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 前記事に引き続き、ロステレコム杯2017についてお送りします。今回は女子とペアです。
 女子の優勝者は世界女王のエフゲニア・メドベデワ選手です。今回は珍しく明確なミスがありましたが、優位は全く揺らぐことなくいつもどおりの圧勝となりました。2位は元世界女王の大ベテラン、カロリーナ・コストナー選手、そして3位に日本の樋口新葉選手が入りました。
 ペアは欧州王者のエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組が下馬評どおりに優勝しました。

ISU GP Rostelecom Cup 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 金メダルを獲得したのはロシアのエフゲニア・メドベデワ選手です。

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 SPはショパンの「夜想曲第20番」。まずはスピンとステップシークエンスでしっとりとした世界観を表現すると、後半からジャンプを入れ3フリップ+3トゥループ、3ループ、2アクセルと全てクリーンに着氷。最後は2つのスピンで優雅にプログラムを締めくくりました。得点は自身が持つ世界最高得点に0.1点と迫る80.75点で断トツの首位発進とします。
 フリーは「映画『アンナ・カレーニナ』より」。冒頭は得点源の3フリップ+3トゥループ、これをいつもどおり完璧に回り切って着氷させると、若干苦手としている3ルッツも問題なく成功。後半は3フリップ、3ループ、2アクセルからの3連続ジャンプと次々に着氷、3サルコウ+3トゥループも成功させて、あとは簡単な単独の2アクセルだけというところでしたが、珍しく転倒し思わず苦笑いを浮かべます。それでもすぐに切り換えて残りのエレメンツを丁寧にこなし、150.46点でもちろんフリー1位、総合1位と完全優勝を果たしました。
 フリーは2アクセルでまさかの転倒という驚くべきシーンがありましたが、メドベデワ選手は少し2アクセルを苦手にしているのかなという節がこれまでもあったので、それが今回は如実に出てしまいましたね。とはいえ苦手なジャンプでも失敗するということがない選手なので、彼女も普通の人の子だったんだなと何となく安心しました。今大会は思いがけないミスがありましたが、こうした経験をも貴重な財産、収穫として次戦に向けて糧にしてくるでしょうし、同じ失敗は繰り返さない選手だと思うので、NHK杯でのパーフェクトな演技に期待したいですね。ロステレコム杯優勝、おめでとうございました。


 2位はイタリアの大ベテラン、カロリーナ・コストナー選手です。

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 SPはセリーヌ・ディオンが歌う「行かないで」。まずは3トゥループ+3トゥループをスムーズな流れで決めると、続く3ループも完璧に着氷。後半の2アクセルも難なく下り、ステップシークエンス、スピンも全てレベル4とコストナー選手らしさをいかんなく発揮し、74.62点で2位と好発進します。
 フリーは10/11シーズンのフリーでも使用した「牧神の午後への前奏曲」。冒頭は3フリップ+2トゥループを確実に成功させると、単独の3フリップ、3ループもきれいに着氷させます。後半に入っても3トゥループ、2アクセル+1ループ+3サルコウ、2アクセル、3サルコウ+2トゥループと全てのジャンプを予定どおりに決め、ステップシークエンス、スピンはショートに続き全てレベル4という緻密かつ繊細な演技を披露。フィニッシュしたコストナー選手は満面の笑みで喜びを露わにしました。得点は自己ベストに約1点と迫る141.36点でフリーも2位、総合2位となり、GP通算17個目のメダルを獲得しました(ファイナルを含む)。
 実に13/14シーズン以来のGP参戦となったコストナー選手。9月のロンバルディアトロフィーや10月上旬のフィンランディアトロフィーではまだジャンプの調子はいまひとつという印象だったのですが、見違えるような仕上がりでしたね。正直コストナー選手がGP初戦でここまで素晴らしい演技をするとは予想外でした。もちろん表現としてはこれからもっと深みを増してくると思うのですが、コストナー選手特有のスケーティング技術から生み出されるスピード感とダイナミズム、それでいて大味にならず隅々まで神経の行き渡った優雅な表現力は健在で、思わずため息がこぼれてしまうような美しさでしたね。ただ、やはりジャンプ構成の難度としては低い方なので、大きなミスを犯してしまうと高い演技構成点でもカバーし切れない場合があると思うので、今後の課題としては毎試合いかに最小限のミスに抑えた演技を続けられるかがキーポイントになってくるでしょうか。シーズンのどこかで難度を上げてくる可能性もないではないですが、難度を落としているからこその心の余裕というのも演技に良い効果をもたらしていると思いますから、どちらにしろコストナー選手にしかできない演技が今季いっぱい見られることを楽しみに見守りたいですね。


 3位は日本の成長株、樋口新葉選手です。

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 SPは「ジプシーダンス バレエ「ドン・キホーテ」より」。冒頭は得意の2アクセルを余裕たっぷりに決め加点1の高評価を得ます。後半に2つのジャンプ要素を組み込み、3ルッツ+3トゥループはクリーンに跳び切ったかに見えましたが、セカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)と判定されわずかに減点。続く3フリップは踏み切りのエッジが不正確とされこちらも若干の減点を受けます。ステップシークエンス、スピンは全てレベル4で取りこぼしなくこなしましたが、細かなジャンプミスが響き69.60点と70点台には届かず、3位につけます。

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 フリーは「映画『007 スカイフォール』より」。冒頭はショート同様に2アクセルを完璧に決めて流れを作ると、得点源の3ルッツ+3トゥループはしっかり回り切って着氷します。スピンとコレオシークエンスでもそれぞれ高い加点を積み重ねますが、中盤の3サルコウはタイミングが外れたのか抜けて2回転に。しかし直後の3ルッツ+3トゥループはクリーンに下りてすぐに立て直します。続く3ループも成功、2アクセルからの3連続ジャンプは最後のジャンプで詰まってわずかに減点されますが、最後の3フリップも完璧に跳び切り、終盤のステップシークエンス、スピンも全てレベル4と最後までそつのない演技を見せました。得点は137.57点でフリーも3位、トータルでも3位とし、GP2度目の表彰台となりました。
 銀メダルを獲得した9月のロンバルディアトロフィー同様、試合にうまく調子を合わせてきたなという素晴らしい内容でしたね。惜しむらくはショートの回転不足と踏み切りミスで、あれがなければ確実に70点は軽く超えていたと思うのでもったいなかったかなと思いますね。ただ、ショートのミスを全く引きずることなくフリーで完璧に修正できていたのは、普段の練習の賜物でしょうし、昨季とは違ってミスによって動揺するという姿は皆無だったので、確固たる確信と自信があるんだなというのが頼もしく感じられました。
 次戦は強豪が集まる中国杯で、表彰台に乗るだけでも大変な試合になりそうですが、今大会の経験を活かして頑張ってほしいと思いますし、また、今大会はGP初戦ということもあって3+3では確実に決めようという慎重さが見られたのですが、本来はもっとスケールの大きい3+3も跳べると思うので、中国杯では今回以上に思い切りの良い演技にも期待したいですね。


 4位はロシアの実力者エレーナ・ラディオノワ選手です。

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 SPは昨季から継続の「歌劇「ポーギーとべス」より」。まずは得点源の3ルッツ+3トゥループからでしたが、セカンドジャンプがアンダーローテーションとなってしまい減点されます。後半に2つのジャンプを組み込み、その最初の3フリップは踏み切りのエッジが不正確だったためこちらも減点。最後の2アクセルは無難にこなしたものの、細かなミスが影響して68.75点で5位にとどまります。
 フリーは「ある恋の物語」。冒頭はショートで回転不足を取られた3+3でしたが、再びアンダーローテーションで下りてきてしまい減点に。続く3フリップも同じように踏み切りのエッジミスと、ショートと同じミスを繰り返してしまいます。後半最初の3+1+3は何とか決めますが、3フリップからのコンビネーションジャンプは3フリップのエッジミスでやはり減点。苦手としている2アクセルを着氷し、続いて3ループを跳ぼうとしたところ、エッジが氷の溝にはまったのか跳ぶ前に転倒してしまいます。直後の2アクセルは落ち着いて決めましたが、演技を終えたラディオノワ選手は悔しそうな表情を浮かべました。得点は126.77点でフリー4位、総合4位と、ファイナルを除くGPで初めて表彰台を逃す結果となりました。
 フリーで3ループの踏み切りで転倒してしまうという不運なアクシデントはありましたが、それ以外の部分では大失敗はなかったラディオノワ選手。その一方で、ショート、フリーともに3+3の回転不足と3フリップの不正確なエッジという同じミスがあり、修正し切れなかったというところに少し不安が残りますね。改善すべき課題が明確になっているという点では取り組みやすいと思うのですが、これらのミスが癖のようになっていると直すのに時間がかかるのかなと思います。世界一競争の激しいロシア女子の中でラディオノワ選手の置かれている立場は厳しいという印象ですが、13/14シーズンからシニアで戦ってきた経験とメンタルの強さはロシア国内ではピカイチだと思うので、苦境を跳ね除けてオリンピックの切符を勝ち取ってほしいですね。


 5位は今季シニアデビュー、日本の坂本花織選手です。

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 SPはベートーベンの「月光ソナタ」。前半はスピン2つ、ステップシークエンスのみで、後半に全てのジャンプを固める構成で臨み、3フリップ+3トゥループ、3ループ、2アクセルと見事にクリーンに成功。68.88点の自己ベストをマークし、4位と好位置につけます。

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 フリーは「映画『アメリ』より」。冒頭はショートで綺麗に決めた3フリップからの2連続3回転でしたが、3フリップで転倒してしまいます。直後の3サルコウはパーフェクトに跳んですぐに立て直します。後半に5つのジャンプ要素を固め、最初の3ルッツは踏み切りのエッジエラーのため減点。しかし次の3フリップに3トゥループを付けて冒頭の失敗をリカバリーします。さらに2アクセル+3トゥループ+2トゥループを完璧に成功。3ループは乱れたランディングとなり予定していたコンビネーションにできませんでしたが、次の2アクセルに急遽2トゥループを付けてこちらもミスをカバー。ところどころミスがありましたが、125.12点とパーソナルベストに近いスコアでフリー5位、総合も5位でGPデビュー戦を終えました。
 フリー直後は顔を歪め悔しさを露わにした坂本選手。ですが、演技をしながらジャンプミスをほかの部分で補う冷静沈着ぶりはルーキーと思えない姿でとても驚かされました。もちろん本人はミスをうまくリカバリーできたということよりも、ミス自体が悔しくてたまらないでしょうが、こうした経験も絶対に無駄にはならないはずですから、次戦にきっと活かしてほしいですね。また、今大会のフリーはジャンプに集中が行ってしまい表現まであまり気が回らなかったと思うので、次こそは坂本選手らしい躍動感溢れる滑りと“アメリ”らしさが見られることを願っています。


