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フランス国際2017・女子&アイスダンス―アリーナ・ザギトワ選手、フリー歴代2位の高得点でGP2勝目

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 グランプリシリーズ17/18、第5戦のフランス国際がフランスのグルノーブルにて開催されました。グルノーブルでの開催は初めてで、大会の名称も昨季のフランス杯(Trophee de France)からフランス国際(Internationaux de France)へと変わり、今までとは少し違った雰囲気となりました(名称に関しては今年もフランス杯としているメディアが多いですが、当ブログではフランス国際とします)。
 そんな装いを新たにした今年のフランス大会の女子を制したのは、ロシアの新星アリーナ・ザギトワ選手。フリーでは世界歴代2位のハイスコアを叩き出し、ショート5位から逆転優勝を果たしました。2位に入ったのは同じくロシアのマリア・ソツコワ選手で、こちらもパーソナルベストをマーク。3位は世界選手権2017銀メダリスト、カナダのケイトリン・オズモンド選手となっています。
 アイスダンスは地元フランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組が自身が持つ世界最高得点をまたもや更新し圧勝しました。

ISU GP Internationaux de France 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 圧巻の優勝劇を繰り広げたのは世界ジュニア女王、アリーナ・ザギトワ選手です。

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 SPは前半はスピン、ステップシークエンスのみの構成で、2つともいつもどおり丁寧にこなしてレベル4と高い加点を取ります。後半に入り最初のジャンプは得点源の3ルッツ+3ループ、しかしファーストジャンプが回転不足となった上に転倒してしまいます。続いて単独の予定だった3フリップに3ループを付けますが、こちらも回転が足りずステップアウト。最後の2アクセルは難なく決め、終盤の2つのスピンもまとめましたが、ザギトワ選手は放心したような表情を見せました。得点は62.46点で5位にとどまります。
 フリーもジャンプは全て後半の予定。ゆったりとした曲調の中、コレオシークエンス、スピン、ステップシークエンスをこなし、ようやく後半、最初はショートで失敗した3ルッツ+3ループ、これを今度は完璧に着氷させます。次いで2アクセル+3トゥループも成功。3フリップからの3連続も下り、得点源となるコンビネーションジャンプを全てクリーンに決めます。残り4つの単独ジャンプも小気味よく、「ドン・キホーテ」の軽やかなリズムに合わせるようにポンポンと成功させ、観客から万雷の拍手を送られました。得点は世界歴代2位となる151.34点でもちろん1位、総合1位と一気に追い上げてGP2勝目を上げました。
 SPはまさかのミスの連続で、さすがのザギトワ選手も優勝を意識してプレッシャーがかかってきたのかと思わせられましたが、フリーは一転、圧巻としか言いようのない素晴らしい演技でしたね。そして何といっても151.34点。150点を超えたのは世界最高得点保持者のエフゲニア・メドベデワ選手と、バンクーバー五輪金メダリストのキム・ヨナさんしかいませんから、シニア1年目で、しかもまだシーズン前半のこの時期に偉大なる先輩たちに肩を並べたというのは凄いという言葉しか出てきません。それでもまだ今季は減点のないショートというのは一度もなくて、これでショートを完成させたらどんな高みまで上り詰めてしまうんだろうと、今から次戦のファイナル、さらにはその先のオリンピックが楽しみなような怖いような気がして仕方ないですね。また、フリー150点台というパーソナルベストを叩き出したことによって、世界女王のメドベデワ選手の絶対的な立場にも多少は影響を与えるというか、もし彼女にほんの少しでも乱れがあれば、場合によってはザギトワ選手に足をすくわれる可能性もあるんじゃないかという気もします。技術点では単純に基礎点の合計ではザギトワ選手がメドベデワ選手を上回りますし、さらに加点を稼ぐという点においてもザギトワ選手はメドベデワ選手に引けを取りません。演技構成点でもザギトワ選手は今回のフリーですでに9点台目前まで到達しているので、次戦でまた同じような演技をすれば確実に9点台には乗せてくるでしょうから、そういった意味でもジリジリとメドベデワ選手に迫り、脅威になってきているなと感じますね。
 驚異の大型新人ザギトワ選手が今季中に一体どこまで得点を伸ばしていくのか、オリンピックの優勝争いにも絡んでくるのか等々、興味は尽きませんが、まずは次のファイナルでどんな演技を見せてくれるのか要注目です。フランス国際優勝、おめでとうございました。


