手らしさを活かしたプログラムになりそうですね。


 同じく韓国のパク・ソヨン選手は、SPが「映画『ブラック・スワン』より」、フリーが昨季と同じ「恋のアランフェス」となるそうです。
 この記事の中でもすでに2度登場している「ブラック・スワン」。元々チャイコフスキーの「白鳥の湖」を下敷きにしている分、世界的に知られていて演じやすいというのもあるでしょうし、それに加えてわかりやすい“白鳥”ではなく、より複雑で重層的な“黒鳥”を演じるという変則性も人気の理由なのかなと思います。どうしてもほかの女子選手の「ブラック・スワン」と比べられてしまうかもしれませんが、最近妖艶さも身につけてきた朴選手ならではの“黒鳥”を見せてほしいですね。
 フリーは昨季からの継続ですが、16/17シーズンは足の骨折でシーズン後半を休養に当てざるをえなかったということもあり、「恋のアランフェス」も不完全燃焼で終わっていたと思うので、今季こそプログラムとして完成させられることを祈っています。



 この記事はひとまずここで終了です。が、まだまだいろんな新プログラム情報が入ってきていますので、まとまり次第続きの記事をアップしたいと思います。では。


:記事内の画像は全て、マルチメディアサイト「Newscom」から引用させていただきました。

【参考リンク】
All is not lost for U.S. figure skaters at disappointing worlds 記事内にワグナー選手のプログラムについての言及があります。
Gracie Gold unveils Olympic season programs ゴールド選手のプログラムについて報じた記事です。
The Inside Edge: Edmunds returns following layoff エドマンズ選手の近況について報じた記事です。

【ブログ内関連記事】
宮原知子選手、17/18シーズンのプログラムを発表&新プログラム情報② 2017年8月8日

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by hitsujigusa | 2017-07-22 00:25 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)