 6位はアメリカのマライア・ベル選手です。

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 SPは昨季と同じ「映画『シカゴ』より」。冒頭の3ルッツ+3トゥループはファーストジャンプの着氷で前傾姿勢になり強引に3トゥループを付けたものの、アンダーローテーションで着氷も詰まり気味に。後半の2つのジャンプはクリーンに決め、ステップシークエンス、スピンは全てレベル4とそつなくこなし、63.85点と自己ベストで7位につけます。
 フリーは「ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」より」。まずはショートでミスのあった3+3を完璧に成功させて好スタートを切りますが、続く3ループは着氷でステップアウト。直後の2アクセルは難なく決めます。ステップシークエンスを挟んで後半、2アクセル+1ループ+3サルコウはこちらもステップアウト。3ルッツは着氷でぐっとこらえ、3フリップ+2トゥループは確実に着氷。最後の3フリップも下り、最後までエネルギッシュかつ軽快に「ウエスト・サイド・ストーリー」を演じ切りました。得点は124.71点でフリー6位、総合6位と順位を上げました。
 細々としたミスがショート、フリーともに多くて、最後の詰めが甘いという感じのミスの仕方だったのでもったいなかったですね。ですが、修正はしやすいミスかなと思うので、次戦に期待したいですね。また、プログラムもすでにベル選手の代表作と言っていい2季連続のSP「シカゴ」はもちろんのこと、フリーもミュージカルプログラムでベル選手のキャラクターによく合っていて、ミスなく滑り切れればもっと勢いも躍動感もあって楽しい作品になるだろうなというのが想像できるので、次のNHK杯が楽しみです。



 ここからはペアです。

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 優勝したのは地元ロシアのエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組。SPはラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」。冒頭の3ツイストは完璧な出来でほとんどのジャッジが加点3という高評価。続く3トゥループは乱れて減点されますが、その後のエレメンツは全て予定どおりにクリアし、2位に5点以上の差をつけてトップに立ちます。フリーは「Candyman」。冒頭に大技4ツイストを組み込み、加点は伸び悩んだもののしっかり成功させます。さらに3サルコウ、スロー3サルコウ、3トゥループ+2トゥループ+2トゥループと続けて着氷。その後もほとんどのエレメンツをレベル4で揃え、スロー3ループでわずかに減点された以外はほぼノーミスの演技。自己ベストとなる147.37点でフリーも1位、2位に25点以上の大差をつけての圧勝となりました。
 昨シーズン全ての大会で表彰台に立ち、一躍世界のトップを争うペアとして大成長を遂げたタラソワ&モロゾフ組。その勢いを、勢いとしてではなく当たり前のベースとしている絶対的な安心感がこのペアからは感じられますね。GP初戦でこの内容ですから、次のフランス大会でもきっと好演技を見せてくれることでしょう。ロステレコム杯優勝、おめでとうございました。
 2位は同じくロシアのクセニア・ストルボワ&ヒョードル・クリモフ組です。ショートは「Tango de besame」。冒頭は3ツイストからでしたが、男性が女性をキャッチする際にミスがありレベル2&減点となります。3トゥループでは女性のストルボワ選手が転倒。後半のエレメンツは全てレベル4と本領を発揮しましたが、得点を伸ばし切れず2位につけます。フリーは「カルメン組曲」で、冒頭の3ツイストはショート同様にキャッチミス。スロー3フリップはステップアウト、3トゥループからの連続ジャンプはストルボワ選手が転倒で単独にとミスが相次ぎます。以降は目立ったミスなくエレメンツをこなしたものの、最後のスロー3サルコウで再び転倒。精彩を欠いた内容となり、自己ベストから20点ほど低いスコアでフリーも2位、総合2位と順位は変わりませんでした。
 10月上旬のフィンランディアトロフィーでもツイストリフトのミスを連発したストルボワ&クリモフ組。どういった原因によるミスなのか専門的なことはわからないのですが、ツイストという冒頭を飾るエレメンツで毎回ミスをしてしまうと、その後の演技にも悪影響を及ぼしそうな気がするので、できるだけ早い修正が必要ですね。また、ソロジャンプやスロージャンプも本来の安定感は欠いていて、まだシーズン序盤ではありますが、オリンピックに向けて少し心配な部分ではありますね。
 3位もロシアのクリスティーナ・アスタホワ&アレクセイ・ロゴノフ組です。SPは「弦楽のためのアダージョ/レクイエム/おお、運命の女神よ 「カルミナ・ブラーナ」より」で、全てのエレメンツをクリーンに揃え、自己ベストに極めて近いスコアで3位と僅差の4位につけます。フリーは「映画『ラ・ラ・ランド』より」。まずは3トゥループからの3連続ジャンプを決めると、3ツイストはレベル2ながらも成功。3サルコウもきっちり下り、中盤のスロー3ループは着氷が乱れたものの、ミスらしいミスはそれくらいで、パーソナルベストを8点以上更新して銅メダルを獲得しました。
 ロシア選手権では3年連続4位と、ペア大国ロシアの中においても実力を証明済みのアスタホワ&ロゴノフ組。ロステレコム杯の3位もこれで3度目となりますが、ここからさらに一段階レベルアップするためには、ぜひ次のNHK杯でも表彰台に食い込んでオリンピック代表へ向けてアピールしたいところですね。代表になってもおかしくない力があることは間違いないので、あとはここぞという大切な試合で実力を出し切る勝負強さが求められるのかなと思います。


 日本の須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組は8位となっています。

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 SPは昨季と同じ「さくら」です。冒頭の3ツイストはキャッチミスがありレベル1で減点されます。さらに3サルコウは須藤選手が2回転となります。スロー3サルコウは空中で軸が傾きますが着氷はこらえて最小限のミスにとどめます。その後も細かいミスが重なり自己ベストから12点ほど低い得点で8位発進となります。
 フリーは「ビートルズ・メドレー」。冒頭の3ツイストはキャッチミスでレベル1、3サルコウは2回転にとショートと同じミスが相次ぎます。スロー3ループは成功で巻き返したいところでしたが、その後のエレメンツでもミスが重なりリズムを作り切れず、最後まで精彩を欠いた演技となりました。得点は自己ベストより20点以上低い点数で、フリー8位、総合も8位にとどまりました。
 9月のネーベルホルントロフィーに続いて今季2試合目だった須藤&ブードロー=オデ組。ネーベルホルンでもらしくない演技だったのですが、今大会も本調子ではなく、耐える演技になってしまいましたね。NHK杯まではまだ時間があるので、何とか技術もメンタルも整えて、母国開催の大会で二人らしい演技を見せてほしいと思います。



 ロステレコム杯2017、女子&ペアは以上です。そうこうしている間にもう2戦目のスケートカナダが始まります。スケートカナダには日本から宇野昌磨選手、無良崇人選手、本郷理華選手、本田真凛選手が参戦。それぞれがどういった形でGP初戦を迎え、終えるか、そして、ロステレコム杯に続いて日本勢ダブル表彰台となるかどうかにも、注目です。大会が終わり次第できるだけ早く記事にしたいと思います。では。


:女子メダリスト3選手のスリーショット画像、コストナー選手の画像、坂本選手のSPの画像、ベル選手の画像、ペアメダリスト3組の画像は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、メドベデワ選手の画像、樋口選手の画像、ラディオノワ選手の画像、須藤&ブードロー=オデ組の画像は、マルチメディアサイト「Newscom」から、坂本選手のフリーの画像は、写真画像サイト「ゲッティイメージズ」から引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
ロステレコム杯2017・男子&アイスダンス―ネイサン・チェン選手、GP初優勝 2017年10月25日

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by hitsujigusa | 2017-10-28 01:13 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 グランプリシリーズ17/18開幕戦、ロシア開催のロステレコム杯が10月20日から22日にかけて行われ、男女の世界チャンピオンがさっそく登場ということで非常にレベルの高い戦いが繰り広げられました。日本からは羽生結弦選手、樋口新葉選手、坂本花織選手、須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組が出場しましたが、当初エントリーしていた田中刑事選手は怪我のため1週間ほど前に辞退し、個人的には何とも言えない寂しさも残りました。
 そんなロステレコム杯の男子を制したのはアメリカの若手ネイサン・チェン選手。4種類の4回転を武器に攻めまくり、GP初優勝を果たしました。2位は世界王者の羽生結弦選手、3位は地元ロシアのエース、ミハイル・コリヤダ選手となりました。
 アイスダンスは世界選手権2017銅メダリスト、アメリカのマイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組がGP5勝目を勝ち取っています。

ISU GP Rostelecom Cup 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 優勝はアメリカ王者のネイサン・チェン選手です。

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 SPは「Nemesis」。まずは最高難度のコンビネーション、4ルッツ+3トゥループを完璧に下りると、後半の4フリップは着氷で若干乱れながらもこらえ、苦手の3アクセルも最小限の着氷ミスに抑えます。ステップシークエンス、スピンも目立った取りこぼしなくまとめ、表現面ではアップテンポかつ激しいロック音楽に合わせたキレキレの滑りで昨季からの進化を示し、100.54点と国際大会では自身2度目となる100点超えのハイスコアで首位に立ちます。
 フリーは「映画『小さな村の小さなダンサー』より」。冒頭はショートと同じ4ルッツ+3トゥループ、これをショートよりも綺麗な質で決め加点2を得ます。続く4フリップもクリーンに着氷、次の4サルコウは若干乱れたランディングとなりますが成功させます。さらに後半、4トゥループからの3連続ジャンプを決め、続いて2本目の4トゥループでしたがこちらは回転が抜けて2回転に。鬼門の3アクセルは着氷でわずかにバランスを崩し、2本目の3アクセルは2トゥループを付けて跳びますが、2トゥループが3本目となったためこの分は無得点扱いに。最後の3ルッツは難なく下り、最後まで力強さに溢れた滑りで観客を魅了しました。得点は193.25点でフリー2位でしたが、総合ではショートのリードで逃げ切っての初優勝となりました。
 すでに9月のUSインターナショナルクラシック、10月初旬のジャパンオープンと2試合をこなしているチェン選手ですが、それらの試合よりぐっとジャンプ構成の難度を上げた形で臨み、大きなミスとしてはフリー後半の4トゥループが2回転になったくらいと、この時期としては見事な仕上がり具合でしたね。USインターナショナルクラシックで初成功させた4ループは挑戦しませんでしたが、もう次の試合では4ループも含めた最強の構成で挑んでくるんじゃないかと思わせられるくらい、心身ともに充実しているなと感じさせられる演技内容でした。プログラムとしても、チェン選手のリズム感の良さ、踊りの巧さを活かしたSP「Nemesis」と、中国出身のバレエダンサーの人生を描いた映画音楽のサントラを使い、チェン選手のバレエの素養を反映させながらダイナミズムを強調したフリーと、それぞれにチェン選手の魅力をよく引き出していて、これから何度もこれらの素晴らしいプログラムを見られるのだと思うと楽しみになりました。
 オリンピックシーズンのGP初戦を初優勝という理想的な形で終えたチェン選手。とはいえまだ18歳、シニア2季目というどんどん攻めていけるポジションでもありますから、次戦でも攻めの演技に期待したいですね。ロステレコム杯優勝、おめでとうございました。


