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 前記事、前々記事に続き、世界国別対抗戦(ワールド・チーム・トロフィー)2017の内容、結果について書いていきます。今回は男子フリーとアイスダンスフリーダンスです。この大会のルールやシステムについてはこちらの記事をご覧ください。

ISU World Team Trophy 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 まずはさっそく男子から。
 男子フリーで1位となったのは日本の羽生結弦選手です。

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 まずはショートで失敗した4ループ、これを今度は完璧に決めます。続いて4サルコウはパンクして1回転に。続く3フリップは難なく下りてここから後半、鍵となる4サルコウ+3トゥループをクリーンに着氷させると、4トゥループ、3アクセル+3トゥループもきれいに成功。そして初の試みとなる5本目の4回転、4トゥループ+1ループ+3サルコウは最後のジャンプの着氷で若干乱れたものの4トゥループ自体は成功。最後に組み込んだ2本目の3アクセルは珍しく1回転となりますが、初めての構成に挑んだ羽生選手はフィニッシュすると穏やかな笑みを浮かべました。得点は200.49点で1位となり、ショートの7位から挽回しました。
 2月の四大陸選手権では演技途中にプランを変更しての4回転5本というのはありましたが、今回は演技前から5本跳ぶことを決めて臨んだ初めての挑戦。結果的には前半の4サルコウが1回転になったことによって自身初の4回転5本成功はなりませんでしたが、その一方で後半に4回転3本という世界でも史上初の快挙を達成させ、また新たなバリエーションを手にしました。ただ、羽生選手自身は現時点では来季は今季の構成を大きく変えるつもりはないとのことで、現在の4回転4本をベースに完成度を高めて、5本の4回転はあくまでオプションとして考える方向で行くようですね。また、フリー後にはエキシビションの練習で4ルッツを着氷する姿も見せていて新技にも期待がかかりますが、大事なオリンピックシーズンということを考えるとよっぽど自信がない限りプログラムに取り入れることはないのかなと思いますね。個人的には来季の羽生選手にはジャンプを全て完璧に下りるだけではなく、ステップや技と技のあいだのつなぎ、プログラム全体の緻密さや完成度も期待したいですし、そのためには今と同じ構成をさらに極めていくことで体になじんで余裕も生まれてくると思うので、ジャンプはもちろんのこと、それ以外の部分でももっと魅せる演技、プログラムを来季は楽しみにしたいですね。


 2位となったのはSP1位の宇野昌磨選手です。

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 自身初となる4フリップ2本の構成で挑んだ宇野選手。まずは今季後半から組み込んでいる4ループ、これをクリーンに下りて2.29点の加点を得ます。続く4フリップは回転は充分でしたが着氷が乱れ減点となります。直後の3ルッツは回転と着氷は問題なかったものの踏み切りのエッジエラーでこちらも減点。スピンとステップシークエンスを挟んで後半、最初の3アクセル+3トゥループは危なげなく成功で2.86点という極めて高い加点。続いて初挑戦の2本目の4フリップでしたが、ダウングレード(大幅な回転不足)で転倒となり予定していたコンビネーションにはできず。しかしその後は4トゥループ、3アクセル+1ループ+3フリップ、3サルコウと全てのジャンプをクリーンにこなし、しっかり立て直して演技を終えました。得点は198.49点で2位となりました。
 4フリップを2本跳ぶというチャレンジは残念ながら不首尾に終わりましたが、4フリップ自体はすっかり自分のものにしているジャンプなので、オフシーズンの練習次第でこの構成も思ったより早く安定するんじゃないかなという気がしますね。何といっても4フリップにしても4ループにしても武器になったのはこの1年のあいだのことですから、宇野選手の習得と上達の早さを考えると楽しみですね。また4ルッツや4サルコウといった新たな4回転も練習中で、現時点ではまだ確率は低いようですが、“攻める”を常にテーマに掲げている宇野選手なので、オリンピックシーズンといえども守りに入らず新しいことを試していく可能性もあるのかなと想像します。あとは攻めすぎて怪我しないかが心配ですが、そのあたりの冷静さは若いわりにしっかり持ち合わせている選手だと思いますし、今大会中のインタビューでは「世界選手権自体はあまり疲れなかった」とか「もうちょっと試合が多くてもいい」と語っているくらいフィジカル的にも強靭な選手なので、さっそくゴールデンウィークにはアイスショー出演が待ち受けているなどまだまだ過密日程が続きますが、練習と休息のバランスをうまく取って、来シーズンも宇野選手らしく攻め続けてほしいですね。


