宮原知子選手、17/18シーズンのプログラムを発表&新プログラム情報②

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 前記事に引き続き、日本を含む世界のトップ選手たちの17/18シーズンの新プログラム情報を書いていきます。


 まずは宮原知子選手から。
 宮原選手はアイスショーなどでプログラムを明かし、SPは「映画『SAYURI』より」でローリー・ニコルさん振り付け、フリーは「蝶々夫人」でトム・ディクソンさん振り付けであることが判明しています。
 ショートの「SAYURI」は女子選手の中では定番となっている映画音楽。日本を舞台にした芸者が主人公の映画ということもあって、日本女子選手には特に人気ですね。映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズ作曲で、和の要素をふんだんに盛り込みながらもハリウッドらしい壮大感もあり、繊細な表現を元々得意とし、最近は力強い滑りにも迫力が出てきた宮原選手にとっては取り組みやすい選曲と言えるかもしれません。とはいえ「SAYURI」の中でもいろんな曲があるので、どの部分を使い、どう編集するかによっても印象は変わってくると思うのですが、アイスショーでの演技を拝見しますと、前半はしっとりと、終盤は比較的アップテンポに激しくという緩急のハッキリした構成になっていて、短い時間の中でもスケーティング技術や表現の技術をアピールしやすいプログラムになっているのかなと思いますね。
 そしてフリーは王道の「蝶々夫人」。荒川静香さん、太田由希奈さん、安藤美姫さん、浅田真央さんといった日本女子フィギュアの歴史を築いてきたそうそうたるメンバーが演じてきた、日本女子選手にとっては特別な意味を持つ作品です。過去のプログラムと比べられる難しさもあると思いますが、宮原選手にしか演じられない「蝶々夫人」にきっとなるでしょうから楽しみですね。日本人女性が主人公のストーリーという点で「SAYURI」と雰囲気、世界観的に被る部分もあるのかなという気もしますが、「SAYURI」の演技を見るとそこまでストーリーを意識した感じにはなっていないので、どういうふうに演じ分けられるのかというところに注目したいと思います。
 その宮原選手に関してはアイスショー「THE ICE」の大阪公演の後に足首を捻挫し、予定していた名古屋公演出演をキャンセルするというアクシデントが発生。捻挫自体は軽傷のようで大事を取ってのキャンセルのようですが、昨季の怪我からの回復途上ということもありますし、もしかしたら一日でも早く本来のジャンプを取り戻そうという気持ちもあるかもしれませんが、頑張りすぎず適度なペースで調整をしてほしいですね。


 昨季大きな飛躍を遂げた三原舞依選手もアイスショーで新プログラムをお披露目しています。

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 SPはブノワ・リショーさん振り付けの「リベルタンゴ」、フリーはデイヴィッド・ウィルソンさん振り付けの「ガブリエルのオーボエ 映画『ミッション』より」です。
 ショートはアストル・ピアソラの代表的なタンゴ。数多のスケーターが演じてきた定番のタンゴです。情熱的で妖艶な曲想は今までの三原選手にはない新たな挑戦となると思いますが、アイスショーでの演技を見る限り今の時点でもかなり習得できているなと感じましたね。細かな部分の表現はまだまだこれからでしょうが、元アイスダンサーのリショーさん特有の複雑なステップにもうまく対応していて、これから滑りこなれて三原選手がプログラムの色に染まっていくのが楽しみですね。
 フリーは映画『ミッション』のサントラの中でも特に知られる「ガブリエルのオーボエ」。作曲は映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネで、穏やかでありながら壮大な曲調が印象的です。どちらかというと曲調の変化の激しくないプログラムになるのかなと想像しますが、三原選手のスケーティングの滑らかさや雄大さを活かせるプログラムになりそうですね。


 日本男子のベテラン、無良崇人選手はインタビュー記事でプログラムを発表し、SPは「Too Close」でマッシモ・スカリさん振り付け、フリーは「オペラ座の怪人」でチャーリー・ホワイトさん振り付けであることがわかっています。
 SPはイギリスの歌手アレックス・クレアの楽曲。インタビューによるとフリーの方が先に決まっており、そのフリーと180度違うものを表現したいと考えて選んだ曲とのことで、「純粋に格好良さを出した」プログラムであると無良選手は語っています。元々無良選手は男らしい男くささ、ワイルドさや豪快さが持ち味ですから、集大成のシーズンに、いかにも無良選手らしい、というプログラムが見られることは嬉しいですね。
 一方のフリーは14/15シーズンにも演じた「オペラ座の怪人」。ただ、以前とは振り付け師が違うので、全く新しい「オペラ座の怪人」になりそうですね。「オペラ座の怪人」を再び演じることにした理由について無良選手は、「自分としても良い印象があった」「さらに良いものができるという自信があった」と話していて、以前の「オペラ座の怪人」で得たものを引き継ぎつつ、今の無良選手だからこそ演じられる「オペラ座の怪人」になると思うので、今からお披露目が待ち遠しいですね。


