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 グランプリシリーズの前哨戦であるチャレンジャーシリーズに組み込まれているカナダ開催のオータムクラシックインターナショナル2017と、スロバキア開催のオンドレイネペラトロフィー2017がほぼ同時期に行われました。オータムクラシックインターナショナルには男子の世界チャンピオンである羽生結弦選手とアイスダンスの世界チャンピオン、テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組が、オンドレイネペラトロフィーには女子の世界チャンピオン、エフゲニア・メドベデワ選手が出場し、オリンピックシーズンの国際大会初戦に臨みました。そのほかにも世界の強豪選手や日本選手が複数出場し、それぞれに活躍を見せました。

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《オータムクラシックインターナショナル2017》

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 男子の優勝は2015、2016年の世界チャンピオン、スペインのハビエル・フェルナンデス選手です。SPは冒頭の4トゥループ+3トゥループが4+2になりますが、4サルコウ、3アクセルは難なく決め、ステップシークエンス、スピンは全てレベル4と上々の演技。101.20点で2位発進します。フリーは冒頭の4トゥループを成功させますが、続く4サルコウが3回転になった上にダウングレード(大幅な回転不足)となりさらに転倒というまさかのミス。動揺したのか次の3アクセルからのコンビネーションも2アクセル+2トゥループにとミス連発の前半に。しかし後半は4サルコウ+3トゥループを決めると、その後は大きなミスなくジャンプを立て直しました。得点は177.87点とフェルナンデス選手の実力からすると低調な数字でしたが順位は1位、総合でも1位と逆転優勝を勝ち取りました。
 初戦とあってジャンプの数が多いフリーはミスが目立ってしまい、終盤のステップシークエンスでもレベル2どまりとらしからぬ取りこぼしもありましたが、元々フェルナンデス選手はスロースターターという印象なのであまり不安がる部分はないでしょう。シーズン序盤で苦戦してもシーズンの最も大事なところにはしっかり合わせてくる選手なので、彼にとって演じるのは2度目になるSP「チャップリンメドレー」(以前はフリーで演じていたのでSPとしては初めて)と、故郷スペインを舞台にした「ラ・マンチャの男」という集大成にふさわしいプログラムがこれからどう磨かれていくのかに期待したいですね。

 銀メダルを獲得したのは世界王者、日本の羽生結弦選手です。右膝に違和感があるとのことで通常より難度を落とした構成で臨んだ羽生選手。かつて2季に渡って演じたショパンの「バラード第1番」を三度演じることにしたショートは、まず4サルコウを完璧に決め全ジャッジから満点となる加点3を得ると、後半に組み込んだ3アクセルも加点3。最後の4トゥループ+3トゥループはセカンドジャンプで両手を上げる進化を披露。ステップシークエンス、スピンは全てレベル4と初戦とは思えない完成度の高さを見せつけ、自身が持つ世界最高得点を約2点更新する112.72点をマークし、圧巻の首位発進となりました。一夜明けたフリー、演技前半には4回転は組み込まない構成を予定し、まずは3ルッツからでしたがこれが珍しく1回転に。続く3ループ、3フリップはしっかり着氷し、後半最初の4サルコウ+3トゥループはパーフェクトに成功。しかし次の4トゥループからの3連続ジャンプが2トゥループからの連続ジャンプになると、直後の4トゥループも再び2回転に。さらに3アクセルで転倒し、2つ目の3アクセルは急遽変更して4トゥループに挑みますがダウングレードでの着氷で大幅に減点され、終始羽生選手らしからぬ演技に終わりました。得点は155.52点とパーソナルベストより60点以上低い点数で順位もまさかの5位、総合2位となりフェルナンデス選手に逆転を許しました。
 世界に衝撃を与えたショートから一転、フリーはまた別の意味で衝撃的な内容となりましたね。フリーの失敗の原因について羽生選手自身は「雑念が多かった」と語り、最初の3ルッツがパンクしたことによってどこで取り返そうかと考えながら滑ったことが集中力を欠いた理由のようです。とはいえ状態が良い時の羽生選手であれば考えながら滑ったとしても冷静にエレメンツをこなせる選手だと思うので、今回はそれ以上に右膝痛で練習できない時期があったことや、それによってジャンプ構成の難度を落とさなければならなかったことや、万全の調整ができなかったことによる微妙な感覚のズレや、いろんなことが重なり合った結果なのかなと思います。それにしても世界最高のショートから3季ぶりのフリー150点台という落差を見るにつけ、つくづくフィギュアスケートはメンタルのスポーツだなというのも感じさせられました。ですが、心技体が全て揃った時の羽生選手の凄みというのはいまさら言うまでもないですが他を寄せつけない圧倒的なものがありますし、今大会は心も技も体も万全ではなかったがゆえのこの演技内容だったと言えますから、次は心技体が揃った羽生選手の姿が見たいですね。もちろん右膝も軽傷とはいえ練習の仕方によっては悪化する可能性もありますし、右膝をかばってほかの部位をということもありえますから、何はなくとも体を第一に次戦に向けて調整してほしいと思います。

 3位に入ったのは地元カナダのキーガン・メッシング選手です。SPは冒頭の4トゥループこそ着氷で手をつきますが、その後の3アクセル、3+3はしっかり着氷。エレメンツのほとんどで加点1以上を獲得し、自己ベストを約10点更新し4位と好位置につけます。フリーは序盤の3ルッツ、4トゥループをクリーンに成功させ好スタートを切りますが、3アクセルからの連続ジャンプはジャンプとジャンプのあいだでバランスを崩し減点されます。後半に入って最初の4トゥループ+2トゥループはきれいに成功。以降は細かいミスを重ねながらも大きくリズムを崩すことはなく滑り切り、約15点自己ベストを更新し銅メダルを手にしました。
 フェルナンデス選手と羽生選手の優勝争いが大会前から確実視されていた中、3位が誰になるかというのは注目ポイントでしたが、メッシング選手というのは大穴でしたね。世界選手権で入賞経験もあるミーシャ・ジー選手やナム・グエン選手、GPで表彰台経験のある村上大介選手やロス・マイナー選手ら実力者が揃う中で、メッシング選手は実績的にも過去の得点を見てもこのメンバーの中では劣るかなという印象だったのですが、一気に30点以上パーソナルベストを更新するとは予想外でした。ジャンプ構成としてはそこまで難易度の高いものではなく、得点源の4回転や3アクセルでもちょこちょこミスは犯していますし、ステップシークエンスはショートがレベル2、フリーがレベル1と取りこぼしも多いのですが、成功させたエレメンツの加点は全体的に高く演技構成点も8点台を揃えられたことが銅メダルに繋がりましたね。

