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 前記事に引き続き、GPシリーズ第5戦のフランス大会、エリック・ボンパール杯2014の男子とアイスダンスの結果と内容を書いていきます。
 男子の優勝者はロシアのマキシム・コフトゥン選手です。これで中国杯に続き2連勝となり、ファイナルの切符を手にしました。2位は日本の町田樹選手。残念ながら目標としていた優勝ではありませんでしたが、文句なしのファイナル進出を決めています。3位はカザフスタンのデニス・テン選手、GP初の表彰台となりました。
 アイスダンスはフランスのガブリエラ・パパダキス、ギヨーム・シゼロン組がパーソナルベストで優勝し、こちらも2連勝でファイナル進出となりました。

ISU GP Trophee Bompard 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 男子シングルを制したのはロシアのマキシム・コフトゥン選手です。 

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 SPはまず4サルコウ+2トゥループに挑み、これをパーフェクトに成功させます。しかし、続く4トゥループは転倒し、さらに3アクセルも転倒となります。ステップシークエンスやスピンは丁寧にこなしたものの、ジャンプミスが大きく響き、得点は77.11点で6位発進となりました。
 フリーは4回転を2本組み込む構成で臨んだコフトゥン選手。1本目は単独の4サルコウ、これをクリーンに決めると、2本目の4トゥループもしっかり着氷し、両方とも1点以上の加点を得ます。続く3アクセル+3トゥループは着氷で乱れが生じ減点となりますが、後半の2つ目の3アクセルは完璧。その後も2つのコンビネーションジャンプを含むジャンプを相次いで成功させ、演技を終えたコフトゥン選手は喜びを噛み締めるように両手を握り締めました。得点は166.24点でパーソナルベスト、フリー1位で逆転優勝を果たしました。
 ショートは4回転はコフトゥン選手らしいきれいな跳躍だったのですが、ほかのジャンプは着氷でこらえられないような感じでした。明らかに右脚の調子が悪そうな様子で、ジャンプを全て前半に持ってきたということを考えても、やはりある程度の痛みを抱えていたのだと思います。
 そして一夜明けたフリー、中国杯では3本入れた4回転を2本に減らしましたが、その2本ともをきっちりと決めて、しかもそれ以外の3アクセルといったSPでは失敗したジャンプもしっかりまとめていて、前日とはまるで別人でしたね。また、ジャンプを一つ降りるたびに、コフトゥン選手の表情がどんどん和らいでいって身体の動きも生き生きとしていくのが見て取れましたし、SPで心が折れてしまってもおかしくない状況で一日でここまで立て直せたというのは、今後のコフトゥン選手にとっても貴重な経験になるのではないかと思います。
 2大会とも優勝で2年連続のファイナル進出を確定させたコフトゥン選手。ファイナルではショートとフリー両方で満足のいく演技ができることを願っています。エリック・ボンパール杯優勝、おめでとうございました。


 銀メダルを獲得したのは日本の町田樹選手です。

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 SPはまず4トゥループ+3トゥループをクリーンに成功させて波に乗ると、続く3アクセルは高さも飛距離も充分、GOEでも2.14点という高い加点を得て、前半は完璧な内容。そしてスピンとステップシークエンスを挟んだ後半、最後のジャンプは得意の3ルッツでしたが、これが両足着氷でバランスを崩し氷に手を付いてしまいます。フィニッシュした町田選手は悔しそうに顔を歪めました。得点は88.70点、2位につけました。
 前半は何の問題もなくいつもどおりの町田選手でしたが、後半は珍しく疲れが見え、それによって普段ほとんど失敗することのない3ルッツで予想外のミスが出てしまいましたね。でもそれは、このショートプログラムがそれくらい難しいことをやっているプログラムだからということが言えます。SPの後半にジャンプを組み込むのはどの選手でも行っていることですが、ほとんどの選手は後半に入ってすぐにジャンプを跳びます。ですが、町田選手は2分30秒を過ぎたプログラムの最終盤に3ルッツを組み込むという稀な構成にしています。疲れが絶頂に達しているラスト近くに跳ぶということはそれだけでも大変な事ですが、その上激しく全身を動かすステップシークエンスの直後に跳ばなければならず、3ルッツ自体は町田選手にとってさほど難しいジャンプではありませんが、シチュエーション的には決して容易く跳べるジャンプではありません。
 そういったリスクはありますが、それでもあえてその場所にジャンプを入れたのはプログラム的にそれがベストだからでしょうし、エレメンツも芸術作品の一部として考える町田選手らしい構成だなと思いますね。

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 フリーは前日クリーンに成功させた4トゥループから、きれいに跳び上がり回転も充分でしたが、着氷がうまくいかず転倒。さらに2本目の4トゥループはタイミングが合わなかったのか3回転となります。しかし、次の3アクセルからのコンビネーションジャンプは切り換えてしっかり決め、後半も3フリップからの連続ジャンプが3+1になる部分はあったものの、その他のジャンプは確実に降り、「交響曲第9番」のドラマチックな曲想に乗って力強くフィニッシュしました。得点は149.04点、フリーも2位で総合2位となりました。
 最近の町田選手にはあまりないミスの仕方、内容の演技でしたね。4回転に関しては昨シーズンから数えてもフリーで2本とも不成功に終わるという試合は一度もなく、それくらい4回転が1本も決まらないというのは珍しいことだったので驚きました。1本目を転倒した時に右足首を変な捻り方をしてしまったそうで、それがその後の演技にも影響してしまったとのことですが、深刻な負傷ではなくエキシビションにも通常どおり出演していたので安堵しました。
 今大会の内容、結果は町田選手にとっては悔しさ以外の何ものでもないでしょうが、それでもしっかり表彰台を確保してファイナル進出を自力で決められたのは町田選手の実力だと思います。また、逆にこれでファイナルで奮起する理由が出来たととらえることもできますし、町田選手は昨季はとんとん拍子に2連勝でファイナルに行ったもののそこで調子を落としてしまった感があるので、今回はそれがファイナルでなくてこのエリック・ボンパール杯で良かったなという気もします。シーズンは長いですからどこかで調子を落とすことは当然あるでしょうし、町田選手が目指すファイナルでの優勝というのを考えると、厄を落とすじゃないですけれども悪いものを出し切るという意味で今大会の不本意な演技内容や2位という結果は決してマイナスの要素ばかりではなく、プラスの意義のあることなんじゃないかなと思いますね。
 3年連続のファイナル進出を決めた町田選手。これまではあまりファイナルとの相性は良くなかったですが、今度こそ“三度目の正直”となるよう、そして納得のいく演技ができるよう祈っています。


 3位はソチ五輪銅メダリスト、カザフスタンのデニス・テン選手です。

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 ショートはまず単独の4トゥループから、GOEでは減点を受けたもののきっちりと成功させます。続く3アクセルは高い加点の付く完璧なジャンプ。後半の3+3も問題なくクリアすると、イタリアのポピュラーソング「Caruso」の重厚な世界観を存分に表現、終盤のステップシークエンスではレベル4に加えGOEで加点2という高評価を得、最後まで流れの途切れない素晴らしい演技を見せてくれました。得点は91.78点、銀メダルを獲得した2013年の世界選手権でマークした自己ベストをわずかに上回り、首位に立ちました。
 フリーは2本の4回転を入れた構成、1本目の4トゥループ+3トゥループは教科書のお手本のようなバランスの取れた美しい跳躍と着氷で2点の加点が付きます。しかし、2本目の4トゥループは転倒。さらに3アクセルからの連続ジャンプが1+2になります。後半には2本目の3アクセルに挑みましたが、前半の嫌な流れを引きずってしまったのか1回転に。その後も3フリップが2回転になるミスがあったものの、最後の3つのジャンプ要素は確実に決めるなど何とか巻き返してフィニッシュしました。得点は144.50点で5位、しかしトータルでは踏みとどまってGPで初めてのメダルを獲得しました。
 SPは本当に素晴らしく、今までGPではあまり本領を発揮できていなかったテン選手がようやく目覚めたという感じでしたね。テン選手にとってはGPのショートで1位になるのは初めてで、初優勝に向けて絶好のチャンスでしたが、それゆえに経験したことのないプレッシャーがかかってしまったのかなというフリーの演技でした。
 ですが、技術的・身体的に大きな問題があるわけではなく、精神面がマイナスに作用してしまったということだと思いますし、金メダルには届かなかったものの、GPの表彰台に立つということ自体がカザフスタン人として初の快挙ということで、次々とカザフスタンフィギュア界の新たな歴史を作り続けるテン選手には拍手を送りたいですね。もちろんまだ21歳なので、カザフスタン人初のGP優勝も将来的に充分望めるでしょうから、いつかそういう姿が見られることを楽しみにしたいなと思います。
 このあとのシーズンもテン選手らしくマイペースで頑張ってほしいですね。


 4位は昨季の欧州選手権銅メダリスト、ロシアのコンスタンティン・メンショフ選手です。

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 SPの冒頭は得意の4トゥループ+3トゥループ、これをパーフェクトに決めて上々の滑り出し。続く4サルコウは着氷で少し乱れがあり若干の減点を受けたものの、後半の3アクセルはしっかり着氷をまとめ、ステップシークエンスでは最高難度のレベル4、スピンでも大きな取りこぼしなく演技を終えました。得点は87.47点でパーソナルベスト、3位の好位置につけました。
 フリーもまずは4トゥループ+3トゥループに挑み、完璧に成功。続く2本目の4トゥループもクリーンに降ります。しかし、次の3アクセルは2アクセルに、後半の3アクセルからの連続ジャンプも着氷で乱れます。その後のジャンプでは大きなミスこそ無かったものの、コンビネーションジャンプをひとつ余計に跳んでしまう規定違反もあり、得点は145.75点と伸びずフリー4位、GP初の表彰台はなりませんでした。
 ショート、フリー合計4本の4回転を成功させるという31歳とは思えない驚異的なジャンパーぶりを発揮し、あともう少しでGPのメダルに手が届くというところまで迫ったメンショフ選手。だからこそ、4回転以外での細かなミスがもったいなかったなと思いますね。特にフリーの後半で2アクセルからの3連続ジャンプを跳んだ場面があったのですが、メンショフ選手は既に3つのコンビネーションジャンプを跳んでいたため、コンビネーションジャンプはプログラムの中で3つまでというルールに違反したこととなり、3連続ジャンプそのものが無得点になってしまいました。ジャンプをこなしていくうちに連続ジャンプのカウントがこんがらがってしまったんだろうなと思うのですが、たとえばこれを連続ジャンプではなくて単独の2アクセルにしていたら、3位のテン選手とは総合得点で3.06点差で後半に跳ぶ2アクセルの基礎点は3.64点なので、テン選手を上回ってメンショフ選手が3位になれた可能性があります。それだけに本当に惜しかったなという印象ですね。
 とはいえ、ジャンプの調子自体は良さそうで、GP2大会を終えてまずまずのシーズン序盤だったのではないかなと思うので、次の大会もメンショフ選手らしい演技となることを楽しみにしています。


 5位はアメリカのアダム・リッポン選手。

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 SPの演目は「Tuxedo Junction」。4回転は入れない構成で臨み、まずは3アクセルをクリーンに決めます。続く3ルッツ+3トゥループはセカンドジャンプが回転不足になりGOEで減点されますが、後半の3フリップはしっかり着氷、最小限のミスに留めます。スピンやステップシークエンスではおおむね高い加点を得て、得点は76.98点、順位的には7位となったものの僅差で上位を追う形となりました。
 フリーはフランツ・リストの「ピアノ協奏曲第1番」。こちらもSP同様4回転を回避、プログラムの完成度を優先したジャンプ構成とし、冒頭の3アクセル+2トゥループ+2ループをきれいに成功。2本目の3アクセルは転倒し、後半の3フリップ+3ループの難しい連続ジャンプもセカンドジャンプがわずかに回転不足となりましたが、その他のジャンプはどれもクリーンにまとめ、大崩れすることなく演じ切りました。得点は148.44点でフリー3位、ショート7位から総合5位に順位を上げました。
 まだ本来のリッポン選手の力からすれば100%には遠いのかなとは思うのですが、それでもスケートカナダで10位となってから1か月ない中で、しっかり調整して前大会から20点以上上積みしたというのは素晴らしいなと感じました。スケートカナダと比べて音楽表現の点でも、リッポン選手の身体の動きと曲調との調和がより良くなっていたように思いますし、特にフリーの「ピアノ協奏曲第1番」はリッポン選手の持つ女性的なしなやかさ・繊細さと男性的なダイナミックさを引き出すピッタリな楽曲という印象なので、シーズンが進むごとに洗練されていけばさらに素晴らしいプログラムになるんじゃないかなと楽しみですね。
 アメリカ男子の国内の競争は熾烈なので大変だと思いますが、リッポン選手にとって悔いが残らないよう頑張ってほしいですね。


 6位に入ったのはロシアの新星、アディアン・ピトキーエフ選手です。

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 SPはラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。冒頭は4トゥループに挑みましたが、着氷で乱れがあり大幅に減点を受けます。残りのジャンプ要素2つは後半に固め、3アクセルはしっかり決めたものの、最後の3+3ではミス。それでもスピンは全てレベル4を揃えるなどエレメンツを丁寧にこなし、得点は76.21点、スケートアメリカでマークした自己ベストを更新して8位につけました。
 フリーは「Sarabande Suite」。まずは前日失敗した4トゥループをクリーンに着氷して高い加点を得ると、続く3アクセル+3トゥループもランディングで若干ミスがあったもののきっちり回り切り、2本目の単独の3アクセルは完璧に成功させます。後半は2本の3ルッツが2本とも1回転になるというもったいないミスもありましたが、最後まで気持ちを切らすことなく滑り切りました。得点はパーソナルベストに迫る143.17点、フリー7位、総合6位で大会を終えました。
 フリーの演技後の表情は悔しさでいっぱいという感じで、やはり3ルッツの失敗が頭をもたげたんだろうなと思うのですが、決まった4回転や3アクセルの美しさは16歳とは思えない完成度と精度の高さで、この年齢でこれだけのジャンプを跳べるというのは本当に凄いなと改めて感じましたね。まだジュニアらしさというのは当然あって、ある程度ジャンプを揃える力や演技全体をまとめる力などは今後の課題でしょうが、これくらいのハイレベルな才能を持った選手であればそういったものは年齢を重ねるうちに自然に付いてくるのではないかと思いますし、ショートとフリー全てのスピンでレベル4を獲得するなど、ジャンプだけではなく全体的に基礎がしっかりしていてバランスの良い選手なので、シニアデビューの今季にいろんな物事を吸収して学んで糧にしていってほしいなと思いますね。


 7位はアメリカのリチャード・ドーンブッシュ選手。

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 SPは4回転を回避し、難度を下げたジャンプ構成で臨んだドーンブッシュ選手。まずは得意の3フリップを難なく決めて波に乗ると、続く3アクセルもクリーンに降ります。後半の3+3もきれいなジャンプで、全てのエレメンツで加点を得る安定した演技を見せました。得点は80.24点、GPシリーズで初めてとなる80点台をマークし、4位と好発進します。
 翌日のフリーは冒頭に4トゥループを組み込む攻めの構成。しかし、ダウングレード(大幅な回転不足)で着氷してしまい、あえなく転倒となります。続く3アクセルは2回転になり、得意の3ルッツはクリーンに成功させたものの、後半の3アクセルからの連続ジャンプも2アクセル+3トゥループとなり、その後もいくつかジャンプミスが相次ぎ、思ったように得点を積み重ねることができず。得点は139.03点で8位、総合7位に順位を下げる結果となりました。
 ショートは4回転を外すことでプログラムの完成度の高さで勝負し、実際にその戦略が功を奏したわけですが、フリーでは思い切って4回転を入れる策を取ったのが裏目に出てしまったかなという感じですね。フリーで4回転を跳ぶこと自体は戦略的に間違いではないと思うのですが、4回転の失敗よりもその他の比較的難度の低いジャンプでミスを連発してしまったことの方が痛かったかなという気もします。特に3アクセルが2本とも2アクセルになってしまったのは大きなロスでしたね。
 ですが、ドーンブッシュ選手はプログラムの中でもいろんな工夫が見られて、ジャンプもただ跳ぶだけではなく手を頭の上に上げたり背中に当てたりしていて、ジャンプ時の空中姿勢がきれいに絵になっているのが良いなと思いますね。表現的にもSPは昨季から持ち越している分、音楽と動きがよく馴染んでいてピッタリ合っていますし、フリーもコールドプレイの楽曲をメドレーにしたものでクラシカルな雰囲気とポップな曲想の両方のイメージが共在していて、ドーンブッシュ選手の正統派の滑らかなスケーティングに合っているなと感じます。さらにジャンプが決まってくれば、どんどんドーンブッシュ選手の身体も乗っていって楽しいプログラムになるのではないでしょうか。
 次の大会ではショートとフリーが揃って、ドーンブッシュ選手の100%の演技となることを願っています。


 
 さて、ここからはアイスダンスについてです。

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 表彰台の中央に立ったのはフランスのガブリエラ・パパダキス、ギヨーム・シゼロン組。フリーではリフトの規定違反があり2点減点となるミスがあったものの、ショート、フリーともに安定してエレメンツをこなし、GOEでも高い加点を稼ぎ、SDからトップの座を譲ることなくパーソナルべストで完全優勝を飾りました。
 これでパパダキス&シゼロン組は中国杯に続き2連勝となり、文句なしのファイナル進出を決めました。GP参戦2年目で初のファイナルという大きな飛躍を遂げることとなった19歳と20歳の若いカップルですが、まだまだ伸びしろはあるでしょうしどんどん点も伸びていくでしょう。ファイナルでどんな演技を見せてくれるのか、楽しみにしたいと思います。母国のエリック・ボンパール杯優勝、おめでとうございました。
 2位はカナダのパイパー・ギレス、ポール・ポワリエ組。SDではステップでのレベルの取りこぼし、FDではツイズルでのミスがあったものの、両方で自己ベストに迫る得点をマークし、スケートカナダに続き2位となりました。この結果により、ギレス&ポワリエ組も初めてのファイナル進出を確定させました。
 3位はアメリカのマディソン・ハベル、ザカリー・ダナヒュー組です。ショート、フリーともにステップやリフトでレベルを取りこぼす部分があり、思ったほどは得点を伸ばせませんでしたが、それでもスケートカナダに続く銅メダルを獲得しました。



 エリック・ボンパール杯2014の記事はこれで以上です。第5戦ということで今大会の結果によってファイナル進出者の枠も大部分が埋まりましたね。女子では第4戦のロシア大会までの結果で既に決まっていたロシアの二人、エリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手とアンナ・ポゴリラヤ選手に加え、新たに同じロシアのエレーナ・ラディオノワ選手とユリア・リプニツカヤ選手が進出者のリストに名を連ねました。現時点で決定している女子選手の全てがロシア選手なわけですが、これはもう予定どおりというかやっぱりなという想像どおりの顔ぶれで、当然の結果と言えるでしょうね。ソチ五輪女王のアデリナ・ソトニコワ選手が怪我で欠場していなかったら、6人中5人がロシア勢というのも現実的に大いにあり得たわけなので、そうならなくて良かったなという変な安堵もしてしまいます。
 ということで女子の残り枠は2、NHK杯に出場する中でファイナル進出の可能性が有力なのは、日本の宮原知子選手、村上佳菜子選手、アメリカのグレイシー・ゴールド選手の3名。3選手とも優勝すれば無条件でファイナル進出決定、2位であればポイントで並ぶアメリカのアシュリー・ワグナー選手との2大会合計スコアでの争いということになります。また、中国杯で4位だったアメリカのポリーナ・エドマンズ選手も優勝すればファイナル進出となります。
 一方、男子ではロシア大会優勝で真っ先にファイナルの切符を手にしたスペインのハビエル・フェルナンデス選手に加え、日本の町田樹選手とロシアのマキシム・コフトゥン選手が新たにファイナリスト入り。ですが、まだ3枠が空いていて、その空席に座る可能性が高いのは日本の無良崇人選手、羽生結弦選手、ロシアのセルゲイ・ボロノフ選手ですが、NHK杯の男子競技が終了するまでまだ確かなことは言えませんね。
 ペアも今大会の結果で中国の隋文静(スイ・ウェンジン)、韓聰(ハン・コン)組が新たにファイナリストに加わったものの、それでもまだ決定しているのは3組のみで、NHK杯にはカナダのメーガン・デュアメル、エリック・ラドフォード組、ロシアの川口悠子、アレクサンドル・スミルノフ組といったファイナル進出が有力視される強豪ペアが出場してきます。
 アイスダンスはすでに4組のファイナル出場が決定していて、NHK杯に出場するカップルでは、1戦目で優勝しているカナダのケイトリン・ウィーバー、アンドリュー・ポジェ組、1戦目で銅メダルを獲得しているイギリスのペニー・クームズ、ニコラス・バックランド組が残り2枠に入る可能性が高いかなと思いますね。
 GPシリーズ14/15、残すのは最終戦の日本大会、NHK杯のみ。各選手の演技はもちろんですが、この大会の結果によって決まるファイナル進出者の顔ぶれがどうなるかにも注目したいと思います。では。