 銀メダルを獲得したのは日本の羽生結弦選手です。

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 SPは3度目となるショパンの「バラード第1番」。冒頭は代名詞の4ループでしたが、アンダーローテーション(軽度の回転不足)で下りてきてしまい着氷も乱れます。後半の3アクセルはいつもどおりの完璧な出来で満点となる加点3。しかし4トゥループ+3トゥループはセカンドジャンプの着氷でこらえきれず転倒してしまいます。ジャンプミスが重なり94.85点で2位発進となりました。

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 フリーは2度目となる「SEIMEI」。まずは試合では初挑戦となる大技4ルッツ、着氷で膝をぐっと曲げながらもこらえて加点の付くジャンプにします。続く4ループは空中で軸が曲がり回転も3回転になります。次の3フリップは難なく着氷。後半はまず4サルコウから、これは着氷で踏ん張ったもののオーバーターン気味に。さらに4トゥループは2回転にとミスが続きますが、4トゥループ+3トゥループはクリーンに成功。得意の3アクセルからの連続ジャンプ、単独の3アクセルはまとめて、終盤のスピン、コレオシークエンスも丁寧にクリア。演技を終えた羽生選手は悔しさの混じった表情を浮かべました。得点は195.92点でフリー1位、総合ではチェン選手に約3点届かず2位でした。
 全体的に見ると羽生選手らしからぬジャンプミスもぽろぽろあって満足のいく演技とは程遠いと思いますが、GP初戦としては良すぎもせず悪すぎもせずなのかなと思います。代名詞の4ループは1本もクリーンに決まりませんでしたが、初チャレンジの4ルッツは最終的には加点の付く形で着氷させ史上6人目の成功者となりましたし、得意の3アクセルもいつもどおりの安定感で安心して見ていられました。ただ、新たに4ルッツという武器を組み込んだことで、演技全体のバランスに今まで以上に気を配らなければならなくなったのも事実で、どういったペース配分でフリーをこなしていくのか、演技の中でどうメリハリをつけていくのか、新しいことを試みているがゆえの新しい課題も現れ、今後オリンピックに向けて羽生選手が実際にどんな戦略を取っていくのか非常に興味深いですね。今大会は順位としては2位ということで、GPデビューして以来GP初戦では優勝できないという不思議なジンクスが続くこととなりましたが、羽生選手にとってはある意味いつものことなのでこの結果に変にとらわれることはないでしょうし、むしろ次戦に向けてさらにやってやるぞという気持ちが増したのではないかと思うので、NHK杯ではより進化した羽生選手の演技が見られることを楽しみにしたいですね。


 3位はロシアチャンピオンのミハイル・コリヤダ選手です。

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 SPは「ピアノ協奏曲第23番/タンゴ」。冒頭は9月のオンドレイネペラトロフィーで初成功させたばかりの大技4ルッツでしたが、空中で回転が解け3ルッツになります。続く4トゥループからの連続ジャンプは単独に。後半の3アクセルは完璧に決め2.14点の高い加点を獲得し、ステップシークエンス、スピンでも全てレベル4を揃えましたが、2つのジャンプミスが響き85.79点で4位にとどまります。
 フリーは「Steamroller Blues/好きにならずにいられない/リップ・イット・アップ」のエルヴィス・プレスリー・メドレー。冒頭はショート同じく4ルッツ、回転は充分でしたが転倒します。続いて4サルコウも回り切っていたものの転倒と、序盤から大きなミスが重なります。3アクセルは着氷でわずかに乱れますがこらえ、後半はまず4トゥループ+3トゥループをクリーンに成功。さらに3アクセル+2トゥループ、3ルッツ+1ループ+3サルコウ、3ループと次々着氷。最後の3ルッツで3度目の転倒となりましたが、コリヤダ選手らしさもそこここにのぞかせ、自己ベストの185.27点でフリー3位、総合3位でGP初表彰台を射止めました。
 ショート、フリーともに果敢に4ルッツに挑み、あえなく失敗に終わりましたが、フリーの4ルッツに関しては回転していたとの判定でそこまで大きな失点にはならなかったですね。フリーは4サルコウ、3ルッツでも転倒があってトータルで4点減点と、これだけ見ればボロボロの演技のように映りますが、実際には中盤での盛り返しによってプログラム自体にも勢いを感じられましたし、転倒したとはいえ一つも回転不足はないので意外に極端な得点ロスにはなっておらず、転倒が3つあったわりには好印象で、得点もパーソナルベストということでコリヤダ選手の地力が上がってきたことを感じました。表現面でもクラシックからタンゴに繋ぐSP、最初から最後までプレスリーのパワフルなボーカルに乗せてノリノリで滑るフリーと、表現の幅広さをアピールできていて、良い選曲だなと思います。
 GP1戦目で表彰台に立ったことにより、初めてのファイナル進出も見えてきましたから、次の試合もコリヤダ選手らしい演技に期待ですね。


 4位はウズベキスタンの実力者ミーシャ・ジー選手です。

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 SPは「アヴェ・マリア」。まずは得点源の3アクセルをこらえながらもしっかり下りると、続く3+3もクリーンに着氷。後半の3フリップも問題なく成功させると、神聖で清廉な世界観を全身で余すことなく表現し、自己ベストとなる85.02点で5位につけます。
 フリーは「タイスの瞑想曲」。冒頭は得点源の3アクセル+1ループ+3サルコウを完璧に決めて加点1の評価。さらに単独の3アクセル、3フリップと美しいジャンプを続けます。後半は3+3から入り、3ルッツ、3ループ、2アクセル+2トゥループ、2アクセルと全てスムーズにクリーンに着氷。穏やかで静謐なプログラムの流れを途切れさせることなく演じ切り、フィニッシュでは観客から万雷の拍手を浴びました。得点は170.31点とこちらも自己ベストをマークし、フリー4位、総合4位と一つ順位を上げ、自身GP最高位タイとなりました。
 昨シーズンは世界選手権をもって現役引退することを発表し、その最後の大会でパーソナルベストとなる最高の演技を見せてくれたジー選手ですが、その前言を撤回し今季も現役を続行、そして9月のオータムクラシックインターナショナル、今大会と2試合続けてパーソナルベストを更新し、引退しなくて良かったと一ファンとしてはつくづく思いますね。プログラム自体ももちろんジー選手自身の振り付けで相変わらず素晴らしく、今の時点でもこれだけ美しいのにシーズン終盤になったらどうなるだろうかと今から楽しみに感じます。かつてのジー選手といえば選曲も個性的なものが多く個性派スケーターという位置付けでしたが、近年はわりと正統派のクラシック曲が多く、ただその中でもジー選手らしい所作や振り付け、間合いの取り方は変わらずにあって、むしろ誰もが知るような定番の音楽で滑るからこそ、ほかのスケーターとの違いも際立つのかなという気もしました。この好調をうまくキープして、次の試合にも繋げていってほしいと思います。


 5位はジョージアのモリス・クヴィテラシヴィリ選手です。

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 SPは「フィーリング・グッド」。冒頭の3アクセルを決めて好スタートを切ると、4サルコウ+2トゥループも確実に着氷。しかし後半の4トゥループでは転倒してしまいます。それでもステップシークエンスやスピンは目立った取りこぼしなくこなし、自己ベストの80.67点で8位発進となります。
 フリーは「イマジン・ドラゴンズ・メドレー」。まずはショートでも決めた3アクセルを完璧に下りて2.14点の高い加点を得ます。さらに4サルコウ、4トゥループ+3トゥループとクリーンな跳躍を披露。2本目の4トゥループは着氷が乱れますが、3+2、3ループは成功。終盤のジャンプは若干乱れる場面がありましたが最小限の減点にとどめ、演技を終えたクヴィテラシヴィリ選手は満面に笑みを浮かべました。得点はこちらも自己ベストの169.59点でフリー5位、総合5位と大きくジャンプアップしました。
 日本の田中刑事選手の辞退により代役での出場というチャンスが回ってきたクヴィテラシヴィリ選手。準備期間の短い中でしたが、普段モスクワで練習しているクヴィテラシヴィリ選手にとっては比較的調整もしやすく、いろんな好条件が重なってこの好演技に繋がったのかなと思います。ショート、フリーともにミスはありましたが、それを補って余るほどの決まったジャンプの質の高さ、ステップシークエンスやスピンの確実性、演技全体の端正さが印象に残りましたね。年齢的には22歳ということですごく若いというわけではありませんが、男子選手としてはまだまだ伸びる可能性の高い年齢でもあり、今後が楽しみな選手だなと感じます。


 6位はロシアの新星ドミトリー・アリエフ選手です。

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 SPは「ワルツ 「仮面舞踏会」より」。冒頭は4ルッツも予定していましたが、変更して3ルッツ+3トゥループにし確実に加点の付く出来にまとめます。続く4トゥループは完璧に成功。さらに後半の3アクセルもクリーンに着氷と全てのジャンプを綺麗に下ります。スピン、ステップシークエンスもノーミスでクリアすると、「仮面舞踏会」の中でも最も知られる「ワルツ」の華麗な旋律に乗せて気品溢れる滑りを見せ、自己ベストを約5点上回る88.77点で3位と好発進します。
 フリーは「To Build a Home」。まずはショートでは回避した4ルッツ、これをしっかり片足で下りて成功させたかに見えましたがアンダーローテーションということで減点を受けます。続く3フリップ、4トゥループ+3トゥループは問題なく成功。後半に入り最初のジャンプは2本目の4トゥループでしたが、これはアンダーローテーションの上に転倒。次いで3アクセルでも転倒してしまいます。3アクセル+1ループ+3サルコウは決めましたが、2本目の3アクセルはアンダーローテーションで転倒と後半に来て転倒が重なります。最後の3ルッツは下りましたが、最後のスピンの回転数が足りず無得点になってしまうミスもあり、150.84点でフリー8位、総合6位と表彰台を逃しました。
 昨季のジュニアグランプリファイナル覇者で世界ジュニア選手権銀メダリストのアリエフ選手。鳴り物入りでのシニアデビュー戦でしたが、全てのエレメンツをクリーンにまとめたショートはプログラムの高貴な雰囲気とアリエフ選手の風貌とが実によくマッチしたこともあって、シニアの先輩たちの中でも全く見劣りせずJGPファイナルチャンピオンの名にふさわしい演技でした。一方のフリーは中盤の4トゥループで転倒したところからリズムが狂ってしまったのかガタガタと崩れてしまいました。昨季は4トゥループ1本のみのジャンプ構成だったのが、一気に4回転3本ということでまだ体になじんでないのかなという気がしましたね。ただ、技術面でも表現面でも才能の片鱗は存分に感じさせられましたし、シニア1年目だからこそいろんなチャレンジができるという面もあるので、これからも臆することなくどんどん攻めていってほしいと思いますね。