 故障からの復帰を図る日本の村上大介選手は8位となりました。ショートは4サルコウで転倒、3アクセルも乱れ、後半の3+3も3+2にとミスが相次ぎ、70.09点で7位にとどまります。巻き返したいフリーでしたが、冒頭の4サルコウの着氷でステップアウトし手をつくと、続く2本目の4サルコウは3回転に。次の3アクセル+2トゥループは成功させますが、後半の3アクセルは転倒。その後も細かいミスが重なり得点は伸ばせず130.50点で8位、総合も8位と順位を一つ落としました。
 右足甲の負傷で昨シーズンを棒に振った村上選手。約1年ぶりの試合で存在感をアピールしたいところでしたが、ジャンプが不安定で演技全体にも精彩を欠きました。この大会の前にスケート靴が壊れてしまいその靴のままで試合に臨まざるをえず、本人の弁では着氷が「ぐにゃって感じ」で踏ん張りが利かなかったようですね。今回は残念な結果に終わりましたが、村上選手の言葉や表情は明るく、スケート靴が故障する前は練習で4フリップも着氷していたとのことですから、次の試合こそ本来の村上選手らしい演技が見られることを祈りたいと思います。


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 女子は世界選手権銀メダリストで地元カナダのケイトリン・オズモンド選手が断トツで優勝。ショートで3+3、3ルッツ、2アクセルと全てのジャンプをクリーンに着氷。ステップシークエンス、スピンも質の高いものを揃えて、自己ベストに極めて近い得点で圧巻の首位発進を果たします。フリーは冒頭の3+3、2アクセル+3トゥループを完璧に成功させ、続く3ルッツは着氷で若干こらえますが大きなミスにはならず。しかし中盤のレイバックスピンの後、次の動作に移る際にスケート靴のエッジが氷に引っかかったのかお腹側から転倒してしまいます。一瞬痛そうな表情を見せましたがすぐに演技に戻り、後半は3連続ジャンプが2連続となったり2アクセルが1回転になったりする細かな取りこぼしはありましたが、大崩れすることなくまとめて自己ベストを0.19点上回り、2位に18点以上の大差をつけての優勝となりました。
 SPはシーズン開始時はジャズのスタンダードナンバー「サマータイム」を用意していましたが、今大会から昨季の「パリの空の下/ミロール」に変更。「パリの空の下/ミロール」はオズモンド選手の代表作といってよいハマりプログラムとあって、昨シーズンからの流れのままの素晴らしい内容とスコアでしたね。フリーは細かなジャンプミスもあり、つなぎの部分で転倒するアクシデントもあり、演技そのものとしてはふわっとした感じになってしまったかなと思うのですが、この時期なので当たり前といえば当たり前ですね。ショートに関してはすでに体になじんだプログラムとあって全く心配はないですから、あとはフリー次第でオリンピックでメダルを取れるか否かというのも左右されそうな気がします。

 2位は昨季の四大陸選手権女王、日本の三原舞依選手です。ショートは冒頭の3+3を確実に下り、後半の2アクセルも着氷とスムーズな流れで演技を進めますが、最後の3フリップが間違ったエッジで踏み切ったと判定されて大きく減点。目立ったミスなく演技を終えましたが、得点は伸び切らず自己ベストより6点近く低い点数で2位となります。フリーも冒頭の3+3、2アクセルをクリーンに着氷。後半に5つのジャンプ要素を固め、最初はショートでエッジエラーを取られた3フリップでしたが、再びエッジエラーとの判定。続く2アクセル+3トゥループは2つ目が2回転となりますが急遽2ループを付けて3連続コンビネーションに変更。3ループはきれいに成功させ、単独予定だった3ルッツに3トゥループを付けて冷静なリカバリーを見せますが、最後の3サルコウは珍しく2回転に。得点は自己ベストから13点ほど低い得点にとどまり、順位もショートから変わらず2位で今季初戦を終えました。
 ショート、フリーともに3フリップでエッジエラーを取られたのは意外でしたが、昨季はルッツとフリップの跳び分けは正確にできていたので、もう一度練習でコーチとともにしっかり修正すれば心配はないのかなと思います。3回転が2回転に抜けたジャンプも2つありましたが、ちょっとしたタイミングのズレだと思うので大きな問題ではないでしょう。表現面に関してはSPは三原選手にとって初ジャンルとなるタンゴということで、まだ少しぎこちなさがうかがえました。タンゴ特有の妖艶さを醸し出すための丁寧な努力は伝わってきたのですが、目線の送り方や細かい仕草、緩急の付け方など、さらにスムーズかつ洗練されればよりタンゴらしくなるなと感じましたね。ですが、元々持っている滑らかでスピード感溢れるスケーティングとタンゴのリズムとの相性はとても良いと思うので、完成形を楽しみにしたいです。フリーは全体的に優しい曲想ですが、終盤のステップシークエンスのところでガラリとイメージが変わるので、その部分でもっとメリハリをつけられると音楽の壮大さを表現できるのかなと個人的には思いました。シニア2季目となる今季は怖いもの知らずだった昨季とは心のありようが全く違うと思いますが、1つ1つの試合、目の前の演技のことだけを考えて、三原選手らしくシーズンを送ってほしいですね。

 3位はカザフスタンのエリザベート・トゥルシンバエワ選手です。ショートは3+3がどちらのジャンプも回転不足と判定、単独の3フリップもミスがあって得点が伸びず5位。フリーはところどころジャンプの着氷で踏ん張る場面はありましたが、ほぼノーミスの演技で自己ベストに約2点と迫るスコアで3位、総合3位と順位を上げました。
 ショートは3+3がファーストジャンプもセカンドジャンプも回り切らずというミスがありましたが、フリーでは後半に3+3と2アクセル+3トゥループを入れてしっかり回り切って下り、見事な修正能力を見せました。また、フリーは多くのジャンプで手を上げて跳び、昨季からのレベルアップが明確にうかがえましたね。ジャンプに高さや幅がないトゥルシンバエワ選手にとっては、よりGOEで加点を得るための合理的な工夫だなと思います。

 今季シニアデビューの日本の新田谷凛選手は6位となりました。SPは冒頭の3フリップがアンダーローテーション(軽度の回転不足)で転倒。後半の3ルッツも着氷でバランスを崩し2トゥループを付けたもののコンビネーションとは認められず。最後の2アクセルはしっかり着氷しましたが、ジャンプミスが響きパーソナルベストより14点以上低い得点で9位と出遅れます。フリーは冒頭の3サルコウで両手を上げて跳びますが転倒と暗雲が漂うスタートとなります。しかし続く3フリップ、3ループはクリーンに成功。後半もほぼ全てのジャンプをきれいに跳び切り、演技後はホッとしたような笑みを浮かべました。得点は自己ベストとなる114.37点でフリー5位、総合6位と大きく順位を上げました。
 ショートは慎重になりすぎたのかジャンプの際に硬さが見られましたが、フリーは演技が進むにつれて柔らかさが増していったような印象でした。新田谷選手は現在20歳とシニアに上がる年齢としては遅い方ですが、じっくり腰を据えてジュニアで経験を積み、培ったものを大切にして、でも思い切りの良さも忘れずに今季は頑張ってほしいですね。


