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平昌五輪・団体戦(女子フリー&アイスダンスFD)―カナダ、大差で初優勝

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 2月9日から11日にかけて行われた団体戦。この記事ではその女子フリー、アイスダンスFDについてお伝えします。なお、団体戦のルールについては、こちらの記事の冒頭をご覧ください。

Olympic Winter Games 2018 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 女子のフリーを制したのは欧州女王、OAR(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)のアリーナ・ザギトワ選手です。

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 すっかり代名詞となった後半に全てのジャンプを固める攻撃的な構成で五輪初演技に臨んだザギトワ選手。前半はコレオシークエンス、スピン、ステップシークエンスで確実にレベルを取り、また、加点を積み重ねます。そして後半、高難度の3ルッツ+3ループを完璧に決めて口火を切ると、2アクセル+3トゥループ、3+2+2と難しい連続ジャンプをポンポンと成功させます。終盤の3つの単独ジャンプも難なく下り、演技を終えたザギトワ選手はほっとしたように破顔しました。得点はパーソナルベストかつ世界歴代2位となる158.08点で圧巻の1位となりました。
 今季出場した全ての試合を制しているザギトワ選手ですが、相変わらずの安定感ととどまるところを知らない勢いでしたね。五輪の緊張感というのは微塵も感じられず、本当に自分の演技に集中しているというのが15歳とは思えない強靭な心臓の持ち主だなと思います。一方で得点に関してはさすがに出過ぎかなという感は否めず、技術点はさておいても、演技構成点はちょっと気前良すぎるんじゃないかなという気もします。これは4年前のソチ五輪のユリア・リプニツカヤ選手の時と同じ現象と言えますが、リプニツカヤ選手以上にザギトワ選手に対する演技構成点の上がり方は極端なので、少し疑問も感じます。
 また、得点に関してというわけではありませんが、全てのジャンプを後半に跳ぶという構成についてアメリカのアシュリー・ワグナー選手がツイッターで「これはプログラムではない」と疑問を呈して話題となりましたが、私としてもワグナー選手の意見に共感する部分はありますね。もちろんこれは競技ですから、後半に跳んだジャンプは1.1倍になるというルールを最大限利用することに何ら問題はないのですが、得点を稼ぐためにプログラムの芸術性を犠牲にしているのかなとも感じます。個人的にはザギトワ選手の「ドン・キホーテ」は好きなプログラムで、スローパートから始まって、曲調が激しくなる後半に怒濤のジャンプ連発という流れは痛快さもあって引き込まれるのですが、プログラムに引き込まれているというよりはジャンプのインパクトに圧倒されているという感じで、本当の意味でザギトワ選手の表現力だったりプログラムの美しさに魅入られているという感じはないですね。なので、全項目で9点台が並ぶ演技構成点が妥当な評価とは私には思えません。
 ただ、そうした採点は別にして、ザギトワ選手が魅力的なスケーターであるのは間違いないですし、後半に全てのジャンプを跳ぶ技術と体力、リスクを犯せるタフな精神には感服するしかなく、個人戦でも彼女らしい演技を楽しみにしたいですね。