 2位はロシアの有望株マリア・ソツコワ選手です。

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 ショート冒頭は3ルッツ+3トゥループ、両方のジャンプで片手を上げて跳びクリーンに着氷させます。後半の3フリップは着氷でオーバーターン。最後の2アクセルは問題なく決め、67.79点で2位と好位置につけます。
 フリーもまずは3ルッツ+3トゥループ、これをパーフェクトに成功させると、次いでショートではミスのあった3フリップもしっかり着氷。レベル4のレイバックスピンとステップシークエンスをこなして後半、まず3ループをスムーズに決めると、3+1+3も着氷。その後も全てのジャンプを予定どおりに決め、自己ベストの140.99点でフリーも2位、総合2位で2年連続となるファイナル進出を決めました。
 ショート、フリーともに大きなミスなくまとめ、安心感を持って見ていられる演技だったなと思います。スケートカナダでも2位でしたがこの時は細かい回転不足がいくつもあったので、同じ2位でもまた意味合いの異なる、価値の違う2位なんじゃないかなと感じますね。また、シニアデビューシーズンだった昨季と比べて今季はぐっと表現力がアップしたなという印象で、元々エレガンスさが持ち味のスケーターですが、今季のSP「白鳥の湖」とフリー「月の光」はそうしたソツコワ選手の魅力をよく引き出せていて、プログラムに体がしっかりなじんでいる感じが見て取れます。
 ファイナルでもソツコワ選手らしい演技を見せて、オリンピック選考にも繋げてほしいですね。


 3位はカナダのケイトリン・オズモンド選手です。

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 SP冒頭は得点源の3フリップ+3トゥループ、これはセカンドジャンプが2回転になり予定どおりとはならず。続いて3ルッツも着氷で軽く手をつき減点。後半の2アクセルは問題なく決め、ステップシークエンス、スピンは全てレベル4とさすがの底力を見せつけ、69.05点で首位発進とします。
 フリーは前日決められなかった3フリップ+3トゥループから、今度はこれを完璧に決めて1.8点という極めて高い加点を獲得します。次の2アクセル+3トゥループは着氷でオーバーターン。直後の3ルッツはパーフェクトに成功させます。後半最初は単独の3ループ、しかしこれは転倒。ですが続く3フリップはクリーンに成功させ、さらに3+2+2のコンビネーションジャンプも決めます。最後の2アクセルは1回転になってしまい、演技を終えたオズモンド選手は複雑そうな表情を浮かべました。得点は137.72点でフリー3位、総合でも3位と順位は落としましたが、ファイナル進出は確定させました。
 昨季から継続しているショートではほとんどミスらしいミスがなく安定感抜群だったのですが、今大会はそのショートから綻びが見えて本来のオズモンド選手の姿ではありませんでしたね。フリーも後半はやはりスタミナの問題なのかミスが複数あり、終盤に向けてどんどん盛り上がっていく「ブラック・スワン」の力強さを表現し切れなかったかなと感じました。ただ、その中でもステップやスピンは丁寧にこなしていて取りこぼすことはなく、ミスがあっても余裕というのはうかがえましたね。
 ファイナルでは納得のいく演技をして、満面の笑みが見られることを願っています。


 4位となったのは日本の三原舞依選手です。

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 ショートはまず得点源の3ルッツ+3トゥループから、ファーストジャンプはクリーンでしたが、セカンドジャンプがフェンスに近づきすぎたためか途中で空中がほどけてダウングレード(大幅な回転不足)で下りてしまいます。動揺を引きずったのか直後のスピンもレベル2と取りこぼし。後半の2アクセルと3フリップはクリーンに成功させ、終盤のステップシークエンスとスピンはレベル4と丁寧にこなし、64.57点で4位につけます。

