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全日本選手権2017・女子&ペア―宮原知子選手、4連覇で五輪代表決定(後編)

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 前記事に引き続き、全日本選手権2017の女子とペアの結果について書いていきます。なお、前編はこちらからご覧ください。

第86回全日本選手権大会 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 女子の6位に入ったのは本郷理華選手です。

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 SPは得点源の3フリップ+3トゥループから、これを完璧に回り切り流れるようなランディングで決めると、後半の苦手の3ルッツも踏み切りのエッジが不正確と判定されたものの減点なくまとめ、最後の2アクセルもクリーンに成功。終盤のステップシークエンスでは気迫溢れる滑りで観客のスタンディングオベーションを誘い、フィニッシュした本郷選手は目に涙を浮かべました。得点は非公式ながら自己ベストを上回る70.48点で3位と好発進します。

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 フリーも冒頭は3フリップ+3トゥループ、これはセカンドジャンプの高さが足りず回転不足で下りてきてしまいます。続く3サルコウは片手を上げて跳び1点以上の加点。次いで鬼門の3ルッツでしたが、回転は充分だったものの転倒します。後半は最初の2アクセル+3トゥループ+2トゥループを決めますが、3ループで2度目の転倒。しかし、3+2、2アクセルと終盤のジャンプはまとめ、最後までエネルギッシュに滑り切りました。得点は127.14点でフリー8位、総合6位と順位を落としました。
 GPでは表現や滑りからは充実感がうかがえる一方で、ジャンプは細かな回転不足が重なりなかなか点数が伸びない試合が続いた本郷選手。念願の五輪出場のためには全日本優勝しかないという追い込まれた状況で迎えたSPは、五輪を諦めないという本郷選手の強い想い、気迫が演技の端々まで満ち満ちていて、思わず見ているこちらも息を呑むような迫力で圧倒されました。そしてフリーは演技序盤に転倒し、中盤にも再び転倒と、その時点で気持ちが萎えてしまってもおかしくない中、本郷選手の眼の力、体の動きの力強さは変わらず、改めて本当に芯の強い選手だなと感じました。
 最終的にはフリーでミスが出てしまい悔しさが残ったと思いますが、五輪を懸けたこの大会で本郷選手が見せたあのショートは間違いなく今年の全日本のハイライトの一つ、忘れられないシーンになりましたし、最後まで力を尽くしたという経験は本郷選手にとっても得がたい財産になるはずですので、今後のフィギュアスケート人生に活かしていってほしいですね。


 7位は今季シニアデビューの本田真凛選手です。

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 SP冒頭は3フリップ+3トゥループ、これをきっちり決めますが、後半の3ループは着氷で手をつきます。最後の2アクセルは無難にまとめ、スピンも全てレベル4と精度高くこなし、66.65点で6位につけました。

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 フリーはまず3ルッツで始まり、次いで3フリップと単独ジャンプを2本続け、どちらもしっかりまとめます。後半最初は得点源となる2アクセル+3トゥループ、これをきれいに決めます。しかし3ルッツからの3連続は3ルッツが2回転に。直後の3サルコウはクリーンに成功。2アクセル+3トゥループは一見クリーンな着氷に見えましたが、セカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)に。最後の3ループは2回転にとミスが重なり、演技を終えた本田選手は涙をこらえました。得点は126.72点でフリー9位、総合7位で大会を終えました。
 ショート、フリーともにミスが続いた本田選手ですが、正直本田選手の演技からは何が何でも自分がオリンピックに行くんだという覇気は感じられなかったですね。SP後のインタビューでは、「五輪選考会という感じはなかった」「緊張がなかった」といった話をしていて、個人的な感想としては、本田選手は自分がオリンピックに行くということを心のどこかで諦めていたのかなという印象を受けました。もちろん全日本に出場する全ての選手が五輪を目指す必要はなく、五輪どころか国際大会に出場するチャンスさえ与えられない選手も多い中、選手たちは各々の目標を設定して全日本に臨んでいるわけで、そうした目標に向かって精一杯滑っている選手の演技からはミスがあってもなくても何かしら伝わってくるものがあるのですが、本田選手はその目標を見失った状態で滑っているように見受けられましたね。そういった意味で、本田選手らしい溌剌さ、目が離せなくなるような華やかさが雲に隠れてしまったようで、少し残念でした。
 それでもフリー後に涙を流す本田選手の姿からは、真剣にフィギュアスケートに向き合ってきたんだなというのが感じられましたし、今まで自分がやって来たことが実を結ばなかったという悔しさが伝わってきました。本当の意味で本田選手の競技人生はここから始まっていくと思うので、シーズンの後半をどんなふうに過ごしていくのかはわかりませんが、次の夢に向かって頑張ってほしいと思います。