 ここからはアイスダンスです。

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 優勝はアメリカのマイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組です。SDは「マンボNo.5/チェリー・ピンク・チャチャ/Mumbo jumbo/マンボNo.8」。非接触ステップシークエンスがレベル3になった以外は全てレベル4という完璧と言ってよい演技で自己ベストに0.67点と迫る高得点で圧巻の首位発進となります。フリーはコールドプレイの「パラダイス」を使用したプログラムで、こちらもステップ以外は全てレベル4というシーズン序盤とは思えない圧倒的な演技でトップに立ち、他を全く寄せつけることなくGP5個目の金メダルを手にしました。
 昨季はGP2連勝でファイナル銅メダル、世界選手権も銅メダルと最初から最後までライバルたちに付け入る隙を与えずシーズンをやり切ったシブタニ兄妹。今季もさっそく初戦から圧勝で、オリンピックの表彰台へ向けて改めて揺るぎない技術とメンタルの強さを知らしめましたね。このカップルに関しては本当に何も心配するところはないですし、兄妹ならではの圧倒的な安心感を感じさせる演技というのは他のカップルにはない魅力ですから、怪我にだけは気をつけてこのまま前進していってほしいですね。ロステレコム杯優勝、おめでとうございました。
 2位は地元ロシアのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組です。SDは「Latin Lover/Dance/Quand je vois tes yeux」。ほぼノーミスの隙の無い演技で自己ベストの76.33点をマーク、シブタニ兄妹と1点もない僅差で2位と好位置につけます。FDは「オブリヴィオン/Beethoven's five Secrets」。演技前半は無難にエレメンツをまとめましたが、中盤のコンビネーションスピンでバランスを崩し充分な回転数を満たせずレベル2になった上にGOEでも減点を受けます。その後はミスを引きずらず滑り切りましたが、スピンのミスが響き108.41点でフリー2位、総合2位で、得点的にもシブタニ兄妹に引き離されてしまいました。
 ミスらしいミスはフリーのスピンの失敗だけで、ほかは申し分ない出来だったのでもったいなかったですね。ただ、GP初戦で180点台を超えたのはボブロワ&ソロビエフ組としては初めてですし、そういった意味では好スタートと言えるので、次戦では今回のような凡ミスを犯すことはないと思いますから、自己ベスト更新にも期待ですね。
 3位は同じくロシアのアレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン組です。SDは「Espérame en el Cielo/L'Ombelico Del Mondo/シャンデリア(Dj Maksy Rumba Remix)/Samba Do Brasil」で、目立ったミスなく演技をまとめ自己ベストに0.77点と迫る得点で3位につけます。フリーは「ある愛の詩/Love's Dream/愛の夢第3番」。ステップ以外は全てレベル4というクオリティーの高い滑りで自己ベストを2.4点更新。トータルでも自己ベストを2点近く上回り、GP4個目のメダルを獲得しました。
 ショート、フリーともに安定した演技で確実に成長を感じさせる姿でしたね。ただ、本当の勝負となるのは次戦で、ステパノワ&ブキン組はGPに参戦して以来2試合ともで表彰台に立ったことはないので、次のフランス大会で3位になるか4位になるかで、このカップルの今季の行方も大きく変わってくるんじゃないかなという気がしますね。



 ロステレコム杯2017、男子&アイスダンスの記事は以上です。男子は世界王者の羽生選手が優勝を逃し、成長株のチェン選手が初優勝をさらったということで、波乱と言えば波乱でしたが、羽生選手のGP初戦2位は例年どおりと言えば例年どおりなので、最終的には予想の範囲内に収まったかなという結果でしたね。メダリスト以外で最も印象的だったのはジー選手で、引退の意志を翻して現役続行を決めた気持ちというのが演技にも表れていたような気がしましたし、4回転戦争真っ只中の中でも我が道を行く姿はある意味で誰よりも輝いているような気がしました。その下の方ではアリエフ選手やラトビアのデニス・ヴァシリエフス選手といった10代の若手もミスがありつつも自分の色を出した演技を披露し、非常に心に残りました。
 一方、アイスダンスも特に波乱らしい波乱はありませんでしたが、パーソナルベストではステパノワ&ブキン組を上回るカナダのパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組が得点を伸ばし切れず4位に終わり、次戦に向けて不安が残る内容、結果だったかなと思います。
 さて、次の記事では女子とペアの結果、内容についてお伝えします。


:男子メダリスト3選手のスリーショット画像、チェン選手の画像、羽生選手のフリーの画像、コリヤダ選手の画像、ジー選手の画像、アリエフ選手の画像、アイスダンスメダリスト3組の画像は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、羽生選手のSPの画像、クヴィテラシヴィリ選手の画像は、マルチメディアサイト「Newscom」から引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
ロステレコム杯2017・女子&ペア―エフゲニア・メドベデワ選手、シーズンベストで優勝 2017年10月28日

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by hitsujigusa | 2017-10-25 18:28 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 今年もジュニアのグランプリシリーズ(以下、JGP)が8月下旬から10月中旬にかけて全7試合行われました。全体的にロシア勢の活躍が目立つ一方、日本勢は苦戦を強いられる結果となりました。そんなJGP全体の結果を女子、男子、ペア、アイスダンスの順に振り返りつつ、それぞれのファイナルの展望を占ってみたいと思います。


Junior Grand Prix Standings Ladies  女子のスタンディング(シリーズ全体の順位)が見られます。
Junior Grand Prix Standings Men  男子のスタンディングが見られます。
Junior Grand Prix Standings Pairs  ペアのスタンディングが見られます。
Junior Grand Prix Ice Dance Standins  アイスダンスのスタンディングが見られます。

*****

《女子シングル》

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①アレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア):30ポイント オーストラリア大会優勝、ベラルーシ大会優勝
②ソフィア・サモドゥロワ(ロシア):30ポイント クロアチア大会優勝、イタリア大会優勝
③アリョーナ・コストルナヤ(ロシア):28ポイント ポーランド大会優勝、イタリア大会2位
④ダリア・パネンコワ(ロシア):28ポイント ラトビア大会優勝、ポーランド大会2位
⑤アナスタシア・タラカノワ(ロシア):26ポイント オーストリア大会優勝、クロアチア大会2位
⑥紀平梨花(日本):24ポイント ラトビア大会2位、イタリア大会3位
―――
補欠⑦山下真瑚(日本):24ポイント オーストリア大会3位、クロアチア大会2位
補欠⑧荒木菜那(日本):22ポイント ベラルーシ大会2位、イタリア大会4位
補欠⑨イム・ウンス(韓国):22ポイント オーストリア大会2位、ポーランド大会4位



 女子は全7試合を全てロシア選手が制するという女子では史上初めての快挙を達成(ペアでは08/09シーズンにロシア勢の全試合優勝がありますが、この時は全9試合制でペアの実施は5試合のみでした)。そしてファイナルはロシア選手5人、日本選手1人という圧倒的にロシア有利の顔ぶれとなりました。
 その中でもアレクサンドラ・トゥルソワ、ソフィア・サモドゥロワの両選手は2試合とも優勝で安定した成績を残しました。
 トゥルソワ選手は今季からのJGP参戦という新勢力ですが、何といっても4サルコウに挑戦中というのは特筆すべきことでしょう。まだ試合での成功はありませんが、成功となれば安藤美姫さん以来女子では史上2人目の成功者となるので本当に楽しみだなと思います。もちろん4サルコウ以外でも3ルッツ+3ループ、3フリップ+3ループ、3ルッツ+3トゥループとさまざまな組み合わせの3+3をポンポン跳んでいて、さらにステップシークエンスやスピンでも確実にレベル4が取れるという、今のところ弱点と言える弱点が見当たらないほどの均整の取れた完成度の高い選手だなと思います。ただ、ファイナル優勝のためにはやはり4サルコウの失敗を最小限にとどめることが肝心かなと思うので、回転不足であってもダウングレード(大幅な回転不足)ではなくアンダーローテーション(軽度の回転不足)、体を締めてパンクなく跳び切れれば、もちろん成功すれば最高ですが、たとえ成功しなくても大きな得点ロスにはならないので優勝を引き寄せられるのかなという気がします。
 一方のサモドゥロワ選手はJGP参戦2季目。2試合ともSP3位からフリー1位で追い上げるというパターンで優勝しているのですが、ファイナルではショートで出遅れると命取りになる危険性がありますから、やはりショートを完璧に仕上げることが優勝に向けての鍵になりそうですね。ジャンプ構成としてはショートは2つのジャンプ要素を後半に、フリーでは7つのジャンプ要素のうち4つを後半に配置していて、最近では6つ、ないしは7つ全てを後半に跳ぶという構成を組むロシア選手も増えてきていることを考えると、わりとオーソドックスな構成なのですが、その分大崩れはしないという意味で強みになっているのかなと思います。
 ランキング3位のアリョーナ・コストルナヤ選手は成績こそ1位と2位ですが、2試合のスコア合計は390.06点と1位のトゥルソワ選手の394.01点にも迫る高い得点を出していますし、自己ベストは197.91点と今季の女子ジュニアの最高記録をマークしていて、トゥルソワ選手の対抗馬筆頭と言えますね。ジャンプ構成はショートはジャンプ要素3つ全て後半、フリーは6つのジャンプ要素を後半に固めてた最近隆盛の戦略で、やはり技術点を稼ぎやすい構成になっています。
 4位のダリア・パネンコワ選手はショート、フリー通して全てのジャンプを後半に組み込む構成。同じエテリ・トゥトベリーゼコーチ門下生であるアリーナ・ザギトワ選手の戦略を受け継いでいます。最も点を稼ぎやすい方法であるのは間違いないですが、その分一つ失敗を犯したときにその流れに飲み込まれやすいというリスクもあって、ラトビア大会は優勝こそしたもののそうした穴にハマってしまって得点を伸ばし切れなかったという試合だったので、ファイナルでもその点の成否が順位を左右しそうです。
 5位のアナスタシア・タラカノワ選手は優勝したオーストリア大会こそ素晴らしい出来で196.68点とハイスコアをマークしましたが、2戦目のクロアチア大会は3度転倒とフリーで大崩れして3位にとどまりました。そういった部分でまだ安定感はあまりない選手かもしれないのですが、やはり爆発力のある構成は組んでいるので、フリーをまとめられれば優勝争いにも絡んでくるのではないでしょうか。
 そして唯一のロシア勢以外のファイナリストとなったのが日本の紀平梨花選手です。今季も毎試合大技3アクセルに挑んでいて、完璧な成功は8月のアジアンオープンの1回のみですが、回転自体はJGPの2試合とも認定されているので紙一重かなと思います。あとは他のジャンプでのミスをいかに減らせるか、優勝争いということを考えると3アクセルを決めた上でほかのジャンプも全て完璧に跳ぶくらいの内容でないとロシア選手たちと張り合えないのかなと思うので、うまくピークを合わせてベストな状態で臨んでほしいですね。
 改めてこうしてファイナリストの顔ぶれを見渡すと、紀平選手以外は全員初出場ということで、昨季のファイナリストだったアリーナ・ザギトワ選手、本田真凛選手、坂本花織選手の3人がシニアに上がったとはいえ、ジュニアの移り変わりの早さを感じますね。特にロシアは昨季ファイナルに進んだアナスタシア・グバノワ選手やエリザヴェータ・ヌグマノワ選手(ヌグマノワ選手は補欠からの繰り上がり)が今季もジュニアであるにもかかわらず目立った活躍ができなかったというのが、本当にロシア女子フィギュア界の弱肉強食ぶりを如実に表していて、この子たちの中で一体何人が生き残れるのだろうと思ってしまいますね。
 7位以下を見ますと、7、8位と日本勢が続いていて、良いところまでは行ったけれどもやはりロシアの壁に跳ね返されてしまったという感が否めませんね。そして韓国勢が9、12、13位にランクインしていて、昨季以上の好成績ということで強化、育成の成果が表れてきていますね。また、強豪国アメリカは昨季は10位台にさえ一人もランクインしていなかったのと比べると、今季は10位台に2人が入っているという点で昨季よりは健闘と言えるかもしれません。