 2位はアメリカのベテラン、長洲未来選手です。

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 冒頭は今季初成功させた大技3アクセル、これを回転、着氷ともにクリーンに決め1.57点の加点を得ると、続く3フリップ+3トゥループは着氷はわずかに詰まるもののしっかり回り切ります。さらに3サルコウも鮮やかに下り、最高の前半とします。後半に入っても勢いは衰えるどころか加速し、2アクセル+3トゥループ+2トゥループ、3ルッツ+2トゥループ、3フリップと相次いで成功。最後の3ループを下りた長洲選手はガッツポーズし、フィニッシュでは雄たけびを上げて喜びを爆発させました。得点はパーソナルベストを5点以上上回る137.53点で2位と実力を出し切りました。
 何といっても冒頭の3アクセル、非の打ちどころのない素晴らしい跳躍でしたね。今季は9月のUSインターナショナルで初めて3アクセルを成功させて以来、毎試合必ず3アクセルは跳び続けてきましたが、回転は認定されるもののGOEでは減点というジャンプが続いてきました。加点が付く3アクセルとしては初めて成功ということで、喜びもひとしおだったのではないでしょうか。ただ、それ以上に素晴らしかったのは3アクセル以降で、3アクセルの成功で気を緩めることなく全てのジャンプをほぼノーミスで跳び切り、8本の3回転ジャンプを跳ぶ、いわゆる“エイト・トリプル”を達成。これも3アクセルジャンパーでないとできないことですから、本当に感嘆せざるをえません。
 女子では3人目となる五輪での3アクセル成功という偉業で歴史に名を刻んだ長洲選手。思えばバンクーバー五輪、ソチ五輪と浅田真央さんのみが3アクセルに挑み、そして成功させてきて、その浅田さんが引退した今、平昌五輪では長洲選手が五輪における3アクセルの歴史、伝統を受け継ぎ、繋いでいるというのが感慨深く、嬉しく思います。ぜひ個人戦でも、ショート、フリーともに3アクセルを決めて、最高の笑顔を再び見せてほしいですね。


 3位は世界選手権2017銅メダリスト、カナダのガブリエル・デールマン選手です。

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 まずは代名詞となっている3トゥループ+3トゥループ、これをダイナミックに決めて1.2点の加点を獲得。さらに3ルッツ、3フリップとクリーンに着氷してそれぞれ1点以上の加点を得ます。後半最初は3ルッツからの3連続ジャンプ、これも決めて波に乗ります。3ループはアンダーローテーション(軽度の回転不足)で減点となりましたが、2アクセル、3サルコウ+2アクセルのシークエンスジャンプとミスらしいミスなく跳び切り、ステップシークエンス、スピンも全てレベル4。演技を終えたデールマン選手は満面に笑みを浮かべました。得点は自己ベストまで約5点の137.14点で4位とチームに大いに貢献しました。
 シーズン前半はデールマン選手らしい躍動感溢れる演技がほとんど見られず目立った成績を残せませんでしたが、カナダ選手権で圧巻の滑りを見せて2度目の優勝を果たし、満を持して五輪に乗り込んできました。カナダ選手権からフリーを昨季の「ラプソディー・イン・ブルー」に戻したわけですが、プログラムを変えるだけでこんなにも変わるものかというくらい、自信に満ちたデールマン選手が復活しましたね。そして今回のこの素晴らしい演技ですから、個人戦もおのずと期待が高まります。まずは今季安定感のあるショートでどの位置につけるかがポイントとなってきそうですが、爆発力のあるフリーでデールマン選手がどこまで上位を引っ掻き回すのか、楽しみですね。


 4位はソチ五輪銅メダリスト、イタリアのカロリーナ・コストナー選手です。

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 冒頭は若干苦手としている3ルッツでしたが、クリーンに跳び切って加点1.5を得ます。次いで3フリップ+2トゥループはファーストジャンプでこらえながらもセカンドジャンプに繋げます。さらに3ループも着氷ミスと細かなミスが重なります。後半は最初の3トゥループを決めますが、2アクセル+1ループ+3サルコウは最後のジャンプが回転不足に。続いて2アクセルも回転が足りず。最後の3+2はクリーンに下り、代名詞のステップシークエンスはレベル4はもちろん、2点という極めて高い加点を得てアピールしましたが、自己ベストからは8点ほど低い134.00点で4位にとどまりました。
 ショートでは2位と高順位を確保したコストナー選手でしたが、このフリーはジャンプの課題が見えた内容だったかなと思いますね。ショートは3フリップ+3トゥループを得点源として、ほかの選手とのジャンプ構成の差を最小限にしていますが、フリーは3+3を入れていない分、どうしても技術点で他選手と差がついてしまいます。女子のフリーの技術点はトップレベルだと60点台は当たり前、目指すところは70点台、その中でも一握りの選手だけが80点台に乗せられるわけですが、コストナー選手の今回の技術点は59.73点ということで、51.86点だった欧州選手権よりはかなり良いですが、個人戦の表彰台を狙う上ではさらに上げていく必要があります。
 個人戦はまず得意のショートで良い位置につけて、フリーでノーミスできれば、メダルもぐっと近づくのではないでしょうか。