 日本女子の実力者、本郷理華選手もインタビュー記事でプログラムについて明かし、SPは昨季と同じ「カルミナ・ブラーナ」、フリーは「映画『フリーダ』より」とのことです。
 ショートは2季連続で「カルミナ・ブラーナ」。本郷選手にとって昨季は不完全燃焼に終わったということも選曲の理由としてあると思いますが、プログラム自体は本郷選手のダイナミックなスケートによく合っていて、継続させることでますます進化していく伸びしろを持ったプログラムだと感じるので、良い選択だと思います。
 フリーはメキシコの画家フリーダ・カーロの人生を描いた映画『フリーダ』のサントラを使用。フィギュア界ではほとんど使われない作品・音楽なので、どういったプログラムになるのか未知数ですが、ほかの選手と全く被らないプログラムを演じるということで唯一無二のオリジナリティーを表現できれば、おもしろい作品になりそうだなと思いますね。


 昨季全日本2位となった田中刑事選手はすでに試合でプログラムを披露しており、SPは「Memories」、フリーは昨季と同じ「フェデリコ・フェリーニ・メドレー」です。
 ショートは荘厳な雰囲気を漂わせるブルース。昨季まで2シーズンに渡って演じたSP「ブエノスアイレスの春」と雰囲気は違いますが、大人の男の色気や渋さを感じさせるという意味では共通点も多いプログラムかなと思います。そういった部分で継続性もあり、「ブエノスアイレスの春」の延長線上として演じやすく、体にもなじみやすい選曲ではないでしょうか。
 フリーは昨季からの持ち越しである「フェデリコ・フェリーニ・メドレー」。田中選手にとっては初めてのGPのメダルや全日本の表彰台をつかんだ記念碑的なプログラムでもあり、その一方で世界選手権で出し切れなかったという悔しさも残るプログラムだと思うので、再び見られるのは嬉しいですね。ダイナミックでありながら細かな遊び心も織り交ぜられたコミカルなプログラムは田中選手の新たな魅力を引き出していて、2シーズン目はさらに進化することが予想されますので楽しみです。


 ここからは海外勢です。
 世界選手権2017銅メダリスト、カナダのガブリエル・デールマン選手はツイッターやインスタグラムで新プログラムを発表。

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 SPは「カルメン」、フリーは「グラディエーター・ラプソディー 映画『グラディエーター』より」だそうです。
 ショートは大定番中の大定番「カルメン」。元々パワフルな表現には定評があり、最近ではそこに柔らかさやしなやかさも加わって表現が多彩になってきたデールマン選手がどんな“カルメン”を見せてくれるのかワクワクします。
 フリーは古代ローマの剣闘士を描いた大ヒット映画『グラディエーター』のサントラを使用したプログラムとのことで、デールマン選手得意の勇ましさやダイナミックさが活かされたプログラムになるのかなと思いますが、上述したように最近のデールマン選手は男性的な力強さだけでなく女性的な表現もうまくなっていますから、そういったメリハリが織り交ぜられたプログラムになるとおもしろそうだなと思いますね。


 ロシアのベテラン、セルゲイ・ボロノフ選手はロシアフィギュアスケート連盟の公式サイトのインタビューでプログラムを明かし、SPは「タンゴ」、フリーは「Sarabande Suite(Aeternae)」を演じるそうです。
 ショートはピアソラのタンゴ、とのことですが、具体的な曲名は明かされていません。なので現時点では何とも言えませんね。
 フリーはアメリカのグループ“Globus”の「Sarabande Suite(Aeternae)」という曲。ドイツ出身の作曲家ヘンデルの「サラバンド」を大胆にアレンジし歌詞を付け加え現代的にした曲で、クラシックの趣きも大いに残っていて壮大で神々しい曲想となっています。ボロノフ選手は16/17シーズンのフリーでも壮大なオーケストラを用いたミューズの「エクソジェネシス交響曲第3部」を演じましたが、定番のクラシックよりもクラシカルクロスオーバーみたいなものの方が好きなのかもしれませんね。


 アメリカの実力者コートニー・ヒックス選手は自身のインスタグラムを通じてプログラムを発表。SPは「ノクターン 映画『ラ・カリファ』より」、フリーは「アメイジング・グレイス」です。
 ショートは1970年公開のイタリア映画『ラ・カリファ』の中でも特に知られる楽曲を使用。16/17シーズンに樋口新葉選手がショートで用いたことで日本のフィギュアファンにはおなじみですね。三原選手のところでも言及したエンニオ・モリコーネ作曲で、力強くもどこかもの悲しく壮大な曲想が印象深いですね。
 フリーはおなじみの賛美歌で、ヒックス選手が使うのは男性ボーカル入りです。こちらも壮大かつ神聖な世界観で、ダイナミックな表現が持ち味のヒックス選手によく合いそうです。もちろん賛美歌なのでしっとりとした趣きもあり、そういった緩急、表現面においてのメリハリが注目点かもしれません。



 今回はここまで。いつになるかはわかりませんが、新プログラム情報③に続きます。


:宮原選手の画像、三原選手の画像は、マルチメディアサイト「Newscom」から、デールマン選手の画像はマルチメディアサイト「Zimbio」から引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
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by hitsujigusa | 2017-08-08 16:39 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)