 ペアはフランスのヴァネッサ・ジェームズ&モルガン・シプレ組が優勝。ショートはほぼ完璧な演技でしたが時間超過があって減点1、自己ベストまで約2点という得点で2位につけます。フリーは3トゥループからの3連続ジャンプが2+2+2に抜けたものの、直後の大技スロー4サルコウは両足着氷と最小限のミスでこらえます。後半のスロー3ルッツでは転倒してしまいますが、おおむねミスを少なくエレメンツのクオリティーも高く揃えて、フリー1位、総合1位と逆転で金メダルを獲得しました。チャレンジャーシリーズでの優勝は初めてのジェームズ&シプレ組。昨シーズンは欧州選手権で初めて表彰台に立って一段階ペアとしてのレベルを上げましたが、今季さっそく優勝したことでさらに飛躍を遂げそうですね。特にスロー4サルコウは世界の表彰台を狙う上で強力な武器になるので、まずはGPの初優勝に期待したいですね。
 2位は元世界チャンピオン、カナダのメーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード組です。ショートはさすがの演技で首位に立ちましたが、フリーは演技序盤のサイドバイサイドのジャンプで女性のデュハメル選手の転倒が相次ぎ、大技のスロー4サルコウも転倒。後半は立て直しましたが前半のミスが響き、自己ベストから27点以上低い得点で3位、総合2位にとどまりました。昨季はシーズン終盤に調子を落とし不完全燃焼のシーズンとなったデュハメル&ラドフォード組。復活を期する今季の初戦は残念ながららしくない演技に終わってしまいました。このペアが無敵状態だった時のジャンプの安定感が最近は見られないので、GPでいかに巻き返してくるのか注目ですね。
 3位は同じくカナダのジュリアン・セガン&シャルリ・ビロドー組です。ショートはサイドバイサイドの3サルコウが2回転になって3位発進。フリーは序盤のコンビネーションジャンプで着氷が乱れますが、それ以外はほぼノーミスでまとめて2位、総合3位となりました。


 アイスダンスは世界王者、カナダのテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイアが圧勝。ショート、フリーともにステップ以外は全てレベル4と他のカップルを全く寄せつけず、2位に20点以上の大差をつけて昨年に続き2連覇を達成しました。
 2位はカナダ選手権2位のケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組。SDはツイズルで女性のウィーバー選手がわずかにバランスを崩し減点となり2位。FDはほぼノーミスでしたが加点を思ったほど伸ばせないエレメンツもあり2位、総合2位となりました。
 3位もカナダのパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組。SDはパターンダンスのレベルが2にとどまり3位。FDはおおむねレベルもGOE加点も揃えましたが、2位と約1点差で3位と逆転は叶いませんでした。



《オンドレイネペラトロフィー2017》

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 まずは女子から。優勝は世界女王のエフゲニア・メドベデワ選手。SPは昨季同様全てのジャンプを後半に組み込みその全てを完璧に成功。ステップシークエンス、スピンもレベル4で、加点は全部が1点以上と初戦とは思えないレベルの高さを見せつけ、自身2度目となる80点台をマークして圧巻の首位発進。フリーは7つのうち6つのジャンプ要素を後半に固め、若干苦手としている3ルッツが踏み切りが不正確となり着氷でもオーバーターン、3サルコウ+3トゥループは微妙に詰まり気味となりましたが、ミスらしいミスなく演技をまとめ、堂々の完全優勝を果たしました。
 毎回のようにパーフェクトな演技を見せ続けるメドベデワ選手にしては、フリー後半の3ルッツや3+3はいつもとは違う出来だったかなと思いますし、ステップシークエンスもレベル3ということで本当の意味で完璧とは言えませんが、それは世界選手権2連覇中で世界最高得点保持者のメドベデワ選手だからこそ要求されるレベルや質が他選手とは段違いということであって、普通に考えれば充分に素晴らしいと言える演技でしたね。初戦ゆえの難しさ、慎重さというのは世界女王といえどもあったとは思いますし、今回見られた小さな綻びも修正に時間がかかるようなものではないように見受けられるので、次戦のジャパンオープンでメドベデワ選手がどんな演技を見せてくれるのか大いに期待したいですね。

 2位に入ったのは日本の本郷理華選手です。ショート冒頭の3+3はセカンドジャンプがアンダーローテーションの判定。しかし後半の苦手の3ルッツ、2アクセルはクリーンに下りて自己ベストに3点と迫るスコアで2位と好発進します。フリーも冒頭の3+3はセカンドジャンプが回転不足となり、3ルッツは踏み切りが不正確となって若干減点を受けます。後半も2アクセル+3トゥループの2つ目が回転不足、3ループはダウングレード(大幅な回転不足)で転倒とミスが重なりますが、終盤は立て直して最後までスピード感を保ってフィニッシュ。得点は123.49点と2季ぶりに国際大会で120点台をマークし2位、総合でも2位で銀メダルを手にしました。
 ショート、フリーともにミスがあり本郷選手自身は納得がいかなかったかもしれませんが、初戦としてこの出来であれば及第点なのではないかと個人的には感じました。アンダーローテーションを取られたジャンプは本当にあともう少しの跳び上がりがあればという感じでしたし、3ルッツもロングエッジ(完全に間違ったエッジ)ではなく、ノットクリアエッジ(不明瞭なエッジ)にとどめたのは良かったと思います。昨季から苦労している3ループの課題は残りましたが、演技全体の動きは本郷選手らしい躍動感が見られ、そういった点が評価されたのか昨季はほぼなかった演技構成点の8点台を2項目でマークし、昨シーズンは国際大会で一度もなかったフリー120点台を初戦で出せたということで、幸先の良いスタートと言えるのではないでしょうか。昨季から継続のSPはもちろん、新しいフリーも本郷選手の魅力をよく引き出していると思うので、自信を持って次戦に臨んでほしいですね。

 3位はロシアの実力者、エレーナ・ラディオノワ選手です。SPは得点源の3+3と2アクセルでミスが続き、自己ベストより8点ほど低い得点で3位にとどまります。フリーは序盤に3ルッツと3フリップをしっかり着氷。後半に5つのジャンプ要素を固め、最初の3+1+3は全てのジャンプをきっちり回り切って着氷。続く3フリップ+2トゥループはジャンプ自体に問題はなかったものの3フリップの踏み切りがロングエッジのため減点。2アクセルはクリーンに成功させ、続いて3ループでしたが跳び上がろうとした瞬間に靴のエッジが氷の溝にはまったのか跳び上がれず転倒してしまいます。直後の2アクセルは予定どおり跳び切り、次に急遽3ループを跳んで着氷させましたがこれは8つ目のジャンプ要素になるため跳び過ぎで認められず。アクシデント的な転倒にも負けず力強く演じ切りましたが、117.79点で4位、総合3位と順位はショートから変わりませんでした。
 近年はスレンダーな体形は保っているものの高身長の影響もあってかジャンプの回転不足が目立つラディオノワ選手。それによって引き起こされる負のスパイラルが続いているような印象ですが、ミスがあってもめげない明るいキャラクターがラディオノワ選手の魅力でもあって、今回のフリーの転んだジャンプにもう一度挑むという姿は結果として実らなかったものの、彼女らしい攻める姿勢を感じましたね。ロシア女子たちの国内の競争は世界一過酷ですが、ラディオノワ選手らしい演技と気持ちの強さで勝ち抜いてほしいなと思います。


