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 世界選手権2017、女子フリー&ペアの記事の後編です。前編はこちらのリンクからご覧ください。

ISU World Figure Skating Championships 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 女子の7位となったのはアメリカのベテラン、アシュリー・ワグナー選手です。

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 冒頭は得意な2アクセルを難なく成功させ、続いて得点源の3フリップ+3トゥループでしたが、ファーストジャンプの着氷でこらえ気味になりセカンドジャンプは1回転となります。次の2アクセル+2トゥループはクリーンに成功。後半最初は得点源となる3+1+3、確実に決めたいところでしたが最後のジャンプがアンダーローテーション(軽度の回転不足)と判定されます。続く3フリップも同じくアンダーローテーション。3ループはきれいに下りますが、最後の3ルッツは踏み切りのエッジエラーで減点となり、得点は124.50点でフリー10位、総合7位となりました。
 ショートはベテランらしい落ち着きで大きなミスなくまとめたワグナー選手ですが、フリーは鍵を握る3+3のパンクに加え、元々課題だった回転不足も複数あり得点を伸ばし切れませんでしたね。ショートからそうでしたが、今大会のワグナー選手のジャンプは全体的に余裕がなく、余裕がある時のジャンプは高い加点が付くのですが、今回は回り切っていたジャンプでもギリギリのものが多かったので加点を稼げなかったのもスコアを伸ばせなかった要因かなと思います。ただ、フリーの演技後のワグナー選手の放心したような表情は、かつて“The Almost Girl”と呼ばれた時の演技がうまくいかなかった際に見せていた表情とは違って、今回の経験も一つの通過点として潔く受け入れているという勇ましさに溢れていて、昨年メダルを取っているがゆえの余裕なのかなとも感じました。
 来季はいよいよオリンピック。26歳となるワグナー選手にとっては集大成のシーズンになるかもしれませんが、満足のいくシーズンになることを願っています。


 8位はロシアの新星マリア・ソツコワ選手です。

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 まずは得点源の3ルッツ+3トゥループ、これをクリーンに決め、さらに3フリップも完璧で1.2点の加点と上々のスタート。スピンとステップシークエンスを挟んだ後半、最初の3ループをしっかり着氷。続いて3フリップ+1ループ+3サルコウの難しい3連続ジャンプでしたが、ファーストジャンプが2回転となります。その動揺を引きずったのか直後の3ルッツはダウングレード(大幅な回転不足)で転倒。2アクセル+2トゥループは決めますが、最後の単独の2アクセルも乱れ、後半に精彩を欠く内容となりました。得点は122.44点でフリー11位、総合8位とショートから順位を落としました。
 スタミナ面が課題と言われていたソツコワ選手でしたが、その課題が如実に表れたフリー後半となってしまいましたね。また、体力面だけではなく、メンタル面でも一つの失敗の後にどう切り替えて立て直すかというのが今後の課題として残ったのかなと思います。ただ、シニア1年目ということを考えるとこれは当然のことですし、何も焦ったり深刻にとらえたりするものはないので、シニアデビューシーズンに世界の大舞台を経験できたということがオリンピック出場に向けて貴重な財産となったと思いますから、来季はさらに強くなったソツコワ選手を見られることを楽しみにしたいですね。