《男子シングル》

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①アレクセイ・エロホフ(ロシア):30ポイント ベラルーシ大会優勝、ポーランド大会優勝
②アレクセイ・クラスノジョン(アメリカ):30ポイント オーストラリア大会優勝、クロアチア大会優勝
③カムデン・プルキネン(アメリカ):28ポイント オーストリア大会優勝、ポーランド大会2位
④須本光希(日本):24ポイント ラトビア大会優勝、クロアチア大会4位
⑤マカール・イグナトフ(ロシア):24ポイント ラトビア大会2位、クロアチア大会3位
⑥アンドリュー・トルガシェフ(アメリカ):22ポイント ベラルーシ大会2位、イタリア大会4位
―――
補欠⑦ジョセフ・ファン(カナダ):22ポイント オーストラリア大会4位、クロアチア大会2位
補欠⑧リュック・エコノミド(フランス):22ポイント オーストリア大会2位、ポーランド大会4位
補欠⑨ロマン・サヴォシン(ロシア):22ポイント オーストラリア大会2位、ラトビア大会4位



 男子はアメリカ勢3名、ロシア勢2名、日本勢1位名というファイナルの顔ぶれとなりました。
 1位でファイナルに駒を進めたアレクセイ・エロホフ選手は2試合のスコア合計が454.68点ということで頭一つ抜きん出ています。ジャンプは4サルコウと4トゥループの2種類の4回転を習得していてそれが大きな得点源となっているわけですが、まだ安定感抜群というところまでは行っていないように見えるので、優勝できるか否かはやはり4回転をいかにまとめられるかに懸かっているのかなと思いますね。
 2位に入ったのは今年のファイナリストの中では唯一のファイナル経験者であるアレクセイ・クラスノジョン選手。クラスノジョン選手といえば史上初めて4ループを公式試合で跳んで回転を認定された選手ですが、今季はその4ループに苦戦していて回り切っての着氷はまだありません。クラスノジョン選手の場合、4回転はその1本のみなので、そのほかの3アクセルや3+3といった得点源となるジャンプを確実に決めることが優勝へ向けての必須条件ですね。
 3位のカムデン・プルキネン選手は4回転はまだプログラムに組み込んでいないので、4回転を跳ぶ選手たちに勝つためには全てのジャンプを確実に成功させることが必要かと思います。まだその3回転にも取りこぼしが多々見られるので、ファイナルではさらなるジャンプの精度とプログラムとしての完成度に期待ですね。
 そして日本から唯一の出場となったのが須本光希選手。日本勢のファイナル進出は2季前の山本草太選手以来です。須本選手もプルキネン選手同様、4回転はまだ持っておらず3アクセルが軸となります。優勝したラトビア大会はその3アクセルのミスを最小限に抑えたことが功を奏し、一方クロアチア大会は3アクセルが2本とも大きく乱れてしまったことが影響を及ぼし4位に終わりました。今回のファイナリストの中で須本選手のパーソナルベストは最も低いので、メダル争い、引いては優勝争いに絡むためには全ての要素をクリーンにこなし自己ベストを更新するくらいの勢いでないと難しいのかなと感じますね。
 5位のマカール・イグナトフ選手は4トゥループの使い手で、今のところ比較的安定感もあるように思われます。ただ、そのほかの3回転でちょこちょこミスを犯してしまっているのがもったいないので、4回転を決めてさらに3回転もまとめられれば優勝争いにも食い込めそうですね。
 6位のアンドリュー・トルガシェフ選手も4トゥループを習得していますが、3アクセルはまだプログラムに組み込んでいません。その分ルールによって4回転を入れられないSPであまり高得点は望めないので、フリーでどれだけ点を積み重ねられるかが勝負の鍵になりそうです。
 7位以下について見てみますと、補欠3人は全員22ポイントということでファイナリストも含め実力は拮抗しているのがわかりますが、ファイナルに進んだ6人は皆2試合のスコア合計が410点を超えていますから、つまり1試合平均で205点以上をしっかり取れる安定感がないと、1試合の爆発力だけでは接戦を勝ち抜くのは難しいということが言えますね。
 その中で順位としては11位だったものの、スコア合計が421.97点だったイタリアのマッテオ・リッツォ選手はおもしろい存在だなと感じました。すでにシニアのチャレンジャーシリーズにも参戦して、ロンバルディアトロフィー、ネーベルホルントロフィー両方ともで220点台をマークしているので、JGP1戦目のポーランド大会のフリーで大崩れして6位にならなければファイナルの可能性も大いにあったと思うと、惜しかったですね。ただ、今後が楽しみな選手なのは間違いないです。


《ペア》

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①ダリア・パブリュチェンコ&デニス・ホディキン組(ロシア):28ポイント ベラルーシ大会優勝、ポーランド大会2位
②アポリナリーア・パンフィロワ&ドミトリー・リロフ組(ロシア):26ポイント ラトビア大会優勝、ベラルーシ大会3位
③エカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ&ハーレー・ウィンザー組(オーストラリア):24ポイント ラトビア大会4位、ポーランド大会優勝
④アナスタシア・ポルヤノワ&ドミトリー・ソポト組(ロシア):24ポイント ベラルーシ大会2位、ポーランド大会3位
⑤アレクサンドラ・ボイコワ&ドミトリー・コズロフスキー組(ロシア):24ポイント ラトビア大会2位、クロアチア大会3位
⑥高誉萌&解衆組(中国):22ポイント クロアチア大会2位、ポーランド大会4位
―――
補欠⑦ポリーナ・コスチュコヴィッチ&ドミトリー・イアリン組(ロシア):20ポイント クロアチア大会優勝、ポーランド大会6位
補欠⑧イヴリン・ウォルシュ&トレント・ミショー組(カナダ):20ポイント ラトビア大会3位、クロアチア大会4位
補欠⑨ライケン・ロクリー&キーナン・プロチュノウ組(アメリカ):14ポイント ラトビア大会5位、クロアチア大会5位



 ペアは6組中4組がロシア勢となり、ロシアは5年連続で4組以上の派遣となりました。
 中でも1位でファイナル進出のパブリュチェンコ&ホディキン組は2試合通じて大きなミスというのが少なく、最も安定感のあるペアと言えるでしょう。2試合のスコア合計も331.04点と抜きん出ていて、間違いなく優勝争いに絡んでくると思います。
 2位のパンフィロワ&リロフ組は順位こそ2位ですが、スコアの合計は307.72点とファイナルに進んだ6組の中で最も低い数字となっています。まだ安定感には欠けているという点で、ファイナルで自分たちより自己ベストの高いライバルたちを相手にどこまで上位に食い込めるか注目ですね。
 そして3位のアレクサンドロフスカヤ&ウィンザー組は昨季の世界ジュニア王者であり、先日のネーベルホルン杯ではシニアに交じって190点台という高得点をマークして3位に入ったという実績もあり、やはり優勝候補筆頭と言えます。もちろんジュニアとシニアではルールも異なるので、シニアの大会で出した得点をそのまま当てはめられるわけではないですが、実力を出し切れればほかのペアを圧倒できるだけの力は持っていると思いますね。
 4位のポルヤノワ&ソポト組はスコア合計ではパブリュチェンコ&ホディキン組に次ぐ2位で、大きなミスの少ない安定型のペアと言えます。また、男性のソポト選手は前のパートナーとのペアでJGPファイナル優勝、世界ジュニア3位と好成績を収めた経験もあり、そうした経験が今度のファイナルでも活きてくるのではないかと思います。
 5位のボイコワ&コズロフスキー組は昨年のJGPファイナル3位、世界ジュニア2位の実力者。ですが、今年のJGP2試合では全体的にミスや取りこぼしが多く少し安定感を欠いています。特にジャンプ系エレメンツでのミスが多いので、ファイナルに向けてどれだけ課題を修正できるかが優勝争いに絡むためのポイントですね。
 6位の高&解組は昨季の世界ジュニア銅メダリスト。JGP2試合通じて比較的ミスも少なく安定しているので、確実にエレメンツをこなしていければ優勝争いに割って入る可能性も十分に秘めているのかなと思います。


《アイスダンス》

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①クリスティーナ・カレイラ&アンソニー・ポノマレンコ組(アメリカ):30ポイント オーストリア大会優勝、ベラルーシ大会優勝
②アナスタシア・スコプツォワ&キリル・アリョーシン組(ロシア):28ポイント ベラルーシ大会2位、ポーランド大会優勝
③ソフィア・ポリシュチュク&アレクサンデル・ヴァフノフ組(ロシア):28ポイント オーストラリア大会優勝、イタリア大会2位
④マージョリー・ラジョワ&ザカリー・ラガ組(カナダ):28ポイント オーストラリア大会2位、クロアチア大会優勝
⑤ソフィア・シェフチェンコ&イゴール・エレメンコ組(ロシア):28ポイント ラトビア大会優勝、クロアチア大会2位
⑥アリーナ・ウシャコワ&マキシム・ネクラソフ組(ロシア):26ポイント ベラルーシ大会3位、イタリア大会優勝
―――
補欠⑦クセニア・コンキワ&グリゴリー・ヤクシェフ組(ロシア):24ポイント オーストリア大会2位、クロアチア大会3位
補欠⑧エリザヴェータ・フダイベルディエワ&ニキータ・ナザロフ組(ロシア):24ポイント オーストラリア大会3位、ポーランド大会2位
補欠⑨キャロライン・グリーン&ゴードン・グリーン組(アメリカ):22ポイント ラトビア大会3位、ポーランド大会3位