 5位は四大陸女王、日本の坂本花織選手です。

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 冒頭は得点源の3フリップ+3トゥループ、しかしファーストジャンプでいつもほどの高さが出ず、アンダーローテーションとなったため単独にします。続く3サルコウはクリーンに成功。後半に5つのジャンプ要素を固め、その最初の3ルッツはきれいに着氷しますが、踏み切りのエッジが不正確と判定されわずかに減点。次いで3フリップからのコンビネーションジャンプは急遽3トゥループをつけて、冒頭のミスをリカバリー。2アクセル+3トゥループ+2トゥループは3トゥループの着氷で詰まったため、3つ目のジャンプはつけられず。単独の3ループは予定どおり下り、そして最後の2アクセルに2本の2トゥループをつけてこちらもミスを補いましたが、細かなミスが散見され、演技を終えた坂本選手は悔しそうに顔を歪めました。得点は131.93点で5位でした。
 スケートアメリカから全日本選手権、四大陸選手権と怒濤の快進撃を見せてきた坂本選手ですが、初めてのオリンピックはさすがに特別な緊張感があったのか、彼女らしいのびやかさが鳴りを潜めてしまいましたね。まず最初の3+3で力みからか本来のスピード、高さが出ず単独になったことで、どこでリカバリーしようかと考えながらの滑りになったと思うので、演技全体の躍動感はあまりなかったかもしれません。ただ、ミスをしても挽回できる強さがあるということが改めて証明されたと思いますので、この経験を活かして、個人戦では怖がらずに自信を持って思い切ってぶつかっていってほしいですね。



 女子フリーの終了時点での順位はこうなりました。


1位:カナダ 63ポイント
2位:OAR 58ポイント
3位:アメリカ 53ポイント
4位:イタリア 49ポイント
5位:日本 44ポイント



 この時点でカナダの金メダル、OARの銀メダルが確定。あとは銅メダルをアメリカとイタリアが争うという展開となり、日本はメダル獲得の可能性は消滅しました。坂本選手の実力を考えると、ザギトワ選手に次ぐ2位に食い込むチャンスは充分にあったので残念でしたが、団体戦の経験が個人戦に活かされることを今は期待したいですね。




 ここからは最終順位が確定するアイスダンスフリーダンスです。
 FDのトップに立ったのは、世界チャンピオン、カナダのテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組です。2つのステップはレベル3でしたが、そのほかは全てレベル4、しかも極めて高い加点を積み重ねる圧巻の演技で、パーソナルベストに0.23点と迫るハイスコアでショートに続き堂々の1位となりました。
 女子フリーでカナダが初の団体優勝を決め、その締めくくりの大トリとしてこれ以上ない素晴らしい演技を見せたヴァーチュー&モイア組。個人戦前の団体戦で調整的に難しい部分もあったでしょうが、力を温存するというよりは現時点での全力を尽くした演技のように思えました。長年のパートナーシップから生まれる二人ならではの一体感、二人の連帯した動きから生み出されるストーリーというのが、まさに映画『ムーラン・ルージュ』の世界そのもので、改めてうっとりしてしまいました。あとはこの団体戦には出てこなかったフランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組との一騎打ちですから、この団体戦の演技も充分すぎるほど美しかったですが、これ以上のパフォーマンスが見られることを楽しみにしたいですね。