 8位は全日本ジュニア4位の横井ゆは菜選手です。

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 SPは「ライオン・キング」。冒頭の3フリップ+3トゥループは確実に回り切って着氷。後半に組み込んだ2アクセルは着氷で手をつきますが、最後の3ルッツは完璧な跳躍で加点1.1点の高評価を獲得。スピンは全てレベル4と取りこぼしなくこなし、62.68点で9位発進とします。

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 フリーは昨季から継続の「映画『バーレスク』より」。まずは得意の2アクセルを余裕を持って決めると、さらに3フリップも落ち着いて下り、3ループも成功と、前半は上々の滑り出し。後半にコンビネーションジャンプを固めた攻撃的な構成で、その最初の3+2をまずはクリーンに着氷。次いで単独の3ルッツ、そして3サルコウ+3トゥループを決め、プログラム最後の要素である2アクセル+3トゥループ+2トゥループを成功させると、派手なガッツポーズで歓喜を露わにしました。得点は非公式ながら自己ベストを大幅に上回る130.31点でフリー6位、総合8位となり、初入賞を果たしました。
 今大会において最も新鮮な驚きを与えてくれたのが横井選手でしたね。特にフリーは全ての要素に加点が付く本当にパーフェクトな出来で、しかも後半に3+3を入れたり、演技のいちばん最後に2アクセル+3トゥループ+2トゥループを跳んだりと、ミスをしたらリカバリーできないようなかなりリスキーで挑戦的な構成になっていて、驚かされるとともに、女子選手のジャンプ構成は大体みんな同じ感じになりやすい中で、ほかの選手がしないチャレンジングな試みをしていることに拍手を送りたい気持ちになりました。元々表現に力を入れている選手として知られている横井選手ですが、ジャンプも安定してくるとさらに伸びてくる選手だと思うので、今大会をきっかけに飛躍してくれることを願いたいですね。



 さて、ここからはペアです。

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 初優勝したのはペア結成3季目の須崎海羽&木原龍一組です!

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 SP冒頭は得点源のサイドバイサイドの3ルッツをしっかり着氷。3ツイストはレベル1となりますが、リフトやスピンは確実にレベル4を取り、非公式ながら自己ベストを上回る得点で首位に立ちます。フリーも3ルッツを最小限のミスに抑えますが、スロー3ルッツは転倒。しかし中盤の3+2+2の3連続ジャンプは成功させ、ほかのエレメンツも大きなミスなくこなし、ショートに続き自己ベストより高い点数をマークし、他のペアを寄せつけることなく完全優勝を果たしました。
 初出場した2年前は3位、そして昨年は2位と一段一段確実に階段を上がってきた須崎&木原組。今大会もミスは複数ありましたが、レベルの取りこぼしはかなり抑えられ、ペアとして成長したなと感じさせられましたね。今年はディフェンディング・チャンピオンの須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組が、須藤選手の体調不良による調整不足のため欠場。日本のペア2番手である須崎&木原組が自動的に優勝候補に繰り上がりましたが、今回須崎&木原組がマークしたスコアは160.71点、昨年の全日本で須藤&ブードロー=オデ組がマークしたのは160.25点ということで、須崎&木原組が須藤&ブードロー=オデ組にも匹敵する力をつけてきたことを示す結果となりました。とはいえ国際大会での経験はまだまだ須藤&ブードロー=オデ組には及ばないですし、ペアとしての一体感もこれからさらに強化していくポイントだと思うので、須崎&木原組の強みである難度の高いジャンプ構成に加えて、演技全体の完成度のレベルアップにも期待したいですね。全日本初優勝、おめでとうございました。

 2位となったのはペア結成2季目の高橋成美&柴田嶺組。SPはミスが重なり最下位の3位にとどまりましたが、フリーは2位と挽回し、総合2位で銀メダルを獲得しました。
 ペアを結成してまだ2季目ということで、ペアとしての成熟はまだまだこれから、そしてジャンプの安定感も課題というペアなのですが、SPのステップシークエンスではしっかりレベル4が取れていますし加点もまずまずついていて、スケーティングが強みのペアなのかなと感じました。自分たちの強みを存分に活かして、ウィークポイントをどんどん強化して、日本のペア界を盛り上げる存在になっていってほしいと思います。