 11位となったのは日本の樋口新葉選手です。

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 冒頭は大技3ルッツ+3トゥループ、これをパーフェクトに決め1.1点の加点を獲得。続く3ループは着氷が若干乱れますが、最小限のミスにとどめます。次の3サルコウは美しい流れで跳び切りこちらも加点1.1の高評価を得ます。後半1発目は得意の2アクセルをさらりと成功。続いて2つ目の3ルッツ+3トゥループでしたが、力んだのかタイミングが狂い単独の2ルッツに。次の3+2+2もわずかに減点。そして最後の2アクセルに急遽3トゥループを付けてリカバリーしようとしましたが、スピードと跳び上がりが足りずダウングレードで転倒となってしまいます。フィニッシュした樋口選手は悔しそうな表情を浮かべました。得点は122.18点でフリー12位、総合11位で初めての世界選手権を終えました。
 今シーズンの樋口選手はジャンプのパンクが目立ちましたが、今回のフリーも力みから後半の3ルッツが2回転となり予定していた3+3にならなかったのが惜しかったですね。演技中でもいかに自身のメンタルをコントロールできるかが来季の躍進に向けてポイントとなってきそうです。ただ、その中でも最後の2アクセルに3トゥループを付けて1点でも多くの得点を稼ごうとする姿勢からは樋口選手の強い意志がうかがえて、非常に頼もしく感じました。樋口選手にとってシニアデビューの今シーズンは悔しい試合の方が多かったかもしれませんが、全ての経験が来季に繋がっていくと思いますし、シニアの雰囲気や感覚にも慣れたと思うので、シニア2年目となる来季こそ、樋口選手の笑顔がもっともっと増えることを祈っています。


 補欠からの繰り上がり出場となった本郷理華選手は16位となりました。

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 まずは得点源の3フリップ+3トゥループからでしたが、パンクして2フリップの単独となります。しかし続く3サルコウに2トゥループと2ループを付けてすぐにリカバリー。次の3ルッツも正確なエッジでクリーンに決めます。後半はこちらも重要な2アクセル+3トゥループでしたが、勢いが足りず3トゥループは回転不足で着氷でバランスを崩します。直後の3サルコウは危なげなく下りましたが、3フリップ+2トゥループは3フリップが回転不足。そして最後の2アクセルをとっさにより得点の高い3フリップに変更し挑みましたが、こちらも回転し切れずに転倒。ステップシークエンスやコレオシークエンスでは「リバーダンス」の軽快な世界観を元気いっぱいに演じましたが、107.28点でフリー18位、総合16位にとどまりました。
 練習の時からなかなかジャンプが噛み合わなかった本郷選手。それでもベストを尽くそうと笑顔を浮かべながら丁寧にステップをこなしたり、予定を変更してより難しいジャンプに挑戦したりと、最後の最後まで懸命さが伝わってくる滑りでした。今シーズンは足首の怪我もありそもそもコンディションが整わない中で、四大陸、今大会と直前に繰り上がりで出場しなければならない大会が2試合もあり、本当に難しいシチュエーションを強いられたと思います。ですが、こうした経験も決して無駄にはならないと思いますし、本郷選手ならばこの悔しさを糧にしてまた復活してくれると信じています。



 さて、ここからはペアの結果です。

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 優勝したのは中国の隋文静(スイ・ウェンジン)&韓聰(ハン・ツォン)組。まずSPは圧巻の演技で世界歴代2位となるハイスコアを叩き出して首位に立つと、フリーは序盤のソロジャンプで転倒があったものの、そのほかのエレメンツを全て加点1以上のクオリティーの高さで揃える完成度の高い演技でフリーも1位、トータルでも世界歴代2位の得点をマークし、完全優勝を果たしました。
 隋&韓組といえば5月に隋選手が両脚の外科手術を行い、本格的な氷上練習を始めたのは何と年明け以降という急ピッチでの仕上げでしたが、にもかかわらず四大陸選手権でさっそく優勝すると、この世界選手権も勢いのままに初のタイトルを奪取しました。手術から数か月でこのレベルというのが信じられないくらいなのですが、それだけこの大会に懸ける想いが強かったのでしょうし、オリンピック前に何が何でも世界チャンピオンになるんだというオリンピックへの決意の表れでもあったのかなと思います。中国ペアの世界制覇は2010年の龐清(パン・チン)&佟健(トン・ジャン)組以来実に7年ぶり。世界ジュニア選手権を3連覇するなど若い頃から(今も若いですが)世界のトップを争う存在として期待され続けてきたペアですが、2年連続の銀メダルというもう一息という期間を経てとうとう頂点まで到達。このペアの特徴としては男性が170cmとペア選手としては小柄で女性との身長差があまりないということもあり、日本のペアにとっても参考になる部分が多いペアなのではないかとも感じますね。
 オリンピックの前年に世界を制するというのは来季に向けて弾みをつけるという意味でも重要なことですから、この勢いを持って隋&韓組が来季どんなシーズンを送るのか楽しみにしたいと思います。世界選手権初優勝、おめでとうございました。