:男子シングルメダリスト3選手のスリーショット写真、アイスダンスメダリスト3組の写真は、フィギュアスケート専門誌「International Figure Skating」の公式フェイスブックページから、コフトゥン選手の写真はスケート競技情報ウェブサイト「icenetwork」が2014年11月22日に配信した記事「What a finish: Kovtun rallies for gold at Bompard」から、町田選手のSPの写真、テン選手の写真は、AFPBB Newsが2014年11月22日の8:35に配信した記事「町田は3.08点差の2位発進、終盤のジャンプにミス エリック・ボンパール杯」から、町田選手のフリーの写真、ドーンブッシュ選手の写真、閻選手の写真は、エンターテインメント情報ウェブサイト「Zimbio」から、メンショフ選手の写真、リッポン選手の写真、ピトキーエフ選手の写真は、国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
エリック・ボンパール杯2014・女子&ペア―エレーナ・ラディオノワ選手、パーソナルベストでGP2勝目 2014年11月25日
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by hitsujigusa | 2014-11-28 03:35 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 GPシリーズ14/15もいよいよ終盤戦。この記事では第5戦のフランス大会、エリック・ボンパール杯2014の女子とペアの結果、内容についてお伝えしていきます。
 女子を制したのはロシアのエレーナ・ラディオノワ選手です。先月のスケートアメリカに続き2連勝で、2年連続のGPファイナル進出を決めました。2位は同じくロシアのユリア・リプニツカヤ選手で、こちらもファイナル進出となりました。3位はアメリカの実力者、アシュリー・ワグナー選手です。
 ペアではロシアのクセニア・ストルボワ、ヒョードル・クリモフ組が優勝し、こちらも2連勝でファイナル進出を確定させました。

ISU GP Trophee Bompard 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 優勝者はロシアのエレーナ・ラディオノワ選手です。

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 SPはまず得意の3ルッツ+3トゥループをクリーンに決め、スピンとステップシークエンスを挟んで後半の3ループ、2アクセルも難なく成功。ラストまでフラメンコの世界を明るく元気にキレキレに演じ切り、得点は67.28点でパーソナルベスト、堂々の首位に立ちました。
 フリーも冒頭は3ルッツ+3トゥループ、こちらも完璧に着氷します。続く3フリップ、3ルッツも正確な踏み切りと回転、着氷で1点近い加点を得ます。後半に入っても難しい3+1+3を決めるなど勢いは全く衰えず、それどころかどんどんスピードと力強さを増していき、フィニッシュしたラディオノワ選手は握り締めた両手で溢れ出る感情を抑えるように顔を覆いました。得点は136.64点でショートに続き自己ベスト、合計点でも大台の200点を超える今季女子の最高スコアをマークし、圧巻の完全優勝を果たしました。
 ショート、フリーともに本当に非の打ちどころのない、隙のない演技で素晴らしかったですね。ジャンプの安定感、しかもただ跳ぶだけではない工夫の多いジャンプで、その上芸術面でもしっとりした部分とパワフルな部分としっかり表現し分けていて、昨季からのラディオノワ選手の成長を改めて実感しました。
 また、ラディオノワ選手は今大会は練習から必ずしも絶好調だったわけではなく、練習では3+3なんかのミスもけっこう見られたようですが、そんな気配など微塵も感じさせないジャンプを本番では跳んでいて、シニアデビューとは思えないような昨季の落ち着きぶりや、ジュニア時代から数えてもほとんど表彰台落ちしていないことや、世界ジュニア選手権を2連覇したことなどを考えるにつけ、本番でこそ実力を発揮するメンタルの強靭さというのを感じさせられますね。
 これで女子唯一のGP2連勝となり、圧倒的な力と実績を持ってファイナルに臨むことになるラディオノワ選手。今大会のような素晴らしい演技をファイナルでも楽しみにしています。エリック・ボンパール杯優勝、おめでとうございました。


 銀メダリストとなったのはロシアのユリア・リプニツカヤ選手です。

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 ショートは冒頭の3トゥループ+3トゥループをまずはきっちりと成功させ、高い加点を獲得。スピンやステップシークエンスもそつなくこなし、後半の2アクセルもクリーンに着氷。3フリップもきれいに決めたかに見えましたが、GOEではわずかに減点されます。しかし、ミスらしいミスは皆無で、飛ばされた凧を追い掛けるというストーリー性のあるプログラムを丁寧かつ溌剌と演じ、演技を終えたリプニツカヤ選手は控えめながら笑みを浮かべました。得点は66.79点、2位ながら僅差でラディオノワ選手にピタリと付きました。
 フリーは3+3を入れない構成で臨んだリプニツカヤ選手。冒頭は2アクセル+3トゥループ+2トゥループの難しい3連続ジャンプでしたがこれをパーフェクトに成功。さらに2アクセル+3トゥループを続け、こちらもクリアして上々の滑り出しとなります。そして後半に固めた5つのジャンプ要素の1つ目は3ループでしたが、これは2ループに。その後の2つの3フリップや3ルッツからのコンビネーションジャンプにも転倒を含むミスがちらほら出てしまいますが、最後まで気持ちを切らすことなく滑り切りました。得点は118.39点で2位、トータルでも2位で大会を終えました。
 SPは3フリップで減点される部分があったとはいえ、ジャンプ自体は着氷で詰まるとかよろめくとかいうこともなくクリーンなものでした。ただ、単独のトリプルジャンプはステップを踏んでから直ちに跳ばなければいけないというルールがあり、その点でリプニツカヤ選手は明確なステップをせずに3フリップを跳んだように見えたので、それが理由で若干の減点となったかなと思います。
 そしてフリーは前半は素晴らしかったのですが、後半で綻びが生じてしまいましたね。中国杯の時は前半に一つ、後半に一つとしていた2アクセルからのコンビネーションジャンプを今大会は序盤に固めてきたことを考えても、後半に不安があったのだろうなと思います。なので、そうしたジャンプ構成の変更は効果てきめんだったと言えますが、一方で中国杯の時と同様に3フリップや3ルッツでミスが出てしまっていて、ルッツやフリップに苦労しているんだなという印象を受けました。リプニツカヤ選手の身体つきを見ても1年前と比べてちょっぴり丸っこくなってきているような気はしますし、この年頃の身体的変化というのは確実にジャンプに影響を及ぼすものなので、現在のリプニツカヤ選手も子どもの身体から大人の身体への移行期を迎えていて、うまく折り合いをつけながら乗り越えようとしているんじゃないかなと感じます。
 ただ、中国杯よりもミスの数が減ったのは間違いないですし、リプニツカヤ選手自身はフリーの演技後すごく悔しそうでしたが、前大会よりも良い演技をできたことを自信にしてほしいですね。ファイナルではリプニツカヤ選手の心からの笑顔が見られることを願っています。


 3位はアメリカのアシュリー・ワグナー選手。

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 ショートは冒頭に3フリップ+3トゥループを組み込みましたが、前大会同様にセカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)判定となります。2つのスピンを挟んで後半に2つのジャンプ要素を集め、2アクセルは難なく着氷したものの、3ループはこちらもアンダーローテーション。全体的に綺麗にまとめましたが、細かなミスが積み重なってしまいました。得点は61.35点で3位と、あまり伸ばせませんでした。
 フリーではスケートカナダで回避した3+3を組み込んだアグレッシブな構成にしたワグナー選手。冒頭は得意の2アクセルでまず流れを作り、3+3の軌道に入りましたが、ファーストジャンプの3フリップで転倒し連続ジャンプにならず。しかしその後は立て直し、小さなミスはあったもののベテランらしい落ち着きのある演技を見せました。得点は116.39点、総合3位となりました。
 SPでジャンプミスが2つあったのはもったいなかったですが、フリーはその分挽回しようと3+3を跳ぼうとし、残念ながら単独ジャンプになったものの、それだけの強い気持ちが込められた演技を見せてくれたと思います。
 そしてフリー演技終盤、ワグナー選手の意地が感じられる場面がありました。いちばん最後のジャンプ、単独の3ルッツに3トゥループを付け、急遽3+3にする機転を見せました。結果的にはセカンドジャンプはダウングレード(大幅な回転不足)で大きく減点されることとなりましたが、前半で跳べなかった3+3に再び挑んだ姿からは、このままじゃ終われないというようなワグナー選手の矜持を感じました。
 実はフリーの演技前にワグナー選手は腹痛に襲われていて、演技中も吐き気がしていたとのこと。そんな辛い状況の中で終盤に3+3を跳ぶこと自体が凄いですが、その上本来ワグナー選手はルッツは得意な方ではないので、普段コンビネーションジャンプにすることはほとんどないにもかかわらず、あえてそのジャンプに3トゥループを付けるというガッツとタフな精神力には、驚かされるとともに感嘆させられましたね。
 スケートカナダ2位、今大会3位で計24ポイントとなり、ファイナル進出できるかどうかは微妙なところになったワグナー選手。NHK杯に出てくる日本の宮原知子選手や村上佳菜子選手、アメリカのグレイシー・ゴールド選手らの結果次第ということになりますが、次の大会ではワグナー選手の本領発揮となることを祈っています。


 惜しくもメダルまであと一歩の4位となったのは、アメリカのコートニー・ヒックス選手。

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 SPは冒頭に3フリップ+3トゥループを組み込みましたが、セカンドジャンプが2回転になります。後半立て直そうとしますが、3ルッツで転倒。2アクセルはクリーンに決めましたが、2つのジャンプミスが響き得点は55.70点と伸びず、6位発進となりました。
 フリーは3+3を回避し、まずは3フリップ+2トゥループを確実に成功させます。続く3サルコウ、3ループなど、前半のジャンプは完璧。後半は2アクセル+2アクセルのシークエンスジャンプでミスがあった以外は、大きなミスなくコンスタントにジャンプをこなし、スケートカナダでマークした自己ベストに迫る116.88点をマーク、フリー3位で総合4位にステップアップしました。
 ショートはミスが複数ありましたが、フリーでは見事に切り換えてノーミスに近い演技でしたね。スケートカナダの時もヒックス選手はSP8位と出遅れて、フリーで挽回して最終的には4位まで順位を上げていて、2大会とも同じパターンとなりました。昨シーズンの成績を見てもそういったパターンが多くて、ショートで追い詰められることによって奮起するタイプなのかもしれませんね。だからこそ、SPから実力を発揮できれば、もっと上位で安定して成績を残せる選手になれるのではないかと思います。
 今後ヒックス選手は世界選手権代表を目指すことになるのでしょうが、ショートとフリーが揃えばそれも充分に可能だと思いますから、ぜひ頑張ってほしいですね。


 5位は地元フランスのマエ=ベレニス・メイテ選手。

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 SPは「Hosanna/The Groove You Liked (Mala Dub)/Freedom」。冒頭は得点源となる3トゥループ+3トゥループ、これをパーフェクトに決めて1点近い加点を得ます。続く3ルッツ、2アクセルもしっかり着氷し、スピンではレベルの取りこぼしがありましたが、まとまりのある演技を披露しました。得点は57.61点で5位につけました。
 フリーはフランスのミュージシャン、Woodkidの楽曲を編集した「Conquest of Spaces/Shadows/Run Boy Run」。まずは2アクセルを難なくこなすと、次の3サルコウ+3トゥループもきれいに決めます。3ルッツは着氷でオーバーターンが入りましたが、3フリップは問題なく着氷して、好スタートを切ります。後半に入ってもメイテ選手らしいエネルギッシュさ、スピード感を保ち、大技の2アクセル+3トゥループを含む3つのジャンプ要素を確実に決めていき、フィニッシュしたメイテ選手は笑みを浮かべました。得点は111.85点、フリーも5位で総合5位となりました。
 スケートアメリカでは本来の力を出せなかったメイテ選手でしたが、それから1か月ほどでしっかり課題を修正していて素晴らしかったですね。また、1年前と比較してもGOEの加点が伸びていて、実際にクリーンに決まったジャンプを見てもほどよく力が抜けていて、以前よりランディングの流れもスムーズになったのかなという印象を受けました。まだスピンでところどころ取りこぼす部分があるのがもったいないので、こちらもさらに強化されるといいなと思いますね。
 このあとのシーズンでもメイテ選手らしいパワフルさとしなやかさのある演技を楽しみにしています。


 6位はロシアのマリア・アルテミエワ選手。

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 SPは「タンゴ 映画『ココ・シャネル』より/Eye」。まずは冒頭の3トゥループ+3トゥループをクリーンに決め、単独の3ルッツも正確な踏み切りでしっかり成功。後半の2アクセルで若干ミスがあったものの、スピンは全てレベル4を揃えるなど安定感を見せ、58.38点とパーソナルベストをマークし、4位の好位置につけました。
 フリーは「バラード第4番/練習曲第12番」。まず冒頭の3ルッツ+2トゥループの連続ジャンプを完璧に成功させ、GOEでも1点以上の高評価を得ましたが、続く3ループは転倒してしまいます。直後の3トゥループと3トゥループ+2トゥループのコンビネーションジャンプは落ち着いて決め、うまく立て直しましたが、後半の2アクセルが2本とも転倒となってしまい、良いジャンプと失敗ジャンプの落差が大きい演技内容となりました。それでも得点は104.11点で自己ベストを更新、トータルで6位とGP自己最高位でフィニッシュしました。
 フリーは1点以上の高い加点が付くジャンプがあった一方、3度の転倒もあり、惜しいなという印象ですね。ですが、決まったジャンプに関しては本当にきれいで、特に高さはトップスケーターと比べても全く引けを取らないインパクト大のジャンプでしたね。難しいジャンプ構成を組んでいるわけではありませんが、一つ一つのジャンプのクオリティーは魅力的な選手なので、今後安定感が増してくればロシア女子の中でもおもしろい存在になるんじゃないかなと思いますね。


 7位はアメリカのサマンサ・シザリオ選手です。

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 ショートは冒頭に大技の3フリップ+3ループを組み込んできましたが、セカンドジャンプが2回転になります。後半に入り、2アクセルは問題なくクリアしましたが、3ルッツがエッジエラーになった上に着氷で乱れ、大幅に減点されることに。スピンではレベル4を揃える丁寧さを見せましたが、ジャンプミスが影響して得点は55.19点、順位も7位に留まりました。
 フリーの冒頭は難しい3ループ+1ループ+3サルコウの3連続コンビネーションジャンプ、ファーストジャンプはしっかり降りて連続ジャンプに繋げましたが、3サルコウがダブルになるミス。その後、前半のジャンプはうまくまとめたものの、後半は3ルッツや3フリップからの連続ジャンプでミスがあり、得点は106.51点と伸ばせず。順位も総合6位に留まりました。
 スケートアメリカの時はSPで回転不足になったとはいえ3+3を着氷して、そこから勢いに乗ってフリーも大きなミスなくシザリオ選手らしい演技ができていたのですが、今回はショートでつまずいたのがフリーにもそのまま影響してしまったような感じでしたね。フリーの「カルメン」も前大会より大人しめに感じました。
 上述したヒックス選手同様、アメリカ女子のシビアな争いの中に身を投じることとなるシザリオ選手ですが、実力は充分という感じなので、あとは大舞台でそれが存分に発揮できるかどうかですね。スケートアメリカの演技は素晴らしかったので、次の大会ではその再現、もしくはそれ以上の演技となることを願っています。


 8位は日本の今井遥選手です。

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 ショートはまず2アクセルをきれいに決めてリズムを作ると、続く大技3サルコウ+3トゥループもパーフェクト。後半の3ループはスケートアメリカで転倒したジャンプでしたが、慎重に落ち着いて成功させます。ジャンプが全て決まったことでどんどんスピードと勢いを増し、思い切りの良い滑りを見せた今井選手でしたが、ステップシークエンスの途中でスケート靴のエッジが氷の溝に引っ掛かり転倒。演技を終えた今井選手は思わぬ転倒に悔しそうな表情を見せました。得点は54.72点でアメリカ大会よりも点は伸ばしましたが、望んだ得点ではなく、順位も8位に留まりました。
 ジャンプは3つとも素晴らしく、身体の動きやスケーティングも今井選手らしい伸びやかさがあって良かっただけに、ステップシークエンスでの転倒がもったいなかったですね。転倒したことによってステップシークエンスのレベルが2となり、GOEでも大幅に減点され、合計得点からもマイナス1となってしまい、かなり大きな損になりましたね。転倒がなければあと3点の上積みはできたかなと思うのですが、それでも演技全体の流れやエレメンツ一つ一つの質は高く、今井選手の成長を演技のいろんな面で感じました。

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 フリーはまず2アクセル+3トゥループを完璧に成功させて高い加点を得ると、3フリップ、3サルコウ+2トゥループと相次いでジャンプを着氷します。しかし、後半になると徐々に疲れが見え始め、3ループが1回転、3サルコウが回転不足になるなど、チラホラミスが出てしまいます。また、ステップシークエンスでも充分にエッジを踏み分けた滑りができず、不本意な演技となりました。得点は99.98点、総合8位で大会を終えました。
 序盤はクリーンなジャンプを次々と決めて素晴らしい出だしだったのですが、後半はスタミナが切れてしまったかなという印象ですね。特にそれが明確に表れたのがステップシークエンスで、レベルが付かず全くの無得点という厳しい判定となってしまいました。ステップシークエンスはさまざまなステップやターンを含んでいなければならないので、今井選手の場合、ステップシークエンスとして認められるだけの要件を満たしていなかったということなのだと思います。
 ただ、ジャンプの安定感自体は着実にレベルアップしてきているなと感じますし、演技構成点の方も1年前より評価は上がっていますから、このあとのシーズンも今井選手のペースで、焦ることなく課題に取り組んでいってほしいなと思います。全日本選手権では今度こそ今井選手の満面の笑みが見られることを願っています。



 さて、続いてはペアについてです。

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 優勝したのはロシアのクセニア・ストルボワ、ヒョードル・クリモフ組、先週のロステレコム杯に続いて2週連続の優勝です。SPはツイストのレベルが2になるという細かなミスがあったものの、その他のエレメンツでは軒並み高い加点を得るハイレベルの演技を見せ、トップに立ちました。フリーもショート同様に隙のない内容で1位となり、完全優勝となりました。
 2週連続の試合でコンディション的に難しい面もあったと思いますが、その影響を全く感じさせない演技でした。この完成度でシーズン序盤ですから、シーズン後半になったらどうなるのだろうと空恐ろしささえ感じますが、パーソナルベストまではまだ開きがあるので、表現的にも得点的にもさらに伸びていくことは間違いないでしょうね。エリック・ボンパール杯優勝、おめでとうございました。
 銀メダルを獲得したのは中国の隋文静(スイ・ウェンジン)、韓聰(ハン・コン)組。ショートは完璧な演技内容でしたが、フリーは3連続コンビネーションジャンプにミスがあり、パーフェクトとはならず。それでもスケートカナダからレベルアップした姿を見せ、3位に大差をつける2位となりました。
 これで隋&韓組は2大会とも2位、合計26ポイントとなり、実に4年ぶりとなるファイナル進出を確定させました。今でも女性の隋選手は19歳、男性の韓選手は22歳と若いペアですが、4年前はシニアGPとジュニアGPとを掛け持ちしていて、両方でファイナル進出の権利を得たもののジュニアGPファイナルは辞退し、シニアのファイナルに出場して銅メダルを獲得した実績があります。それ以降はなかなかファイナル進出は叶いませんでしたが、久しぶりのファイナルの舞台で隋&韓組がどんな演技を見せてくれるのか楽しみにしたいと思います。
 3位は同じく中国の王雪涵(ワン・シュエハン)、王磊(ワン・レイ)組。ショートは完璧な演技で3位につけ自己ベスト、フリーはジャンプミスがいくつかあり4位となったもののこちらも自己ベスト、SPのアドバンテージを守って総合3位となりました。