 3位はジュニアを主戦場としている三浦璃来&市橋翔哉組です。SPはミスを最小限にとどめて2位と好発進。フリーはミスが相次いで順位を落としてしまいましたが、シニア勢に交じってこの全日本を経験できたことは今季だけではなく、来季にも繋がっていくでしょうね。三浦&市橋組は世界ジュニアだけではなく、四大陸選手権にもエントリーするとのことですから、世界の舞台でどれだけ通用するのか思いっきりチャレンジしてほしいと思います。



 ということで、女子とペアの結果についてお伝えしてきましたが、この結果を受けて発表された平昌五輪、世界選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権の代表メンバーをまとめます(敬称略)。その前に、代表選考基準をおさらいします。


《平昌五輪代表選考基準(女子シングル)》

①全日本選手権大会優勝者を選考する。
②以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、①で選考された選手を含め2名に達するまで選考する。
 A) 全日本選手権大会2位、3位の選手
 B) ISU グランプリファイナル出場者上位2名
 C) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位3名
 D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位3名
 E) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3名


《平昌五輪代表選考基準(ペア)》

オリンピック最終予選で出場枠を獲得した場合、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する。
 A)全日本選手権大会最上位組
 B)全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング最上位組
 C)全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング最上位組
 D)全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコアの最上位組


《世界選手権代表選考基準(女子シングル)》

①全日本選手権大会優勝者を選考する。
②以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、①で選考された選手を含め2名に達するまで選考する。
 A) 全日本選手権大会2位、3位の選手
 B) ISU グランプリファイナル出場者上位2名
 C) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位3名
 D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位3名
 E) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3名


《世界選手権代表選考基準(ペア)》

以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する。
A)全日本選手権大会優勝組
B)全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位3組
C)全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位3組

D)全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3組


《四大陸選手権代表選考基準(女子シングル)》

全日本選手権大会終了時に、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する。
 A)全日本選手権大会10位以内
 B)全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位6名
 C)全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位6名
 D)全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位6名


《世界ジュニア選手権代表選考基準(女子シングル)》

①全日本ジュニア選手権大会優勝者を選考する。
②ジュニア対象年齢で派遣希望のある選手の中で、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、①で選考された選手を含め3名に達するまで選考する。
 A) 全日本ジュニア選手権大会2位、3位の選手

 B) ISU ジュニアグランプリファイナル出場者
 C) 全日本選手権大会参加者のうち上位3名
 D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位3名
 E) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3名


《世界ジュニア選手権代表選考基準(ペア)》

以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する。
 A) 全日本ジュニア選手権大会優勝組
 B)今シーズンのシーズンベストスコア最上位組(国内外公式競技会)



《平昌五輪代表》

女子シングル:宮原知子、坂本花織
ペア:須崎海羽&木原龍一組

《世界選手権代表》

女子シングル:宮原知子、樋口新葉
ペア:須崎海羽&木原龍一組

《四大陸選手権代表》

女子シングル:宮原知子、坂本花織、三原舞依
ペア:須崎海羽&木原龍一組、高橋成美&柴田嶺組、三浦璃来&市橋翔哉組

《世界ジュニア選手権代表》

女子シングル:紀平梨花、山下真瑚、横井ゆは菜
ペア:三浦璃来&市橋翔哉組




 まずはオリンピック代表から。
 女子は第一に全日本を制した宮原選手が優先的に選出。
 そして混戦となった2枠目ですが、各選考基準において「上位」と記載のある選考項目については、対象年齢に達していない選手や選考済みの選手は除外し繰り上げて対象とすると注意書きがなされているため、②の選考基準に関しては、今年の7月1日の時点で15歳に達していない選手や①で選ばれている宮原選手を除いた上で当てはまる選手をピックアップしていくことになります。という条件を考慮しますと、②のA)に該当するのは坂本選手、B)は樋口選手、C)は本郷選手、樋口選手、三原選手、D)は樋口選手、坂本選手、三原選手、E)は樋口選手、坂本選手、三原選手という面々に。当てはまる項目の数で言うと、樋口選手は4項目、坂本選手、三原選手は3項目、本郷選手は1項目となり、1項目しか該当しない本郷選手はまず除外せざるをえません。そして三原選手は3項目に該当するものの、宮原選手が①で選ばれた関係での繰り上がりによるものなので、こういった点からやはり選考の上では不利ですね。ということで、残るは樋口選手と坂本選手。該当する項目の多さでは樋口選手が坂本選手を上回っていますが、最終選考会である全日本の重要性というのを考えると、この試合にしっかりピークを合わせてきた坂本選手の実力というのは高評価に値しますし、シーズンを追うごとに上り調子になっているというのを考慮しても、樋口選手のGPでの安定感、シーズンベストスコアの高さをも上回るインパクトがあり、坂本選手を2人目として選ぶというのは妥当な答えかなと思います。
 一方、ペアは4つの項目に当てはまるペアから総合的に判断するとなっていますが、日本のトップペアである須藤&ブードロー=オデ組はブードロー=オデ選手が日本国籍を保持していないため五輪出場資格はなく、選考の対象とはなりえません。そんな中で須崎&木原組はA)、B)、D)の3項目に、三浦&市橋組がC)のみに当てはまるのですが、三浦&市橋組はまだジュニアでもありますし、須崎&木原組が選ばれるのがやはり順当ですね。