 2位に入ったのはドイツのアリオナ・サフチェンコ&ブリュノ・マッソ組。SPは大技のスロー3アクセルに挑戦し着氷で大きくバランスを崩しましたがミスらしいミスといえばそのくらいで、ほかをクリーンにまとめて自己ベストの2位につけます。フリーもスロー3アクセルに挑み、着氷で軽く片手が氷に触れたもののほぼ成功に近い形で決め、隋&韓組と0.37点差の2位、総合でも約1点差という超僅差で惜しくも2位となりました。
 何といっても特筆すべきはスロー3アクセルでしょう。シーズン前半のGPではプログラムに取り入れていましたがなかなか成功には至らず。今大会も加点が付く形での成功とはなりませんでしたが、フリーではあともう少しというクオリティーでまとめ、残念ながら金メダルにはわずかに届きませんでしたが、間違いなくオリンピックに繋がる演技になったのではないかと思います。サフチェンコ選手が平昌五輪に出場すれば実に5度目のオリンピックということになりますが、メダル、それも金メダルを取るということになればさらに凄い快挙ですから、ぜひ頑張ってほしいですね。

 3位はロシアのエフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ組。SPはステップシークエンスやリフトなど全ての要素をレベル4でまとめた上、加点の付く質を揃えてパーソナルベストに迫る得点で3位と好発進。フリーは冒頭の大技4ツイストで細かなミスと、終盤のリフトでもレベルが1になるミスがありましたが、そのほかは目立ったミスなく演じ切りフリー4位、総合3位で初表彰台となりました。
 今シーズンはGPファイナル、欧州選手権と主要なタイトルを制し満を持してヘルシンキに乗り込んだタラソワ&モロゾフ組。ショート、フリーともに減点が一つもなかった欧州選手権と比べると細かなミスがあったのは残念でしたが、大きく印象を損なうようなミスはなく今季継続してきた安定感を今回も発揮しましたね。この安定感が来季も続けば、オリンピックのメダルもぐっと近づくと思うので注目したいですね。

 日本の須藤澄玲&フランシス・ブードロー=オデ組はSP17位で惜しくもフリーに進出できませんでした。

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 SPは冒頭の3ツイストがレベル2にとどまった上、GOEでも減点されるミスがありましたが、その後はミスらしいミスなく演技をまとめ、自己ベストを3点以上更新。しかし17位となり、上位16組が進めるフリーには残念ながら届きませんでした。
 今季の須藤&ブードロー=オデ組は試合に出るたびにパーソナルベストを更新するような状態で、このショートもその目標はクリアできたのですが、惜しむらくはツイストのミスで、ツイストがクリーンに成功していればフリーに進めていた可能性もあるのでもったいなかったですね。ただ、滑るたびに安定感を増し、自信をつけていっているのも間違いないと思うので、今回の経験を来季に活かしてさらなる飛躍を期待したいですね。



 さて、これで世界選手権2017の女子とペアの記事は以上です。ここで今大会の順位によって決まった来年の平昌五輪の国別出場枠(世界選手権の枠を兼ねる)についてまとめたいと思います。