 女子とペアについての記事はここまで。次の記事では男子とアイスダンスの感想を書きたいと思います。


:女子シングルメダリスト3選手のスリーショット写真、ヒックス選手の写真、メイテ選手の写真、アルテミエワ選手の写真、シザリオ選手の写真、今井選手のフリーの写真は、エンターテインメント情報ウェブサイト「Zimbio」から、ラディオノワ選手の写真はスケート競技情報ウェブサイト「icenetwork」が2014年11月22日に配信した記事「Radio-logy! Russian keys second Grand Prix win」から、リプニツカヤ選手の写真は、AFPBB Newsが2014年11月23日の8:45に配信した記事「ラディオノワがシリーズ2勝目!今井は8位 エリック・ボンパール杯」から、ワグナー選手の写真は、「icenetwork」が2014年11月21日に配信した記事「Le Cru du Jour: Meriadeck ice transforms overnight」から、今井選手のSPの写真は、AP通信の公式ウェブサイトから、ペアメダリスト3組の写真は、フィギュアスケート専門誌「International Figure Skating」の公式フェイスブックページから引用させていただきました。

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エリック・ボンパール杯2014・男子&アイスダンスーマキシム・コフトゥン選手、GP2度目の優勝 2014年11月28日
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by hitsujigusa | 2014-11-25 20:44 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 ロステレコム杯2014、男子とアイスダンスの結果についてお伝えしていきます。
 男子はスペインの実力者、ハビエル・フェルナンデス選手が優勝。2年ぶりのGP2勝目となりました。2位はロシアのベテラン、セルゲイ・ボロノフ選手。GP4度目の表彰台で、銀メダル獲得は2つ目です。3位はチェコのミハル・ブレジナ選手。GPの表彰台は2年ぶりです。
 アイスダンスではアメリカのマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組が自己ベストで優勝を飾っています。

ISU GP Rostelecom Cup 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 優勝はスペインのハビエル・フェルナンデス選手です。

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 SPはまず代名詞の4サルコウをきっちり成功させると、次の3+3も完璧な回転と着氷で前半はパーフェクト。後半の3アクセルは着氷で少し乱れる部分はありましたが、スピン、ステップシークエンスもそつなくこなし、ロックの激しいリズムに乗った演技で観客を沸かせました。得点は93.92点の高得点をマークし、堂々トップに立ちました。
 フリーは冒頭の4トゥループを決めますが、続く4サルコウは着氷でバランスを崩します。後半に組み込んだ4サルコウ+2トゥループも乱れはあったもののしっかり4回転を回り切り、その他のジャンプも3回転が2回転に抜けるところはいくつかありましたが、大きなミスなくまとまった演技を見せました。得点は171.09点でフリーも1位、断トツの優勝となりました。
 今シーズンはここまでジャパンオープン、スケートカナダと出場していまいち仕上がりが遅い感じはあったのですが、やはり実力者だけあってしっかり間に合わせてきたなという感じですね。3アクセルで少し苦労している節はありましたが、その分をきっちり4回転で補っていて、4回転はすべて成功というわけではありませんでしたが、回転不足も転倒もなくまとめていたのはさすがでした。
 これでフェルナンデス選手は2大会を終え、計28ポイント。母国で開催されるファイナルへの進出を決めました。特別な想いのあるファイナルの切符を手にして、安堵の気持ちもあるのではないかと思います。ファイナルではさらに優勝、メダルというのを期待されるでしょうからまだまだ気は抜けなさそうですが、うまく調整してまたフェルナンデス選手らしい演技を見せてほしいですね。ロステレコム杯優勝、おめでとうございました。


 銀メダルを獲得したのはロシアのセルゲイ・ボロノフ選手。

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 ショートはサン=サーンスの交響詩「死の舞踏」。冒頭は4トゥループ+3トゥループのコンビネーション、これを完璧にクリーンに決めて、GOEでも2.29点という高い加点を得ます。スピンとステップシークエンスを挟んだ後半、3アクセルもさらりと成功させて加点2の高評価。3ループも難なく着氷すると、ヴァイオリンの旋律が奏でる独特な世界観を全身で表現し、地元の観客から拍手喝采を受けました。得点は90.33点、昨季のヨーロッパ選手権でマークした自己ベストを5点近く更新し、2位発進となりました。
 フリーは「It's a Men's World/Come Together/At Last/Big Time Boppin’ (Go Man Go)」。まずは前日パーフェクトに成功させた4トゥループ+3トゥループをこちらもあっさり決め、続く3アクセルも問題なくクリアします。単独の3トゥループも難なく着氷しましたが、3ルッツはパンクして2回転になります。しかしミスらしいミスはそれくらいで、後半も2本目の3アクセルや3連続コンビネーションなど次々とジャンプを降り、安定した演技を披露しました。得点は161.67点でフリー2位、総合2位でフィニッシュしました。
 演技の素晴らしさももちろんですが、何といってもジャンプの安定感が今大会の男子選手ではいちばんだったと思います。特に4トゥループ+3トゥループは教科書のお手本のようなジャンプで、高さや幅、スピードなどバランスがきれいに取れていて本当に美しい4+3でしたね。
 27歳にして初のファイナルがかかるボロノフ選手の2戦目はNHK杯。実力者の集まる大会ですが、ボロノフ選手らしさを発揮してファイナルの切符をつかみ取れるよう願っています。


 3位はチェコのミハル・ブレジナ選手です。

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 SPは冒頭の3アクセルをクリーンに決めて上々の滑り出しを見せますが、続く4サルコウは回転し切ったものの転倒してしまいます。しかしその流れを引きずることなく、後半の3+3をしっかり着氷し、ミスを最小限に抑えたまずまずの内容となりました。得点は80.89点で4位につけます。
 フリーはショート同様に3アクセルを完璧に着氷して勢いをつけ、3トゥループも成功。最近失敗が多かった4サルコウ+2トゥループもきれいに決めました。後半の2本目の4サルコウは回転不足で転倒したものの、その後は3アクセルを始めほとんどのジャンプをノーミスで滑り切り、うまく演技をまとめました。得点は160.34点で3位、トータルでも3位となり、2年ぶりのGPのメダルを獲得しました。
 久しぶりにブレジナ選手のまとまった演技を見たなという感じがしましたね。なかなか近年のブレジナ選手はショートとフリー両方揃うということがなくて、それなりにいいところまでは行くけれども、もう一つ本来の力が発揮できないという試合が多かったように思うのですが、今回はSP、フリーで3本の3アクセルを全て完璧に降りられましたし、4回転でミスしても切り替えて演技できていました。
 今大会の演技、結果をきっかけに、ブレジナ選手が殻を破って完全復活となればいいなと祈っています。


 4位はウズベキスタンのミーシャ・ジー選手です。

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 ショートはまず3アクセルをクリーンに決めると、続く3ルッツ+3トゥループもしっかり成功。後半の3フリップも問題なく着氷します。そして、ステップシークエンス、スピンも全て最高難度のレベル4を揃え、会心の演技となりました。得点は自己ベストを9点以上更新する79.69点で、5位発進となりました。
 フリーは2本の3アクセルを組み込む構成で挑み、1本目も2本目もこらえる着氷とはなりましたが何とか成功させます。その後は3+1+3の難しい3連続ジャンプを含め、予定どおりのジャンプを相次いで成功させ、コレオシークエンスでは終盤とは思えないキレのある動きで映画『シェルブールの雨傘』の世界を熱演。フィニッシュしたジー選手は喜びを噛み締めるように拳を力強く握りました。得点は158.36点、先週の中国杯でマークした自己ベストを10点近く上回り、GP自己最高の4位となりました。
 先週の中国杯から時間もあまりない中でしたが、見事に調子を上げてさらに進化した演技を見せてくれましたね。それにしても、GPが始まる前は正直ジー選手がここまで飛躍するとは想像もしてませんでした。以前は表現力はあるけれどなかなかジャンプが安定しなくて、“表現力の選手”というイメージだったのですが、このGP2大会のジー選手はちゃんとジャンプも伴っていて、それによって表現面もより際立って良くなって、見るたびにどんどん技術的にも表現的にも磨きがかかっていくのがヒシヒシと感じられて、本当に魅力的なスケーターになったなと思いますね。もちろん、まだまだ伸び盛りの選手なので、もっと洗練されて素敵なスケーターになっていくでしょうから、これからが楽しみですね。
 あと、余談ですがジー選手らしいなと思ったのがフリーのラスト。音楽は終わっているのに振り付けを省略することなく最後まで全力を尽くして演技し続けていて、それによって演技時間超過で1点減点されてしまったのですが、たとえ減点されても最後の最後まで表現に徹するというのは誰にでもできることではなく、まさにジー選手らしい姿だなと思いました。
 次の大会でもジー選手の満足のいく演技ができることを願っています。


 5位はアメリカのジェイソン・ブラウン選手。

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 SPは冒頭で3アクセルをしっかり決めましたが、続く3+3のセカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)となり、着氷が乱れるミス。その後はほぼノーミスで演技を立て直しましたが、3+3のミスが響いて得点は76.32点と伸びず、7位に留まります。
 フリーはまず3アクセルをクリーンに成功させると、次の2アクセルも軽快に着氷。しかし、単独の3ルッツでは着氷でバランスを崩します。後半の3アクセルでも着氷ミスがありましたが、その他は3+3、3+1+3など難しいコンビネーションジャンプもきれいに決めて、演技を終えたブラウン選手は感極まったように両手で顔を覆いました。得点は159.24点、自己ベストを更新し、トータルでも自己新で5位となりました。
 ちょこちょこミスはあってパーフェクトとならなかったのは残念でしたが、結果的にはパーソナルベストでしたし良い演技だったと思います。SPはスケートアメリカの時と比べると彼にしてはちょっと弾けっぷりが控えめかなとも感じましたが、ジャンプのミスが影響して慎重になったのかもしれません。その分、フリーは挽回しようと気合いが入っていましたね。フィニッシュ時の感情の高まりはそれだけ緊張を強いられていたということの表れなのかなとも思いました。
 また、順位的には5位でスケートアメリカの2位からがくんと落ちてしまいましたが、得点的にはアメリカを上回っていてブラウン選手が調子を落としたというわけではないので、これからまたシーズン後半に向けて上がっていくとプログラムもより充実していくでしょうから楽しみですね。
 2大会を終え、ブラウン選手の合計ポイントは20。ファイナル進出は厳しい数字となりましたが、次の大会ではまたブラウン選手らしい楽しい演技が見られるといいなと思います。


 6位は日本の小塚崇彦選手です。

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 SPは冒頭の4トゥループを回り切って降りたものの両足着氷で減点されます。しかし、続く3アクセルはクリーンに決めて高い加点を得、立て直したように見えましたが、後半の3+3はファーストジャンプの着氷で詰まり、セカンドジャンプに強引に繋げましたが回転不足で減点となります。その他のスピンやステップシークエンスは無難にまとめ、得点は81.38点で3位と好発進しました。
 ジャンプのミスは複数ありましたが、演技全体の流れはスムーズな小塚選手らしいもので、タンゴのリズムや雰囲気もどんどん小塚選手に馴染んできてるなと感じますね。あとはジャンプが揃えば、小塚選手のスケートの魅力を十二分に引き出す、素敵なタンゴになるんじゃないかと思います。

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 フリーもまずは4トゥループからでしたが、1本目は回転したものの転倒。直後の2本目は回転不足で転倒となります。その後は3アクセルが2アクセルになった上にダウングレード(大幅な回転不足)となるミスはありましたが、それ以外のジャンプはこらえる部分はありつつも手堅くまとめ、得点は135.42点でシーズンベストを更新、フリー7位、総合6位で大会を終えました。
 ショートで目安となる80点台に乗せられたので、フリーもこのままいけるといいなと思ったのですが、フリーはさすがにエレメンツの数も多く、全てをクリーンにとはいきませんでしたね。小塚選手自身はインタビューで「練習不足」「国際大会で戦う準備ができていなかった」「練習で積み重ねられる自信が今はない」ということを話していて、密な練習ができないような身体の状態だったということなのかなとも思いました。メンタル的にはなかなか気持ちが上がってこなかったのが、スケートカナダで不本意な演技となったことでスイッチが入ったとも聞くので、精神的には気力が満ちてきているのではないかと思いますし、やはり練習を積み重ねるしかジャンプの調子を上げる方法はないでしょうから、あまり無理せず怪我をしないように練習を続けていってほしいですね。
 全日本選手権では小塚選手の納得のいく演技ができることを祈っています。


 7位はアメリカのマックス・アーロン選手です。

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 ショートは冒頭に4サルコウからのコンビネーションジャンプを組み込み、若干の乱れはありましたが何とか成功させます。後半に2つのジャンプを固め、3アクセル、3ルッツとしっかり着氷します。ほかにスピンのレベルを取りこぼすところはあったものの、大崩れすることなく演技をまとめて得点は77.09点、自己ベストに迫るスコアをマークし、6位につけました。
 フリーは4サルコウを2本跳ぶ構成でしたが、1本目が2回転になると、2本目も同じようにすっぽ抜けて2回転になってしまいます。その後は2本の3アクセル、3+1+3など、難しいジャンプをしっかりこなしましたが、4サルコウの失敗が影響して得点は135.51点、フリーも6位で総合6位に留まりました。
 SPでは完璧ではなかったですがきっちり回り切った4回転を決めていたので、フリーで2本ともパンクしてしまうというのは予想外でしたが、1本目を失敗したことで2本目のタイミングやリズムが狂ってしまったのかもしれませんね。序盤の短い間に続けて跳ぶ構成でしたし、特に4回転で1本目を失敗すると2本目はさらに難しくなるという話を聞くので、アーロン選手の場合もそんな心理状態だったのかなと想像します。
 スケートカナダでは3位、今大会では7位となり、残念ながらファイナルの切符を逃してしまったアーロン選手。今後は主に世界選手権代表に選出されるための国内の競争に身を置くことになると思いますが、GPで得た課題や収穫を糧にして頑張ってほしいですね。



 ここからはアイスダンスです。

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 金メダルを手にしたのはアメリカのマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組です。SDはステップシークエンスで予定したレベルに届かないものが一つありましたが、全体的には申し分のないレベルの高い演技を披露し、68.86点のハイスコアをマーク。惜しくも先月のスケートアメリカでマークした自己ベストには0.1点及ばなかったものの、実力を発揮して首位に立ちました。フリーはリフトの規定違反があり減点1となりましたが、どのエレメンツでも高い加点を獲得、圧巻の演技で105.42点のパーソナルベストをマーク、断トツで優勝しました。
 他のカップルを寄せ付けない圧倒的な完全優勝で、昨季から一段も二段もステップアップを遂げているなという印象ですね。これでスケートアメリカに続き2戦連続優勝となり、初のファイナル進出を決めました。初めてというのはものすごく意外ですが、ぜひ優勝目指して頑張ってほしいですね。ロステレコム杯優勝、おめでとうございました。
 2位はロシアのエレーナ・イリニフ、ルスラン・ジガンシン組。ショートはパソドプレやリフトでのレベルの取りこぼしがありましたが、大きなミスのない安定した演技を見せ、64.12点のパーソナルベストで2位につけました。フリーも大きなミスこそ無かったものの、スピンやリフトがレベル1になる部分があり、それでも自己ベストをマークして総合2位の座を守りました。先週の中国杯の4位と合わせて合計22ポイントで、ファイナルは難しくなりましたが、可能性はゼロではありません。進出できるか否かはまだ分かりませんが、とにもかくにもカップル結成1年目での表彰台は素晴らしいですし、さらなる成長を楽しみにしたいですね。
 3位はイギリスのペニー・クームズ、ニコラス・バックランド組。SDはツイズルやリフトでレベルを取りこぼすミスがあり、GOEでも加点をあまり稼げず、3位となります。しかし、フリーでは前日のミスをしっかり修正して自己ベストをマーク、フリー2位でしたがトータルでは3位となりました。GP参戦5年目で初めて表彰台に立ったクームズ&バックランド組。今大会は3位でしたが、NHK杯の結果次第ではまだまだファイナルのチャンスは残されているので、頑張ってほしいなと思います。



 ロステレコム杯2014については以上です。女子とペアでは予想外のことがあったと書いたのですが、男子とアイスダンスに関しては比較的予想どおりの実力者が本領を発揮した大会になったかなと思います。
 この大会の結果によって徐々にファイナル進出者の枠も埋まりつつあり、女子ではロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手とアンナ・ポゴリラヤ選手、男子ではスペインのハビエル・フェルナンデス選手、ペアでは中国の彭程(ペン・チェン)、張昊(ジャン・ハオ)組、アイスダンスではアメリカのマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組とマイア・シブタニ、アレックス・シブタニ組がファイナル進出を確定させています。ほかにも確定ではないけれど可能性のある選手やペアはおり、混戦・接戦になりそうかなという気もします。
 次はGP5戦目のフランス大会、エリック・ボンパール杯です。日本からは男子の町田樹選手、女子の今井遥選手が出場を予定しています。


:男子シングルメダリスト3選手のスリーショット写真は、AP通信の公式ウェブサイトから、フェルナンデス選手の写真、小塚選手のフリーの写真は、AFPBB Newsが2014年11月16日の10:41に配信した記事「フェルナンデスが男子シングル優勝、ロシア杯」から、ボロノフ選手の写真、ブレジナ選手の写真、アーロン選手の写真、アイスダンスメダリスト3組の写真は、エンターテインメント情報ウェブサイト「Zimbio」から、ジー選手の写真は国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、ブラウン選手の写真、小塚選手のSPの写真は、フィギュアスケート情報ウェブサイト「Absolute Skating」から引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
ロステレコム杯2014・女子&ペア―本郷理華選手、パーソナルベストでGP初優勝 2014年11月19日
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by hitsujigusa | 2014-11-20 01:40 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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※2014年11月20日、大庭雅選手のフリーの写真を変更しました。

 GPシリーズ14/15、第4戦のロシア大会、正式名称ロステレコム杯です。この記事では女子とペアについてお伝えしていきます。
 女子シングルを制したのは日本の本郷理華選手です。GPデビューとなる今季、カナダ大会に続き2戦目にして優勝という快挙を達成しました。銀メダルを獲得したのはロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手。カナダ大会の優勝と合わせて、ファイナル進出を決めました。3位はカナダのアレイン・チャートランド選手。こちらもGPデビュー2戦目にして初の表彰台となりました。
 ペアではロシアのクセニア・ストルボワ、ヒョードル・クリモフ組が初めてのGP金メダルを獲得しています。

ISU GP Rostelecom Cup 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 優勝したのは今季GPデビューの本郷理華選手です!