 3位に入ったのは元世界王者、カナダのパトリック・チャン選手です。

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 まずは得意の4トゥループ+3トゥループをきっちり決めて加点2.71点を獲得。さらに今季からの新技4サルコウもクリーンに着氷させます。続いて鬼門の3アクセルでしたがわずかな乱れにとどめます。そして後半はまず4トゥループ、これも着氷で若干の乱れ。直後の3アクセルからのコンビネーションは1アクセル+2トゥループに。しかしその後のジャンプは全て難なく下り、リズムを大きく崩すことなく演技をまとめ、190.74点をマークしました。
 今季から挑戦している4トゥループ2本、4サルコウ1本、3アクセル2本という構成ですが、シーズン最終戦にしてまとまった形が見えてきたのかなという感じですね。シーズン序盤はなかなか決まらなかった4サルコウも徐々に安定してきましたし、3アクセルも以前よりはミスが少なくなってきている印象があるので、重要な来季に向けてこの構成をベースにさらに完成度が高まっていくと、元々演技構成点はピカイチなので楽しみだなと思います。来シーズンはチャン選手にとってスケート人生の集大成になるでしょうから、演技もプログラムもチャン選手らしい、チャン選手にしかできないフィギュアスケートの魅力を詰め込んだ作品を期待したいですね。


 4位はアメリカの新星ネイサン・チェン選手です。

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 ショート同様に最高難度の4ルッツは回避し、冒頭は4フリップの連続ジャンプから幕を開け、セカンドジャンプは2回転となったものの確実に成功させます。続く2本目の4フリップは着氷で大きくバランスを崩します。さらに4サルコウは2回転にとミスが相次ぎますが、4トゥループからの3連続ジャンプはクリーンに着氷。後半は5本目の4回転となる4トゥループをまず成功させると、苦手の3アクセルもふんばって着氷。残りのジャンプは問題なく予定どおりに下り、最後まで若さ溢れるエネルギッシュな演技を披露しました。得点は185.24点で4位となりました。
 足首を負傷している中での試合となったチェン選手でしたが、そうした不具合をほとんど感じさせない力強いパフォーマンスでした。大きなミスとしては4サルコウのパンクくらいで、4本の4回転を着氷させる安定感はやはりさすがでしたね。不完全燃焼に終わった世界選手権からしっかり切り替えて集中し直せていて、ジュニアとは違うシニアならではの日程だったり、短期間でのメンタルコントロールの仕方だったり、五輪シーズンに向けて貴重な収穫が得られたのではないかと思います。来季チェン選手がどんなジャンプ構成で臨むのかはわかりませんが、何といってもまだまだ若いので攻めてほしいと思いますし、シニアデビューシーズンとなった今季の経緯を見ると昨シーズンの宇野選手の状況と似ているので、シニア2季目に大飛躍した宇野選手同様、今季得たものを来季にさらに昇華させられれば今季以上に強いチェン選手の姿が見られるのではないかという気もしますね。


 5位はロシアのエース、ミハイル・コリヤダ選手です。

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 冒頭は今季からチャレンジしている大技4ルッツ、回転は充分でしたが転倒し初成功はならず。しかし直後の4トゥループはクリーンに跳び切ってすぐに立て直します。さらに3アクセル+2トゥループ、3ルッツ+2トゥループと立て続けに成功させ、上々の前半とします。後半は最初の3アクセルを決めると、得点源となる3+3もクリーンに着氷。その後のジャンプもさらりとこなし、スピン、ステップシークエンスも全てレベル4でまとめ、フィニッシュしたコリヤダ選手は満面に笑みを浮かべました。得点は184.04点で自己ベストを更新し、有終の美でシーズンを締めくくりました。
 ショート、フリーともに自己ベストを更新し、今回出場した男子選手の中でもひときわ輝きを放ったコリヤダ選手。4ルッツの失敗こそありましたが、その後の切り替えは見事で、心身ともに充実していることをうかがわせるパフォーマンスでしたね。現時点で完全に自分のものにしている4回転は4トゥループだけで、羽生選手や宇野選手らトップグループとはまだ基礎点での差がありますが、4ルッツが確実に計算できる武器となれば一気に躍進して台風の目的な存在となる可能性も秘めていると思いますし、スピンやステップもしっかりレベルが取れてしかも加点も稼げるので、今以上に取りこぼしの少ない選手となればおもしろいなと感じますね。ロシアのエースとしてコリヤダ選手が来季どんな活躍を見せるのか、楽しみにしたいですね。


 6位となったのはアメリカの実力者ジェイソン・ブラウン選手です。

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 4回転は外し確実な構成で臨んだブラウン選手。まずは得点源の3アクセル+3トゥループをパーフェクトに決めて2点の加点。続いて2アクセルをこなし、前半のジャンプをきっちりまとめます。後半に6つのジャンプ要素を固め、まずは単独の3アクセルをクリーンに成功。3ルッツ、3+2、2アクセルと危なげなくクリアし、3ループはタイミングが合わなかったのかパンクし1ループになりましたが、最後の3+1+3はスムーズな流れできれいに成功。終始丁寧かつ繊細に演じ切り、自己ベストに迫る179.35点で6位に入りました。
 世界選手権に引き続き、4回転はほぼなしという構成ながらも唯一無二の表現力で観客を引き込んだブラウン選手。今大会あえて4回転に挑まなかったのは、シーズン最終戦だからこそ挑戦してミスを含んだ演技にするよりも自分らしい演技で締めくくりたいと思ったのかもしれませんね。来シーズンのブラウン選手がどこまで上位に食い込んでいくのか、それは4回転次第になりそうですが、4回転があってもなくてもブラウン選手らしい演技で観客を楽しませてほしいなと思います。