《女子》

3枠:カナダ、ロシア、アメリカ
2枠:日本、イタリア、カザフスタン、韓国

《ペア》

3枠:中国、ロシア、カナダ
2枠:ドイツ、イタリア、フランス、アメリカ



 枠取りの計算方法としては、3人出場している国は上位2人の順位の数字の合計が13以下であれば3枠、14~28であれば2枠、29以上であれば1枠となり、2人出場の国も全く同じ条件となります。1人しか出場していない国は、その1人の順位の数字が11以上だと1枠のまま、3~10だと2枠、2以下だと3枠に増えます。
 女子はフィギュア大国の3国が順当に3枠を獲得しましたが、ロシア、アメリカは別にして、カナダがここまで飛躍することを想像していた人は少ないんじゃないでしょうか。オズモンド、デールマン両選手とも今季は好成績を上げていましたから、3枠を取れる可能性は十分あるという見方は出来ましたが、2、3位という成績でここまで余裕で3枠に繋がるとは予想外でした。
 一方で日本は残念ながらトリノ、バンクーバー、ソチと3大会守ってきた3枠を守りきれませんでした。結果的に見ればやはりエースの宮原知子選手の欠場は痛く、精神的支柱という意味でも初出場の樋口、三原の両選手を引っ張る役目を期待されていたと思うので、そういった存在がいなくなり、シニア1季目の2人と、代役出場の本郷選手ににプレッシャーを背負わせる結果となってしまったのは日本チームの戦略的には失敗ということになりますね。ただ、その中でも3選手ともベストを尽くし、5位と11位で合計16と、3枠獲得までもう少しというところまで粘ってくれて、この経験が若い選手たちの財産になることを願いたいですね。
 そして、イタリア、カザフスタン、韓国はそれぞれ1人のみの出場でしたが、上位に食い込んで見事2枠を獲得しました。イタリアは元世界チャンピオンのコストナー選手を派遣したことで思惑通りとなりましたね。カザフスタン、韓国はエリザベート・トゥルシンバエワ、チェ・ダビン両選手とも年齢的に若く経験も浅い分、枠取りのプレッシャーに押しつぶされてしまうリスクもありましたが、2人ともパーソナルベスト更新という素晴らしい内容で2枠を引き寄せました。特に韓国は母国開催のオリンピックですし、若い選手が台頭してきて国内の競争も激しくなっていることを考えても、何が何でも2枠が欲しいところだったと思うのですが、その重圧を見事に跳ね返しましたね。
 ペアはペア大国の3国が無事に3枠を獲得。ただ、カナダは優勝候補に挙げられていたメーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード組が予想外の7位に沈んだことで、6位のリュボーフィ・イリュシェチキナ&ディラン・モスコヴィッチ組と合わせて13ポイントとなり、ギリギリの3枠獲得となりました。
 2枠を獲得した国々も特にサプライズはない順当さだと思いますが、意外だったのはアメリカ。全米チャンピオンのヘイヴン・デニー&ブランドン・フレイジャー組がまさかのミス連発でSP20位でフリー進出を逃したことで、2枠どころか1枠さえ危うい状況になりました。結果的にはフリーに進出したアレクサ・シメカ=クニーリム&クリス・クニーリム組が10位となり、2組の合計ポイントが28(フリーに進出できなかった選手や組は18ポイントで計算されます)という際どいところで2枠を何とかキープ。ある意味ドラマティックな枠取りとなりました。

 オリンピックの枠取りが懸かるということで特別な大会となった今年の世界選手権。女子全体を振り返ると、表彰台に上った3人はミスが少なく210点を超えましたが、4位の選手は200点に届かずという少し差が開いた結果に。昨年は1~5位までが210点台で、6、7位の選手も200点台だったことを考えると、今年はショートとフリーを揃えた選手が昨年より少なかったということが言えそうです。
 ペアは2連覇中のデュハメル&ラドフォード組が7位という波乱があり、勢力図の変化が如実に表れた形に。また、須藤&ブードロー=オデ組が61.70点という自己ベストにもかかわらずフリーに進出できず、昨年はフリー進出ラインとなるSP16位のペアで52点台だったことを思うと、ペアもレベルがどんどん高まっていることを感じさせられましたね。


 さて、次の記事では男子フリーとアイスダンスについて取り上げますので、もう少しお待ちください。


:女子メダリスト3選手のスリーショット写真、ワグナー選手の写真、ペアメダリスト3組の写真は、マルチメディアサイト「Newscom」から、ソツコワ選手の写真、須藤&ブードロー=オデ組の写真は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから、樋口選手の写真、本郷選手の写真は、デイリースポーツのニュースサイト内の写真特集記事から引用させていただきました。