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 フリーも冒頭は3ルッツ+3トゥループ、これは流れと余裕のあるランディングで1.2点の加点を得ます。続いてコレオシークエンスも柔らかなスケーティングで魅せ加点1.1。2アクセルを難なく決め、前半は予定どおりにクリアします。後半に5つのジャンプ要素を固め、最初は3フリップを完璧に成功。次いで2アクセル+3トゥループでしたが、2アクセルの着氷で若干こらえて単独に。3ループからの3連続ジャンプは最後のジャンプで詰まり加点は伸びず。続く単独の3ルッツに急遽3トゥループを付けてきれいに成功。最後の3サルコウは両手を上げて跳び切り、フィニッシュした三原選手は喜びを露わにしました。しかし得点は137.55点とシーズンベストには及ばず5位、総合4位と表彰台には届きませんでした。
 中国杯、今大会とも4位と表彰台まであと一歩の惜しい試合が続いた三原選手。両大会ともやはりショートでのちょっとした出遅れが最後まで響いていて、フリーは安定感があるだけにもったいないなという印象ですね。昨季の後半からショートで出遅れてフリーで挽回するという試合が多く、三原選手の中でショートに対する苦手意識がないといいのですが、中国杯も今大会も慎重さ、硬さが気になりましたね。そしてもう一つ懸念としてはフリーの点が今ひとつ伸び悩んだことで、目に見えて分かりやすいジャンプの失敗はなかったにもかかわらず思ったほど演技構成点が伸びておらず、演技そのものがまだジャッジから確固たる評価を得られていないのかなという感じがしました。ただ、これはショートからの流れというのもあって、ショートで三原選手らしい演技をすることでフリーにも繋がってくると思うので、やはり鍵はショートと言えますね。
 次戦はオリンピックが懸かる全日本選手権になると思いますが、ショートから思い切りの良い演技で向かっていってほしいと思います。


 5位はカザフスタンのエリザベート・トゥルシンバエワ選手です。

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 SPは「カルメン・ファンタジー」。冒頭は3ルッツ、これは踏み切りのタイミングが合わずパンクして1回転となったため無得点に。しかし後半のサルコウ+3トゥループはセカンドジャンプで両手を上げて加点を稼ぎ、2アクセルもクリーン。スピン、ステップシークエンスもおおむねコンスタントに加点を積み重ねて、62.29点で6位となります。
 フリーは「The Prayer」。まずは得意の3ループから、これをクリーンに決めると、ショートで失敗した3ルッツも完璧に成功。さらに3フリップも着氷と、それぞれのジャンプで1点前後の加点を獲得します。後半に入り最初の3サルコウを下りると、2アクセル+3トゥループ+2トゥループ、2アクセル+3トゥループと続けて成功。3サルコウ+2トゥループも着氷させ、終盤のステップシークエンス、スピンでも高評価を得て、演技を終えたトゥルシンバエワ選手は納得したような笑みを浮かべました。得点は138.69点でフリー3位、総合200.98点と初めて200点台に乗せ5位となりました。
 ショートは3ルッツがパンクで0点とかなり痛いミスがありましたが、その後の切り替えが見事でしたね。今季から手を上げて跳ぶようになった3+3もそうですが、そのほかのスピンやステップシークエンスも非常に細やかで上手になっていて、演技構成点にも反映されていました。そしてフリーは全てのジャンプがクリーンで余裕のある着氷で高めの加点が付いていて、これまでのトゥルシンバエワ選手といえばジャンプは回転不足が多く、成功させてもギリギリの着氷であまり加点が付かない選手というイメージだったのですが、今大会は良い意味でイメージを裏切られました。体はフィギュア界随一と言ってもいいくらい華奢で、ジャンプも回転の速さ、軸の細さで回り切っているという印象ですが、今季はそこに両手を上げて跳ぶという工夫を加えて見栄えの良いジャンプになっていて、さらにスケーティング技術も進化の跡がうかがえて、こういった演技を続けていけば今季は飛躍のシーズンになるかもしれませんね。


 6位は日本の新星、白岩優奈選手です。

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 SP冒頭は3ルッツ+3トゥループから、回り切って着氷し加点を得ます。後半に2つのジャンプを組み込み、2アクセル、3フリップ、それぞれクリーンに成功。スピンは全てレベル4とそつなくまとめ、自己ベストとなる66.05点で3位と好発進します。