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 SPはまず得点源となる3トゥループ+3トゥループをしっかり成功、2つのスピンを挟んだ後半、3フリップ、2アクセルも難なく決めます。表現面でもバレエ「海賊」のアップテンポな曲調を全身を使って伸びやかに表現、溌剌と演じ切りました。得点は59.85点、惜しくも目標とする60点台には乗りませんでしたが、スケートカナダに続いて自己ベストを更新、2位と好発進しました。
 もう少しで60点というところで、本郷選手自身もキス&クライでは微妙に複雑そうな表情をしていましたが、ジャンプの安定感というのはスケートカナダから変わらず素晴らしくて、それに加えて音楽表現という点でもよりのびのびしていたというか、私の見方の問題もあるのかもしれないですが、カナダでは多少緊張感を漂わせていたのと比べると、硬さが取れていたように感じましたね。3フリップとフライングキャメルスピンで若干減点されていたのですが、パッと見にはそんな悪い部分は無かったような気がしますし、些細なことなのであまり心配するポイントではなさそうですね。

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 フリーはショートより難度を上げた3フリップ+3トゥループに挑戦、惜しくもセカンドジャンプが回転不足とはなりましたが、しっかり着氷します。続く3ルッツは不正エッジで減点となりますが、次の3ループは決めて序盤は好スタートを切ります。しなやかかつ力強い振り付けが印象的なステップシークエンスは丁寧かつスピーディーなエッジワーク。後半はさらに勢いを増し、2アクセルからの3連続ジャンプなど次々とジャンプを成功させ、コレオシークエンスでは終盤とは思えないエネルギッシュさでリンクを駆け抜けました。フィニッシュした本郷選手は大きなガッツポーズを見せ、喜びを露わにしました。得点は118.15点でSPに続きパーソナルベスト、優勝を自らの手で引き寄せました。
 本当に素晴らしいフリーでした。スケートカナダの演技も良かったのですが、その時以上に本郷選手の気持ちが乗っているなというのが伝わってきましたし、前大会の際はまだ慎重さがあったのが、そこで良い演技内容、結果を得られたことによって自信をつけ、心に余裕を持って演技できているんだなというのが分かりましたね。
 また、「カルメン」を表現するという点でも、男を誘惑する魔性の女“カルメン”らしさを演技全体で存分に表現できていたと思います。力強く訴えてくる目の使い方、終盤に向かって増すスピード感、俊敏なキレキレの動き、迫力のあるスケールの大きな身体づかいなど、カルメンが乗り移ったのではないかと思うほど演技が進むにつれてどんどんカルメンになっていって、特に終盤のコレオシークエンスではゾクゾクっとするような美しさを感じましたし、同門の先輩である鈴木明子さんの演技を見ている時にも似た感覚になりましたね。
 2大会を終え、本郷選手の合計ポイントは22。ファイナル進出は難しい数字ですが、これまでも22ポイントでファイナルに進出した例がないことはないので(09/10シーズンの鈴木明子さん、12/13シーズンのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手、補欠から繰り上がったクリスティーナ・ガオ選手など)、本郷選手にも可能性は残されています。こればっかりは他の選手の結果次第なので分かりませんが、本郷選手は次の試合に向けてすでに歩み出していると思うので、そちらに集中してまた本郷選手らしい演技を見せてほしいなと思います。GP初優勝、おめでとうございました。


 2位はロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手です。

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 ショートは得意の3ルッツ+3トゥループからでしたが、ルッツの着氷で大きくバランスを崩しセカンドジャンプに繋げられません。後半の3ループを急遽3+2のコンビネーションにしたものの、こちらも着氷で乱れてしまいます。苦手の2アクセルは何とか成功させますが、ジャンプミスが響き得点は59.32点、自己ベストからは程遠いスコアで3位となります。
 フリーも冒頭の3ルッツ+3トゥループでショートと同じようなミスとなり、不安な出だしとなりましたが、続く3+1+3の難しい3連続ジャンプはクリーンに成功。流れを取り戻したかに見えましたが、後半に入り、3フリップ、3ルッツと相次いで失敗。その後もうまく立て直すことができず、結果的には7つのジャンプ要素のうち5つがミスジャンプということになり、演技を終えたポゴリラヤ選手は表情を曇らせました。得点は114.11点、フリー2位で総合も2位となりました。
 今大会のポゴリラヤ選手は練習からジャンプに苦労していたそうで、最後までその流れを変えることができなかったのですね。スケートカナダでは本当に失敗しそうな気配のまるで無い軽やかなジャンプを見せていたので、今回の彼女の姿にはびっくりしたのですが、それだけジャンプというのは繊細で、ジャンプの調子が良くない時と試合が重なってしまうと、こういうこともあるのかなと感じましたね。
 また、今大会の女子は当初の予定ではソチ五輪女王のロシアのアデリナ・ソトニコワ選手がエントリーしていましたが、足の怪我によって欠場となり、ポゴリラヤ選手ひとりに期待がかかる状況になっていたのが災いしたのかなとも思います。彼女以外のロシア女子選手はあまり実績がない選手ですし、必然的にポゴリラヤ選手に大きなプレッシャーがのしかかるシチュエーションになって、彼女が実際どれだけそれを感じていたのかは分かりませんが、無意識のうちに負担を背負っていたかもしれませんし、そういうメンタル面も影響したんじゃないかという気がしますね。
 目指していた演技、結果ではなかったと思いますが、それでも銀メダルを獲得したポゴリラヤ選手。2大会の合計は28ポイントとなり、2年連続のファイナル進出を確定させました。ぜひ、そちらでポゴリラヤ選手の本領発揮となることを楽しみにしています。


 3位となったのはカナダの新星、アレイン・チャートランド選手です。

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 ショートは冒頭で2アクセルを決めて流れをつくると、大技の3ルッツ+3トゥループもきっちり着氷させます。後半の3ループもクリーンに成功させ、ジャンプ要素はノーミス。その他のエレメンツもそつなくまとめて、得点は61.18点で初めて60点台に乗せパーソナルベスト、首位に立ちました。
 フリーはまず3ルッツ+1ループ+3サルコウの3連続ジャンプから、着氷が乱れる部分がありましたが何とかまとめます。続く3フリップ、3ループ、後半の2アクセル+3トゥループなど、それぞれにこらえたりふんばったりする場面があり、GOEでは減点対象となりますが、大崩れはせず最後までしっかり演技をまとめました。得点は110.82点、自己ベストに近い得点をマークし、フリー3位、総合3位で初めてのGPのメダルを獲得しました。
 フリーでは細かなミスが複数あり、得点を大きく伸ばすことはできませんでしたが、一方で大きく得点を下げることもなく、紙一重のところでよく我慢して踏みとどまったなという印象ですね。SPで1位になって、優勝を意識したかどうかは分かりませんが、メダルは当然考えたでしょうから、精神的にきつい中でのフリーだったと思います。しかも下位の選手とも僅差で、フリー次第で順位が大きく入れ替わってしまう可能性もあり、経験したことのない緊張感だったのではないでしょうか。それでも表彰台を守り切れたというのは、今後のチャートランド選手にとって貴重な財産になるでしょうし、自信にしていってほしいですね。
 次の大会でもチャートランド選手らしい演技となることを願っています。


 4位はアメリカの長洲未来選手。

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 SPは冒頭の3フリップ+3トゥループが両ジャンプともアンダーローテーション(軽度の回転不足)判定になったものの、後半の3ループと2アクセルは乱れなくまとめ、終盤のステップシークエンスとレイバックスピンでは高い加点を得るなど、まずまずの演技。得点は58.90点で4位につけます。
 フリーでもSP同様に3+3に挑みますが、こちらでもセカンドジャンプが回転不足の判定。続く2アクセル+3トゥループも同じく回転が足りずに降りてきてしまいます。その後も回転不足とされるジャンプがいくつかありましたが、演技全体としては「蝶々夫人」の壮大な旋律に乗ったスピードのある華やかな滑りを見せ、フィニッシュした長洲選手自身も笑みを浮かべました。しかし、得点は106.98点でフリー6位、総合4位に留まりました。
 SP、フリーともにざっくりと演技を見ると、ジャンプのすっぽ抜けや転倒や着氷時の乱れもなく、ステップシークエンスだったりスピンも取りこぼしなくこなしていて、本当によくまとまっているなという印象を受けるのですが、細かくスロー映像で確認するとやはり若干の回転不足がところどころで散見されて、演じる長洲選手の充実感が伝わってくるだけに細かなミスは残念ですね。今大会でもキス&クライで得点が表示された瞬間に不満そうな表情をしていて、良い演技をしていてもなかなかそれが得点に繋がらないのは長洲選手自身がいちばん悔しいだろうなと思います。癖のようになってしまった回転不足の修正というのは一朝一夕にすぐ改善できるというものではないと思うので、回り切ってから降りてくるという練習を地道にコツコツと継続していくしかないのでしょうね。
 次の大会こそ、長洲選手の心からの笑顔が見られることを祈っています。


 5位は韓国の朴小宴(パク・ソヨン)選手。

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 SPは3サルコウ+3トゥループに挑んだものの、セカンドジャンプの回転が足りず着氷にも乱れが生じます。次の3ルッツでもミスがあり、前半で点を積み重ねることができません。ただ、後半は巻き返して2アクセルをしっかり決め、ステップシークエンスやスピンも問題なくこなし、得点は53.71点で7位発進となります。
 フリーは前日ミスがあった3ルッツをまずは成功させ、次の3+3に向かいましたが、セカンドジャンプが2回転になります。後半でも小さなミスがあったものの、2アクセル+3トゥループを決めるなど底力も見せ、得点は109.53点でフリー4位、ショートから挽回して5位で大会を終えました。
 ここまでGP2大会の朴選手を見て、ところどころで細かなジャンプミスがあるものの大崩れするということはなくて、ひとつミスを犯してもそれを以降に引きずらせないという演技をまとめる力があるなと感じました。また、表現面でも腕の使い方だったりしなやかな身体の動かし方だったりに巧さがあり、これでジャンプが全て決まってプログラムが完成すれば、さらに美しく魅力的な演技になるだろうなと思います。
 初めてのGPで2大会とも5位と素晴らしいデビューを飾った朴選手。プログラムの完成を楽しみにしています。


 6位に入ったのはこちらもGPデビュー、日本の大庭雅選手です。

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 SPは「Resphoina」。冒頭は3サルコウ+3トゥループの連続ジャンプでしたが、サルコウで転倒してしまい単独に。続く3ループに急遽2トゥループを付けてコンビネーションにし、2アクセルも難なく着氷。ジャンプはうまく立て直しましたが、ステップシークエンスの最後で思いがけず転倒、悔しさの残る演技となりました。得点は46.76点で10位発進となりました。
 得点源となる2連続3回転を跳べなかったのは残念ですが、その後のリカバリーは良かったですし、後半はリズムを取り戻せていたように見えました。それだけに、ステップシークエンスでの転倒は痛かったかなと思いますが、こういったミスは予想外のアクシデントみたいなものなので仕方ないですね。あとは、スピンでレベルが取れているのに出来栄えでは減点されるというところもあって、そういうところがちょっともったいないので、ジャンプミスはどうしようもない時もありますが、スピンがさらに安定してくると良いなと思いますね。

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 フリーは昨季と同じ「レ・ミゼラブル」です。冒頭の大技2アクセル+3トゥループは完璧な回転と着氷で高い加点を得ます。続く3フリップもしっかり決めると、以降も小さな回転不足はあったもののミスらしいミスのないほぼパーフェクトな演技を披露。演技を終えた大庭選手はほっとしたような笑顔を見せました。得点は107.81点でパーソナルベストで、フリー5位。ショートと合わせたトータルでも自己ベストとなり、総合6位に順位を上げました。
 ミスの多かったSPから一転、初めてのGPという緊張もある中、一夜で気持ちを切り替えてこれだけ修正できたのは素晴らしかったですね。大庭選手本来の明るさや元気の良さ、スケートの勢いというのも伝わってきて、思い切りの良い演技からは清々しさが感じられました。
 また、ほぼ全てのジャンプにおいて大庭選手特有の助走の短いジャンプ、準備動作の極めて少ないジャンプがクリーンに跳べていて、流れの中で跳ぶジャンプの美しさ、軽やかさは改めて彼女の最大の魅力だなと感じましたし、GOEでもっともっと評価されるようになっていけばいいのになと心から思いますね。
 GPデビューで6位という大健闘を見せた大庭選手。次の大会でも大庭選手らしいジャンプ、そして満足のいく演技がショート、フリーの両方で揃うことを願っています。


 7位はロシアのマリア・スタヴィツカヤ選手です。

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 SPは「Slave Of Love」。冒頭に組み込んだ大技3ルッツ+3トゥループはルッツの軽微な不正エッジがあり、わずかに減点されます。続く3ループでは着氷で乱れますが、後半の2アクセルやスピンなどでは大きなミスなく丁寧にこなし、得点は54.78点で6位の好位置につけます。
 フリーはバレエ「ドン・キホーテ」。3ルッツ+3トゥループはショートと同じくルッツの不正エッジで若干の減点を受けますが、続く単独の3フリップ、3トゥループ+2アクセルのシークエンスジャンプは確実に成功させます。ただ、後半になるとジャンプのミス、スピンのミスなど綻びが生じ、疲れが影響してか演技のスピードも落ちてしまいました。得点は98.71点とあまり伸びませんでしたが、それでも自己ベストを更新、フリー8位で総合7位でフィニッシュしました。
 ショートはよくまとまっていたのですが、フリーはジュニアよりも演技時間が長い分、さすがに後半はスタミナが切れたのでしょう、目に見えてスピードが落ちてしまったのはシニアを戦っていく上での今後の課題ですね。
 ですが、決まったジャンプに関してはとても質の良いきれいなジャンプで、特に高さは目を見張るものがありましたね。あとはその高さだったり回転だったりをうまくコントロールできるようになれば、高い加点の付く評価の高いジャンプになるんじゃないかなと感じました。
 今回スタヴィツカヤ選手は欠場したアデリナ・ソトニコワ選手の代役ということで、準備期間の少ない状況でいろいろ大変だったと思います。ロシア国内の競争も激しい中でこうしてGPに出場できたことは、彼女にとってとても意義深いことだと思うので、この経験を活かして次の試合も頑張ってほしいですね。



 変わりまして、ここからはペア競技についてです。ペアは表彰台をロシア勢が独占する結果となりました。

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 優勝はソチ五輪銀メダルのクセニア・ストルボワ、ヒョードル・クリモフ組。ショートはツイストやリフトのレベルを取りこぼすミスもあり、自己ベストからは遠い得点となってしまいましたが、フリーはさすがの地力で前日のミスを修正、ジャンプやスロージャンプもほぼノーミスで自己ベストに迫る高得点をマーク、2位に大差をつける圧巻の優勝となりました。
 すでにオリンピックと世界選手権でメダルを獲得しているストルボワ&クリモフ組ですが、GPの金メダルは意外にもこれが初めて。実力者ペアという印象ですが、思えば昨年の世界選手権が初出場というように、昨季急成長を遂げたペアなんですね。今シーズンは今のところソチ五輪覇者のタチアナ・ボロソジャー&マキシム・トランコフ組がトランコフ選手の怪我の影響で不在ですから、しばらくはストルボワ&クリモフ組がペア界をリードしていくことになりそうです。
 2位は世界ジュニア2014銀メダルのエフゲニア・タラソワ、ウラジミール・モロゾフ組。ショートは完璧な演技で自己ベストを更新、ストルボワ&クリモフ組に迫る2位となりましたが、フリーはジャンプやスロージャンプのミスが複数あり5位、それでもSPのアドバンテージを活かして2位を守り切りました。これでタラソワ&モロゾフ組はスケートカナダの3位という結果と合わせ、計24ポイント。ファイナル進出は他のペアの結果次第なのでまだ微妙なところですね。
 3位はクリスティーナ・アスタホワ、アレクセイ・ロゴノフ組。ショートはツイストやリフトなどでわずかに減点されるミスがありましたが、演技をまとめて自己ベストを更新する3位。フリーはジャンプを始めほかのエレメンツでもチラホラとミスがあったものの、大きく崩れることはなくこちらも自己ベストの4位、総合3位でGP初の表彰台に上りました。
 日本の高橋成美、木原龍一組は7位となりました。

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 SPは「Bossa Nova Baby」。ジャンプやリフトで若干ミスがあったものの大きなミスなく演技を終え、得点は47.68点でシーズンベストを更新し、7位発進となります。
 フリーは「That's Entertainment/Love is Here to Stay/I'll Build a Stairway to Paradise」。ジャンプやスロージャンプでダウングレード(大幅な回転不足)や転倒があり、得点源となるところではあまり得点を積み重ねることができませんでしたが、リフトやスピンは加点される質の良いものをこなし、84.92点をマークし、フリーも7位で総合7位となりました。
 なかなかジャンプがうまくいかずベストからは遠い演技となってしまいましたが、1か月ほど前に出場したスケートカナダオータムクラシックでは今大会以上に良くない感じだったので、その時からは着実に調子を上げきているような印象を受けます。まだシーズンは始まったばかりですから、焦らずに一つずつステップを上がっていってほしいなと思いますね。高橋&木原組の次戦はNHK杯です。



 ロステレコム杯2014、女子とペアについて大ざっぱですが内容と感想を書いてきました。どちらも予想外の部分がけっこうありましたね。
 まず、女子は本郷選手が優勝したことが何といってもいちばんのサプライズでした。ポゴリラヤ選手が圧倒的な優勝候補筆頭でしたし、これだけは間違いないだろうくらいに思っていたのですが……。そういった優勝候補の思わぬ穴があった中で、またとないチャンスを生かして金メダルをさらったのが本郷選手。彼女自身が話していたように、178.00点という得点はスケートカナダでは表彰台に乗れないスコアですし、ポゴリラヤ選手のミスに助けられた優勝ではあったと思うのですが、そういう状況に置かれても冷静さを失うことなく自分のペースを貫けたのは間違いなく本郷選手の実力ですし、数少ないチャンスをものにできるメンタルの強さが何より素晴らしかったと思います。
 その一方、今大会の女子の番狂わせで、改めてGPシリーズの組み合わせの難しさというのも感じました。GPシリーズは得点よりも順位が大きな意味を持ってくるので、6大会のうちどの大会に出るか、どういう選手と一緒になるかといった点が重要になります。そういった意味で、最大の強豪であるソトニコワ選手が欠場し、有力選手が極めて少なく、経験の少ない10代の選手がほとんどというロステレコム杯の女子シングルは、トップスケーターでない選手にもビッグチャンスがもたらされやすいシチュエーションが整っていたと言えます。
 他方で、NHK杯のように実力者が集中する大会もあり、たとえば現在際どいところでファイナル争いをしている宮原知子選手がNHK杯ではなくロステレコム杯に出場していて、スケートカナダと同じくらいの得点を出していたら、優勝してその時点でファイナル進出が決まっていたんじゃないかとか、スポーツの世界でたらればを考えてもしょうがないことなんですが、ついついそんな架空を想像してしまいます。日本女子選手のファイナル進出の可能性ということを考えると、NHK杯で宮原選手と村上佳菜子選手が日本選手同士でぶつかってメダル争いをするというのは残念な気がして、宮原選手がロステレコム杯にエントリーしていたら、などという妄想を膨らませてしまうんですよね。まさにGPの組み合わせがもたらすラッキー、アンラッキーを考えさせられました。
 話が大きく逸れましたが、今大会の話に戻しますと、ペアでも先日のスケートアメリカで銀メダルを獲得したアメリカのヘイヴン・デニー、ブランドン・フレイジャー組が表彰台を逃すという予想外の出来事がありました。ストルボワ&クリモフ組は抜きんでて強いので別格ですが、タラソワ&モロゾフ組はデニー&フレイジャー組と良い勝負というところで、ほかはそこまでのペアはいないのでタラソワ&モロゾフ組とデニー&フレイジャー組の銀メダル争いになるだろうと思っていたわけですが、デニー&フレイジャー組のらしからぬミスがあり、その隙をアスタホワ&ロゴノフ組が突く形で予想を裏切る展開が作られましたね。
 長々と書きましたが、次の記事では男子とアイスダンスについてお伝えします。


:女子シングルメダリスト3選手のスリーショット写真はAP通信の公式ウェブサイトから、本郷選手のSPの写真は、AFPBB Newsが2014年11月15日の10:52に配信した記事「新鋭シャルトランが女子SP首位、本郷が2位 ロシア杯」から、本郷選手のフリーの写真、高橋&木原組のフリーの写真はスポーツ情報ウェブサイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、ポゴリラヤ選手の写真は、AFPBB Newsが2014年11月16日の8:42に配信した記事「本郷が逆転でGPシリーズ初優勝、ロシア杯」から、チャートランド選手の写真、長洲選手の写真、朴選手の写真、大庭選手のSPの写真、スタヴィツカヤ選手の写真はエンターテインメント情報ウェブサイト「Zimbio」から、ペアメダリスト3組の写真はゲッティイメージズの公式ウェブサイトから、大庭選手のフリーの写真、高橋&木原組のSPの写真は、国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
ロステレコム杯2014・男子&アイスダンス―ハビエル・フェルナンデス選手、GP2度目の優勝 2014年11月20日
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by hitsujigusa | 2014-11-19 00:58 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 中国杯2014・男子&ペア―マキシム・コフトゥン選手、GP初優勝(その1)に引き続き、男子の5位から8位の選手についてとペアのメダリストについて書いていきます。