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 男子の優勝はロシア王者のミハイル・コリヤダ選手。SPはまだ試合で成功させたことのない大技4ルッツにチャレンジし回転は認定されたものの転倒。続いて4トゥループからの連続ジャンプの予定でしたが、3回転になった上に着氷でも乱れて単独ジャンプに。さらに最後の3アクセルは1回転となり、演技を終えたコリヤダ選手は呆然としたような表情を浮かべました。得点は演技時間超過による減点1も加えて66.65点でまさかの10位と大きく出遅れます。中1日で迎えたフリー、冒頭は再び4ルッツに挑戦、これを完璧に成功させます。続く4サルコウは回転は充分でしたが転倒。次の3アクセル+2トゥループは問題なく着氷します。後半は3種類目の4回転である4トゥループでしたが、空中で軸が曲がり再び転倒。しかし3アクセル、3+1+3、3ループと相次いで成功。最後の3ルッツはこれも軸が曲がって着氷はステップアウトしました。得点は自己ベストに迫る181.16点でフリー1位、総合1位とショート10位から大逆転を果たしました。
 ショートはまさかの60点台というボロボロの内容で、優勝の可能性は消えたかと思わせられましたが、フリーはいろんな意味でサプライズの連続でしたね。まず冒頭の4ルッツの成功。ショートで転倒したとはいえ回り切っていたので成功は時間の問題だったのかもしれませんが、初成功とは思えないくらい素晴らしい質でした。これで4ルッツの公式試合での成功者はアメリカのブランドン・ムロズさん、中国の金博洋(ジン・ボーヤン)選手、アメリカのネイサン・チェン選手に続く4人目となりました。ですが、その後の演技では4サルコウと4トゥループで転倒。1つのプログラムの中で明と暗が如実に表れた内容でしたが、4サルコウも4トゥループも回り切ってからの転倒だったのでそんなに大きな修正は必要ないのかなと思います。このフリーだけを見ても、ポテンシャルの高さは証明済みと言えるコリヤダ選手ですが、あとはどれだけ一定以上のレベルの演技を見せ続けられるかだけだと思うので、GPでの活躍を楽しみにしたいですね。

 2位は同じくロシアのベテラン、セルゲイ・ボロノフ選手です。ショートは4トゥループで転倒しますが、ほかのエレメンツは予定どおりにこなし80点台をマークしてトップ発進。フリーは序盤に得点源となる4トゥループや3アクセルを固めミスが重なりますが、後半は挽回して2位、総合も2位となりました。
 決してジャンプは本調子ではなかった印象ですが、それでも大崩れしないのは経験の豊富さゆえでしょうか。内容的にもスコア的にも世界のトップレベルで戦っていくためには物足りませんが、混沌としているロシア男子の五輪の代表争いの中では充分に競える力は持っているのかなと思いますね。

 3位はオーストラリアのブレンダン・ケリー選手。SPは3つのジャンプ要素全てで何かしらのミスを犯し5位。フリーも2本の4トゥループに失敗しますが、そのほかのジャンプはほぼノーミスでまとめて3位、総合3位と順位を上げました。
 ケリー選手はこの前週のロンバルディアトロフィーにも出場して3位。今大会はショートで出遅れたものの、ショートで上位につけた選手がことごとくミスを重ねて脱落していき結果的に2週連続で銅メダルを手にするという結末になりました。4トゥループはショート、フリー通じて安定しなかったものの、ほかのジャンプでミスを最小限に抑えたことが銅メダルに繋がったのだと思いますが、パーソナルベストで自身を上回る選手たちを差し置いて銅メダルを獲得できたというのは、“持ってる”選手とも言えるなと感じました。

 日本の田中刑事選手は総合8位と消化不良の結果に終わりました。SPは冒頭の4サルコウが3回転となったものの、以降の3+3、3アクセルはまとめて4位と好位置につけます。しかしフリーは冒頭の4サルコウが回転不足となって転倒すると、中盤の4サルコウ、3アクセルでも転倒を連発。終盤の3フリップ、3ループがそれぞれ2回転となるミスもあり、121.37点というロースコアで9位、総合8位と大きく順位を落としました。
 多少波がありながらも最近はまとめる力をつけてきた田中選手にしては大荒れな内容でしたね。全体を通して4サルコウは不調だったようですが、そうした一つのズレからどんどん歯車が噛み合わなくなっていったようなフリーでしたね。本人がいちばんふがいなさを感じる内容だと思うので、これがGPや全日本選手権でなくて良かったと思うくらいの余裕を持って、次戦では奮起して田中選手らしい演技を見せてほしいですね。

 同じく日本の日野龍樹選手は11位となりました。SPは冒頭の4トゥループこそダウングレード(大幅な回転不足)で着氷を乱しましたが、その後の3アクセル、3+3は安定した跳躍を見せ、67.25点で6位発進とします。フリーもまずは4トゥループからで、一見クリーンに着氷したかに見えましたがダウングレードと判定されます。次は3ルッツは転倒。次の3アクセル+2トゥループはジャンプとジャンプのあいだにターンが入り減点。その直後の3ループは再びダウングレードで転倒とミスジャンプが続きます。後半に入って最初の3アクセルはクリーンに下りますが、続く3ルッツ、3フリップと転倒。最後の3+3は決めましたが、4度の転倒が響き得点は117.08点で11位、総合でも11位と振るいませんでした。
 まずまずまとめたショートから一転、フリーは途中から何かに狂いが生じてしまったかのような崩れ方でしたね。踏み切りや着氷のタイミングだったり、空中での軸の作り方だったり、体重を乗せるポイントだったり、いろんな部分がどんどんずれていったのかなという気がしました。悔しさしか残らない内容だと思いますが、これ以上悪いということは今季はもうないという見方もできるので、次戦に向けてうまく調整していってほしいですね。


 ペアは6組のみの出場でトップスリーをロシア勢が独占。優勝したのはナタリア・ザビアコ&アレクサンドル・エンベルト組で、SPは細かなミスが複数あり2位発進。フリーもミスはありましたが最小限のミスに抑えて同国のライバルを逆転しました。これでザビアコ&エンベルト組は前週のロンバルディアトロフィーに続き2週連続優勝。まだシーズン序盤なので何とも言えませんが、ひとまずジャッジに対してのアピールは大成功したといってよさそうですね。
 2位はクリスティーナ・アスタホワ&アレクセイ・ロゴノフ組。SPは全てのエレメンツで加点を引き出し自己ベストで首位発進。フリーは前半のソロジャンプで小さなミスが重なり、ザビアコ&エンベルト組に約1点の僅差でかわされました。
 3位はアリサ・エフィモワ&アレクサンドル・コロヴィン組。ショートはミスを3サルコウの着氷ミスのみにとどめて自己ベストで3位。フリーはソロジャンプで転倒とコンビネーション予定のジャンプが単独になったことによる減点がありましたが、そのほかはそつなくまとめてショートに続き自己ベストで3位、総合3位で大会を終えました。