 男子フリーは以下のような順位と獲得ポイントになりました。

《男子フリー》

1位:羽生結弦(日本)、12ポイント
2位:宇野昌磨(日本)、11ポイント
3位:パトリック・チャン(カナダ)、10ポイント
4位:ネイサン・チェン(アメリカ)、9ポイント
5位:ミハイル・コリヤダ(ロシア)、8ポイント
6位:ジェイソン・ブラウン(アメリカ)、7ポイント
7位:金博洋(中国)、6ポイント
8位:シャフィク・ベセギエ(フランス)、5ポイント
9位:ケヴィン・レイノルズ(カナダ)、4ポイント
10位:マキシム・コフトゥン(ロシア)、3ポイント
11位:ケヴィン・エイモズ(フランス)、2ポイント
12位:李唐続(中国)、1ポイント




 さて、ここからはアイスダンスのフリーダンスです。
 FDで1位となったのはカナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組です。前半のサーキュラーステップがレベル3となった以外は全てレベル4という極めて質の高いエレメンツを揃えた演技で自己ベストを一気に3点以上更新しました。
 2位はショートで1位だったアメリカのマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組。前半のサーペンタインステップで男性のベイツ選手がバランスを崩す場面があり加点が稼げなかったものの、それ以外のエレメンツはしっかりレベル4でまとめ上げ、2位に食い込みました。
 3位はロシアのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組。スピンやステップでのレベルの取りこぼしや思ったほど加点を稼げないエレメンツもいくつかあり100%の演技とはならず3位にとどまりました。
 4位は中国の王詩玥(ワン・シーユエ)&柳鑫宇(リュー・シンユー)組。ステップ以外の要素は全てレベル4というそつのない演技を見せ、パーソナルベストを約1点更新しました。
 5位はフランスのマリー=ジャド・ローリオ&ロマン・ルギャック組。こちらもミスらしいミスなく演技をまとめて自己ベストを更新しました。
 そして6位は日本の村元哉中&クリス・リード組です。

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 序盤のツイズルで若干回転がずれる場面があり、レベルこそ4だったもののGOEではわずかに減点。しかしその後はステップ以外のエレメンツを全てレベル4と目立ったミスなくこなし、自己ベストを約1点上回る92.68点をマークしました。
 ショートではリード選手がガッツポーズを見せるなど達成感と満足感に満ち溢れていた二人。FDはそこまで大きなミスはなかったものの心から満足という表情ではなく、まだまだできる、もっと出せるという感情が滲み出ているように感じました。世界選手権も今大会もツイズルで細かなミスがありもったいないところでしたが、カップルとしての経験を積み重ねるにつれ演技中でもお互いにカバーできる部分も増えてくるでしょうから、結成3季目となる来シーズンは今季得た二人の技術やユニゾンをさらに進化させて、ぜひオリンピックの切符をつかんでほしいと思います。


 ということで、アイスダンスFDは以下のとおりの順位です。

《アイスダンスFD》

1位:ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組(カナダ)、12ポイント
2位:マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組(アメリカ)、11ポイント
3位:エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組(ロシア)、10ポイント
4位:王詩玥&柳鑫宇組(中国)、9ポイント
5位:マリー=ジャド・ローリオ&ロマン・ルギャック組(フランス)、8ポイント
6位:村元哉中&クリス・リード組(日本)、7ポイント




 男子フリー、アイスダンスフリーの記事は以上です。ショートも含めて振り返ってみると、男子はやはり日本の二人が圧倒的な強さを示しましたね。カナダやロシアが一人は上位に食い込んだけれどももう一人は下位に沈んでしまったという順位のバラつきがあったのと比べると、羽生選手のSP以外は日本は予想どおりの力を発揮できたのかなと思います。一方でアメリカもショート、フリーともに二人ともしっかり上位をキープしていて、オリンピックの団体戦を占う意味でもこの層の厚さは頼もしいなと感じました。
 アイスダンスはアメリカ、カナダ、ロシアのアイスダンス3国が下馬評どおりにトップスリーを独占。ですが、その中でもショートではアメリカのチョック&ベイツ組が1位、フリーではカナダのウィーバー&ポジェ組が1位という結果で、現時点ではアイスダンス界においては北米勢がロシアの先を行っているのかなという印象を受けましたね。
 さて、次の女子フリー&ペアフリーの記事がいよいよ16/17シーズンの最後のフィギュア大会関連記事となります。では。