ISU GP Lexus Cup of China 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

*****

 5位はウズベキスタンのミーシャ・ジー選手。

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 ショートはボーカル入りの「アヴェ・マリア」。冒頭は得点源となる3アクセル、これをきっちりこなします。続く3ルッツ+3トゥループはクリーンに決まったかに見えましたが、セカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)の判定。後半の3フリップは難なく着氷します。ジャンプに大きなミスは無かったものの、最後のスピンがミスで無得点になるなどスピンでの取りこぼしが目立ち、得点は69・46点で7位発進となりました。
 ジャンプがとても良かっただけに、スピンがもったいなかったです。パーソナルベストが70.26点ですから、最後のスピンの失敗さえなければというところでしたね。
 フリーは「映画『シェルブールの雨傘』より」。こちらも3アクセルから始まる構成で、単独の3アクセルと3アクセルからのコンビネーションジャンプを2本ともしっかり決め、上々の滑り出しを見せます。その後も、3ルッツの不正エッジでわずかに減点を受けたものの、予定どおりのエレメンツをこなしていきます。しかし2つ目の3フリップが規定に引っ掛かり、SPに続きまたもや無得点となるもったいないミス。それでも得点は149.82点とこれまでの自己ベストを10点以上上回り、トータルでも自己ベスト、自身GP最高位の5位でフィニッシュしました。
 フリーはほとんどのジャンプでミスらしいミス無く、間違いなくジー選手の最高の演技だったと思うのですが、3フリップが無効要素で無得点になるという大きなミスがもったいなかったですね。フリーでは、3回転以上のジャンプは2種類を二度ずつまでしか挑戦できないというルールがあり、3種類のジャンプをそれぞれ二度ずつ跳んでしまった場合、最後のジャンプが無効になってしまいます。今回のジー選手に当てはめると、序盤で3アクセルを二度、さらに3ルッツを二度跳んだので、それ以外の種類のトリプルジャンプを二度以上跳ぶと規定違反ということになるのですが、後半で3フリップ+1ループ+3サルコウの連続ジャンプと単独の3フリップを跳んでしまい、最後の3フリップが無得点となったわけです。
 本来なら予定どおりのジャンプをこなしていくだけですから、なかなかこういった形でのミスはあまりないのですが、間違ってほかの種類のジャンプを跳んでしまったんですかね。10月のフィンランディア杯の時とはジャンプ構成が全く違うので、変更したことによって混乱が生まれたのかもしれません。
 そういった大きなロスはあったものの、SP、フリーともに自身の精一杯の力を発揮し、“ミーシャ・ジーらしさ”を存分に披露したジー選手。当初のエントリーではこの中国杯のみの出場予定でしたが、最近になって今週末に行われるロシア大会への出場が急遽決定しました。そのことが発表されたのが11月11日なので、中国杯が終わってすぐ、しかも2週連続の出場というせわしなさなのですが、ジー選手にはぜひこのチャンスを生かしてまた彼らしい演技を見せてほしいなと思いますね。


 6位は中国のエース、閻涵(ヤン・ハン)選手です。

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 SPは「If I Were a Rich Man」。冒頭は得意の3アクセルからでしたが、空中で軸が曲がり着氷で大きく崩れます。続く4トゥループも同じように着氷で乱れ、後半の3+3はセカンドジャンプが回転不足になるミス。スピンのレベルは揃えたものの、ジャンプミスが響き、得点は79.21点で3位に留まります。
 そしてフリー。(その1)で書いたように6分間練習中に羽生選手と激しく激突するアクシデントがあり、閻選手は顎を負傷します。その後、一度は棄権を申し出たものの、羽生選手の出場に触発されたのか閻選手も出場を決定しました。
 プログラムは「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。序盤、3アクセルは着氷で乱れ、4トゥループは転倒、2本目の3アクセルはパンクして1回転となります。後半に入ると何とか挽回し、3ルッツ、3ループを立て続けに成功。以降の3つのジャンプはいずれも失敗とはなったものの、最後まで全力を尽くして演じ切りました。得点は127.44点、フリー7位で総合6位となりました。
 フリーの演技はさすがにアクシデントの影響が大きく、ほとんどのジャンプが思ったようには決まらなかったのですが、その中でも果敢に3アクセルや4トゥループに挑戦していて、閻選手の意地を見ましたね。ただ、羽生選手ほどではないにしても頭部を打ってはいましたし、やはり出場するのはリスクが高かったように思います。閻選手の詳しい診断結果は不明なのですが、深刻な状態ではないということでほっとしています。
 閻選手の次戦は2週間後のフランス大会。出場の可否に関しては無理せず、身体のことを第一に考慮してゆっくり休んでほしいと思います。


 7位はイスラエルのアレクセイ・ビチェンコ選手。

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 SPは「椿姫」。冒頭の3アクセルをクリーンに成功させると、4トゥループもきれいな回転と着氷。後半の3+3もしっかりまとめて会心の演技となりました。得点は76.96点、昨季の世界選手権でマークした自己ベストを7点以上更新し、5位という好位置につけました。
 フリーは「ノストラダムス」。3アクセルは前日と同じようにしっかり決めましたが、続く4トゥループは転倒。その後もほとんどのジャンプでちらほらミスが出てしまい、得点は127.19点、フリー8位で総合7位に終わりました。
 ショートがとても素晴らしかっただけに、フリーは残念でしたね。4回転で転倒したところからリズムが狂ってしまったのか、悪い流れにハマってしまったような感じでした。それでも、GPシリーズ前に出場した2大会、そしてスケートアメリカよりはずっと良い内容でした。26歳にして初参戦となるGPシリーズの2試合はこれで終了しましたが、GPで得た経験を糧にして、次こそはフリーもうまくいくよう願っています。


 8位にはこれがGPデビューとなる日本の田中刑事選手が入りました。

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 SPは昨シーズンと同じ「インスティンクト・ラプソディ」。冒頭に組み込んだ4サルコウは回転していたものの着氷でバランスを崩し、若干の減点。続く3アクセルはタイミングが合わず1回転になってしまいます。後半の3フリップ+3トゥループも細かなミスがあり、得点は56.82点と伸びず、11位発進となります。
 4サルコウは挑戦という位置付けだそうなので、惜しいところまでいって残念ではありますが、仕方ないミスかなと思います。ただ、3アクセルがシングルになったのは、規定の回転数に満たないという理由で無得点になってしまったのでかなり痛かったですね。3+3ももったいなかったです。やはり、初めてのGPということで、経験したことのない感覚があったかのかもしれないですね。

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 フリーは「椿姫」。ショート同様に4サルコウに挑み、あえなく転倒となりますが回転は認定されます。前日失敗した3アクセルと3フリップ+3トゥループも今度はきっちり成功。後半に入り、2つ目の3アクセルが1回転になるミスはあったものの、その他のジャンプは手堅くまとめて、得点は132.44点でフリー6位、総合8位に順位を上げました。
 3アクセルが1回転になるミスはありましたが、それ以外のジャンプは予定どおりにそつなくこなせていて良かったと思います。スピンでレベルの取りこぼしがあったのはもったいない損ですが、4サルコウはショートもフリーも回り切っていましたし、次の試合に向けて大きな収穫になったのではないでしょうか。
 GPの出場は今大会のみですが、この経験を次の演技に生かして頑張ってほしいなと思いますね。



 ここからはペアです。ペアは中国勢が表彰台を独占しました。

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 優勝したのは彭程(ペン・チェン)、張昊(ジャン・ハオ)組。フリーではジャンプのミスが目立ったものの、SP、フリー合わせてレベルの高い演技を見せ、2位に20点以上の大差をつける断トツの力を見せつけ、GP初の金メダルを獲得しました。これで彭&張組は2大会を終え、計26ポイントとなりました。まだファイナル進出決定とはならないと思うのですが、可能性としては充分に残されているので、ほかのペアの結果次第ですね。何はともあれ、中国杯優勝おめでとうございました。
 銀メダルを獲得したのは于小雨(ユー・シャオユー)、金揚(ジン・ヤン)組。ショートでは複数ミスがあり3位に留まりましたが、フリーはスピンやリフトのミスはあったもののジャンプはほぼノーミスで自己ベストの2位、総合でも2位に順位を上げました。
 3位は王雪涵(ワン・シュエハン)、王磊(ワン・レイ)組。ショートはミスを最小限に抑えた演技でパーソナルベストを更新して2位、フリーはジャンプでミスが複数あり、総合3位となりました。



 大きなアクシデントがあり、フィギュアスケート界のみならずスポーツ界全体に衝撃を与えることとなった今大会。このような事故が二度と起こらないことを心から願います。
 今大会をもってGPシリーズは半分が終了、女子ではロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手が一足先にファイナル進出を決めましたが、それ以外の種目ではまだ完全に決定という選手はいませんね。
 また、ここまでの3大会の流れを見ると、女子では開幕前の予想どおり圧倒的にロシア勢が層の厚さ、強力さを示しています。今後、ロシア選手以外の優勝者が出るのかどうかという点も注目ですね。男子では、2大会で日本選手が優勝しており、相変わらずの層の厚さがうかがえます。一方、ペアでは3大会すべてで中国勢がメダルを獲得しており、しかも地元の中国杯では表彰台独占という圧倒的な強さを顕示していて、ペア大国中国の底力を見せつけていますね。アイスダンスではアメリカ勢が3つのメダル、カナダ勢が2つのメダルと北米勢が昨季と変わらぬ強さを保っています。
 次戦はロシア大会、日本からは男子の小塚崇彦選手、女子の本郷理華選手、大庭雅選手、ペアの高橋成美、木原龍一組が出場します。


:男子メダリスト2選手のツーショット写真、ペアメダリスト3組の写真は、フィギュアスケート情報ウェブサイト「「Absolute Skating」から、その他の写真は全て、スポーツ情報ウェブサイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
中国杯2014・女子&アイスダンス―エリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手、3年ぶりのGP優勝 2014年11月10日
中国杯2014・男子&ペアーマキシム・コフトゥン選手、GP初優勝(その1) 2014年11月13日
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by hitsujigusa | 2014-11-14 00:39 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 前記事に続いて中国杯2014の詳細をお届けしていきます。今回は男子とペアです。
 ご存知の方も多いと思いますが、男子のフリーでは6分間練習中に選手同士が衝突するというアクシデントがあり、衝撃に包まれる中での競技となりました。そんな中で優勝したのはロシアのマキシム・コフトゥン選手。ショートとフリーで4回転ジャンプを計3本成功させ、GP優勝という初の栄冠に輝きました。2位となったのは日本の羽生結弦選手、3位はアメリカのリチャード・ドーンブッシュ選手です。
 そして、ペアでは中国の彭程(ペン・チェン)、張昊(ジャン・ハオ)組がこちらも初めてのGP優勝となりました。

ISU GP Lexus Cup of China 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

*****

 金メダルを手にしたのはロシアチャンピオンのマキシム・コフトゥン選手です。

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 SPは定番の「ボレロ」。4回転を2本組み込むアグレッシブな構成で挑み、まずは4サルコウ+3トゥループから。4サルコウはクリーンに着氷しますが、3トゥループが着氷で詰まったため、GOEでは加点を得られず。しかし、続く単独の4トゥループはしっかり成功させ、2本の4回転はどちらも成功となります。が、後半に入れた3アクセルが2回転になるミスがあり、もったいない内容となりました。得点は85.96点で首位に立ちます。
 フリーはイギリスのバンド、ミューズの「エキソジェネシス交響曲」。4回転3本という、こちらも驚異的なジャンプ構成です。冒頭の4サルコウは回転は足りていたものの転倒、幸先の悪い出だしとなりますが、次の4トゥループはきれいに成功させて高い加点を得ます。さらに4トゥループからのコンビネーションジャンプを予定していましたが、こちらは4トゥループが3回転になります。後半は2本の3アクセルを組み込みましたが、3アクセルからの2連続ジャンプはセカンドジャンプが1回転になり、続く単独の3アクセルも着氷で乱れるミス。その後のジャンプは何とか大きなミスなくこなしましたが、精彩を欠いた内容で得点は157.38点とあまり伸びず。それでもフリー1位で、GP初優勝となりました。
 ショート、フリーともに4回転を決めている一方で、3アクセルに苦しんだかなという感じですね。フリーはメンタル的に気持ちを整えるのが難しい中での演技だったので致し方ない部分はありますし、しかも羽生結弦選手の次に滑るということで大変だったと思います。そういった状況を考えると、大崩れせずうまく演技をまとめたのは素晴らしかったですね。
 コフトゥン選手の次戦はフランス大会、気持ちを切り替えてコフトゥン選手らしい演技ができるよう頑張ってほしいなと思います。中国杯優勝、おめでとうございました。


 2位となったのは日本の羽生結弦選手です。

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 出場を予定していたフィンランディア杯を腰痛のため欠場し、今大会が今季の初戦となった羽生選手。SPはショパンの「バラード第1番」。冒頭は得意の3アクセル、イーグルポジションから即座に踏み切る難しい跳び方でしたが難なく成功させ、着氷後もイーグルのまま滑るというさらに難度の高いランディング。GOEでは加点3という驚異の最高評価を得ます。2つのスピンをこなし、後半は4トゥループを組み込んだ昨季よりレベルアップした構成でしたが、4トゥループが3回転になるミス。3ルッツ+3トゥループの連続ジャンプも3ルッツの着氷で大きくバランスを崩し、セカンドジャンプに繋げられません。それでも得点は82.95点で2位につけました。
 冒頭の3アクセルは本当に見事なジャンプで、しかも跳ぶ直前と着氷後にイーグルをするという高度なつなぎを入れていて、加点3も納得の素晴らしい3アクセルでした。それだけに4トゥループと3ルッツの失敗は意外でしたね。腰痛で練習が詰めていないというのもあるでしょうが、やはり冒頭に4回転を跳ぶのとプログラムの中盤で4回転を跳ぶのとではタイミングの取り方も違うと思いますし、1分以上滑った後に流れの中で跳ぶのは勢いもつけにくいのではないかと想像します。でも、それ以上に驚いたのは3ルッツの失敗で、羽生選手にとってはミスらしいミスをしない常にやすやすと跳んでいるジャンプなので、やはり練習不足の影響があるのかなと感じましたね。
 ミスが多かったのであまりプログラムをじっくり見るということはできませんでしたが、羽生選手の身のこなしの美しさとかしなやかな動きの繊細さは感じられましたし、音楽とスケートとの調和も垣間見えて、完成したら羽生選手のスケートの魅力を引き出す素晴らしいプログラムになるだろうなと思います。

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 そして一夜明けて迎えたフリー。逆転優勝を目指した羽生選手でしたが、演技直前の6分間練習中に中国の閻涵(ヤン・ハン)選手と激しく衝突するというアクシデントが発生しました。

◆◆◆◆◆

羽生結弦の事故を教訓に、今すべきこととは?

 ジャンプを跳ぶためにターンをしながら滑っていた羽生結弦が、同じくジャンプの準備動作をしながら滑っていたハン・ヤン(中国)と衝突。羽生の頭部とハンの顎が激突して両者とも氷の上に崩れ落ちた。

 なかなか動こうとしないふたり。一瞬の出来事に悲鳴が上がった後、会場は静まり返った。急遽練習が中断されて選手がリンクから上がると、ハンはフラフラしながらリンクから出て、再び倒れ込んでしまった。しばらく動けないまま氷上に倒れ込んでいた羽生も、救護の係員が駆けつけて担架が運び込まれようとすると立ち上がり、リンクの外に出た。見ている者の誰もが、ふたりとも棄権するのだろうかと考えた。

 かつて2010年のGPファイナルで、小塚崇彦と髙橋大輔が練習中に衝突するアクシデントがあった。今回は、そのときよりも互いにスピードが出た状態での正面からの衝突。日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長は「右耳上と顎から出血していただけではなく、鳩尾(みぞおち)も打撲していた。足も負傷していたようだったので、無理して出場することはないと思った」という。

 だが、アメリカのチームドクターに応急処置と簡単な検査をしてもらった後、ブライアン・オーサーコーチと羽生が話し合い、本人の意思で出場することになった。


web Sportiva 2014年11月11日 一部抜粋

◆◆◆◆◆

 アメリカチームの医師の診察を受け、怪我の応急処置をした羽生選手は、再開された6分間練習に登場しジャンプを確認。そして、アクシデントからおよそ50分後に自身のフリー演技「オペラ座の怪人」を行いました。
 序盤に組み込んだ4サルコウと4トゥループは回り切ったもののこらえきれず転倒。続く3フリップはきれいに着氷します。後半に入り、2本目の4トゥループは3ルッツからの連続ジャンプに変更し、しっかり決めます。次の3アクセルは転倒しますが、直後の3アクセル+1ループ+3サルコウの難しい3連続ジャンプはクリーンに成功。その後のジャンプは全て転倒となりましたが、最後まで気力、体力を振り絞り、無事に滑り切りました。得点は154.60点、フリー2位で見事に総合2位となりました。
 フリーは5度の転倒があり、また、全体的に弱々しい演技だったにもかかわらず150点台というそれなりの得点をマークしたことは驚異以外の何ものでもありませんね。演技構成点に関しては、低く抑えられたといっても元々の羽生選手の評価が他選手より図抜けて高いですし、アクシデントのことが考慮されたというのも当然あるんだろうなと思います。
 それ以上に私が凄いと思ったのは技術点で、何と全体の2位なんですね。羽生選手は5度転倒しましたが、3ループでアンダーローテーション(軽度の回転不足)を取られた以外は、全てのジャンプできっちり回転したと認められているんですね。転倒した4回転にしても3アクセルにしても、転倒はしたけれども回り切っているぶん予定した基礎点をしっかり取っていて、得点のロスを最小限に抑えています。また、あれだけのアクシデントの後にもかかわらず一つもジャンプのすっぽ抜けが無くちゃんと点を稼いでいて、羽生選手の精神力はもちろんのこと、技術力の高さを改めて思い知らされました。
 その一方で、羽生選手が頭を打った状態で出場を強行したことに対して、批判的な声も多く聞かれます。今のところ羽生選手は頭部、顎の挫創、腹部、左太ももの挫傷、右足関節のねんざという外傷だけで済んでいますが、アクシデント直後の時点では、アメリカチームの医師の診察を受けたとはいえ精密検査ではないですし、頭を打っていて脳振とうも疑われる状況だったので、脳へのダメージというのはいちばん怖いですから、そのことを第一に考えて棄権すべきだったと私は思います。羽生選手の演技について、感動した、素晴らしかったと称賛する人々も多く、確かに私も演技そのものには感銘を受けたので共感する部分はあるのですが、もし羽生選手が演技後に重篤な状態に陥っていたら、“感動”などと言っていられない大変な事態になっていたわけですから、これは感動話、美談で終わらせてはいけないことだと思いますし、羽生選手の不屈の精神、困難に立ち向かう強い心には拍手を送りたいですが、出場という選択、行動には賛成できません。
 また、批判的な意見を見ると、羽生選手本人というよりもコーチや日本スケート連盟の関係者に対する、なぜ止めなかったのかという意見が多いように思います。選手というのは当然ピンチには抗おうとするものでしょうし、特に気持ちの強い選手であればあるほど身を削ってでも頑張ろうとするものです。だからこそ今回のようなエマージェンシーの場面では、コーチや関係者が客観的に選手の命や将来を考える役割を果たさなければならないのだと私も思います。
 ただ、他方では一概にコーチや連盟関係者を責めることはできないとも感じます。テレビ中継でアクシデント後の羽生選手とブライアン・オーサーコーチの様子を見ていましたが、棄権しまいとする羽生選手をオーサーコーチが説得していて、それでも羽生選手の決意が揺らぐことはなく、最終的には羽生選手の意思を尊重する形で出場を決めたのだという経緯が何となく見て取れました。もちろんオーサーコーチは何とか羽生選手の固い意志を変えようと強い気持ちで説得したと思います。ですがアクシデントの後、ある程度落ち着いてからの羽生選手は彼の性格からして、たぶん最初から100%出場する気満々だったでしょう。では、オーサーコーチが羽生選手と同等の100%の気持ちで説得できたかというと、決してそうではなかったのではないかという感じがします。
 何の迷いも揺らぎもなく、100%の意志で出場すると心を決めている選手の決断を覆そうとするならば、コーチも同じように何の迷いも揺らぎもなく、叱ったり怒鳴りつけたりするくらいの強さで説得しなければならないでしょう。しかしこれは憶測ですが、オーサーコーチの心の中には、棄権させなければならないという理性的な考えと、できれば演技させてあげたいという本能的な感情との両方が内在し、オーサーコーチ自身も迷っていたのではないでしょうか。演技させてはいけない、棄権させなければと頭では思っていて言葉でもそう説得はしていても、選手の普段の練習や大会・演技にかける想いをコーチはすぐそばで見ていて知っているわけですから、できることなら演技させてあげたいと心のどこかで思うでしょうし、それはコーチの親心として当然のことだと思います。私がオーサーコーチの立場でも、羽生選手を完全に説得できたかというと自信はありません。
 コーチや関係者が選手を説得する場合、どうしてもそこには私情が入らざるを得ないですし、選手やコーチに棄権するしないの判断を委ねるのには限界があるでしょう。だからこそ、国際スケート連盟や大会運営側がガイドラインやルールを作ることが必要なのだと思います。感情を挟む余地なく、誰が何と言おうと脳振とうが疑われる場合は棄権、というルールさえあれば、選手もコーチも迷わずに済みますし、選手の命や将来を守ることにも繋がります。さらに、今回のように選手の人生を左右するかもしれないような重要な決断をコーチ一人が下さねばならないという状況になることもなくなり、コーチが重すぎる責任を背負わなくてもよくなるという意味で、コーチを守ることにもなるのではないでしょうか。国際スケート連盟にはぜひ、脳振とう等の頭部の負傷に関するルール作りに向けて積極的に動いてほしいですし、また、これだけ選手の技術が飛躍的にレベルアップしているにもかかわらず、6分間練習のシステムが数十年間ほとんど変わっていないという状況も含めて、6分間練習の在り方についても議論を進めてほしいと切に願います。
 日本帰国後、羽生選手は医師の診察を受け、全治2~3週間という診断となりました。今月末に行われるNHK杯に出場予定ですが、現時点では出場できるかどうか、するかどうかは不明です。両足に怪我を負っているわけなので、その回復次第で練習を再開するのでしょうが、あまり無理はしないでほしいですね。そして、もしもう一度同じようなアクシデントに出くわしたとしても(絶対ないことを願いますが)、もう二度と頭を打った状態で演技するなどという無茶はしないでほしいと思います。諦めない精神は羽生選手の素晴らしい長所ですが、一大事の時くらいは諦めることもあってよいですし、何より自分の身体と命を最優先に考えてほしいなと思いますね。とにもかくにも、ゆっくり休んでほしいですね。