 アイスダンスはこちらも6組中4組がロシア勢と圧倒的な層の厚さを見せつけ、アメリカ、カナダというアイスダンス強豪国が続く形となりました。
 そんな中1位でファイナル進出を決めたのがカレイラ&ポノマレンコ組。昨季の世界ジュニアでも3位という実力者ですが、優勝にはなかなか届かず常に2位、3位に甘んじてきた過去があり、今季ようやくJGP初優勝ということできっかけをつかんで飛躍したという感じですね。自己ベストでも6組の中で一歩リードしているので、普通にいつもどおりのパフォーマンスができれば、ファイナル初制覇は目の前なのではないでしょうか。
 2位のスコプツォワ&アリョーシン組も世界ジュニア5位と実績のあるカップルで、今季はすでにSDで自己ベストを更新し、トータルでも自己ベストに迫る得点をマークしているということで、勢いがあるカップルなのかなと思います。その自己ベストでカレイラ&ポノマレンコ組に最も近いスコアを持っているということもあり、カレイラ&ポノマレンコ組の優勝を阻むとすればこのカップルなのではないかという気もしますね。
 3位のポリシュチュク&ヴァフノフ組は過去にもJGPで何度も表彰台に立っていますが、ファイナル進出は初めて。今季は自己ベストを2度更新していて、こちらも波に乗っているカップルと言えます。
 4位のラジョワ&ラガ組は昨季の世界ジュニア6位。JGP2戦目のクロアチア大会で大台の150点台に乗せて初優勝していて、成長著しいカップルですね。
 5位のシェフチェンコ&エレメンコ組、6位のウシャコワ&ネクラソフ組はパーソナルベストは140点台とまだ低いですが、今季自己ベストを更新しているということでファイナルでもその伸びしろに期待できるカップルですね。



 さて、JGPについてざっと振り返ってみました。毎年言っているような気もしますが、どこを見渡してもロシアは強いなーと思うばかりです。日本の紀平、須本の両選手には自分らしい演技でロシアを始めとした世界の壁を打ち破ってほしいと思います。
 そしていよいよ今日からシニアのGPが開幕。ロステレコム杯にはさっそく男女の世界チャンピオンがお目見えということで、レベルの高い戦いが繰り広げられることは間違いありません。では。


:記事冒頭の国際スケート連盟のロゴは、国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、女子の画像、ペアの画像、アイスダンスの画像は、写真画像サイト「ゲッティイメージズ」から、男子の画像はフィギュアスケート専門誌「International Figure Skating」の公式フェイスブックページから引用させていただきました。


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by hitsujigusa | 2017-10-20 17:20 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 10月7日、さいたまのさいたまスーパーアリーナにて恒例のジャパンオープンが開催されました。フィギュアファンの皆様にとってはおなじみですが、ジャパンオープンは日本、欧州、北米という地域別で争われる団体戦。各チーム男女2名ずつで構成され、フリーのみを行い、その得点を足し算し、チーム別の順位を決定します。
 さっそく結果をお伝えしますと、優勝したのは欧州チームで、2位は日本、3位は北米となりました。ここからはチーム別に各選手の演技内容を振り返っていきたいと思います。

Japan Open 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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●日本チーム

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 日本チームは三原舞依選手、本田真凛選手、宇野昌磨選手、そしてプロスケーターの織田信成さんの4人が今回のメンバー。三原、本田の両選手は初出場となりました。チームの得点は614.93点で、0.42点差で惜しくも欧州チームに届きませんでした。
 女子二人は非公式ながら自己ベストを上回るスコアでチームに大いに貢献。三原選手は予定していたエレメンツを全てクリーンにこなす圧巻の演技で147.83点をマークし、女子の2位に入りました。9月のオータムクラシックインターナショナルでは3フリップのエッジエラーやジャンプミスがあり、また、表現面でも動きが小さくなってしまうなど課題が見つかった三原選手ですが、それから2週間余りでまるで別人のように躍動しましたね。もちろん本当に大切なのはこれからですが、技術は相変わらず安定していますし、短い期間での切り換え力、修正力も光っていて、やはり強いなと感じさせられました。シニア2季目で好成績を期待されるプレッシャー、4年に1度のオリンピックシーズンという特別感をあまり気にすることなく乗り越えられれば、五輪の切符にぐっと近づくんじゃないかなと思いますね。
 今季シニアデビューの本田選手もパーソナルベストより高いスコアをマークしました。が、内容的には後半のジャンプにミスがあり冷静なリカバリーも見せたものの完璧ではありませんでした。また、自己ベストを上回る得点でも順位では6人中5位ということでジュニアとシニアの違いを痛感させられる試合ともなり、本田選手自身悔しさを露わにしました。ジュニアでは申し分ない成績を残し、メディアでも取り上げられる機会の多い本田選手ですが、あくまでもシニアでは実績ゼロのルーキー。注目度が高い分、期待に応えなければいけないというプレッシャーもあるかもしれませんが、本来シニア1年目の選手というのは何も失うものがなく、怖いもの知らずでいろんなことにチャレンジできるはずです。シニアデビューシーズンが五輪シーズンと重なったがゆえに、五輪代表に選ばれるためにはすぐに結果を出さなければいけないという難しさもありますが、シニア1年目だからこその怖いもの知らずの特権を活かして、いろんな場面で攻めていってほしいですね。
 世界選手権銀メダリストの宇野選手はチームをリードする役割を期待されましたが、練習からジャンプが不調だったようで男子の3位にとどまりました。冒頭の4ループは完璧に成功させて波に乗るかに見えましたが、続く4サルコウは着氷で大きく乱れ、後半の4フリップは転倒、4トゥループはダウングレード(大幅な回転不足)、3アクセルからのコンビネーションジャンプも単独にとミス連発の演技となってしまいました。最近見ないくらい荒れた内容でしたが、それだけ4回転5本という構成は跳び切るだけで至難ということを改めて感じさせられましたね。ただ、宇野選手の実力を考えればこの構成は無謀な挑戦ではありませんし、ピーキングさえうまくいけば確実にものにできる構成だと思うので、ジャンプの成功はもちろんのこと、全ての要素を含めたプログラムとしての完成も楽しみにしたいと思います。
 2年連続出場の織田さんは4トゥループ2本、3アクセル2本という昨年より難度を上げた構成に挑戦。4トゥループ2本は見事着氷しましたが、3アクセルは2本とも失敗し昨年のような“自己ベスト更新”とはならず。ですが4位と健闘し、引退からもうすぐ4年経つにもかかわらず、“現役感”満載の演技で会場を沸かせました。


●欧州チーム

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 欧州は世界女王エフゲニア・メドベデワ選手、世界ジュニア女王アリーナ・ザギトワ選手のロシア女子二人、前世界王者のハビエル・フェルナンデス選手、イスラエルのアレクセイ・ビチェンコ選手という顔ぶれとなりました。チームの得点は615.35点で3年ぶりの優勝を果たしました。
 チームを引っ張ったのはやはり世界選手権2連覇中の絶対女王メドベデワ選手。内容的には若干苦手としている3ルッツの踏み切りが不正確であると判定されたのが気になるくらいで、いつもどおりの安定した演技で152.08点をマークし、もちろん1位でした。ただ、ジャンプ構成は9月のオンドレイネペラトロフィーから変更されていて、オンドレイネペラではフリーは前半にジャンプは2アクセル1つのみだったのが、今大会は3+3と3ルッツを前半に跳ぶという昨季の構成に戻していて、メドベデワ選手の中で前の構成に何かしっくりこないところがあったのかなと想像します。元々昨季の構成でもメドベデワ選手は無敵状態だったわけで、それをあえてさらに難しい構成にしたということ自体が、自分の現状にあぐらをかかず高みを目指すというアグレッシブな姿勢がうかがえて素晴らしいなと思うのですが、彼女ほどの実力と実績があれば五輪シーズンである今季は新しい試みをせず、着実に足元を固めていく戦略の方がより金メダルは確実なものになるのかなという気がします。メドベデワ選手を将来的におびやかす選手がいるとすればザギトワ選手が一番怖い存在かなと個人的には思いますが、いくら勢いがあっても今季中にメドベデワ選手の域にまで達するのは無理でしょうから、メドベデワ選手はこれまでどおり自分らしい演技を心がけていればおのずと五輪の金メダルは近づいてくるのではないでしょうか。
 そのザギトワ選手は、全ジャンプを後半に固めたいつもの構成をクリーンにこなし3位となりました。点数的には9月のロンバルディアトロフィーよりは落ちましたが、内容的には相変わらずの安定感で、GPに向けてさらに勢いづかせる演技でしたね。こうした勢いや流れというのはソチ五輪シーズンのユリア・リプニツカヤ選手を思わせる部分があり、今季に関してはこの流れがオリンピックまでは継続されるんじゃないかという気がします。
 前世界王者のフェルナンデス選手はちょこちょこ3回転が2回転に抜けるミスはありましたが、全体の流れを途切れさせることなくベテランらしい落ち着いた演技を披露し、189.47点で1位となりました。スロースターターのフェルナンデス選手にとって今はまだ自分の状態を様子見しているような段階かもしれませんが、試合に合わせる力はさすがにピカイチですね。現在4回転は3種類、4種類、さらには5種類という時代にまで来ていますが、あくまで2種類で完成度を追い求めるフェルナンデス選手の戦法がどういった結果をもたらすのか注目したいと思います。
 当初出場を予定していたトマシュ・ベルネルさんに代わって出場が決まったビチェンコ選手は、ミスが相次ぎ最下位に終わりました。ビチェンコ選手は9月のオータムクラシックインターナショナルに当初エントリーしていたのですが、結局そちらに出場はせずジャパンオープンに参加したということを考えると、ジャパンオープンの出場が決まったからオータムクラシックはキャンセルしたということなのかもしれません。ただ、オータムクラシックとジャパンオープンでは勝手が違いますし、9月下旬の大会と10月初旬の大会とでは調整の仕方も変わってくるので、そういった部分で調整の難しさはあったのかなと想像します。ビチェンコ選手のGP初戦はNHK杯、次こそは日本でビチェンコ選手らしい演技が見られることを期待したいですね。