:メダリスト3チームの集合写真はスケート情報サイト「icenetwork」から、羽生選手の写真、宇野選手の写真、チャン選手の写真、ブラウン選手の写真、村元&リード組の写真は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、チェン選手の写真、コリヤダ選手の写真は、アイスダンス情報サイト「ice-dance.com」から引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
世界国別対抗戦2017―日本、3大会ぶり2度目の優勝(女子SP&アイスダンスSD) 2017年4月24日
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世界国別対抗戦2017―日本、3大会ぶり2度目の優勝(女子フリー&ペアフリー)2017年4月29日 

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# by hitsujigusa | 2017-04-27 23:53 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 前記事に引き続き世界国別対抗戦(ワールド・チーム・トロフィー)2017の内容と感想をとりとめもなく綴っていきます。この記事では男子のショートプログラムとペアのショートプログラムについて書いていきます。なお、この大会のルールやシステムについては、こちらの記事をご参考下さい。

ISU World Team Trophy 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 まずは男子SPから。
 男子SPを制して1位となったのは日本の宇野昌磨選手です。

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 まずは新たな代名詞となった4フリップ、これを着氷でこらえながらも最小限のミスに抑えます。続く4トゥループ+3トゥループは、ファーストジャンプの着氷で若干詰まったためセカンドジャンプを2回転に。後半の3アクセルはパーフェクトな流れと着氷で満点となる加点3の高評価を獲得。スピン、ステップシークエンスはいつもどおりのレベル4に加え、加点も全て1点以上という安定ぶりを発揮。国際スケート連盟の公式記録では自身3度目の100点超えとなる103.53点でトップに立ちました。
 冒頭の4フリップこそ完全にきれいな着氷とはなりませんでしたが、それも含めていつもどおりの冷静で落ち着いた演技という印象でしたね。演技後は4+3を4+2にしたことについて、「逃げてしまった」と後悔と反省の言葉を口にしましたが、チーム戦ということを考えれば妥当な判断だったんじゃないかなと個人的には思います。ただ、宇野選手の常に攻める姿勢からすると本人にとっては許せないことなのでしょうし、世界選手権の銀メダリストとなっても以前と何ら変わらず、自分のスタンスを保っている姿には安心感というか頼もしさを覚えますね。


 2位に入ったのはアメリカチャンピオンのネイサン・チェン選手です。

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 足首を痛めている影響で最高難度の4ルッツは外した構成で臨み、まずは4フリップ+3トゥループ、これを完璧に決めて加点2を獲得。続く4トゥループは若干こらえ気味でしたが乱れなく成功。後半に組み込んだ苦手の3アクセルもクリーンに下り、スピン、ステップシークエンスも全てレベル4と、手堅く演技をまとめました。得点は99.28点で2位と好発進しました。
 とても足首を痛めているとは思えない猛烈なジャンプ構成でしたね。4ルッツを回避しているとはいえ相当に難度の高いプログラムであることは変わりませんし、持っている4回転の種類が多い分、いろんなバリエーションで戦えるのがチェン選手の強みだなと改めて感じさせられましたね。シニア1季目ということで世界選手権ではスケート靴の問題も含め、長いシーズンを送ってきたことによる難しさが表れてしまったという感じでしたが、このSPは本来のチェン選手らしい演技だったように思います。


 3位は世界選手権2017の銅メダリスト、中国の金博洋(ジン・ボーヤン)選手です。

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 冒頭は代名詞の大技4ルッツ+3トゥループから、少しフェンスに近づきすぎる着氷とはなりましたが乱れなくしっかり成功させます。中盤の3アクセルは珍しく着氷で若干バランスを崩しましたが、直後の4トゥループは問題なく決め、スピン、ステップシークエンスも全部レベル4と取りこぼしなし。得点は97.98点で3位につけました。
 シーズン序盤から終盤にかけて徐々に調子を上げ、確実に世界選手権にピークを合わせた金選手。今年の世界選手権は優勝候補だったハビエル・フェルナンデス選手のミス連発による棚からぼた餅的なところはありましたが、そうした運の良さも含め、2年連続で世界の表彰台に立つ実力は伊達じゃありません。このSPも変わらぬ安定感で、1つ1つのジャンプの綺麗さという点では宇野選手やチェン選手に劣る部分もあるのですが、大崩れしない安定感というのはシニア2季目を経験してさらに増したように思いますね。


 4位となったのはロシアチャンピオンのミハイル・コリヤダ選手です。

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 冒頭は得点源の4トゥループ+3トゥループ、これをきっちりと成功させて好調な滑り出しを見せます。続く得意の3アクセルは加点2の高評価。後半の3ルッツも危なげのない成功で、さらにステップシークエンス、スピンもレベル4を揃え、自己ベストとなる95.37点をマークしました。
 世界選手権に続き90点台をマークしたコリヤダ選手。まだトップ選手としての経験が浅いためか波がある部分もありますが、2大会連続で90点台というのを見ても、規模の大きな国際試合の場数を踏むことで確実に安定感が備わってきているなと感じます。ジャンプだけではなくスピン、ステップでもしっかりレベルを取って加点を稼げる総合力の高い選手なので、毎試合90点台を出せる実力者だと思いますし、来季は層の厚いロシアのエースとしてそれくらいの安定と活躍を期待したいですね。