 最後はアイスダンスの結果です。金メダルを獲得したのはロシアのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組です。SDはツイズルの途中でタイミングがずれるミスがありましたが、そのほかは無難にまとめて首位に立ちます。FDはステップ以外のエレメンツを全てレベル4で揃え自己ベストに約1点と迫る高得点をマーク。トップを守り切りました。
 2位は今季シニアデビューの世界ジュニア王者、アメリカのレイチェル・パーソンズ&マイケル・パーソンズ組です。SDは自己ベストまであとわずかという得点で2位と好発進。FDはステップが1つレベル2にとどまり得点を伸ばし切れず3位でしたが、トータルでは2位となり、ISU主催のシニアの国際大会での初表彰台となりました。
 3位はロシアのベティナ・ポポワ&セルゲイ・モズコフ組。SDは2つのスピンが両方ともレベル2にとどまりましたがわずかに自己ベストを更新して3位。FDはツイズルがレベル2となる取りこぼしはありましたが、そのほかはおおむね質の高いエレメンツを揃えて自己ベストを6点以上更新し2位、総合3位でシニアの国際大会では初めてのメダルを手にしました。



 ということで、オータムクラシックインターナショナル2017とオンドレイネペラトロフィー2017については以上です。前者には男子の世界王者とアイスダンスの世界王者が、後者には女子の世界王者が出場ということで、フィギュアファンの注目が集まりましたが、“明”の結果となったヴァーチュー&モイア組、メドベデワ選手と対照的に、羽生選手は“暗”の面がより目立つ結果となりました。もちろんこの時期なので深刻にとらえることは全くなく、失敗することで課題を見つけて強化するための調整試合なので、次の試合でその課題がどう修正されているかに注目したいと思います。では。


:記事冒頭の国際スケート連盟のロゴは、国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、オータムクラシックインターナショナルの画像は、マルチメディアサイト「Newscom」から、オンドレイネペラトロフィーの画像は、フィギュアスケートフォトグラファー、Joanna Grams氏の公式ツイッターから引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2017-09-30 01:46 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 本格的なシーズン開幕前の小手試しの場となるチャレンジャーシリーズが始まりました。チャレンジャーシリーズは全10試合からなる大会の総称ですが、グランプリシリーズとは違ってファイナルのような試合はなく、トップ選手たちにとってはあくまでグランプリシリーズ前の調整の場という意味合いが強い前哨戦です。
 そんなチャレンジャーシリーズですが、今年は時をほぼ同じくしてイタリアのベルガモで行われたロンバルディアトロフィーとアメリカのソルトレイクシティで行われたUSインターナショナルクラシックで幕を開けました。複数の日本選手が表彰台に上る活躍を見せ、オリンピックシーズンの始まりとしてこれ以上ないスタートダッシュとなりました。まずはロンバルディアトロフィー、そのあとUSインターナショナルと内容をざっくりまとめていきたいと思います。

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《ロンバルディアトロフィー》

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 まずは男子から。優勝したのは日本の宇野昌磨選手です。ショート、フリー通じてほぼノーミスという初戦とは思えない完成度の高さで他を圧倒、ショート、フリーともに自己ベストを更新し、総合319.84点という驚かんばかりの高得点で優勝に花を添えました。
 内容的には言うことなしのパーフェクトに近い出来で、ショートは4フリップ、4トゥループ+3トゥループ、3アクセル、フリーは4ループ、4サルコウ、3アクセル+3トゥループ、4フリップ、4トゥループ+2トゥループ、4トゥループ、3アクセル+1ループ+3フリップ、3サルコウと全てのジャンプを着氷。唯一失敗らしい失敗といえばフリー冒頭の4ループの着氷が乱れたくらいで、それでもその次には自身初挑戦となる4サルコウをあっさりと決め、昨シーズン後に掲げていた新しい種類の4回転習得という一つの目標を早くもこの時点でひとまず達成したことになり、本人も「初戦から良すぎて逆に不安」と言っているとおり、出来すぎなくらい出来すぎでしたね。特に4サルコウはあまりにも簡単に決めたので、見ていてあれっ?と拍子抜けするくらいでしたが、宇野選手によると本来は4ルッツを跳ぶつもりで練習していたのを急遽4サルコウに変更したとのこと。4サルコウについては前々から宇野選手は苦手意識があると発言していて、むしろ4ルッツの方が可能性が高いというようなニュアンスだったと思うのですが、インタビューでは夏のシカゴ合宿の時まで4サルコウはプログラムに入れるつもりは皆目なかったものの、コーチに言われて練習を始め、確率は4ルッツの方が良かったけれどもやっていくうちに4サルコウの方が失敗してもほかのジャンプに響かなかったため、とりあえずプログラムに入れる方向に転換したということのようです。それでも実際に試合でやる気はなく成功するイメージもなかったそうですが、今回成功させられたことで「4フリップより確率が良くなるジャンプ」「挑戦ジャンプじゃなくて自分を手助けるジャンプにしたい」と4サルコウに対する認識が変わったようで、このあとオリンピックに向けてどういう構成になっていくのか、そして5種類目の4回転となる4ルッツの今季中の成功もあるのかどうかなど、気が早すぎるかもしれないのですが、一ファンとして勝手に想像を繰り広げてしまうくらい、それくらいシーズン初戦としてあまりにも衝撃的で華麗な優勝劇でした。
 表現面という点ではさすがに初戦とあって緩急だったり要素間の密度だったりは本人も言っているように物足りなかったかなと思うのですが、フリーの方は2季前と同じ「トゥーランドット」なので体に馴染んでいるような感じは見受けられましたし、何といってもシーズンは始まったばかりどころか本格的な開幕はこれからという段階なので、ショートもフリーもどのように進化して魅せてくれるのか期待したいですね。

 2位はアメリカのジェイソン・ブラウン選手。ショートでは4トゥループに挑み残念ながらダウングレード(大幅な回転不足)で転倒となったものの、そのほかのジャンプはフリーも含め大きなミスなくまとめ、昨年と同じ銀メダルを獲得しました。
 4回転に関してはショートでダウングレードだったということもあってかフリーでは回避しましたが、そのほかの部分はさすがブラウン選手という美しさでした。ショートはミュージカル音楽ですが、変則的なリズムでところどころ歌詞がセリフっぽくなるところもあり、にもかかわらず曲とぴったりマッチした動きができていて、これだけ難しいプログラムを滑りこなせるのはブラウン選手だからこそだなと感じました。一転フリーは静かなピアノの音色で幕を開け、徐々に力強さと壮大さを増し、終盤はオーケストラでドラマチックに締めくくられるプログラム。静けさも激しさも見事に演じ分けられるブラウン選手の表現力を存分に活かした作品という印象で、こちらもシーズン初戦とは思えない音楽との一体感からはすでに傑作の匂いがぷんぷんしましたね。このプログラムがさらに磨かれて完成される日が今から待ち遠しく思います。