 2位はアメリカのマイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組。2つのステップはレベル3にとどまりましたが、得意のツイズルではほかのカップルよりもより多く回るシーンもあり、高い技術力を充分に示し2位に入りました。
 シブタニ兄妹もヴァーチュー&モイア組同様、順調に仕上がっているかなという印象ですね。技術的な不安は何もないはずですので、メダル争いに向けては精神面の勝負になってきそうです。まだ加点を伸ばせるエレメンツがあると思いますので、個人戦でのブラッシュアップに期待ですね。

 3位はOARのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組。2つのステップは上述した2組のカップル同様、レベル3でしたが、そのほかのエレメンツはレベル4を揃え、演技構成点では全体の2位の高評価を得て、ショートと同じ3位でした。
 自己ベストまでは約2点という得点で、団体戦を上々の内容とスコアで締めくくったボブロワ&ソロビエフ組。個人戦ではさらにピークを合わせてくるでしょうから、パーソナルベスト更新も可能性として大いにあるのではないでしょうか。

 4位は元世界王者、イタリアのアンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ組です。ステップ2つがレベル3、リフトが1つレベル2という取りこぼしがあり、技術点を伸ばし切れず、パーソナルベストから5点ほど低い得点で4位にとどまりました。
 点数的にはもう少し伸ばしたかったなという印象ですが、演技としては非常に印象深く二人の気持ちが伝わってきましたね。フリーはイタリアの名作映画『ライフ・イズ・ビューティフル』ということで、カッペリーニ&ラノッテ組の表情の豊かさ、多彩な演技力が思う存分発揮できるプログラムだと思いますから、個人戦では全て出し切って笑顔で終われることを祈りたいですね。

 日本の村元哉中&クリス・リード組は5位となりました。

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 冒頭は課題のツイズル、これをしっかりまとめてレベル4に加え加点も取ります。続いてサーキュラーステップシークエンスでしたが、リード選手が氷にけつまずいてしまい転倒するアクシデントが発生。レベル1、そしてGOEでも減点となります。しかし、その後は動揺を引きずることなくすべての要素を確実にこなし、何とか挽回しました。
 序盤のステップでまさかのミスがあり、演技後リード選手は悲しそうにうなだれました。ですが、そのリード選手を励まし慰める村元選手の姿が心強く、良いカップルだなと思いましたね。また、転倒後の立て直しは見事で、真価が問われる失敗後の演技をまとめられたことはまさに二人の成長の証だなと感じます。今回の失敗は忘れて、オリンピックを楽しむ気持ちを大切にして、個人戦のショートダンスでまず好演技をして、フリーダンスに繋げてほしいですね。



 ということで、団体戦の最終順位は以下のようになりました。


1位:カナダ 73ポイント
2位:OAR 66ポイント
3位:アメリカ 62ポイント
4位:イタリア 56ポイント
5位:日本 50ポイント

―――
6位:中国 18ポイント
7位:ドイツ 16ポイント
8位:イスラエル 13ポイント
9位:韓国 13ポイント
10位:フランス 13ポイント




 優勝したのはソチ五輪では2位だったカナダです。

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 終わってみればカナダが圧倒的に強かったですね。4種目、それぞれショートとフリーが行われた中で必ずトップ3内に入っていたのですから、優勝しないわけがないという感じですね。出場メンバーもショートとフリーで選手を入れ替えたのは女子のみ、その女子もデールマン選手、ケイトリン・オズモンド選手ともに世界選手権メダリストという甲乙つけがたいダブルエースの二人ですから、実力差がないというところも大きかったです。そして、4種目中2種目で選手の入れ替え可能というルールでしたが、男子、ペア、アイスダンスでエースをショート、フリーの両方で投入したという戦略からは、何が何でも金メダル取るぞという強い意志がうかがえました。昨シーズン、バンクーバー五輪金メダルのヴァーチュー&モイア組が休養から復帰したことによって、チャン選手とモイア選手とのあいだで本気で団体の優勝を狙いにいこうといった話がなされたそうで、カナダはチームとして個人戦と変わらないくらいの意気込みで団体戦にも全力を注いでいたようですね。団体戦というのは個人競技であるフィギュアにおいては軽く扱われがちですが、このカナダチームの姿、戦いぶりを拝見して、やはりチーム戦も良いなと個人的には感じましたし、団体戦に加われなかったカナダの選手たちも、金メダルを手にする同国の仲間たちを見てうらやましい気持ちは少なからず抱いたんじゃないかなと思います。個人戦が最重要なのはもちろんですが、カナダチームの力の入れよう、喜びようが、五輪における団体戦の価値を高めてくれたような気がします。カナダチームの皆さん、団体戦優勝おめでとうございました。