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 フリーもまずは3ルッツ+3トゥループ、これをショート同様にきれいに決めると、続く2アクセルも難なく着氷し上々のスタートを切ります。後半は3+3+2という難しい3連続ジャンプからでしたが、全て回り切って成功。さらに3サルコウを下り、3フリップは踏み切りのエッジが不正確と判定され若干減点は受けましたが、次の2アクセル+2トゥループも成功とノーミス。一番最後の要素として3ループを用意していましたが、回転不足となり転倒。フィニッシュした白岩選手は嬉しいような残念なような笑顔を見せました。フリーも自己ベストの127.13点で6位、総合6位となりました。
 フリーの最後の最後に転倒で惜しかったですが、1週間前のNHK杯からは別人のようなのびのびした演技で素晴らしかったですね。元々ジャンプは得意な選手なので、決して驚くべき演技ではないかもしれませんが、NHK杯が終わってじっくり練習する間もなくフランスへ移動で、疲れも時差もある中でのノーミスに近い内容ですから、やはり称賛に値すると思います。また、表現面でもNHK杯では控えめになってしまった白岩選手らしさ、魅力が表れていて、清らかで可憐な雰囲気のショート「亜麻色の髪の乙女」から一転、フリーはところどころもの悲しいようなダークな旋律も入り混じる「展覧会の絵」を緩急をつけて演じていて印象に残りました。
 全日本選手権では今度こそ、最初から最後まで満足いく演技ができるよう、怪我なくマイペースで調整してほしいですね。



 ここからはアイスダンス。

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 アイスダンスを制したのは前世界王者、フランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組。SDはパーシャルステップシークエンス以外は全てレベル4とハイレベル&ハイクオリティーなエレメンツを揃え、81.40点とパーソナルベストを0.1点更新し断トツで首位に立ちます。FDも後半のステップがレベル3になった以外は全てレベル4で、しかも全ての要素でほとんどのジャッジが満点となる加点3を与える完全無欠な演技を披露し、自身が持つ世界最高得点をさらに更新する120.58点をマーク、トータルでも世界最高の201.98点を記録し、2位以下を全く寄せつけることなく圧巻の優勝となりました。
 2週間前の中国杯でアイスダンス史上初めての総合200点超えを達成したパパダキス&シゼロン組ですが、自国フランスでその偉大な記録をさらに塗り替え、オリンピックに向けていよいよ加速してきたなという感じですね。パパダキス&シゼロン組の敵としては現世界王者のテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組しかいませんが、それ以上に怖いのは自分たち自身のメンタルだと思うので、あとはオリンピックでも平常の演技をする精神をどう養うかという段階に足を踏み入れつつあるのかなと思います。少々気がはやってしまいましたが、その前にヴァーチュー&モイア組と直接対決するファイナルが待ち構えていますから、一つ一つ目の前の試合でベストな演技ができることを願っています。フランス国際優勝、おめでとうございました。

 2位に入ったのはアメリカの実力者マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組です。SDは2つのステップがレベル3にとどまり思ったほど技術点を伸ばせず、自己ベストから5点ほど低い得点で2位。FDはツイズルで男性のベイツ選手にミスがありレベル3と取りこぼしがあり、こちらも自己ベストから5点ほど低い得点で2位と、少し不完全燃焼の内容に終わりました。
 中国杯2位の結果と合わせて4年連続となるファイナル進出を決めたチョック&ベイツ組。フリーでのツイズルのミスは、ままあることと言えばままあることなので、次戦ではきっと修正してくるのではないかと思います。ファイナルで表彰台争いに食い込むためには細かなミスも許されないので、ステップのレベルの取りこぼしもより少なくしていきたいですね。

 3位はロシアのアレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン組。SDはパターンダンスがレベル2とレベルを取り切れず、自己ベストから2点ほど低い得点で3位となります。フリーはステップ2つとローテーショナルリフトがレベル3となったものの、加点は全てのエレメンツで1点以上稼ぎ、先日のロステレコム杯でマークした自己ベストまで1点もないスコアをマークし4位、総合では3位となり、ロステレコム杯に続き銅メダルを獲得しました。
 細かい取りこぼしはありましたが、GP参戦5季目で初めて2試合ともでメダル獲得ということで、安定感が増してきましたね。ロシアはアイスダンスも層が厚く、どのカップルも絶対安泰とは言えないので、まずGPで安定した結果を残せたというのは大きなアピールになるでしょうね。ファイナル進出の可能性は現時点で皆無ですが、ロシア選手権に向けて良い弾みをつけられたのではないかと思います。