 3位はオーストラリアのブレンダン・ケリー選手。SPは冒頭の4トゥループこそステップアウトしましたが、続く4サルコウ+2トゥループ、3アクセルはクリーンに成功。最小限のミスに抑えて3位発進。フリーはショートで成功させた4サルコウが3サルコウになり、3アクセル2本でも細かいミスが重なり5位にとどまりましたが、ショートのアドバンテージで何とか逃げ切って銅メダルを獲得。ケリー選手にとってチャレンジャーシリーズの大会での表彰台は初めてとなりました。

 もう一人の日本代表、佐藤洸彬選手は12位となりました。SPは冒頭の3アクセル、4トゥループと転倒が続き、後半のコンビネーションジャンプも2ルッツ+3トゥループにと立て直せず、17位にとどまりました。フリーは2本の4トゥループに挑みどちらも転倒に終わったものの、2本の3アクセルは大きなミスなくまとめて10位、自己ベストで総合12位まで順位を上げました。
 今季はNHK杯の出場が決まっている佐藤選手。その前にこのロンバルディアトロフィーで存在をアピールしておきたいところでしたが、なかなかリズムに乗りきれなかったのかなという印象ですね。NHK杯までは時間がありますから、今度こそ佐藤選手の本領発揮となるよう楽しみにしたいですね。


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 女子の優勝はこれがシニアデビューとなったロシアのアリーナ・ザギトワ選手。言わずと知れた昨季の世界ジュニア女王ですが、昨季同様にショート、フリー全てのジャンプを後半に固める驚異的な戦略を組んで臨み、SPこそ珍しく2アクセルで転倒するミスがありましたがそれでも自己ベスト更新で3位。フリーは全てのジャンプを完璧に着氷しやはり自己ベストを更新して逆転でシニアデビュー戦を優勝で飾りました。
 ジュニアの世界最高得点保持者とあって鳴り物入りでのシニア参戦となったザギトワ選手ですが、その名に恥じぬ演技をさっそく見せてくれましたね。彼女の強みは何といっても全てのジャンプを後半に跳ぶスタミナと、大半のジャンプで手を上げて跳べる技術力の高さで、今大会もその強みがいかんなく発揮されていました。この演技を見る限りオリンピック代表に入ってくる可能性はかなり高いのではないかと思わされましたし、まだ今季はそこまで身体的な変化がないという点でも安定感があって、一気に五輪のメダル争いにも絡んでくる存在になりそうですね。個人的には全ジャンプを後半に持ってくるというのはバランスが偏っていてあまり好きではないのですが、戦略的には効率的に得点アップを望める方法であるのは間違いないですし、ザギトワ選手のフリー「ドン・キホーテ」を見ていると前半はゆったりとしたパートでコレオシークエンスとステップシークエンス、後半に入ると徐々にテンポアップし、その盛り上がりに合わせてたたみかけるようにジャンプを連発するさまは痛快さを感じさせて、プログラムとしてもよくできているなと感じます。ザギトワ選手が今シーズンの女子フィギュア界の勢力図にどんな影響をもたらすのか、楽しみ&戦々恐々ですね。

 2位に入ったのは日本の樋口新葉選手です。ショート、フリーともに全ての要素で加点を引き出すほぼパーフェクトな内容で、ショートとトータルの自己ベストを更新しました。
 ショート「ジプシーダンス バレエ「ドン・キホーテ」より」、フリー「映画『007 スカイフォール』より」ともに樋口選手の持ち味であるパワフルさを活かしつつも、女性的な柔らかさもうまくミックスされていて素晴らしかったですね。もちろんシーズンは始まったばかりも始まったばかりなので、プログラムとしてまだまだ改善できるところはあると思うのですが、この時期としては思った以上にプログラムとの調和が素晴らしかったので非常に今後に期待が持てましたし、今大会の女子は全体的に気前の良い得点傾向だったかなという気はするのですが、何にしてもこのスコアが今シーズンのベースとなっていくことは間違いないので、国際大会初戦でこの点数を得られたというのは樋口選手にとって大きなメリットだと思いますね。

 3位には地元イタリアの大ベテラン、カロリーナ・コストナー選手が入りました。SPは3+3を回避しながらも演技をそつなくまとめ2位と好発進。しかしフリーは複数のミスが重なって技術点を伸ばし切れず5位。総合では3位と何とか表彰台に留まりました。
 高い演技構成点を武器にメダルはしっかり獲得しましたが、本来のコストナー選手の姿からはほど遠く物足りない内容だったと言えるでしょう。いくら演技構成点が高いといっても若い選手たちは難しいジャンプ構成を確実にこなしてくるので、そこまでジャンプ構成の難易度が高いわけではないコストナー選手としては、要素を完璧に取りこぼしなく揃えなければトップに立つのは厳しいのかなと思います。しかしスケーティング技術や表現力は彼女にしかない唯一無二の武器ですし、ジャンプが決まればそれがさらに際立たせられるわけなので、次の試合こそカロリーナ・コストナーここにあり、という演技で若い選手たちを圧倒する姿を見せてほしいですね。

 日本の松田悠良選手は今までの自己ベストを16点以上更新する会心の演技で5位と健闘を見せました。特にSPの3フリップ+3ループ、フリーの2アクセル+3トゥループ+3ループといった、得意ではあるものの回転不足を取られることが多かったジャンプで回転を認定されていたのは大きかったですね。同時期に行われたUSインターナショナルクラシックと比べるとロンバルディアの女子はアンダーローテーション(軽度の回転不足)の数が全体的に少なかったので、もしかしたらロンバルディアのスペシャリストの方が回転のグレーゾーンに対して若干優しかったのかなという気もするのですが、私が見る限り松田選手の3+3や2アクセルからの3連続はきっちり回り切っていたように見えましたから、この調子で世界でも稀有なこれらの技の精度をさらに高めていってほしいなと思います。今季はGPのエントリーがないのが残念なのですが、そのほかの大会で今回のようにどんどん存在をアピールしていってほしいですね。


 ペアはロシアのナタリア・ザビアコ&アレクサンドル・エンベルト組が優勝。自己ベスト更新はなりませんでしたが、ショート、フリーともにミスの少ないまとまった演技で完全優勝を果たしました。
 銀メダルは地元イタリアのニコーレ・デラ・モニカ&マッテオ・グアリーゼ組。フリーでは2度の転倒がありましたが、フリー、トータルでは自己ベストに迫る得点をマークしました。
 3位もイタリアのヴァレンティーナ・マルケイ&オンドレイ・ホタレク組。ショートでは複数ミスがあり3位、挽回を狙ったフリーでも転倒があって順位を上げることは叶わず、スコア的にもパーソナルベストから20点以上低い得点にとどまりました。


 アイスダンスはこちらもイタリアのシャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファッブリ組が優勝しました。SDで1位につけると、FDはリフトでミスがあり得点を伸ばし切れなかったものの、2位を寄せつけず断トツでの優勝となりました。
 2位は今季シニアデビュー、ロシアのアッラ・ロボダ&パヴェル・ドロースト組。ショート、フリーともにそつなくまとめてシニアデビュー戦を銀メダルで飾りました。
 3位はウクライナのアレクサンドラ・ナザロワ&マキシム・ニキーチン組。ショートはレベルの取りこぼしが多々あり4位にとどまりましたが、フリーで挽回し3位に上がりました。