 惜しくも銀メダルだったのはソチ五輪金メダルのOARです。

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 OARも女子ではエフゲニア・メドベデワ選手、ザギトワ選手のダブルエースを起用し、男子もエースのミハイル・コリヤダ選手、アイスダンスもエースのボブロワ&ソロビエフ組、ペアもショートではエースのエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組という万全の布陣で臨みましたが、最初の男子ショートでのつまずきが痛かったですね。もしその出遅れがなくカナダとの差がもっと小さければ、ペアのフリーでナタリア・ザビアコ&アレクサンデル・エンベルト組ではなく、ショートに続いてタラソワ&モロゾフ組が出場するという選択肢もあったのかなと想像したりもします。


 銅メダルを獲得したのはソチ五輪でも3位だったアメリカ。

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 3位のアメリカは全体を通してコンスタントにポイントを獲得しましたが、どの種目でも一つも1位というのがなかったので、そのあたりで上位2チームと差がついたのかなと思います。こちらも男子ショートのネイサン・チェン選手の演技内容が違っていれば、その後の試合展開も変わっていたかもしれません。


 4位のイタリアはペア以外の3種目で1人の選手(組)がショートもフリーも出場し、特に女子のコストナー選手がショートもフリーもというのは少し驚きましたが、それだけ団体戦に懸ける想いも強かったのかなと思います。また、男子のマッテオ・リッツォ選手、ペアフリーのヴァレンティーナ・マルケイ&オンドレイ・ホタレク組といった伏兵の活躍がひときわ印象に残りましたね。
 そして、日本はソチ五輪と同じ5位でした。男子ショートの宇野昌磨選手の圧巻の1位、ペアショートの須崎海羽&木原龍一組の8位、アイスダンスSDの村元&リード組の5位とショートまでは良い流れでしたが、フリーは一転、全種目で最下位と流れを手離してしまいましたね。男女シングルに関してはエースをショート、フリーともに起用するという戦い方もありますが、個人戦との兼ね合いもあって難しいところですし、また、男女シングルは団体戦出場を見送った羽生結弦選手以外は全員五輪初出場ということもありましたから、そこでいきなり団体のショートもフリーもというのはさすがに負担が大きすぎるので、ショートとフリーで選手を入れ替えざるをえなかったですね。何より、どれだけ男女シングルの選手が頑張ったとしてもペアとアイスダンスで高いポイントは望めないというのがわかっているので、選手たち自身も「メダル獲得」というのは現実味を持って考えられなかったでしょうし、3位と5位の差というのは、実際の数字以上に大きなものだなと改めて感じさせられましたね。


 とにもかくにもこうして無事に幕を閉じた団体戦。そして、とうに個人戦が始まっており、ペア、男子はこの記事をアップした時点で終了しています。かなりのスローペースですが、順番に記事にしていきたいと思いますので、お時間がある時にでもぜひご覧ください。


:記事冒頭の表彰式の画像、カナダチームの画像、アメリカチームの画像は、マルチメディアサイト「Zimbio」から、ザギトワ選手の画像、長洲選手の画像、デールマン選手の画像、コストナー選手の画像、坂本選手の画像、村元&リード組の画像、ロシアチームの画像は、マルチメディアサイト「Newscom」から引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2018-02-17 17:39 | フィギュアスケート(大会関連)