 5位にはアメリカのジェイソン・ブラウン選手が入りました。

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 まずは得点源の3アクセルを確実に決めて1.86点の加点を得ます。続く3+3も微塵の乱れもなく成功。後半の3ルッツもクリーンに着氷させます。得意のスピン、ステップシークエンスも全てレベル4に加え、柔軟性を活かした個性的なポジションやどこを切り取っても美しい身のこなしでしっとりとしたプログラムの世界観を存分に表現し、笑顔でフィニッシュしました。得点は94.32点と先日の世界選手権でマークした自己ベストを約1点更新しました。
 全てのエレメンツで1点以上の加点という極めて完成度の高い演技を披露したブラウン選手。4回転を数種類組み込んでいる選手はどうしてもジャンプに集中しなければならない部分がありますが、ブラウン選手は確実に跳べるジャンプのみでプログラムを構成している分、ジャンプとジャンプ以外のエレメンツに対して同じだけの熱量を注ぎ込んでいる印象があり、あれだけの美しさに繋がっているのだろうと思います。


 6位はカナダのベテラン、パトリック・チャン選手です。

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 SPでは初めてとなる2種類の4回転という構成で挑んだチャン選手。まずは得意の4トゥループ+3トゥループを完璧に成功させて好スタート。続いてショートでは初チャレンジの4サルコウでしたが、パンクして3回転となります。さらに後半の3アクセルでは回転不足で転倒となり、得点は85.73点で6位にとどまりました。
 今季からフリーでの4回転2種類に挑戦し始めたチャン選手。その新技である4サルコウも徐々に安定してきたということで、今大会はショートでも4サルコウに挑んできましたが成功とはなりませんでした。ただ、今大会はチーム戦とはいえ失うものが何もない大会ですし、来季を見据える上で良いチャレンジだったのではないかと思います。4サルコウをいかに自分のものにするかは、オフシーズンでの強化にもかかってくるでしょうから、チャン選手がオリンピックで優勝争いをするためにはこの4サルコウと鬼門となっている3アクセルが鍵になってきそうですね。


 世界選手権2017金メダリスト、日本の羽生結弦選手は7位となりました。

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 冒頭は代名詞の4ループでしたが、回転がすっぽ抜けて1回転となったため規定違反により0点となります。続く4サルコウ+3トゥループはファーストジャンプの着氷で乱れコンビネーションにならず。後半の3アクセルは危なげなく決めましたが、序盤のジャンプミスによって83.51点と得点は伸びず、まさかの7位に沈みました。
 今シーズンの中でもワーストと言ってもいい演技となってしまいましたね。公式練習では絶好調そのものでパーソナルベスト更新に期待がかかる中での演技でしたが、責任感の強い羽生選手だからこそチーム戦ということで気合いが入りすぎてしまったのかもしれませんし、今季苦戦を強いられていたショートを最後こそは完璧に決めたいという強い意志が逆に空回りしてしまったような印象を受けました。これでショートは今季1度もノーミスがないという結果になり来季に向けて課題と不安を残しましたが、元々ショートが苦手ということはないので、今までもいろんな壁を乗り越えてきた羽生選手ですから、しっかり自分自身を分析してオフシーズンに課題をクリアするのではないかと思いますね。


 ということで、男子SPの順位は以下のようになりました。

《男子SP》

1位:宇野昌磨(日本)、12ポイント
2位:ネイサン・チェン(アメリカ)、11ポイント
3位:金博洋(中国)、10ポイント
4位:ミハイル・コリヤダ(ロシア)、9ポイント
5位:ジェイソン・ブラウン(アメリカ)、8ポイント
6位:パトリック・チャン(カナダ)、7ポイント
7位:羽生結弦(日本)、6ポイント
8位:シャフィク・ベセギエ(フランス)、5ポイント
9位:ケヴィン・エイモズ(フランス)、4ポイント
10位:李唐続(中国)、3ポイント
11位:マキシム・コフトゥン(ロシア)、2ポイント
12位:ケヴィン・レイノルズ(カナダ)、1ポイント