 3位に入ったのはアメリカのリチャード・ドーンブッシュ選手です。

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 SPは昨季と同じ「The Sons of Italy」。冒頭は4サルコウでしたが、回転不足で着氷が乱れます。続く3アクセルはきれいな跳躍で完璧なジャンプ。後半に組み込んだ3+3はセカンドジャンプが2回転になりますが、スピンを全てレベル4に揃えるなどまとまりのある演技を見せ、得点は77.23点で4位発進となります。
 フリーはコールドプレイの「イエロー/美しき生命」。ショートとは違う種類の4トゥループに挑戦、見事クリーンに成功させます。さらに3アクセル、3ルッツも相次いで着氷させ、序盤のジャンプは全てパーフェクト。後半1発目の3アクセル+3トゥループもきれいに決めますが、続く3ルッツからのコンビネーションジャンプはルッツで転倒してしまい単独ジャンプに。その後の3つのジャンプでも細かなミスがあり、前半と後半で落差の大きい演技となってしまいました。得点は149.50点、フリーも4位でしたが、総合では3位に順位を上げ、初めてのGPのメダルを獲得しました。
 フリーは前半が本当に素晴らしく、後半の3アクセル+3トゥループまでは自己ベストもありうるかなと思わせるような出来だったのですが、3ルッツで転倒したところから一気に崩れてしまったという印象ですね。それでも4回転や3アクセルといった得点源となるジャンプをクリーンに成功させたことが表彰台に繋がりましたね。
 ドーンブッシュ選手の次戦はフランス大会、こちらもメダルを目指して頑張ってほしいなと思います。


 表彰台まであと一歩、4位だったのはカナダのナム・グエン選手です。

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 SPは4回転を入れない構成で臨み、まずは3アクセルをクリーンに決めて波に乗ります。後半に2つのジャンプ要素を集め、3ルッツ+3トゥループ、3フリップもしっかり着氷します。ただ、得点は思ったほど伸びず、72.85点で6位となります。
 フリーは冒頭に大技の4サルコウを入れ、これをパーフェクトにまとめます。得意の3アクセルは1本目は難なく決めたものの、2本目はすっぽ抜けてシングルに。しかし、後半最初の3サルコウを急遽3アクセル+3トゥループの連続ジャンプに変更するという機転を見せるなど、ジュニアチャンピオンとしての実力を発揮して演技をまとめました。得点は149.00点でフリー5位、総合4位で大会を終えました。
 SP、フリーともに安定感のあるジャンプを見せ、スケートアメリカに続き、素晴らしい演技内容だったと思います。特にフリーは6分間練習で大きなアクシデントがあり、しかも同じオーサーコーチの門下生である羽生選手の負傷を目撃して、多少なりとも動揺はあった中でトップバッターとして演技をしたわけですから、大変だったろうなと想像します。
 フリーは3アクセルが1回転になる大きなミスはあったとはいえ、後半でその分を挽回していますし素晴らしかったなと思うのですが、予想したほどには点が伸びなくて、グエン選手自身もキス&クライで残念そうな表情を浮かべていたのが印象に残りました。前回のスケートアメリカと比べてもフリーのスコアが10点近く下がってしまったのは、ひとつには大きなジャンプのミスがあったことが挙げられますが、もうひとつは3つのスピンのうち2つがレベル2だったことが影響したかのなと思われます。演技構成点がおよそ3点低くなっているのも大きいのですが、ミスがあったにしてもこんなに極端に低くなるかな?という不思議な感じはしますね。
 また、今回はジャンプのGOE加点があまり稼げなかったですね。グエン選手のジャンプは元々、男子選手としては高さや幅、スピードはあまり無く、細い身体を活かしたコマのようにキュルキュルっと回る軸の細いジャンプが特徴なので、高さやスピードのあるジャンプに加点が付きやすい傾向にある現在のルールでは、なかなか高い加点は望めないのかもしれません。それに加え、今回はジャンプ前の準備動作が大きかったかなという気もするので、それが影響して前大会以上に加点が伸びなかったのかなとも思います。
 個人的にはグエン選手のジャンプはとても美しいと思いますし、もう少し評価してくれてもいいのになと感じます。たとえばグエン選手が女子選手だったら、同じジャンプでも評価はまた違ってくるのかなと思ったりもしますね。
 これでデビューシーズンのGP2大会を終えたグエン選手。合計20ポイントなので、ファイナル進出は難しいでしょうが、2試合で得た収穫と課題を次の大会に生かして、またグエン選手らしい楽しい演技を見せてほしいですね。



 さて、文字数制限に引っ掛かりそうなので、このあたりでとりあえずこの記事は終了にして、次の(その2)に続けます。申し訳ありませんが、続きはぜひ次の記事をお読みくださればと思います。


:男子メダリスト2選手のツーショット写真は、フィギュアスケート情報ウェブサイト「Absolute Skating」から、その他の写真は全て、スポーツ情報ウェブサイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2014-11-13 19:03 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 グランプリシリーズ14/15、3戦目となる中国杯が11月7日から9日にかけて行われました。波乱含みの大会となりましたが、この記事では女子とアイスダンスについてお伝えします。
 まず、女子シングルを制したのはロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手です。スケートアメリカに続いて安定した演技を見せ、3年ぶりとなるGPの金メダルを手にしました。2位となったのは同じくロシアのユリア・リプニツカヤ選手。3位は日本の村上佳菜子選手で、2年ぶりのGP表彰台となりました。
 一方、アイスダンスではフランスのガブリエラ・パパダキス、ギヨーム・シゼロン組が自己ベストを更新してGP初優勝を果たしました。

ISU GP Lexus Cup of China 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

*****

 金メダルを獲得したのはロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手です。

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 SPは冒頭の3トゥループ+3トゥループのコンビネーションジャンプを始め、3ルッツ、2アクセルもお手本のような美しい跳躍を見せます。芸術面でもキレキレの動きとトゥクタミシェワ選手独特のしなやかな腕づかいで「ボレロ」の世界観を存分に表現し、演技後は満面に笑みを浮かべました。得点は67・99点、スケートアメリカでマークした自己ベストをわずかに上回り、2位発進となりました。
 フリーはまず3+2+2から、これを難なく成功させますが、続く単独の3ルッツはタイミングが合わなかったのか2回転に。しかし、次の3フリップは落ち着いて着氷し、さらに演技中盤に組み込んだ3トゥループ+3トゥループも見事に成功。その後のジャンプも次々とクリーンに決めていき、圧巻の演技となりました。得点は128.61点、こちらは自己ベストとはなりませんでしたが、総合得点ではパーソナルベストをマークし、SP2位からの逆転優勝を勝ち取りました。
 フリーは一つだけミスがありましたが、それを引きずらない大人の演技で圧倒させられました。体形の変化によるジャンプの不調という苦しい時期を乗り越えて、一皮も二皮も剥けて強いスケーターになりましたね。今季はGPシリーズ前から3つも国際大会に出場するという厳しいスケジュールをこなしてきましたが、そこで得た3戦連続優勝という経験がGPを戦う上でもトゥクタミシェワ選手の自信を支えているのではないかと思いますし、そうした心の余裕が演技からもうかがえます。
 今大会の優勝によって、真っ先にGPファイナル進出を決めたトゥクタミシェワ選手。まだしばらく時間がありますから、体調に気を付けてファイナルまでの期間を過ごしてほしいなと思います。中国杯優勝、おめでとうございました。


 2位はロシアのユリア・リプニツカヤ選手です。

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 SPは「メガポリス」。冒頭の2連続3回転は昨季から難度を下げた3トゥループ+3トゥループ、これをきれいに成功させます。後半の2アクセル、3フリップもさらりと決めて、終盤は驚異の柔軟性を生かした二つのスピンでフィニッシュ。69.56点のハイスコアで首位に立ちます。
 フリーは「映画『ロミオとジュリエット』より」。まずは2アクセル+3トゥループ+2トゥループの難しい3連続ジャンプをクリーンに着氷して好スタートを切ります。しかし、次の3サルコウで転倒すると、後半に固めた5つのジャンプ要素全てでミスが相次いでしまい、演技を終えたリプニツカヤ選手は呆然とした表情で肩を落としました。得点は104.01点でフリー4位、総合2位に順位を下げる結果となりました。
 ショートは変わらず安定しているなという印象で、フリーも最初の3連続ジャンプまではいつものリプニツカヤ選手のように感じたのですが、3サルコウで転倒したところからドミノ倒しのように崩れていってしまいましたね。昨シーズンも序盤や終盤に一つミスがあると、それが連続してしまうということはなかったことはないのですが、ここまで立て続けにというのは初めて見ました。
 今大会のジャンプ構成を見ると、SPの2連続3回転は最も難度の低い3トゥループ+3トゥループを組み込んでいて、昨シーズン跳んでいた3ルッツ+3トゥループからぐっと難度を下げています。リプニツカヤ選手を一見して体形が大きく変化しているというようなことは見受けられないのですが、少しずつ以前よりふっくらしてきているかなという感じはしますし、SPの3+3の難度を落として、フリーには3+3を入れずというのを見ても、やはり身体の成長、変化による何かしらの影響がジャンプにも及んでいるんだろうなと思います。
 昨季はまだジャンプがポンポン跳べていましたから、演技中に一つや二つミスがあったとしてもそれで彼女の中の自信が失われるということは無かったでしょうが、現在のリプニツカヤ選手が身体の変化に苦労している最中だとすると、自分のジャンプに対する自信を失いかけていても不思議じゃないですし、それが今回のフリーのような形で現われてしまったのかもしれないなと感じます。
 フリーの演技ではジャンプを跳ぶこと自体に難儀している感じで、もしかしたら3サルコウの転倒で負傷したのではと心配しましたが(表彰式もキャンセルしましたし)、翌日のエキシビションには予定どおり出演していてほっとしました。次戦のフランス大会ではリプニツカヤ選手らしい演技が見られることを願っています。


 銅メダルを獲得したのは、2年ぶりのGP表彰台となった日本の村上佳菜子選手です。

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 SPは「Think of Me 映画『オペラ座の怪人』より」。やわらかな女性ボーカルで始まる冒頭は得点源となる3トゥループ+3トゥループから、高さと幅のあるパーフェクトな跳躍を見せます。ステップシークエンスとスピンを挟んだ後半、3フリップは勢いが足りず回転不足でステップアウトしますが、2アクセルは問題なく着氷し、終盤のスピンでは高い加点を得ました。得点は60.44点で3位となります。
 3+3が素晴らしかっただけに3フリップのミスはもったいなかったですが、プログラムの雰囲気や空気感はちゃんと作り出せていたと思いますし、村上選手自身笑みを浮かべながら楽しそうに滑っていたのが良かったですね。
 今季の村上選手のプログラムは、ショートもフリーも「オペラ座の怪人」。ただし、ショートではヒロインのクリスティーヌ、フリーでは怪人ファントムを演じるという工夫の凝らされた両プログラムとなっています。躍動感のあるエネルギッシュな演技に巧さのある村上選手ですが、ショートではクリスティーヌが物語の序盤で歌い上げる「Think of Me」を使用していて、プログラム前半はしっとりと優しい歌声、後半は徐々に力強さを増していく華々しい歌声となっていて、村上選手の動きもそれに合わせて静から動へ終盤に向けスピードを増していく演技構成となっていて、音楽との調和がとても印象に残りました。以前と比べて上半身の表現にも優雅さが出てきたかなと感じますし、新たな村上選手の魅力がうかがえる演技でしたね。

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 そしてフリー、こちらは3+3を入れない構成です。まずは単独の3ループからでしたが、高さが足りず回転不足で降りステップアウトに。続く2アクセル+3トゥループも両ジャンプがシングルになり、ミスが目立つ序盤となります。2つのスピンとステップシークエンスの後の後半は、5つのジャンプ要素を固める攻撃的な内容。3ループからの3連続コンビネーションは3ループとサードジャンプが若干回転不足になったもののしっかり着氷し、次の3フリップ+2トゥループ、単独の3フリップなど、相次いでジャンプを成功させ、大崩れさせず見事に演技を立て直しました。得点は108.95点でフリーも3位、総合3位で表彰台を守り切りました。
 序盤のジャンプミスでどうなることかとハラハラしましたが、後半の立て直しからは村上選手の意地と成長を感じました。当日の朝の練習でうまくいっていなかったようで、その分本番のジャンプも過剰に意識しすぎたのかもしれませんね。失敗したジャンプを始め、全体的にジャンプに向かう時の動作や構えにいつも以上の緊張感が漂っていたような気がします。また、身体の動きも少し硬かったというか、村上選手の最も良い時の演技と比べると本来の躍動感、ダイナミックさ、スケールの大きさには及ばなかったかなと思います。ですが、プログラムの魅力はジャパンオープン、そしてこの中国杯を通じて所々で垣間見えましたし、ジャンプさえ決まれば彼女のスケートの良さが存分に生かされた素晴らしい作品になると思うので、完成の時を楽しみにしています。
 村上選手の次戦はNHK杯。表彰台を争う強力なライバルも多く、ファイナル進出に向けてはかなり厳しい試合になるでしょうが、100%の力が発揮できるよう祈っています。


 4位となったのはアメリカのポリーナ・エドマンズ選手。

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 ショートは「Buleria/Tango Serenata/Introduction to Buleria」。冒頭は3ルッツ+3トゥループの大技でしたが、3ルッツが回転不足で転倒となります。その後3フリップ、2アクセルをしっかり着氷しますが、連続ジャンプを入れられなかったことが影響し、得点は50.32点で7位となります。
 3ルッツの転倒は仕方なかったのかなと思いますが、その次の3フリップにコンビネーションを付けられなかったのがもったいなかったですね。コンビネーションにしようと思えばできるジャンプだったように見えたのですが、そこまで頭が回らなかったのかもしれません。GPデビューという緊張もあったでしょうし、当然だと思います。
 フリーは「Tinker Bell/Fairy Dance」。前日失敗した3ルッツ+3トゥループをまずはきっちり成功させて流れを作ります。続く3フリップ+1ループ+3サルコウの難しい3連続ジャンプは乱れがあり、後半もいくつか細かなミスはあったのですが、ショートの流れを断ち切り演技をまとめました。得点は110.95点でフリー2位、SPから挽回して総合4位にまでステップアップしました。
 ショート、フリー合わせてミスの多い演技内容とはなりましたが、GPデビューの大会で4位という結果は素晴らしいと思います。ショートで実力が発揮できず7位発進となって、そこで気落ちしてそのままフリーでがたがたっと崩れてしまってもおかしくない状況でしたが、しっかり切り替えて臨めたのはエドマンズ選手の今後にとっても貴重な財産となるのではないでしょうか。
 エドマンズ選手の次戦はNHK杯、今大会以上の演技を楽しみにしています。


 5位となったのはカナダの新星、ガブリエル・デールマン選手。

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 ショートは「冬 『四季』より/アート・オン・アイス」。得点源の3トゥループ+3トゥループは完璧な跳躍、後半も3フリップ、2アクセルを着実に決め、得点はパーソナルベストに迫る58.49点で4位と好発進します。
 フリーは「恋のアランフェス」。冒頭は3ルッツ+1ループ+3サルコウの難しい連続ジャンプでしたが、3ルッツの着氷で乱れコンビネーションになりません。しかし、その後は2アクセル+3トゥループや単独の3ルッツなどを成功させ、小さなミスは複数ありましたが、何とか踏ん張って滑り切りました。得点は102.77点でフリー5位、総合5位で大会を終えました。
 エドマンズ選手同様GPデビューとなったデールマン選手。SPは3フリップの踏み切りでアテンションマークが付いたものの、それ以外にミスらしいミスは無く、ほかの有力選手を抑えて4位という予想以上の好位置につけました。フリーはミスがチラホラあり順位は落としてしまいましたが、4位のエドマンズ選手とは0.01点の小差でちょっとアンラッキーでしたね。
 デールマン選手は今季がシニアのGPデビューですが、すでにソチ五輪、世界選手権を経験しています。最近のカナダ女子はケイトリン・オズモンド選手が実力、実績ともに頭一つ抜けていますが、2番手争いとなるとデールマン選手に加え、ヴェロニク・マレー選手やアレイン・チャートランド選手といった3選手の力が拮抗しているのかなと思います。その中でデールマン選手は2年連続でカナダ選手権の銀メダルを獲得していて、その上でこうしてGPでひとまず結果が出せたというのは、国内の競争という意味でも大きな糧になるのではないでしょうか。
 次戦はNHK杯、そちらでもデールマン選手らしい演技が見られればなと思います。


 6位に入ったのは地元中国の李子君(リ・ジジュン)選手。

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 ショートは「花のワルツ バレエ『くるみ割り人形』より」。冒頭の3フリップ+3トゥループはきれいな回転とランディングでクリーンに決めます。2つのスピンをこなし、次は3ループでしたが回転が足りずに転倒。続く2アクセルは落ち着いて着氷させましたが、転倒が響いて得点はあまり伸びず、53.66点で5位となりました。
 フリーは「ムーン・リバー」。序盤の3フリップ+3トゥループ、2アクセル+3トゥループの連続ジャンプはそれぞれきっちり成功させ、上々の滑り出しを見せましたが、後半に入ると3フリップがダウングレード(大幅な回転不足)、3サルコウからのコンビネーションジャンプが3+1になるなどジャンプミスが相次ぎ、また、疲労から演技のスピードも落ちたりスピンのレベルも取りこぼしたりと、不本意な演技となってしまいました。得点は98.96点でフリー6位、トータルでも6位でフィニッシュしました。
 SPでもフリーでも大技の3+3はしっかり決めているので、その点ではそんなにジャンプの調子が悪いというのは感じなかったのですが、中盤以降になってくると身体的な疲れによるものなのか、精神的な不安によるものなのか、ジャンプにもろに影響が及んでしまいましたね。特にフリーは昨季までの李選手と比べても、後半一気にスピードが落ち、滑るのもやっとやっとという様子で、少し心配になりました。
 身長もどんどん伸びていてジャンプをコントロールするのも難しい時期だと思いますが、うまく自分の身体と付き合いながら乗り越えていってほしいなと思います。李選手の次戦はNHK杯です。