●北米チーム

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 北米チームは全米女王のカレン・チェン選手、ベテランの長洲未来選手、全米王者のネイサン・チェン選手、今年現役引退を表明したジェレミー・アボットさんという全員アメリカのメンバー構成に。チームの得点は572.95点で2年連続の3位にとどまりました。
 昨季大躍進を遂げた男子のチェン選手は、9月のUSインターナショナルクラシックから4回転の本数を増やして臨み、4フリップでの転倒や4サルコウのパンクなどはあったものの、4ループと4ルッツはクリーンに着氷させ、178.46点で2位に入りました。それでもまだまだ本調子ではなさそうですし、4回転の数もさらに増えることが予想されますから、GPでギアチェンジして良い意味で調子に乗ったチェン選手の姿が見られることを楽しみにしたいですね。
 先日引退を発表したばかりのアボットさんは3年連続の出場。4回転は含まない構成で得点源としては3アクセルを軸とした演技でしたが、クリーンに着氷することは叶わず5位となりました。GPシリーズや全米選手権など公式試合に出場したのは14/15シーズンが最後で、その後は進退を明確にはせずジャパンオープンやアイスショーで活躍していたアボット選手。なので引退と聞いてもあまり実感は沸かないのですが、改めてお疲れさまと言いたいですね。ジャンプが何よりも華である男子フィギュア界の中においては、ジャンパータイプではないアボットさんは決して目立つ存在ではありませんでしたが、無駄な力なくすいすい伸びるスケーティングは随一の美しさで、そこから繰り広げられる透明感と気品溢れる表現力は唯一無二で忘れられません。選手を引退しても、あのスケーティングで魅せる舞台はたくさんあると思いますから、第2の人生を楽しく歩んでほしいと思います。
 女子は出場予定だったグレイシー・ゴールド選手がコンディション不良のため欠場、その代わりとして長洲選手が3年ぶりに出場しました。冒頭では先日のUSインターナショナルクラシックで初成功させた大技3アクセルに挑戦。両足着氷でバランスを崩し惜しくも成功とはなりませんでしたが、回転は認定されました。そのほかはミスらしいミスなく滑り切り、非公式ながら自己ベストを上回る134.69点で4位となりました。3アクセルは残念でしたが、空中で身体が斜めになってしまったことによる失敗でそこまで悪い形での失敗ではなかったと思うので、そう遠くないうちに完全な形での成功も見られるのかなという気がします。また、それ以外の部分でも一つもアンダーローテーション(軽度の回転不足)を取られていないというのが前戦から修正されていて良かったですね。この調子でGPにも良い流れを継続させてほしいと思います。
 一方、全米女王のチェン選手はアンダーローテーションや転倒といったミスが重なり6位にとどまりました。チェン選手も9月のUSインターナショナルクラシックに出場して回転不足を多々取られたのですが、まだその部分での修正が上手くいっていないようですね。ほかのアメリカ女子たちに後れを取らないためにも、次のスケートカナダまでには課題を乗り越えたいところですし、シーズン序盤から存在感をアピールできるかできないかというところでオリンピックの代表争いにも関係してくると思うので、全米女王のチェン選手といえどもうかうかしていられない状況ですね。



 ジャパンオープン2017の記事は以上です。さて、ここから選手たちは本当の戦いに入っていきます。これまでは自分の状態を確かめたりじっくりと調整に時間を費やしたりしてきた選手たちも、オリンピック出場に向けて結果が求められる試合が続いていくことになります。4年に1度のオリンピックシーズン、どんな戦いが繰り広げられるのか、どんな予想外のことが起きるのか、楽しみです。では。


:記事冒頭の全選手の集合画像は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、日本チームの画像、北米チームの画像は、マルチメディアサイト「Newscom」から、欧州チームの画像は、フィギュアスケート情報サイト「EUROPEONICE.COM」の公式ツイッターから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
ロンバルディアトロフィー2017&USインターナショナルクラシック2017―日本勢躍動 2017年9月22日
オータムクラシックインターナショナル2017&オンドレイネペラトロフィー2017―世界王者に明暗 2017年9月30日
ネーベルホルントロフィー2017&フィンランディアトロフィー2017―日本、五輪団体戦出場へ前進 2017年10月11日

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by hitsujigusa | 2017-10-14 01:58 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 9月27日から30日にかけてドイツのオーベルストドルフにて行われたネーベルホルントロフィーと10月6日から8日にかけてフィンランドのエスポーにて行われたフィンランディアトロフィー。前者は平昌オリンピックのまだ埋まっていない国別の出場枠をかけた戦い、後者は世界の覇権を争うトップ選手たちのGPシリーズ前の最後の調整といった意味合いが強い試合となり、それぞれ質の異なる盛り上がりを見せました。両大会の模様をざっくりと振り返ってみたいと思います。

*****

《ネーベルホルントロフィー2017》

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 今回はいつもとは違って変則的ですがアイスダンスの結果から。優勝はイギリスのペニー・クームズ&ニコラス・バックランド組。SDは全てのエレメンツを高いレベルでまとめて唯一の70点台に乗せて堂々の首位発進。FDはツイズルで細かなミスがありレベルは取りこぼしましたが、そのほかのエレメンツでは全て1点以上の加点を積み重ね、他を寄せつけず自己ベストで完全優勝となりました。16/17シーズンはクームズ選手の怪我によって全ての試合を欠場したクームズ&バックランド組。今大会が2季ぶりの復帰戦となったわけですが、さすが世界選手権で入賞経験のあるカップルとあって、他のカップルとの格の違いを見せつけた形となりましたね。スコアも自己ベストを4点近く一気に更新ということで、復帰シーズンを申し分ない形でスタートできたのではないでしょうか。
 そして2位に入ったのが日本の村元哉中&クリス・リード組です。SDはクリーンなエレメンツを揃えて自己ベストまで約1点というスコアで2位につけると、FDは全てのエレメンツをレベル3もしくは4と高いレベルでまとめて自己ベストを4点近く更新。トータルでもパーソナルベストをマークし、銀メダルを獲得しました。まだ平昌五輪のアイスダンスの出場枠を獲得していない日本にとって、この最終予選の舞台で枠を取れるか否かはアイスダンスの枠のみならず、日本チームとして団体戦の出場権も懸かる重要な試合でした。そのプレッシャーが重くのしかかる場面で、自己ベスト更新の演技というのは本当に素晴らしかったですね。思えば4年前のこの大会でクリス選手と姉のキャシーさんとのカップルで枠を獲得したのですが、現在は村元選手とクリス選手という結成3季目とまだ歴史は浅いカップルではあるものの、着実に地道に進化を遂げて、日本のアイスダンスのレベルを底上げしてくれているように感じます。このあとのシーズンも怪我なく順調に、オリンピック出場へ向けて頑張ってほしいですね。
 3位はドイツのカヴィタ・ローレンツ&ヨディ・ポリゾアキス組です。SDは目立ったミスなくエレメンツをこなして3位と好発進。FDはステップがレベル2にとどまる取りこぼしはありましたが、ほかはおおむねミスらしいミスなく滑り切り3位、総合でも3位とチャレンジャーシリーズでは初めての表彰台を射止めました。


 続いてはペアです。優勝したのは世界選手権2017の銅メダリスト、ロシアのエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組。SPは冒頭の3ツイストで加点2という極めて高い評価を受けると、続く3トゥループ、スロー3ループも完璧に成功。珍しく演技時間超過で1点減点はありましたが、内容的にはほぼノーミスでトップに立ちます。フリーは大技4ツイストに挑み、加点こそ伸びなかったものの大きなミスなくまとめると、3サルコウ、スロー3サルコウと続けて着氷。次のコンビネーションジャンプがパンクするミスはありましたが、その後は目立ったミスなく演じ切り、国際大会では自身2度目となる140点台をマークしてトップの座を守り切りました。
 2位は世界選手権2017銀メダル、ドイツのアリオナ・サフチェンコ&ブリュノ・マッソ組です。SPは大技スロー3アクセルに果敢に挑戦しますがあえなく転倒。ソロジャンプの3サルコウでも乱れがあり、2位にとどまります。フリーは前半にジャンプ系エレメンツを固め、まずはショート同様にスロー3アクセルに挑みましたが再び転倒。さらに3トゥループ+3トゥループのジャンプシークエンスでも転倒、3サルコウは2回転にとミスが重なります。その後のエレメンツは全てレベル4とさすがの実力を見せつけましたが、タラソワ&モロゾフ組には及びませんでした。
 3位は世界ジュニア選手権2017の王者、オーストラリアのエカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ&ハーレー・ウィンザー組。ショートは全エレメンツをクリーンにこなし自己ベストを2点ほど更新して4位発進。フリーはスピンでところどころ取りこぼしは散見されましたが、それでもGOEでマイナスが付く要素は一つもなく実力を出し切って自己ベストを20点以上更新。トータルでも26点以上もパーソナルベストを上回り、シニアの国際大会で初めてのメダルを手にしました。
 日本の須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組は11位となり、平昌五輪での日本のペアの出場権獲得はなりませんでした。SPは序盤のサイドバイサイドの3サルコウで転倒。そのほかのエレメンツは大きなミスなくまとめましたが11位にとどまります。挽回したいフリーでしたが、再び3サルコウで転倒。その後も2つの転倒があり、リフトやスピンでもミスと精彩を欠き13位、総合11位と順位を上げられませんでした。須藤&ブードロー=オデ組のパーソナルベストは164.96点で、それを今大会のペアの結果と照らし合わせても順位は11位ということで、どちらにしてもなかなか厳しい戦いだったのかなと思うのですが、点数的、順位的なことよりも、内容的に彼ららしい演技がほとんどできなかったことの方が大きいのかなと思います。GP初戦のロステレコム杯では何よりも二人らしい演技が見られることを祈りたいですね。


 次は男子。優勝はベルギーのヨリク・ヘンドリックス選手です。ショート、フリーともに4回転には挑まず、その分確実にできるエレメンツを丁寧にこなし、ステップシークエンス、スピンは全てレベル4という完成度の高い演技を見せ、2位に27点もの差をつけての優勝となりました。
 2位はアメリカのアレクサンダー・ジョンソン選手。こちらもショート、フリーともに4回転はなしで、SPは全体的にクオリティーの高いエレメンツを揃えて2位と好発進。フリーは得点源の3アクセルでミスが相次ぎましたが、それ以外のエレメンツはおおむねコンスタントにまとめ、僅差ながら2位の位置を死守しました。
 3位はスウェーデンのアレクサンデル・マヨロフ選手。ショートは冒頭の4トゥループのミスを最小限に抑えて3位。フリーも4トゥループや3アクセルを大きなミスなく揃えて3位のままフィニッシュしました。

 最後は女子です。優勝はオーストラリアのカイラ二・クレイン選手。ショート、フリー通じて3+3は組み込まずに臨み、ところどころ細かいミスはありましたが大きくリズムを崩すことはなく、ショート1位、フリー2位、総合1位でチャレンジャーシリーズ初優勝を成し遂げました。
 2位はスウェーデンのマチルダ・アルゴットソン選手。こちらも大会を通じて大きなミスなく、また、スピンはほとんどがレベル4と取りこぼしも少なく、自己ベストを12点以上更新。クレイン選手とは0.44点差で2位と惜しくも優勝は逃しましたが、チャレンジャーシリーズでは初めての表彰台となりました。
 3位はスイスのアレクシア・パガニーニ選手。ショートは得点源の3+3や3ループでミスがあり6位と出遅れ。フリーでもちょこちょこミスはありましたが、大崩れすることなく耐えた演技でフリー3位、総合でも3位と追い上げました。