 ここからはペアのショートプログラムです。
 SP首位となったのはフランスのヴァネッサ・ジェームズ&モルガン・シプレ組。冒頭のツイストリフトは男性が女性をキャッチするところでわずかにミスがありレベル1にとどまりましたが、そのほかはレベル3、4を揃え、さらに多くのエレメンツで加点1以上を積み重ね、自己ベストとなる75.72点をマークしました。
 2位は中国の彭程(ペン・チェン)&金楊(ジン・ヤン)組。目立ったミス、取りこぼしなく、ほとんどのエレメンツで加点1以上という完成度の高い演技を披露し、自己ベストに近いスコアで2位につけました。
 3位はカナダのカーステン・ムーア=タワーズ&マイケル・マリナロ組。冒頭のツイストはレベル2となりましたが、その後のエレメンツは大きな乱れなく堅実にこなし、パーソナルベストに約1点と迫る得点をマークしました。
 4位に入ったのは世界選手権2017の銅メダリスト、ロシアのエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組。冒頭の3ツイストはレベル4に加え加点2.1点という極めて高い評価を得て好スタートを切りましたが、続く3トゥループは回転不足で転倒。続くスロー3ループでも乱れがあり、自己ベストから10点以上低い得点で4位にとどまりました。
 5位はアメリカのアシュリー・ケイン&ティモシー・ルデュク組。ツイストリフトではレベル1になった上にGOEでも大幅な減点となりましたが、その後のソロジャンプやスロージャンプでは最小限のミスにとどめて自己ベストに近い得点をマークしました。
 6位となったのは日本の須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組です。

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 冒頭の3ツイストは大きな乱れはなかったもののキャッチの場面で若干流れが滞ったためレベル2になりGOEでも減点対象に。続く3サルコウは須藤選手がダウングレード(大幅な回転不足)で転倒してしまいます。次のスロー3サルコウは着氷でこらえ、その後はクリーンにエレメンツをまとめましたが、54.84点とスコアを伸ばせませんでした。
 世界選手権ではパーソナルベストを更新したものの、SP17位でフリー進出にあと一歩届かなかった須藤&ブードロー=オデ組。そのリベンジとして期待された今回の演技でしたが、ミスが重なり本領発揮とはなりませんでした。今季から取り入れている3ツイストは徐々に安定感を増してきていてちょっとしたミスだったと思うのですが、ソロジャンプが大幅な回転不足で転倒となったのは痛かったですね。


 ペアSPの順位は以下の通りです。

《ペアSP》

1位:ヴァネッサ・ジェームズ&モルガン・シプレ組(フランス)、12ポイント
2位:彭程&金楊組(中国)、11ポイント
3位:カーステン・ムーア=タワーズ&マイケル・マリナロ組(カナダ)、10ポイント
4位:エフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組(ロシア)、9ポイント
5位:アシュリー・ケイン&ティモシー・ルデュク組(アメリカ)、8ポイント
6位:須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組(日本)、7ポイント




 さて、これで男子、女子、ペア、アイスダンス、全てのショートが終了しました。次の記事では男子フリーとアイスダンスフリーについて書いていきます。では。


:メダリスト3チームの集合写真はスケート情報サイト「icenetwork」から、宇野選手の写真、金選手の写真、羽生選手の写真、須藤&ブードロー=オデ組の写真は、マルチメディアサイト「Newscom」から、チェン選手の写真、コリヤダ選手の写真、ブラウン選手の写真、チャン選手の写真は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

【ブログ内関連記事】
世界国別対抗戦2017―日本、3大会ぶり2度目の優勝(女子SP&アイスダンスSD) 2017年4月24日
世界国別対抗戦2017―日本、3大会ぶり2度目の優勝(男子フリー&アイスダンスFD) 2017年4月27日
世界国別対抗戦2017―日本、3大会ぶり2度目の優勝(女子フリー&ペアフリー) 2017年4月29日

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# by hitsujigusa | 2017-04-26 17:36 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 シーズンの最後を締めくくる世界国別対抗戦(ワールド・チーム・トロフィー)2017が東京にて4月20日から23日にかけて行われました。世界国別対抗戦は国別のポイントランキングの上位6か国が出場し、男女シングル2名ずつ、ペア、アイスダンス1組ずつで構成された6チームが競う団体戦です。試合の内容を書く前に、この大会のシステムをおさらいしたいと思います。


◆出場国

カナダ(8437ポイント)、ロシア(7972ポイント)、アメリカ(7257ポイント)、日本(7068ポイント)、中国(5065ポイント)、フランス(4307ポイント)


◆順位の決定方法

 各種目のショートプログラム(ショートダンス)、フリーそれぞれの順位ごとにポイントが付与されます。1位の選手(組)には12ポイント、2位ならば11ポイントというふうに1ポイントずつ下がっていきます。そのポイントの最終的な合計によって順位を決定します。



 ということで、先に結果を言ってしまいますと(というか記事タイトルに書いていますが)、日本が2012年以来となる3大会ぶり2度目の優勝を果たしました。そして、僅差で2位はロシア、3位がアメリカ、4位がカナダ、5位が中国、6位がフランスとなっています。
 この記事ではまず女子のショートプログラムとアイスダンスのショートダンスの模様をお伝えしますが、このあとも各種目のショートからフリーへと順々に記事にしていきたいと思います。