 7位はスウェーデンのベテラン、ヴィクトリア・ヘルゲソン選手。

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 ショートはまず3ループからでしたが、着氷で手を付きGOEで減点されます。次は3+3の予定でしたが、変更して3+2にします。ただ、後半の2アクセルでもミスがあり、得点は52.00点と伸びませんでした。
 フリーもSP同様に3ループからの構成で臨みましたが、転倒してしまいます。続く3フリップは2回転に、後半の3ループ+2アクセルのシークエンスジャンプはループが1回転にといったように悪い流れを止めることはできず、最後まで立て直せないまま演技を終えることとなりました。得点は91.95点、フリー8位で総合7位に終わりました。
 2週間前のスケートアメリカでは11位と本来持っている力をほとんど発揮できなかったヘルゲソン選手。今大会はSPでミスが複数ありつつも大崩れせずまとめたのですが、フリーはジャンプがなかなか決まらずスケートアメリカよりも低い得点となってしまいました。
 ヨーロッパのB級国際大会2つとGP2大会を終え、らしい演技がまだ見られないヘルゲソン選手ですが、プログラムはSPもフリーも本当に彼女の魅力を引き出す美しい作品だなと思います。SPの「This Women's Work」はイギリスを代表する女性シンガー、ケイト・ブッシュが歌うボーカル入りプログラムで、ケイト・ブッシュの独特のハイトーンボイスとヘルゲソン選手の繊細なスケーティングとがぴったり合っていて、幻想的なイメージが素敵だなと感じますし、フリーの「サンセット大通り」は以前も使用したことのある作品ですが、音楽の優雅さとダイナミックさがやはりヘルゲソン選手の得意とするところで、個人的には彼女のプログラムの中でいちばんの名作だと思っています。
 これからシーズン後半に向けて、何とか気持ちを切り替えてフレッシュなイメージで次の大会に臨んでほしいですね。



 女子シングルはここまで。以下はアイスダンスについてです。

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 アイスダンスのチャンピオンとなったのはフランスのガブリエラ・パパダキス、ギヨーム・シゼロン組です。ショートダンスはほぼノーミスの演技で自己ベストをマーク、3位の好発進となります。フリーダンスはレベルを取りこぼす部分もあったものの、全てのエレメンツで1点以上のGOE加点を得る高評価となり、こちらも自己ベスト。ショート3位からの逆転優勝という劇的なフィナーレとなりました。
 今大会のアイスダンス出場者の顔ぶれを見ると、現世界王者であるイタリアのアンナ・カッペリーニ、ルカ・ラノッテ組と世界選手権メダリスト経験者であるアメリカのマイア・シブタニ、アレックス・シブタニ組がいて、この2組の一騎打ちになるだろうなと予想していたのですが、GPの表彰台経験のないパパダキス&シゼロン組が強豪2組を破るという意外な結末を迎えました。前者2組のミスというのもあったでしょうが、何よりもパパダキス&シゼロン組が隙のない演技を見せて、自分たちのベストを発揮したというのが優勝という最高の結果に繋がったのだと思います。ファイナルのチケットに手が届くところまでたどり着いたパパダキス&シゼロン組、次戦は母国のフランス大会です。GP初優勝、本当におめでとうございました。
 2位となったのはアメリカのマイア・シブタニ、アレックス・シブタニ組。SDはそつのない演技内容で自己ベストに近い得点をマークして首位に立ち、3年ぶりのGP優勝へ好スタートを切りました。しかし、フリーではリフトやスピンなどのレベルを取りこぼし、点を伸ばすことができず、総合2位となりました。
 スケートアメリカに続いて2位となり、合計ポイントを26ポイントとしたシブタニ姉弟。優勝ではないのでこれで確定とはいかないのですが、26ポイントであれば可能性としてはかなり高いと言えます。
 3位はイタリアのアンナ・カッペリーニ、ルカ・ラノッテ組。ショートはステップで予定していたレベルを取ることができず2位発進。フリーでもステップやスピンでレベルの取りこぼしがあり、また、珍しく転倒という大きなミスもあり、パーソナルベストから20点近く低い得点で総合3位に留まりました。
 カッペリーニ&ラノッテ組の結果についてはものすごく予想外だったのですが、次のフランス大会で本来の力を発揮できればファイナル進出も大丈夫でしょうから、今大会のミスを次戦で挽回してほしいなと思います。



 女子&アイスダンスは以上です。意外な結果、順位で驚きに満ちた女子とアイスダンスでしたが、それ以上に波乱の展開となった男子、そしてペアについては次の記事で書きたいと思います。


:女子メダリスト2選手のツーショット写真、アイスダンスメダリスト3組の写真は、フィギュアスケート情報ウェブサイト「Absolute Skating」から、トゥクタミシェワ選手の写真、リプニツカヤ選手の写真、村上選手の写真、エドマンズ選手の写真、デールマン選手の写真、李選手の写真、ヘルゲソン選手の写真は、スポーツ情報ウェブサイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2014-11-10 23:25 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 スケートカナダ2014、女子とアイスダンスの競技結果、内容について書いていきます。
 女子で頂点に立ったのはロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手。安定感抜群のジャンプで、昨年の中国杯以来のGPの金メダルを獲得しました。2位にはアメリカのベテラン、アシュリー・ワグナー選手が入り、3位となった日本の宮原知子選手は初めてのGP表彰台となりました。
 一方、アイスダンスではカナダのケイトリン・ウィーバー、アンドリュー・ポジェ組がGP初優勝を果たしました。

ISU GP Skate Canada International 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

*****

 女子シングルを制したのはロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手です。

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 SPは「アルビノーニのアダージョ」、後半に2つのジャンプ要素を固める構成です。冒頭の大技3ルッツ+3トゥループは完璧な跳躍とランディングで成功、3ループもきれいに決めます。しかし、苦手としている2アクセルの着氷でバランスを崩し、減点。それでも65.28点の高得点で首位発進となりました。
 フリーは王道バレエの「火の鳥」。ショート同様に3ルッツ+3トゥループは軽々と成功させ、続く3ループ+1ループ+3サルコウも見事に着氷。その後、3フリップでのエッジエラーはありましたが、スピンやステップシークエンスのレベルもしっかり取り、全体的に危なげない演技を披露しました。得点は126.53点、フリーも1位で、2位に5点以上の差をつける優勝となりました。
 ほとんど失敗しそうな感じのしないジャンプばかりで、安定感ありまくりでしたね。パーフェクトではなかったのですが、決まらなかったジャンプもそんなに心配のないジャンプでしたし、充分修正可能なものでしょうね。ただ、ポゴリラヤ選手の唯一の難点と言えるのが2アクセルで、どうしても跳び方がぎこちなくなってしまうので、失敗ではないのですがGOEの加点が伸びないんですよね。でも、今回ショートとフリーで跳んだ3つの2アクセルは全て2回転半回り切ったものでしたし、1年前は完全にすっぽ抜けるものも多かったことを考えると、だいぶ改善されてきたのかなという印象を受けます。
 2年連続のファイナル進出へ好スタートを切ったポゴリラヤ選手、次戦は母国のロシア大会です。スケートカナダ優勝、おめでとうございました。


 銀メダルを獲得したのはアメリカのアシュリー・ワグナー選手。

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 ショートは「スパルタクス」。冒頭の3フリップ+3トゥループは一見成功したかに見えましたが、セカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)判定となります。後半の2アクセルは難なく決めましたが、3ループは再びアンダーローテーションに。しかし、大きなミスのないまとまった演技で、63.86点をマークし2位につけます。
 フリーは「映画『ムーラン・ルージュ』より」。3+3は入れず、まずは得意な2アクセルで流れを作ります。続いて2アクセル+3トゥループに挑みますが、セカンドジャンプが回転不足。その後はショート同様に3ループの回転不足もありましたが、安定したジャンプを次々と成功させ、ワグナー選手は納得の表情。得点は122.14点でフリー2位、総合2位となりました。
 コンビネーションジャンプの2つ目のトリプルジャンプだったり、3ループだったりで微妙に回転が不足して減点対象となってしまいましたが、ジャンプの跳び方やフォーム自体はきれいで不安のないものでしたね。
 ジャパンオープンではほとんどのジャンプが回転不足で、しかもスピンのレベルも2ばかりという不満の残る演技だったのですが、それから1か月ない中でしっかりと立て直してたのは、さすが経験豊富なベテランだなと感じました。
 ワグナー選手の次戦はフランス大会、今大会以上の演技となることを願っています。


 3位となったのは日本の宮原知子選手です。

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 SPはモーツァルトの歌劇「魔笛」です。冒頭は得点源となる3ルッツ+3トゥループでしたが、両方のジャンプでアンダーローテーション判定となり、若干のマイナスを受けます。後半に2つのジャンプ要素を固め、そのうち3フリップではアウトサイド気味に踏み切ってしまったため微小の減点となりますが、続く2アクセルはしっかり決めました。得点は60.22点で4位につけます。
 ミスらしいミスは無く、いつもどおりの落ち着いた演技でしたね。3+3で回転不足は取られましたが、私がスロー映像で見る限りはほぼ回り切っていたような気がしましたし、テレビ解説をしていた織田信成さんもスロー映像を確認した上で「回転もしっかり良かったと思います」と言ってたくらいなので、ちょっと厳しめの判定だったなと感じます。
 これは誰が悪いとかではなく、高さがあって余裕を持ってジャンプを降りてくる選手と、あまり高さがなくわりとギリギリにジャンプを降りてくる選手とでは、やはりジャンプに対するジャッジの見方も変わってくるんでしょうね。ジャンプが高い選手はいかにも余裕があるから大丈夫、という感じですが、そうじゃない選手のジャンプは最初から「本当に回り切ってるんだろうか」という前提で見るかもしれないですし、たとえしっかり回り切って着氷しているとしても、厳しい目というのが付いて回るので回転不足を取られやすいということになってしまうんですね。選手としてはジャンプの高さが一気にアップするわけもないですし、どうしようもないことなので、ここは我慢に我慢を重ねて、着実にクリーンな回転のジャンプを跳び続けるしかないのかなと思います。

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 フリーはミュージカル「ミス・サイゴン」。冒頭の3ルッツ+3トゥループはセカンドジャンプが回転不足の判定。3フリップは前日同様、アテンションマークが付く不正エッジとの判定で減点されます。しかし、その後も大きなミスは無く、2アクセル+3トゥループを決めるなど確実にジャンプを成功させていき、演技を終えた宮原選手は控えめな笑顔を見せました。得点は121.53点でフリー3位、ショートから順位を上げて初めてのGPメダルを獲得しました。
 SPに続き素晴らしい演技でしたね。ジャパンオープンでは130点台だったので、そこまではいかなくとももう少し点が出てくれてもいいのになという感じはしましたが、1年前より得点は上がってきているのでジャッジの評価も着実に高まっているなという印象です。
 それにしても宮原選手は本当に大きな失敗をしませんね。昨シーズン本格的にシニアデビューしてからというもの、転倒とかすっぽ抜けとかそういった大きなミスがほとんど無く、唯一昨季のガルデナスプリング杯のフリーで2度転倒というのがあったのですが、それ以外の試合では跳ぶ予定のジャンプをほぼ予定どおりに跳んでいます。この失敗しなさ、落ち着きぶりは、ものすごいメンタルの強さだなと感じますね。
 目標のファイナル進出へまずは一歩前進した宮原選手。ただ、次戦のNHK杯は同じ日本の村上佳菜子選手、ロシアのアデリナ・ソトニコワ選手、アリョーナ・レオノワ選手、アメリカのグレイシー・ゴールド選手、ポリーナ・エドマンズ選手など、世界トップレベルの強豪が集まるので、表彰台に上るだけでも至難の業になるでしょう。宮原選手は今大会で3位だったので、確実にファイナル出場を決めるためにはNHK杯で優勝、確実にとはいかずとも出場の可能性大にするためには2位という結果が望ましいですね。シビアなメダル争いになることが予想されますが、周りのシチュエーションにとらわれることなく、いつもどおりの宮原選手らしく頑張ってほしいなと思います。


 4位となったのはアメリカのコートニー・ヒックス選手。

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 ショートは「Code Name Vivaldi」。得点源となる3フリップ+3トゥループをまず成功させ、2つのスピンをこなしての後半のジャンプでしたが、3ルッツが2回転になり、規定の回転数に満たなかったため無得点となってしまいます。2アクセルは問題なく着氷しましたが、ルッツの失敗が影響して得点は56.36点、8位発進となります。
 フリーは「映画『アンナ・カレーニナ』より」。SPでは見事に成功させた3+3は回避して3+2に。これをきっちり決めると、前半のジャンプを相次いでクリーンに着氷します。後半は3ルッツ+2トゥループ、単独の3ルッツのミスがありましたが、それを引きずることなく最後までしっかりと滑り切り、演技をまとめました。得点は118.15点でパーソナルベスト、トータルでも自己ベストとなって、GP自己最高の4位で大会を終えました。
 SPのルッツのミスがもったいなかったですが、フリーでは素晴らしい演技で挽回しましたね。ヒックス選手はさほど難しいジャンプ構成を組んでいるわけではないのですが、決まったジャンプはどれも高さや余裕のある見栄えのするものなので、その分3ループや3サルコウといった比較的基礎点の低いジャンプでも高いGOE加点を稼げていて、それが彼女の持ち味、武器になるのかなと思います。
 ヒックス選手の次戦はフランス大会。ヒックス選手らしい演技をまた楽しみにしています。


 5位はGPデビューとなった日本の本郷理華選手です。

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 SPはバレエ「海賊」。冒頭は3トゥループ+3トゥループから、これをパーフェクトに決め、後半の3フリップ、2アクセルもクリーンに着氷。ステップシークエンス、スピンも取りこぼしなく丁寧にこなしました。得点は59.10点でこれまでのパーソナルベストを7点近く更新し、5位という好位置につけました。
 GPデビューということで緊張もあったと思うのですが、本郷選手らしい伸びやかかつ迫力のある演技ができていたと思います。何よりミスなく、ひとつもマイナス要素なくやり切ったというのが素晴らしいですね。
 私は本郷選手の演技を見るのはフィンランディア杯に続いて今季2度目なのですが、昨季、一昨季と比べてもより女性らしさや優雅さの表現力が増してきたように感じます。身のこなしにもしなやかさが出てきて、バレエ音楽「海賊」の繊細な部分、力強い部分の両方伝わってきました。さらにメリハリがつけられるようになると、もっと良いプログラムになっていくのではないかと思います。

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 フリーは王道の「カルメン」。冒頭はSPから難度を上げて挑んだ3フリップ+3トゥループでしたが、セカンドジャンプがわずかに回転不足の判定。続く3ルッツもエッジエラーとなります。しかし、その後は落ち着いてジャンプを次々とクリアしていき、華やかな「カルメン」の世界を存分に表現しました。得点は112.37点でこちらも自己ベスト、初めてのGPで5位という幸先の良い船出となりました。
 初GPとは思えないくらいの堂々とした演技で素晴らしかったと思います。ジャンプがほぼ予定どおりに決まったことによって、演技全体に本郷選手の魅力であるスケールの大きさやエネルギッシュさが表れていて、引き付けられる滑りでした。「カルメン」のイメージと本郷選手のイメージが重なっていてとても合っているなと感じましたし、これからさらに洗練されていくと思うので楽しみですね。
 本郷選手の次戦はロシア大会、再び本郷選手らしいスケートが見られることを願っています。


 6位に入ったのはロシアのベテラン、アリョーナ・レオノワ選手です。

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 ショートはチャップリンをテーマにした「スマイル/序曲 彫像の序幕 映画『街の灯』より/テリーのテーマ 映画『ライムライト』より」。冒頭の3トゥループ+3トゥループはしっかりした回転と余裕のある着氷で高い加点を得ます。スピンとステップシークエンスを挟んで後半、3フリップと2アクセルもきっちり成功させましたが、最後のレイバックスピンのスケート靴のブレードを掴む動作のところで掴み損ねたため、予定していた基礎点が取れず、さらに減点となります。しかし、得点は62.54点でメダル争いの目安となる60点台に乗せ、3位につけました。
 フリーはタンゴを組み合わせた「Asi Se Baila El Tango 映画『レッスン!』より/ブエノスアイレスの秋」。冒頭はショートの3+3より難しい組み合わせの3フリップ+3トゥループに挑戦したものの、回転不足で着氷が乱れます。続く単独の3ルッツもエッジエラーの上に回転不足で序盤のジャンプにミスが相次ぎます。中盤から終盤にかけてもジャンプミスを連発し、また、スピンでのレベルの取りこぼしも複数あり、フリーは101.61点と得点を伸ばすことができず、ショートの3位から総合6位に順位を落としました。
 SPはレオノワ選手らしい躍動感と軽快さ溢れる滑りでとても良く、久しぶりのGP表彰台にも充分手が届く位置につけただけに、フリーは一転らしくない演技になってしまい残念でした。今シーズンはGPの前にネーベルホルン杯に出場していて、その時はSPでパーソナルベスト、フリーでも120点に迫るスコアをマークしています。その際、フリーはミスこそありましたが全体的にまとまった演技を見せていたので、決して調子が悪いわけではなく、それどころかシーズン序盤としては好調だったと思うのですが、今回はSPで好位置につけてメダルが見えた分、もしかしたらフリーではそれを意識しすぎてしまったのかなという気もします。
 今大会はフリーで本来の力が発揮できませんでしたが、次のNHK杯ではショートでもフリーでもレオノワ選手の笑顔が見られることを楽しみにしています。


 7位は地元カナダのアレイン・チャートランド選手。

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 ショートの演目は「La Leyenda del Beso」。まずは簡単な2アクセルから入り、2つ目に大技の3ルッツ+3トゥループを持ってきましたが、セカンドジャンプが回転不足に。後半の3ループでもミスがありましたが、スピンやステップシークエンスは全てレベル4を揃え、57.06点という自己ベストに近いスコアをマークし、7位発進となります。
 フリーは「映画『ドクトル・ジバゴ』より」。冒頭は3ルッツ+1ループ+3サルコウの難しい3連続ジャンプを成功させ上々の滑り出しでしたが、直後の3フリップ、3ループでミスが続きます。後半もジャンプミスが相次いでしまい、得点は99.16点でフリー7位、総合7位に留まりました。
 ショートはまずまずだったのかなという印象ですが、フリーでは冒頭の得点源となるコンビネーションジャンプを見事に成功させて、良い流れをつくっていけそうだなというところから失敗の連続となってしまったので、気持ちをうまく立て直すことができないまま後半まで行ってしまったのかもしれないですね。
 次戦は2週間後のロシア大会。ジャンプの課題を修正してチャートランド選手らしい演技となることを祈っています。



 女子シングルについてはここまで。ここからはアイスダンスの結果をお伝えします。

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 優勝者は世界選手権2014銀メダリスト、カナダのケイトリン・ウィーバー、アンドリュー・ポジェ組です。ショート、フリーともにミスらしいミスのない安定した演技を見せ、世界選手権メダリストの貫録を見せつける優勝となりました。その一方で意外だったのが、ウィーバー&ポジェ組はこれがGPシリーズ初めての優勝だということ。今までずっと最高2位で、なかなか頂点には手が届かなかったんですね。だからこそ、ふたりの喜びもひとしおなのではないかと思います。次戦はNHK杯、しばらく間が空きますが体調に気を付けて、万全な状態で来日してくれたらと願っています。初優勝、おめでとうございました。
 2位となったのは同じくカナダのパイパー・ギレス、ポール・ポワリエ組。ショートはツイズルでミスがあり、4位発進となりましたが、フリーではほぼノーミスの演技を見せ、銀メダルを獲得しました。GPには2シーズン前から参戦しているカップルですが、表彰台は初めてですね。地元のカナダということもあって、嬉しさも倍増なのではないでしょうか。初のファイナル進出がかかる2戦目は、フランス大会です。
 銅メダルを獲得したのはアメリカのマディソン・ハベル、ザカリー・ダナヒュー組。ショートはレベルの取りこぼしもありましたが演技をまとめて3位、フリーもリフトでの規定違反やコレオスピンでの転倒など珍しくミスが重なったものの3位、トータルでも3位で昨年のスケートカナダに続き2年連続で銅メダリストとなりました。



 さて、スケートカナダについては以上です。この記事を書いている時点ですでに中国杯が開幕してしまっていて、GPシリーズが進行するスピードに全然追いつけてないのですが、何とかもう少し記事を更新するタイミングを早めて、あんまり遅れすぎないように頑張りたいと思います。では、また中国杯の記事で。


:女子シングルメダリスト3選手のスリーショット写真、宮原選手のフリーの写真、アイスダンスメダリスト3組の写真は、カナダのフィギュアスケート連盟「スケートカナダ」の公式ウェブサイトが2014年10月31日に配信した写真特集記事「2014 Skate Canada International」から、ポゴリラヤ選手の写真は、フィギュアスケート情報ウェブサイト「icenetwork」が2014年11月2日に配信した記事「Russian-of-the week Pogorilaya wins Skate Canada」から、ワグナー選手の写真、ヒックス選手の写真、本郷選手の写真、レオノワ選手の写真、チャートランド選手の写真は国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、宮原選手のSPの写真は、スポーツ情報ウェブサイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
スケートカナダ2014・男子&ペア―無良崇人選手、パーソナルベストでGP2勝目 2014年11月6日
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by hitsujigusa | 2014-11-08 02:05 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 グランプリシリーズ14/15、2戦目のスケートカナダが10月31日から11月2日にかけて行われました。この記事では男子とペアの結果についてお伝えしていきます。
 まず、男子で金メダルを獲得したのは日本の無良崇人選手です。自己ベストで2012年のフランス大会以来となるGP2勝目を上げました。2位となったのはスペインのハビエル・フェルナンデス選手、3位はアメリカのマックス・アーロン選手でした。
 ペアでは地元カナダのメーガン・デュアメル、エリック・ラドフォード組が2位に大差をつける貫録の優勝を飾りました。

ISU GP Skate Canada International 2014 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

*****

 優勝は無良崇人選手です!