《フィンランディアトロフィー2017》

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 まずは女子の結果からです。優勝はロシアの成長株マリア・ソツコワ選手。SPは演技時間超過による減点こそあったものの内容的には大きなミスなくまとめて2位につけ、フリーは終盤の2アクセルの回転不足がミスらしいミスと言えるくらいの完璧に近い演技を披露し自己ベストを更新。トータルでも自己ベストをマークし、逆転での優勝を手にしました。シニア2季目となるソツコワ選手ですが、この時期としては文句なしの好演だったのではないでしょうか。ロシア女子の国内の争いは非常に厳しいですが、国際大会初戦でいきなりの200点超えは好スタートですし、このあとのGPでのジャッジへの印象も良くなりますから、ソツコワ選手がどんな活躍を見せてくれるのか、期待したいですね。
 2位はイタリアのベテラン、カロリーナ・コストナー選手。SPは得点源のコンビネーションジャンプが入らず痛い得点ロスとなりましたが、ステップシークエンス、スピンは全てレベル4に加え高い加点を稼ぎ、首位と0.37点差の3位と好位置につけます。フリーも冒頭からジャンプミスが相次ぎましたが、後半のジャンプは致命的なミスなくまとめて2位、トータルでも2位とベテランの底力を発揮しました。地元開催のロンバルディアトロフィーに続きチャレンジャーシリーズ2戦目の出場となったコストナー選手。得点的には前回も今回もさほど悪くなく、むしろシーズン序盤としては上々という印象ですが、内容的にはまだジャンプが不安定ですね。それでも当たり前のように190点台を出せるのがコストナー選手の凄さで、技術点では若い選手たちの後塵を拝しても、演技構成点では遥かに優位に立っているので、やはり強いなと思います。とはいえシーズンも大詰めの頃になれば、今大会のようなミスをしていてはコストナー選手といえども高難度のジャンプ構成を組む選手たちに追いつけなくなってしまう可能性もあるので、今後コストナー選手がどうレベルアップしてくるかに注目ですね。
 3位は元世界女王、ロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手です。SPはノーミスの演技で極めて僅差ながら首位発進。しかしフリーは序盤に転倒を含むミスを重ね、後半は挽回を見せたものの得点を伸ばし切れず4位、総合3位と順位を落としました。コストナー選手同様、ロンバルディアトロフィーに続いてチャレンジャーシリーズ2戦目だったトゥクタミシェワ選手。メダルを逃したロンバルディアよりは得点も上積みできて良かったのかなと思うのですが、フリーで崩れてしまったという印象があるので今持っている力を出し切れたという感じではないですね。3アクセルもまた見たいなーという気はしますが、まずはショート、フリーを揃えて、トゥクタミシェワ選手らしい演技というのを楽しみにしたいと思います。
 日本の白岩優奈選手は7位に入りました。SPは冒頭の3+3のセカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)と判定。さらに後半の3フリップがパンクして2回転となり規定違反で無得点に。ステップシークエンスやスピンのレベルの取りこぼしもあり、自己ベストより約10点ほど低い得点で8位にとどまります。フリーもまずは3+3からで、出来栄えとしては若干マイナスとなりますが回転不足なく着氷。後半に5つのジャンプ要素を固め、ところどころ細かいミスはありましたが大崩れすることなくまとめ6位、総合7位で大会を終えました。どちらかというと苦さの方が残る試合だったかなと思いますが、ショートのミスをフリーで挽回したのは素晴らしかったですね。8月のアジアンオープンも今大会もジャンプに苦戦している印象でまだ本調子までは遠いのかなと思うのですが、焦らずじっくり本来のジャンプを取り戻してほしいですね。


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 男子の優勝者は世界選手権2016、2017の銅メダリスト、中国の金博洋(ジン・ボーヤン)選手です。SPは大技4ルッツ+3トゥループと3アクセルを決めたものの、後半の4トゥループが回転不足で転倒し2位発進。フリーも冒頭の4ルッツは成功させますが、続く4サルコウは転倒。後半の2本の4トゥループは着氷しますが、3+3は転倒。ミス連発で得点は自己ベストより40点近く低い得点で3位でしたが、トータルでは1位となり接戦を制しました。ショート、フリーそれぞれで4ルッツをクリーンに下りたのはさすがでしたがほかの4回転ではミスが多く、まだまだプログラム全体をまとめる段階までは行っていないのかなという感じですね。とはいえこれだけのジャンプ構成を組める選手は世界でも稀有ですし、やはりここぞという時の爆発力は恐ろしいものがあり、あとは調子が良くない時にいかにミスを最小限に抑えられるかというのも重要だと思うので、オリンピックメダル候補の一人として目が離せない選手ですね。
 2位は世界ジュニア王者、アメリカのヴィンセント・ジョウ選手です。SPは冒頭で大技4ルッツに挑みますが回転不足で着氷も乱れます。しかし続く4フリップ+3トゥループは完璧に成功。が、後半の3アクセルはこちらも回転不足となり、6位にとどまります。フリーもまずは大技4ルッツから、着氷で片手を氷につきますが回転は認定されます。続く4フリップはショート同様にクリーンに成功。さらに4サルコウも着氷と、前半だけで3種類の4回転を跳び切ります。後半は4トゥループを成功させますが1本目の3アクセルがパンクして1回転に。ちょこちょこミスはありましたが大崩れせずまとめてフリー1位、総合2位に躍り出ました。昨季ジュニアながら全米選手権で2位に食い込み、世界ジュニア選手権では男子史上4人目となる4ルッツを成功させて一躍脚光を浴びたジョウ選手。そしていよいよ今シーズン鳴り物入りでの本格的なシニア参戦となったわけですが、さっそくインパクト大の演技を見せてくれましたね。何といっても昨季習得した最高難度の大技4ルッツもそうですが、国際大会では初めて成功させた4フリップ、4トゥループ、以前から跳んでいる4サルコウとすでに4種類もの4回転を自分のものにしていて、正直ジョウ選手がここまで急激に伸びてくるとは想像以上で驚かされました。昨年のフィンランディアトロフィーでは同じくアメリカのネイサン・チェン選手がシニアデビューで初優勝していますが、まさにその再現のような感じもあり、ジョウ選手が昨季のチェン選手のように一気にスターダムを駆け上がるのか、それともどこかで壁にぶつかるのか、どちらにしろ非常に興味深い存在ですね。
 3位はアメリカのベテラン、アダム・リッポン選手です。ショートは4回転を回避し、確実性の高い構成をクリーンに演じ切り3位につけます。フリーは冒頭で4ルッツに挑戦しますが回転不足で転倒。しかしその後は問題なくジャンプをこなし、1本目の3アクセルは着氷で乱れましたが、2本目の3アクセルはしっかりコンビネーションにして成功。スピン、ステップシークエンスは全てレベル4とリッポン選手らしさを示しフリー2位、総合3位となりました。昨季は怪我のためにシーズン後半を休養にあてたリッポン選手。久しぶりの実戦となった今大会、まだジャンプの不安定さは見られたものの、リッポン選手らしさは健在といったところも垣間見られ、復帰戦としてはまずまずの内容だったのではないでしょうか。アメリカ男子も次々に強力な若手が登場してきていますが、表現力という点においてはリッポン選手の右に出る者はなかなかいません。今までオリンピックには縁がなかったリッポン選手ですが、今度こそそのチャンスが巡ってくることを祈りたいですね。


 ペアは中国の彭程(ペン・ジャン)&金楊(ジン・ヤン)組が優勝。ショートは全てのエレメンツを高い質で揃えトップ発進。しかしフリーはサイドバイサイドジャンプとスロージャンプでそれぞれ1度ずつ転倒があり2位、総合では1位となりショートのアドバンテージに救われた形となりました。
 2位はイタリアのニコーレ・デラ・モニカ&マッテオ・グアリーゼ組。SPはツイストとスロージャンプで細かなミスがあり3位。フリーもいくつか小さなミスはありましたが全体的にはまとまった演技で1位、総合2位と順位を上げました。
 3位はソチ五輪銀メダル、ロシアのクセニア・ストルボワ&ヒョードル・クリモフ組。ショートは冒頭のツイストで男性が女性をキャッチする時に長く抱えるような形になってしまい、レベル2どまりの上に減点されるミスがあり3位。巻き返したいフリーでしたが、ツイストはショートと同じようなミスを繰り返してしまいます。その後は難しいスロー3ルッツや3連続コンビネーションジャンプを決め立て直したかに見えましたが、中盤のリフトで女性が落下する大きなミス。さらに2つ目のリフトでも同様に女性が空中でポジションを維持できないまま落下、男性もバランスを崩して転倒します。続くスピンでも男性が体勢を崩し尻もちと信じられないようなミスが相次ぎます。その後の2つの要素は気持ちを切り替えてクリーンにこなしましたが、得点はパーソナルベストから40点ほど低い点数で4位、総合3位に終わりました。


 アイスダンスは前世界王者、フランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組が圧勝しました。SDはほぼ完璧といっていい演技で自己ベストに0.17点と迫るハイスコアで首位。FDは珍しくステップシークエンスで男性のシゼロン選手が転倒するアクシデントがありましたが、それ以外はクオリティーの高いエレメンツを揃え、断トツで今季初戦を制しました。
 2位はロシアのアレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン組。SDはミスも取りこぼしもなくまとまった演技で自身2度目となる70点台で2位と好発進。FDも序盤は上々の滑り出しを見せますが、中盤のステップは女性のステパノワ選手が微妙にバランスを崩す場面もありレベルも2で加点もつかず。リフトの時間超過による減点もあり得点はあまり伸びませんでしたが、ショートと合わせて2位のポジションは揺るぎませんでした。
 3位はデンマークのロランス・フルニエ・ボードリー&ニコライ・ソレンセン組です。SDはステップがレベル2にとどまった以外はおおむね高いレベルでエレメンツをまとめ3位発進。FDはリフトで流れが滞るミスがあり減点を受け、2つのステップもレベル2どまりになる取りこぼしもあり5位。ですが総合では3位となり銅メダルを獲得しました。



 ネーベルホルントロフィー2017&フィンランディアトロフィー2017の記事は以上です。チャレンジャーシリーズはこのあとも4試合残っていますが、GPシリーズ前の試合は全て終了ということで、GPに出場するトップ選手たちはこれからいよいよ本格的にシーズンに突入していくということになります。今からがオリンピックへ向けての本当のアピール合戦の場になるといっても過言ではないですから、チャレンジャーシリーズで調整してきた選手たちがそこでつかんだ課題と収穫をGPにどうつなげるか注目ですね。では。


:記事冒頭の国際スケート連盟のロゴは、国際スケート連盟フィギュアスケート部門の公式フェイスブックページから、ネーベルホルントロフィー2017のアイスダンスのメダリスト3組の画像は、アイスダンス情報サイト「ice-dance.com」から、フィンランディアトロフィー2017の女子メダリスト3選手のスリーショット画像は、フィギュアスケート専門誌「International Figure Skating」の公式ツイッターから、フィンランディアトロフィー2017の男子メダリスト3選手のスリーショット画像は、「International figure Skating」の公式フェイスブックページから引用させていただきました。

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by hitsujigusa | 2017-10-11 18:22 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)