ISU World Team Trophy 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 まずは女子のショートプログラムから。
 女子ショートで1位に立ったのは世界女王、ロシアのエフゲニア・メドベデワ選手です。

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 まずはスピンとステップシークエンスでしっかりレベル4&加点を取って好スタートを切ると、後半最初の3フリップ+3トゥループはファーストジャンプで片手、セカンドジャンプで両手を上げて完璧に着氷。続く3ループも問題なく下り、最後の2アクセルは珍しく少し軸が外れて着氷が詰まり気味になりましたが問題なく加点を稼ぎ、最後のスピン2つもレベル4といつもどおりそつのない演技を見せました。得点は自己ベストかつ世界歴代最高得点となる80.85点を叩き出し、キス&クライではチームの仲間とともに喜びを爆発させました。
 シーズン最後の疲労など全く感じさせないいつもどおりのパーフェクトな演技でしたね。80点を突破するのは時間の問題だったので、実際に80.85点という得点が出ても驚きはしませんでしたが、男子でも高得点と言われる80点台にとうとう到達したというのを目にすると、やはりここまで来たかと感慨を覚えました。それでも今回のショートは2アクセルでちょっとしたミスがあったので、まだ得点を伸ばせる余地があるという点では80点というのは全くゴールではなく、まだ通過点という感じですね。


 2位となったのは同じくロシアのエレーナ・ラディオノワ選手。

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 冒頭は得点源となる3ルッツからの2連続3回転でしたが、3ルッツの着氷で若干こらえ気味になったため単独にします。しかし後半の3ループに3トゥループを付けてしっかりリカバリー。最後の2アクセルもクリーンに跳び切り、軽快でコケティッシュなプログラムを演じ切りました。得点は自己ベストとなる72.21点で2位と好位置につけました。
 実戦は2月のユニバーシアード以来だったラディオノワ選手。試合間隔があいたことによる調整の難しさもあったでしょうが、ラディオノワ選手らしい躍動感と明るさ溢れる演技だったと思います。一方で、これだけレベルの高い選手が国内では破れて欧州選手権にも世界選手権にも出場できなかったということを思うと、改めてロシア女子の層の厚さを感じましたね。


 3位に入ったのは日本の三原舞依選手です。

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 冒頭は得意の3ルッツ+3トゥループ、これをクリーンに決めて1.1点の高い加点を獲得。続く2つのスピンをレベル4で揃えると、中盤の2アクセルは問題なく成功。終盤のスピンとステップシークエンスもきっちりレベル4でまとめ、そして最後は世界選手権でまさかのパンク&転倒となった3フリップでしたが、今度は完璧に跳び切り、笑顔のフィニッシュとなりました。得点は自己ベストを3点以上更新する72.10点で、世界選手権の悔しさを晴らしました。
 最後の3フリップは世界選手権での失敗があってさすがに嫌な記憶がよぎったと思うのですが、元々得意なジャンプでああいう形での失敗自体が珍しいことなので、今回の演技こそが本来の三原選手の姿で、練習どおりのジャンプが跳べたのではないかと思います。


 4位は世界選手権2017の銅メダリスト、カナダのガブリエル・デールマン選手。

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 まずは代名詞ともなっている3トゥループ+3トゥループ、これを驚異的なスピードと飛距離で成功させ、2.1点の極めて高い加点を獲得します。中盤の3ルッツは着氷でわずかにバランスを崩し減点。ですが、直後の2アクセルは危なげなく下り、スピン、ステップシークエンスも全てレベル4と、世界選手権メダリストの意地を見せつけました。得点は自己ベストに迫る71.74点で4位と好発進しました。
 3ルッツでは細かなミスがありましたが、今季のデールマン選手を象徴するような安定感のある演技でしたね。数週間前の世界選手権でメダルを取ったばかりだからこそ、今大会はカナダチームをリードする存在として期待される立場で変な失敗はできないというプレッシャーもあったと思うのですが、その期待をしっかりと自分のパワーに変えた素晴らしい内容だったと思います。


 5位は日本の樋口新葉選手です。

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 まずは得意の2アクセルを余裕たっぷりに成功させると、後半に組み込んだ大技3ルッツ+3トゥループもクリーンに着氷して加点1。次の3フリップは踏み切りのエッジが不正確と判定されたものの最終的には加点も得て、フィニッシュした樋口選手はガッツポーズで喜びを露わに。得点は71.41点とパーソナルベストを4点以上上回りました。
 今大会は公式練習で3アクセルの練習をしクリーンに着氷する姿も幾度か見せていて、好調さをうかがわせていた樋口選手。その練習のままの演技内容となりましたね。特に冒頭の2アクセルは3アクセルを練習しているだけあってほかの選手の2アクセルと比べても高さや幅、滞空時間など余裕を感じさせて、3アクセルへの期待も抱かせる迫力のある2アクセルでしたね。3+3はファーストジャンプで若干勢いが止まりかけ、3トゥループを付けるのをためらったとのことですが、諦めずに跳び切ったことが自己ベストに繋がったわけなので、こういった部分もシニアで戦ってきたことによる成長なのかなと思います。