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 SPは夏に急遽変更したという「カルメン」。冒頭の大技4トゥループは着氷で若干乱れがあり、GOEで減点。続く3アクセルはいつもどおりの安定感で見事に成功させますが、後半の3ルッツ+3トゥループでも着氷でミス。ですが、終盤のステップシークエンスは「カルメン」のアップテンポなリズムに合わせて生き生きと滑り、観客の手拍子を誘いました。得点は82.57点で2位発進となります。
 無良選手は当初、今季のSPにメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」を用意していたのですが、全日本の合宿で実際にやってみてあまりしっくりいかず、日本スケート連盟の人の提案もあって違う曲に変えることに至ったのだそうです。そして選ばれたのがこの「カルメン」ですが、準備期間が少なかったとは思えないくらい、無良選手に合っていてとても良いなと思いました。
 「カルメン」といえば女性スケーターの印象が強いのですが(もちろん男性スケーターも多く滑っていますが)、無良選手は「カルメン」の力強い部分、男性的なエネルギッシュさを前面に押し出していて、女性的な色気や艶やかさを漂わせながらも、うまくバランスの取れた演技になっていて、素敵だなと感じましたね。
 また、今季は使わなかった「ヴァイオリン協奏曲」も無良選手自身、プログラムそのものは気に入っていたそうなので、来季以降使うかもとも話しています。このプログラムも見てみたかったのでお披露目がなくてちょっと残念だったのですが、「カルメン」に変更して今のところ良い感覚で演技できているようですし、結果的には好判断だったと言えそうですね。

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 フリーは「オペラ座の怪人」。冒頭は単独の4トゥループ、これを完璧に決め、高い加点を得ます。続く4トゥループ+3トゥループも同様に完璧で、さらに代名詞の3アクセルも難なく成功させ、序盤でまず波に乗ります。後半に入っても勢いは衰えず、3アクセルからのコンビネーションを決めるなど順調に演技をこなし、フィニッシュした無良選手は大きくガッツポーズを見せ、喜びを爆発。キス&クライでも満面に笑みを湛え、173・24点というフリーの得点が表示されると、コーチである父の隆志さんと抱擁を交わし、涙を流しました。SPと自己ベストのフリーとを合わせ、トータルでも自己ベストを更新、2シーズンぶりとなるGPのタイトルを獲得しました。
 本当に素晴らしいフリーでしたね。得意の3アクセルは全く危なげなく、4回転も余裕のある美しい跳躍でした。これだけジャンプが決まってくるとやはり演技にも良い影響が表れるもので、「オペラ座の怪人」のダイナミックな音楽を全身で余すことなく表現できていたと思いますし、ファントムになりきっていました。元々無良選手は男らしい荒々しさが魅力のスケーターですが、今回の演技ではそこに優雅さや繊細さも加わって、「オペラ座の怪人」という華麗な音楽にふさわしい大人の男性の雰囲気をひしひしと感じました。
 得点的にもフリーで初めて170点を超えて、無良選手自身も「頑張ればいいスコアが出るんだと学んだ」と話し、手応えを得た様子でした。2年前のエリック・ボンパール杯での優勝は、意外なと言うと失礼かもしれませんが、驚きに満ちた優勝でした。今回も驚きはありましたが、それ以上に確実に成長したんだなというのを実感させる優勝でした。
 今大会の結果によってGPファイナルにも手が届くところに来た無良選手。だからこそ次戦のNHK杯が大切になってくるでしょうし、無良選手自身もプレッシャーを感じることになるかもしれません。ですが、無良選手らしく、のびのびと自分のペースを保って臨んでほしいなと思います。スケートカナダ優勝、おめでとうございました。


 銀メダルを獲得したのはスペインの実力者、ハビエル・フェルナンデス選手。

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 SPはハードロックの「Black Betty」。まずは得意の4サルコウから、まるで3回転のように軽々と決めると、次の3ルッツ+3トゥループもしっかり着氷させ、好調な出だし。激しいギターの音に乗って後半に向かいましたが、3アクセルが2アクセルになり、もったいない取りこぼしとなりました。得点は86.36点で首位に立ちました。
 4サルコウ、3+3が決まっただけに、3アクセルがダブルになってしまったのは思いがけなかったですね。ショート2位の無良選手の演技と比べても精度の高い完璧なジャンプを跳んでいましたが、3アクセルが2回転になったことによって、思ったほど2位の選手に得点差をつけられなかったのが痛かったですね。
 フリーは歌劇「セビリアの理髪師」です。序盤に2本の4回転を跳ぶ構成で、まずは4トゥループからでしたが、着氷で大きくバランスを崩し失敗。続く4サルコウは前日パーフェクトに成功させたジャンプでしたが、こちらも着氷がうまくいきません。さらに3アクセルにも乱れがあり、後半の4サルコウからのコンビネーションもサルコウのミスによって単独に。ほかにもちょこちょこミスが散見され、精彩を欠いたフリーとなりました。得点は158.51点でフリー2位、首位を守り切ることはできませんでした。
 ショートであれだけ美しい4サルコウを見せていたので、4サルコウに関しては大丈夫だろうと思っていたのですが、フェルナンデス選手ほどの選手と言えどもやはり4回転は難しいのですね。当たり前のことかもしれないのですが、今更ながら改めて思い知らされました。それほどショートの4回転との落差が大きく感じられました。とはいえ、ちょっとしたタイミングのズレだったりメンタルの影響だったり、根本的な問題ということではないでしょうから、次戦でフェルナンデス選手らしい4回転が見られればなと願っています。
 また、プログラムについてもSPがロックで、フリーは定番の歌劇でというギャップがおもしろいなと感じましたし、フェルナンデス選手によく合っていますね。特にフリーはスペインのセビリアを舞台にした作品ですから、スペインで初めてのGPファイナルが開催されることに対するフェルナンデス選手の強い意気込みも感じられます。まだどこか探り探り演技をしているという印象で、何となく覇気が伝わってこないなという気もするのですが、ファイナル進出にかける想いは人一倍でしょうし、次戦のロシア大会を楽しみにしています。


 3位となったのはアメリカのマックス・アーロン選手です。

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 ショートは「映画『フットルース』より」。冒頭の4サルコウ+2トゥループはしっかりと着氷させ上々のスタートとなりますが、その後の2つのスピンではレベルを取りこぼすミス。後半に2つのジャンプ要素を固め、3アクセルは大きく乱れますが、次の3ルッツは成功させます。得点は76.50点で5位につけます。
 おなじみの「フットルース」のリズムに乗った軽快なプログラムで、アーロン選手のキャラクター性に合っていましたね。3アクセル以外は高い加点が付くジャンプを跳んでいて良かったのですが、スピンのレベルが2、3ばかりで取りこぼしが多かったのがもったいなかったです。スピン一つ一つの得点は少ないですが、塵も積もれば山となるで積み重なるとけっこう大きな差になってくるんですよね。
 フリーは「映画『グラディエーター』より」、こちらもアクティブなイメージの強いアーロン選手らしさを強調したプログラムです。冒頭の4サルコウ+2トゥループはショート同様に落ち着いて決めますが、続く単独の4サルコウは失敗に終わります。ですがその後は立て直し、前日失敗した3アクセルを2本ともきっちり着氷させ、3トゥループ+1ループ+3サルコウの難しい3連続ジャンプも成功。終盤の3ループでミスはありましたが、ジャンプのみならずスピンのレベルも3や4をしっかり獲得するなど、全体的にまとまった演技を見せました。得点は155.27点でフリー3位、総合でも3位にステップアップしました。
 完璧ではなかったですが、得点を取るべきところでしっかり取っていて、また、前日うまくいかなかったジャンプやスピンもきちんと修正していて良かったですね。
 これでGP2度目の表彰台となったアーロン選手。初のGP参戦だった昨シーズンは、初戦のスケートアメリカで今回と同じく3位になったものの、2戦目のNHK杯で崩れてしまい、ファイナル進出を逃しました。今季も同じような形でチャンスが回ってきたわけですが、そういった意味で次戦のロシア大会はアーロン選手の成長度が試される試合になるでしょうね。ぜひ、自分の力でファイナルへの切符を勝ち取ってほしいと思います。


 4位は久しぶりのGP出場となったアメリカのスティーブン・キャリエール選手。

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 ショートは「ラ・ヴィ・アン・ローズ」。冒頭は大技の4トゥループからでしたが、着氷に失敗しGOEで減点を受けます。続く足替えキャメルスピンでもぐらつく場面があり、レベル1に留まった上に減点となってしまいますが、その後は3アクセル、3ルッツ+3トゥループなど問題なくこなし、得点は80.33点で自己ベストをマーク、4位発進となります。
 フリーは「月の光/Turning Page」。SPでミスした4トゥループを見事に成功させると、3アクセル+3トゥループ、3ルッツと、序盤は立て続けにジャンプを決めていきます。しかし、中盤以降は単独の3アクセルや3フリップなどでミスがあり、失速してしまいました。ですが、得点は151.34点でパーソナルベスト、フリーも4位となりました。
 ミスはチラホラとあったのですが、大崩れすることなくしっかりと作品をまとめていて素晴らしかったと思います。キャリエール選手は実にこれが4シーズンぶりのGP参戦となりますが、あまりに久しぶり過ぎて以前のキャリエール選手を覚えておらず、あれこんなスケーターだったっけ?と新人の選手を目にするような感じで演技を見させていただきました。元々GPでは2度表彰台に立った経験のある実力者ですが、GPに出られないあいだにもヨーロッパのB級国際大会に出場するなど実績を積み重ね、実力を磨き、その地道な努力がこの4位という形で実を結んだのだろうなと思います。
 次はロシア大会に出場するキャリエール選手。納得のいく演技ができることを祈っています。


 5位はロシアの大ベテラン、コンスタンティン・メンショフ選手。

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 ショートは「Rotting Romance」、2本の4回転に挑む構成です。1本目は4トゥループ+3トゥループ、これをパーフェクトに成功させると、続く単独の4サルコウもクリーンに着氷します。後半の2アクセルでミスはありましたが、全体的に流れのある好演で、パーソナルベストとなる81.70点を得、3位と好発進します。
 フリーは「Tango en Silencio」、3本の4回転を組み込んだ攻めの構成で、まずは4トゥループ+3トゥループからでしたが、ファーストジャンプの着氷がクリーンでなくセカンドジャンプを付けられず。次も4トゥループでしたが、こちらは3トゥループに。3アクセルに関しては2本きっちり決めるなど安定感を見せましたが、その他では4サルコウがトリプルに、3ループ+2トゥループが2ループ+2トゥループにといった細かなミスがあり、不本意な内容となりました。得点は143.33点でフリー6位、トータル5位で大会を終えました。
 上述したフェルナンデス選手同様、SPとフリーで4回転の精度に落差が出てしまいましたね。それくらい大変なジャンプと言えるのでしょうが、フリーでは失敗したとはいえ、ショートで2本の4回転を入れて、しかも成功させるというメンショフ選手のジャンプ能力の高さには脱帽ですし、ましてや31歳ということを考えると驚異のスケーターだなと驚嘆せざるを得ないですね。
 次戦はフランス大会、楽しみにしています。


 6位はフランスのフローラン・アモディオ選手です。

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 ショートは「映画『オーケストラ!』より」、4回転を組み込まず安全策を取り、冒頭は得意の3アクセルから、アモディオ選手らしい軽快な跳躍で成功させます。2つのスピンとステップシークエンスを挟んだ後半、3サルコウ+3トゥループを決め、ラストの3ルッツに向かいましたが、すっぽ抜けて2ルッツになるミス。得点は72.14点で8位につけました。
 フリーは「映画『ブラッド・ダイヤモンド』より/映画『ライオン・キング』より」。SPでは回避した4サルコウに挑み、回転は足りていましたが着氷でオーバーターンして減点。続く3アクセルも着氷でこらえ気味になります。後半も3アクセルからのコンビネーションのセカンドジャンプが1回転になったり、3+1+3の最後のジャンプが2回転になったりと細かなミスはありましたが、大きな失敗のない演技を続けました。最後のスピンの入りで転倒し、スピンとしてカウントされず無得点となる思わぬアクシデントはありましたが、演技を終えたアモディオ選手はガッツポーズを見せ、手応えを噛みしめているようでした。得点は143.57点、フリー5位でSPから順位を上げました。
 小さなミスは複数あったのですが、昨シーズンからのアモディオ選手の演技の中では良い方だったと思いますし、何より破綻なく無事に演技を終えられたことがGP初戦としては大きいのではないでしょうか。ジャンプに関しても4サルコウや3アクセルなど、得点源のジャンプはあまりクリーンに決まりませんでしたが、パンクや転倒といった致命的なミスではありませんでしたし、また、プログラム的にもよくまとまっていて久しぶりにアモディオ選手らしい明るさが見られてホッとしましたね。特にフリーはアフリカをテーマにしたプログラムで、彼の一番の魅力であるダンサブルな身体づかいがうまく強調されていましたし、獣を想起させるような独創的な振り付けだったり、民族的なボーカルだったり、見どころのある作品で良いなと思いました。
 もったいなかったのはショートで3ルッツが2回転になったところ。3回転という規定の回転数に満たなかったため、丸ごと得点がゼロになってしまいました。普通に3ルッツを跳べていれば、後半なので基礎点6.0が1.1倍で6.6点、そこにGOEの加点が加われば7点以上が見込まれましたから、かなり大きな差ですね。また、フリーでは足替えコンビネーションスピンの入りで失敗してしまったために、こちらも無得点となりました。予想外のミスだったとはいえ、3点ほどをロスしたことになるのでやはりもったいなかったですね。
 アモディオ選手の次戦は地元のフランス大会。アモディオ選手らしい溌剌とした演技を、また楽しみにしています。


 7位はチェコのミハル・ブレジナ選手。

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 ショートの演目は「テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』より」。冒頭の3アクセルは綺麗に成功させたものの、次の4サルコウは転倒。後半の3フリップ+3トゥループもフリップが2回転になるなどミスが続き、得点は73.29点と伸ばすことができず、ショート7位に留まりました。
 フリーは「フィガロの結婚」。3アクセルはSPに続いて美しく決めますが、4トゥループは3回転に、4サルコウは1回転にすっぽ抜けるなどうまくいかず。後半に再び4サルコウに挑みますが、あえなく転倒。また、3アクセル+2トゥループを跳び、さらに3フリップ+2トゥループ+2トゥループの3連続ジャンプを跳んだために、2トゥループを計3回跳んだことになり、この3連続コンビネーションそのものが無得点になるといった大きなミスもあり、フィニッシュしたブレジナ選手は表情に悔しさを滲ませました。得点は134.95点で8位、総合7位となりました。
 9月に行われたネーベルホルン杯でも決して好調という感じではなかったブレジナ選手ですが、今大会はその時よりも得点的には下がる結果となってしまいました。3アクセルは安定していたのですが、4回転に苦労していて、特にフリーでは4回転を3本組み込んでいるだけに、ひとつも決まらないとかなり痛い損になりますね。4回転をいくつ跳ぶかというのも戦略的に難しいところだなあと考えさせられました。
 ブレジナ選手の次戦はロシア大会、次こそはブレジナ選手らしいジャンプ、演技が見られることを願っています。


 日本の小塚崇彦選手は8位で大会を終えました。

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 SPは「A Evaristo Carriego」、小塚選手初のタンゴです。冒頭の4トゥループは着氷で乱れ、こらえ気味に。3アクセルはクリーンに成功させますが、後半の3+3のファーストジャンプの着氷が詰まり、強引にセカンドジャンプを付けましたがダウングレード(大幅な回転不足)となってしまいます。得点は75.85点、6位発進となりました。
 4トゥループは失敗でしたが、回転不足ではなかったので惜しいなという印象ですね。それだけに3+3はあまりない形のミスで、もったいなかったなと思います。
 ですが、プログラムの魅力はところどころに垣間見えましたし、小塚選手のタンゴということでどんな感じなんだろうとあまり想像がつかなかったのですが、実際に競技会での演技を見て小塚選手のスケートの端正さや滑らかさが生かされていて、その美しさが伝わってくるプログラムだと感じましたね。タンゴといっても熱すぎず、程よくクールな曲想が小塚選手の雰囲気にピッタリですし、ナイス選曲と言えますね。

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 フリーはイタリアの歌手アンドレア・ボチェッリさんが歌う「Io Ci Saro」。冒頭の4トゥループはアンダーローテーション(軽度の回転不足)で着氷、次の3ルッツはクリーンに成功させますが、3アクセルからのコンビネーションはアクセルが1回転になります。後半1発目も3アクセルでしたが、前半の3アクセルの失敗を引きずってしまったのかこちらもパンクして1回転に。その後も3ルッツからの連続ジャンプや3フリップなど、得意なジャンプでもミスが相次いでしまいました。得点は127.32点でフリー11位、総合8位に順位を落とす結果となりました。
 10月上旬に出場したジャパンオープン同様、今大会もなかなかジャンプが噛み合わなかったですね。足に故障を抱えているという話も聞くので、万全な状態ではなかったのかもしれません。ただ、まだシーズンは始まったばかりですし、ジャパンオープンから比べても調子は上がっているそうなので、身体には気を付けて次戦のロシア大会に向かっていってほしいなと思いますね。



 さて、ここからはペアです。

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 優勝したのは世界選手権2014銅メダリストであるカナダのメーガン・デュアメル、エリック・ラドフォード組です。フリーではスロージャンプでミスがあったものの自己ベストを更新し、SP、フリーともに安定した演技を見せ金メダルを獲得しました。デュアメル&ラドフォード組は意外にもこれが初めてのGP優勝なんですね。すでに世界選手権では2度も銅メダルを獲得しているペアなので、当然GPでも優勝経験はあるものと思い込んでいましたが、今までの最高位は2位だということを知って今更ながらに驚かされましたね。デュアメル&ラドフォード組の次戦はNHK杯です。
 2位となったのは中国の若手ペア、隋文静(スイ・ウェンジン)、韓聰(ハン・コン)組です。ショートではステップシークエンスやデススパイラルでレベルの取りこぼしが、フリーではジャンプのすっぽ抜けが複数あり、SPでもフリーでもパーソナルベストからは遠い得点となりました。ですが、これで2年連続でスケートカナダの銀メダルを獲得しました。
 3位に入ったのはロシアのエフゲニア・タラソワ、ウラジミール・モロゾフ組。フリーではジャンプやスロージャンプでいくつかミスが出てしまいましたが、SP、フリーともに自己ベストに近い得点をマークして、GP初めての表彰台となりました。



 男子&ペアについては以上です。次の記事で女子&アイスダンスについてお届けしたいと思います。


:男子メダリスト3選手のスリーショット写真、無良選手のSPの写真、キャリエール選手の写真、メンショフ選手の写真、アモディオ選手の写真、ブレジナ選手の写真、小塚選手のフリーの写真は、カナダのフィギュアスケート連盟「スケートカナダ」の公式ウェブサイトが2014年10月31日に配信した写真特集記事「2014 Skate Canada International」から、無良選手のフリーの写真は、「デイリースポーツ」の公式ウェブサイトが2014年11月3日に配信した記事「無良V!自己ベストに泣いちゃった」から、フェルナンデス選手の写真、アーロン選手の写真、小塚選手のSPの写真は、国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、ペアメダリスト3組の写真は、カナダのフィギュアスケート連盟「スケートカナダ」の公式フェイスブックページから引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2014-11-06 17:03 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)