 日本の小松原美里&ティモシー・コレト組は8位、深瀬理香子&立野在組は11位という結果となっています。



《USインターナショナルクラシック》


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 女子はこれがシニアデビューとなった日本の本田真凛選手が金メダルを獲得しました。ショートをノーミスでまとめ首位に立つと、フリーは後半の3サルコウが2回転になるミスはありましたが、そのほかはほぼ完璧な内容でトップを守り切りました。
 シニア初戦、そして標高1300メートルという慣れない土地での試合ということを考えても上々のスタートでしたね。得点的には同時期に行われたロンバルディアトロフィーで同じく今季シニアデビューのザギトワ選手が210点を軽く超えているのと比べると物足りない気もしますが、ロンバルディアの方が気前が良すぎでUSインターナショナルの方が普通な感じもするので、あまり気にすることはないのかなと思います。得点の内容を見るとまだまだGOEの加点を取れる部分が多くあるので、今大会の演技をベースとして、さらなる上積みに期待したいですね。

 2位は地元アメリカのベテラン、長洲未来選手です。ショート、フリーともに冒頭で大技3アクセルにチャレンジ、ショートは着氷後にオーバーターン、フリーは若干両足着氷となりましたが、どちらも回り切っていると認定。しかしその他のジャンプで細かな回転不足が相次ぎ得点は伸ばし切れず、自己ベストからは10点ほど低いスコアでの2位となりました。
 近年練習動画で3アクセルをクリーンに下りる姿を見せて話題となっていた長洲選手ですが、満を持しての実戦での挑戦、そして見事に成功させました。ISUが認める国際大会での女子選手の3アクセル成功は史上8人目、アメリカの女子選手としてはトーニャ・ハーディングさんに次ぐ2人目の成功者となりました。また、24歳での初成功は最高齢でもあり、若く身軽な選手でさえ成功させるのは至難のこの大技を、年齢を重ねさまざまな苦労や怪我を乗り越えてきた長洲選手が達成したという事実に感慨を覚えざるをえません。それだけに3アクセル以外のジャンプでアンダーローテーション(軽度の回転不足)が重なってしまったのはもったいないなと思いますが、これだけ回転不足があったにもかかわらず自己ベストから10点ほど低い得点にとどまったのは3アクセルの成功があったからですし、全てのジャンプがきちんと揃ったらどんな得点になるんだろうと楽しみにもなりました。
 4年に1度のオリンピックシーズンにほかのアメリカ女子選手が持っていない武器を手にしたことは本当に大きなアドバンテージだと思うので、3アクセルを毎回毎回クリーンに成功させるというのはなかなか難しいことでしょうが、攻める気持ちを持ってこのあとのシーズンも頑張ってほしいですね。

 3位は全米女王のカレン・チェン選手。ショートは細かいジャンプミスはあったものの崩れることなくまとめて2位と好発進。しかしフリーは序盤から回転不足が相次ぎ、中盤には転倒もあって得点を伸ばせず3位、トータルでも3位と順位を落としました。
 昨季は初の全米選手権優勝から世界選手権でも4位と飛躍を遂げたチェン選手。そうした好演技の際はおもしろいようにジャンプも決まって比例するように演技構成点でも高評価を受けていたのですが、今大会は回転不足が多々あり波に乗り切れませんでしたね。昨季後半に好成績を収めたとはいえ、ミスがミスを呼ぶ悪循環に陥ってしまう試合も昨季は少なからずあったので、そうした不安定さをどこまで克服できるか今季は注目したいと思います。

 本田選手同様、こちらもシニアデビュー戦となった坂本花織選手は5位となりました。全ジャンプを後半に固めたSPは3+3をクリーンに決めたものの3ループで転倒し5位どまり。フリーは前半2つのジャンプを確実に着氷して良いスタートを切りましたが、疲れが出たのか後半はジャンプのパンクや転倒が重なり本領を発揮できませんでした。
 初めてのシニアの国際大会で緊張があったのか、坂本選手らしい活きの良さが鳴りを潜めてしまったのが残念だったのですが、これは慣れによって改善されていくものなのであまり心配はいらないのかなと思います。また、今大会は標高の高い場所での試合だったので後半にスタミナが切れてしまったのだと思いますが、本来はスタミナ面に課題があるタイプの選手ではないので、次の試合は坂本選手らしい元気の良い演技が見られることを楽しみにしたいですね。


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 男子の優勝は全米王者のネイサン・チェン選手です。今大会は4回転の数を減らして臨み、SPは冒頭の3アクセルをクリーンに決めると、後半の4フリップからの連続ジャンプは着氷が若干乱れましたがこらえ、最後の3ルッツは難なく成功させ91.80点で首位発進。フリーは冒頭に初挑戦となる4ループを組み込み完璧に成功させると、続く4ルッツも着氷。その後は3回転を中心に無難な構成でまとめて2位に大差をつけての優勝となりました。
 チェン選手本来の実力からすればかなり難度を落とした構成でした。とはいっても4ルッツや4フリップ、4ループと世界でも数人しか跳べない極めて難しい4回転ばかりで、これでもまだまだ序の口なわけですから凄い時代になったなあと改めて思い知らされますね。そんな中でチェン選手にとって新たな試みとなったのが4ループ。すでに羽生結弦選手、宇野昌磨選手が公式試合では成功させていますが、チェン選手はこれが試合では初挑戦で見事に成功させました。これでチェン選手はルッツ、フリップ、ループ、サルコウ、トゥループ、5種類の4回転を公式試合で成功させた唯一の選手となりました。今回は抑えめのジャンプ構成でしたが、今シーズン中に5種類の4回転全てを1つのプログラムの中で跳ぶ可能性もあり、それによって試合の勝敗というのももちろん影響されますが、それ以上に単純に今見られる全種類の4回転が入ったプログラムを見たいというワクワク感の方が強いですね。もちろん羽生選手や宇野選手にもその可能性はあり、来シーズンからは4回転の基礎点が下がるということもあって、ここまで熾烈な4回転競争というのは今季限りになるかもしれませんから、これ以上ないという行き着くところまで行き着いてほしいなと個人的には願ってしまいますね。

 2位は同じくアメリカのマックス・アーロン選手。ショートは冒頭の4トゥループが乱れたものの、続く4サルコウ+3トゥループ、3アクセルはきれいに着氷し自己ベストに約1点と迫る得点で2位につけます。フリーは4サルコウは着氷ミスがあったものの、2本の4トゥループ、2本の3アクセルはほぼノーミスで揃え、自己ベストとなる175.50点をマーク、トータルでも自己ベストを更新し銀メダルを手にしました。
 昨シーズンはパーソナルベストから10点以上低い試合ばかりが続き、全米選手権も9位に終わったアーロン選手にとって、シーズン初戦で自己ベストを塗り替えられたのはスタートダッシュ成功と言ってもよいのではないでしょうか。もちろん細かいところを言えばもったいない取りこぼしがないではないですが、初戦と考えれば許容範囲内でしょうね。だからこそ次戦はより大切で、今大会同等かそれ以上の演技を見せないと昨季の二の舞になりかねないので、アーロン選手の進化に期待したいと思います。