 6位はアメリカのベテラン、アシュリー・ワグナー選手です。

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 まずは得点源となる3フリップ+3トゥループ、クリーンに着氷したかに見えましたが、セカンドジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)と判定されて細かな減点を受けます。しかしその後の3ループ、2アクセルはパーフェクトに下りて、ダンサブルなプログラムを最後までノリノリで滑り切りました。得点はシーズンベストの70.75点でしっかりと70点台に乗せました。
 今季はショートでなかなか70点台に乗せることができず、フラストレーションが溜まる試合が多かったのかなと思うのですが、プログラム自体はワグナー選手のリズム感の良さを活かしていてシーズン序盤から体に馴染んでいて、シーズン最後の今大会でもらしさを充分に発揮しましたね。技術面では3+3はワグナー選手本来の高さに欠けた印象で回転不足となりましたが、そのほかの安定感はさすがなので、若い10代の選手たちと同等に張り合うためにはやはり来季も3+3をいかに確実に跳ぶかが鍵になってきそうです。


 1位から6位は以上です。7位以下の選手も含めて、このような順位、獲得ポイントとなりました。


《女子SP》

1位:エフゲニア・メドベデワ(ロシア)、12ポイント
2位:エレーナ・ラディオノワ(ロシア)、11ポイント
3位:三原舞依(日本)、10ポイント
4位:ガブリエル・デールマン(カナダ)、9ポイント
5位:樋口新葉(日本)、8ポイント
6位:アシュリー・ワグナー(アメリカ)、7ポイント
7位:李香擬(中国)、6ポイント
8位:カレン・チェン(アメリカ)、5ポイント
9位:李子君(中国)、4ポイント
10位:アレーヌ・シャルトラン(カナダ)、3ポイント
11位:ロリーヌ・ルカヴェリエ(フランス):2ポイント
12位:マエ=ベレニス・メイテ(フランス):1ポイント




 続いてアイスダンスのショートダンスについてお伝えします。
 ショートダンスで1位となったのはアメリカのマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組。5つのエレメンツのうち4つでレベル4を獲得する会心の演技を披露し、79.05点と自己ベストを2点以上更新しました。
 2位はカナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組。5つのエレメンツのうち3つでレベル4と隙の無い演技で、こちらも自己ベストを2点以上上回りました。
 3位はロシアのエカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組。冒頭のツイズルでミスがありレベルが1になった上、GOEも減点となるなど取りこぼしが目立ち、自己ベストより7点以上低いスコアで3位にとどまりました。
 4位は中国の王詩玥(ワン・シーユエ)&柳鑫宇(リュー・シンユー)組。ツイズルやリフトでレベル4を獲得するミスらしいミスのない演技で自己ベストを2点以上更新しました。
 そして5位は日本の村元哉中&クリス・リード組です。

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 5つのエレメンツのうち3つをレベル4でまとめ、世界選手権でミスがあった課題のツイズルもクリーンに成功させる会心の出来で、フィニッシュではリード選手が力強いガッツポーズで手応えを示しました。得点はこちらも自己ベストを2点以上上回る63.77点をマークしました。
 世界選手権ではミスもあり予想以上に低い得点で悔しさを味わった村元&リード組。今回のSDはそのリベンジとして今のベストを出し切ったのではないかと思います。表現面でもカップル結成2季目の集大成として、軽快なプログラムをこの二人にしか出せない雰囲気、空気感で表現し切ってくれましたね。
 6位はフランスのマリー=ジャド・ローリオ&ロマン・ルギャック組。全体的にはそつなくエレメンツをこなしたものの、そこまで大きく加点を伸ばすことはできず、自己ベストにはわずかに及ばず6位にとどまりました。


 ということで、アイスダンスSDの順位は以下のようになりました。

《アイスダンスSD》

1位:マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組(アメリカ)、12ポイント
2位:ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組(カナダ)、11ポイント
3位:エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ組(ロシア):10ポイント
4位:王詩玥&柳鑫宇組(中国)、9ポイント
5位:村元哉中&クリス・リード組(日本)、8ポイント
6位:マリー=ジャド・ローリオ&ロマン・ルギャック組(フランス)、7ポイント




 さて、次の記事では男子SPとペアSPについて書きますので、しばしお待ちください。


:メダリスト3チームの集合写真はスケート情報サイト「icenetwork」から、メドベデワ選手の写真は、マルチメディアサイト「Newscom」から、ラディオノワ選手の写真、三原選手の写真、デールマン選手の写真、樋口選手の写真、ワグナー選手の写真、村元&リード組の写真は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

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# by hitsujigusa | 2017-04-24 20:49 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)