 フランス国際2017、女子&アイスダンスは以上です。
 5戦が終わった現時点でのファイナル進出決定者をまとめますと、まず女子はメドベデワ選手、ザギトワ選手、オズモンド選手、カロリーナ・コストナー選手、ソツコワ選手の5人がすでに決定済み。ということで残り1枠のみとなってしまいました。この1枠に入る可能性があるのは、すでに2試合終えて24ポイントを獲得している樋口新葉選手、第6戦のアメリカ大会に出場予定のポリーナ・ツルスカヤ選手とアシュリー・ワグナー選手の3名。ツルスカヤ選手、もしくはワグナー選手がアメリカ大会を制した時点で樋口選手のファイナル進出の可能性は消え、ツルスカヤ選手、ワグナー選手どちらかが2位となった場合は樋口選手とポイントで並ぶため、2大会のスコアの合計得点が高い方がファイナルに進みます。こうしたいろんな条件を並べてみると、樋口選手がファイナルに進むのは非常に狭き門になったと言わざるをえません。特にツルスカヤ選手はNHK杯で極めて好調な滑りを見せていて、アメリカ大会も優勝候補筆頭と言って差し支えないでしょうから、樋口選手はなかなか厳しい状況ですね。中国杯終了時点では6人目争いがここまでギリギリのせめぎ合いになるとは思わず、樋口選手のファイナル進出は濃厚と記事に書いてしまいましたが、思えば2013年も女子は鈴木明子さんとコストナー選手が24ポイントだったにもかかわらずファイナルには進めなかったわけなので、そういったいろんな可能性を考慮するべきでした。それでも樋口選手に理論上、ファイナル出場のチャンスが残されていることは事実なので、せっかくの日本開催のファイナルですから、ぜひ樋口選手が出場できるよう祈りたいと思います。個人的にはアメリカ大会に出場する世界選手権メダリスト経験者たち―宮原知子選手、ガブリエル・デールマン選手、アンナ・ポゴリラヤ選手―に優勝争いに加わってもらって、言い方は悪いかもしれませんが試合を引っ掻き回して、良い意味で番狂わせを起こしてほしいなと願ってしまいます。
 一方、アイスダンスはパパダキス&シゼロン組、ヴァーチュー&モイア組、チョック&ベイツ組の3組が出場決定。アメリカ大会にロステレコム杯を制したマイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組や、NHK杯で3位だったアンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ組が出場してくるため、順当にいけばこの2組がワンツーフィニッシュでシブタニ兄妹はすんなりとファイナル決定。そしてカッペリーニ&ラノッテ組は24ポイントとなって、すでに2試合を消化して24ポイントを獲得しているマディソン・ハベル&ザカリー・ドノヒュー組、エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組と並ぶのでスコア合計での争いとなり、カッペリーニ&ラノッテ組がハベル&ドノヒュー組のスコア合計を上回るのは難しそうなのでハベル&ドノヒュー組はファイナル有力。カッペリーニ&ラノッテ組はボブロワ&ソロビエフ組を上回ることはできそうなのでカッペリーニ&ラノッテ組が6枠目に滑り込む、という予想が妥当なところかと思うのですがどうでしょうか。
 さて、フランス国際2017の記事は男子&ペアに続きます。


:女子メダリスト3選手のスリーショット画像は、スケート情報サイト「icenetwork」の公式サイトのフォトギャラリーから、ザギトワ選手の画像、ソツコワ選手の画像、オズモンド選手の画像、三原選手の画像、トゥルシンバエワ選手の画像、白岩選手の画像は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、アイスダンスメダリスト3組の画像は、フィギュアスケート情報サイト「europeonice.com」の公式ツイッターから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
フランス国際2017・男子&ペア―ハビエル・フェルナンデス選手、シーズンベストでGP7勝目 2017年11月22日

by hitsujigusa | 2017-11-21 02:00 | フィギュアスケート(大会関連)