 そして世界選手権。女子の選考基準は五輪と全く同じで、当然全日本女王の宮原選手が1人目として選ばれましたが、2人目は五輪代表の坂本選手ではなく樋口選手が選出されました。このあたりからも、坂本選手と樋口選手の選考が接戦だったというのがうかがえますし、惜しくも五輪に届かなかった樋口選手にチャンスを与えたいという連盟の意思が感じられます。また、世界選手権は五輪と違って次の年の枠取りが懸かる舞台でもありますから、そういった点で世界選手権をすでに経験している樋口選手に3枠を取り戻す重要な任務を託すという意味深い選出なんじゃないかと思いますね。
 ペアは五輪代表選考基準とは少し違っていて、選考の幅をより広げる文言となっています。ただ、ペアは男女シングルとは違って、怪我や体調不良で全日本を欠場した有力選手に対する救済措置がなく、全日本出場が選考対象に入るための必須条件となっているので、全日本不出場だった須藤&ブードロー=オデ組は残念ながら対象から外れます。ということで、4つの条件全てに該当する須崎&木原組が選出となりました。


 四大陸は五輪直前とあって五輪代表選手が出場を希望するかが注目されましたが、宮原、坂本の両選手とも出場の意思を示したということで2人とも選出。そして全日本5位の三原選手が3人目として選ばれました。三原選手はワールドスタンディングやシーズンベストスコアでも上位に入っていますし、五輪も世界選手権も出られない分、四大陸でチャンスをという意義深い試合になりそうです。
 ペアは須崎&木原組に加え、高橋&柴田組、三浦&市橋組が選出。須崎&木原組は五輪へ向けての調整という意味合いが大きいですが、高橋&柴田組、三浦&市橋組にとっては初めてのシニアのISUチャンピオンシップになりますから(高橋選手は他パートナーとともに出場経験あり)、経験を積ませたいというところでしょうか。


 そして世界ジュニアの女子は、全日本ジュニアを制している紀平選手が最優先で選出。そして①の紀平選手を除いた上で、②の条件に当てはまる選手を挙げていきますと、A)は山下選手、荒木菜那選手、B)は①で選考済みの紀平選手しか該当しないためスルーして、C)は横井選手、山下選手、荒木選手、D)は山下選手、荒木選手、滝野莉子選手、E)は荒木選手、山下選手、滝野選手となっています。該当する項目の数では、山下選手、荒木選手ともに4項目、滝野選手は2項目、横井選手は1項目です。このうち2人目として選出されたのは山下選手で、山下選手は全日本ジュニアでも190点台をマークして2位、全日本でも10位、国際大会でも結果を残しているという安定感が評価された形ですね。一方、3人目として選ばれた横井選手はC)にしか当てはまらないわけですが、世界ジュニアの最終選考会である全日本でのあの爆発的な演技はやはりインパクト大でしたね。その点で、全日本ジュニアで3位だった荒木選手の方が国際大会での実績も上回っていますが、プレッシャーのかかる全日本で実力を発揮し切れず13位にとどまったというのが印象を悪くしてしまったかもしれません。
 ペアは全日本ジュニアを制し、シーズンベストスコアでも最上位の三浦&市橋組が言わずもがなで選出ですね。



 さて、全日本2017、女子&ペア編は以上です。4年に1度のオリンピックが懸かる全日本とあって、選手たちの意気込み、緊張感も並々ならぬものがあって、また、選手をリンクサイドで見守るコーチ陣からも例年とは違う空気感、思い入れの深さが感じられました。
 男子&アイスダンス編に続きます。


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by hitsujigusa | 2017-12-26 20:13 | フィギュアスケート(大会関連)