 3位はカナダのリアム・フィラス選手。ショートは3アクセルで転倒したものの、ほかのジャンプやスピンで高い加点を稼ぎ自己ベストで3位。フリーも転倒がありましたが、決まった4トゥループや3アクセルでは高いGOEを積み重ねこちらも自己ベスト。チャレンジャーシリーズでは初めての表彰台となりました。
 実力者が揃う現在のカナダ男子。その中でもフィラス選手は演技構成点の評価が高い選手だと思いますが、今大会は技術点もまずまずといったところでしたね。昨季こそカナダ選手権7位だったフィラス選手ですが、その前年までは3年連続で表彰台に立った実力の持ち主なので、2枠しかないオリンピック代表に向けて頑張ってほしいですね。

 シニア初戦となった日本の友野一希選手は5位と健闘。ショートは全てのジャンプにミスがあり8位と出遅れましたが、フリーは冒頭の4サルコウの転倒以外は致命的なミスなく滑り切り5位、総合でも5位まで追い上げ、またショート、フリー、トータル全てにおいてパーソナルベストを更新しました。
 初めてのシニアの国際大会の緊張感がもろに影響を及ぼしたショートから、自己ベストを10点近く更新したフリーへの切り替えが素晴らしかったですね。今回は残念ながら4サルコウがクリーンに決まりませんでしたが、この大技がハマれば一気に得点アップが望めますし、ショートは自己ベストを更新したとはいえ1点ほど上回っただけで内容も振るわなかったので、まだまだ伸びしろがあることを思うと、日本男子の3人目候補としておもしろい存在になってきたなと思いますね。

 ベテランの無良崇人選手は7位となりました。ショートは冒頭の4トゥループの着氷で踏ん張り、後半の得意の3アクセルはさすがの跳躍で加点2と高評価を得たものの、3+3がまさかの単独の3ルッツとなり、5位発進。フリーは冒頭の4サルコウが2回転となり、続く4トゥループで立て直しましたが、後半は3アクセルが2本とも1回転になるなどミスを連発し8位、総合7位と順位を落としました。
 ショート、フリーともに最後まで無良選手らしからぬ内容で、練習からリズムを作れなかったのかそれとも本番だけの問題だったのかはわかりませんが、今後に向けて少し心配が残りますね。フリーの後半で大崩れしてしまったのもそうですが、ショートからしてコンビネーションジャンプが抜けてしまうようではトップ選手たちと同レベルで戦うのは難しくなってくるので、この状況からどう挽回するのか、スケートカナダでの盛り返しに期待したいですね。


 ペアは地元カナダのカーステン・ムーア=タワーズ&マイケル・マリナロ組が優勝。SPは冒頭のツイストがレベル1となるミスがあったものの、その後は落ち着いてエレメンツをこなしトップに立ちます。フリーもツイストを始め、ジャンプ、リフトでもミスを犯しますが、おおむね演技をまとめて2位と2点差の接戦を制しました。
 2位はアメリカのアレクサ・シメカ=クニーリム&クリス・クニーリム組。ショートは3サルコウが2回転となったりスピンがレベル1になったりと細かなミスを重ね3位。フリーも3サルコウが1回転となりましたが、そのほかのエレメンツで高い加点を積み重ねて1位、総合2位となりました。
 3位もアメリカのチェルシー・リュー&ブライアン・ジョンソン組。ショートは全ての要素をそつなくまとめて自己ベストを5点以上更新して2位と好スタート。フリーはいくつかミスがありましたが大きくリズムを崩すことはなく3位、総合でも3位とシニアデビュー戦を銅メダルで飾りました。

 日本の須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組は7位となっています。


 アイスダンスはアメリカのマディソン・ハベル&ザカリー・ドノヒュー組が3連覇を達成しました。ショート、フリーともにミスらしいミスなく全米3位の実力を見せつけ、2位に20点以上の差をつける圧勝でした。
 2位は同じくアメリカの若手カップル、ケイトリン・ハワイエク&ジャン=リュック・ベイカー組。SDは終盤のツイズルで女性のハワイエク選手が転倒する珍しいミスがあり自己ベストからはほど遠いスコアで3位。しかしFDは切り換えて臨み目立ったミスなく演じ切り2位となりました。
 3位は日本の村元哉中&クリス・リード組。ほぼノーミスの演技でショートを2位と好位置で折り返し、フリーもミスらしいミスなく自己ベストに約1点と迫る得点で2年連続で表彰台に立ちました。
 1年前はこの大会で当時のパーソナルベストをマークしましたが、今回も自己ベストに近い得点で二人らしい演技ができたのではないかと思います。ただ、まだ上位2組とは技術点でも演技構成点でも差があるので、1つ1つのエレメンツの質のレベルアップが全体のクオリティーを磨くことにもなると思いますから楽しみにしたいですね。次戦は平昌オリンピックの出場が懸かるネーベルホルン杯。村元&リード組個人としても五輪に出場できるか否かが決まりますし、その結果によって日本チームとしての団体戦出場可否も左右されます。二人らしい演技を見せることができれば出場権獲得は問題ないと思うので、ぜひ頑張ってほしいと思います。



 ロンバルディアトロフィー&USインターナショナルクラシックの記事は以上です。そうこうしているあいだに今度はスロバキアでオンドレイネペラトロフィーとカナダでオータムクラシックインターナショナルが開幕。すでに一部ショートの演技が終わっていますが、競技が全て終わってからこちらも記事にしたいと思いますのでお待ちください。では。


:記事冒頭の国際スケート連盟のロゴは国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、そのほかの画像は全て、マルチメディアサイト「Newscom」から引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2017-09-22 17:39 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 普段はスケーターごとにさまざまなコスチュームを振り返って、その選手の衣装の特徴、魅力を再発見しようという意図でお送りしているフィギュアスケーター衣装コレクション。ですが、今回は特別編として称して、一人の選手の衣装に焦点を当てるのではなく、フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーが作曲したオペラ「カルメン」の音楽を用いたプログラムで、古今東西のスケーターたちがどんな衣装を着用してきたのかを見ていく、という趣旨で記事を書いていきたいと思います。
 その「カルメン」といえばフィギュア界の中でも定番中の定番作品。古いところだとサラエボとカルガリーの2度のオリンピックを制したドイツ(東ドイツ)のカタリナ・ヴィットさんの代表的プログラムとして知られていますが、私自身がフィギュアスケートを見始めたのがせいぜい十数年前なので、この記事で取り上げるのも主に2000年代以降と比較的新しく、その中でも特に印象深い「カルメン」となっていますのでご了承ください。
 では、さっそく時代の古い順に見ていきましょう。

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by hitsujigusa | 2017-09-14 02:25 | フィギュアスケート(衣装関連) | Trackback | Comments(0)