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# by hitsujigusa | 2017-04-05 00:17 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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 ヘルシンキで行われた世界選手権2017。この記事では女子のフリーについてまとめていきます。なお、女子のショートプログラムについてはこちらをご覧ください。
 女子を2年連続で制したのはロシアのエフゲニア・メドベデワ選手。フリーとトータルの世界歴代最高を更新する会心の演技で2度目の栄冠をつかみました。そして、2位はカナダ女王のケイトリン・オズモンド選手、3位もカナダのガブリエル・デールマン選手とカナダ勢が続きました。
 一方、ペアは中国の隋文静(スイ・ウェンジン)&韓聰(ハン・ツォン)組が初優勝を果たしています。

ISU World Figure Skating Championships 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 金メダルを獲得したのはディフェンディング・チャンピオンのエフゲニア・メドベデワ選手です。

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 冒頭は大技3フリップ+3トゥループ、これを片手を上げて跳びショート同様に完璧に成功させると、続く3ルッツも片手を上げた空中姿勢で高い加点を獲得。中盤のステップシークエンスでは9人のジャッジのうち8人が最高の加点3を与えるという高評価。後半に入っても勢いは全く衰えず、3ループ、3フリップ、2アクセルからの3連続コンビネーションと相次いで成功。そして後半の鍵となる3サルコウ+3トゥループもパーフェクトに着氷。最後の2アクセルも難なくこなすと、ストーリー性豊かなプログラムを最後まで情熱的に演じ切りました。得点は154.40点と自身が持つ世界最高を塗り替え、トータルでも世界最高の233.41点をマークし、圧倒的な大差で2連覇を達成しました。
 メドベデワ選手が連覇するであろうという大会前の予想どおりの展開となったわけですが、多くの人々から予想されていること、つまり期待されていることをそのとおりに成し遂げることほど困難なことはありません。それがなぜメドベデワ選手にはあんなにもさらりといとも簡単にこなせてしまうのか。もちろん日々の練習、努力の賜物であることは間違いありませんが、たとえば10回中1回しか失敗しない選手がいるとして、その1回を練習でするか、本番でするかとでは全く違うもの。メドベデワ選手には試合での並々ならぬ集中力だったり、氷に乗っている時と乗っていない時のメンタルコントロールの違いだったり、完璧を求められるところで完璧を貫き通し、勝つべきところで勝つために必要な何かが備わっているような気がします。
 オリンピックまでは1年を切っていますが、メドベデワ選手がこのまま独走するのか、それを阻む選手が出てくるのか、それはまだわかりません。彼女自身も連覇を達成したからといって微塵も油断はしないでしょうし、来季はさらに自分自身を高めてくるのではないかと思います。今から来季が楽しみですね。世界選手権2連覇、おめでとうございました。


 銀メダルを手にしたのはカナダのベテラン、ケイトリン・オズモンド選手です。

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 まずは得点源の3フリップ+3トゥループを高い跳躍と大きな幅で跳び切って1.4点の加点を得ると、続く2アクセル+3トゥループはセカンドジャンプの着氷でわずかに乱れますがこらえて最小限のミスに抑えます。直後の3ルッツは問題なく下りて上々の前半とします。今季課題となっている後半、最初のジャンプは3ループでしたがパンクして2回転に。しかし次の3フリップはパーフェクトに成功させると、3サルコウ、2+2+2と次々クリーンに着氷。終盤のステップシークエンスではレベルこそ3でしたが、スピード感のあるエネルギッシュな滑りで観客を魅了。演技を終えたオズモンド選手は表情に達成感を漂わせました。得点は自己ベストの142.15点、トータル218.13点で2位となりました。
 フリーの特に後半で崩れるパターンが今季は多かったオズモンド選手。今大会も後半最初の3ループが失敗となっていつもの負のスパイラルに陥ってしまうのかという思いがよぎりましたが、全く引きずることなく演技を立て直しました。今シーズン経験してきた様々な失敗も、昨季までの怪我で苦しんだ日々も、全てがオズモンド選手の肥料となってこの日に繋がったのかなと思いますし、キス&クライでの溢れんばかりの笑顔からいろんな感情が伝わってきて見ているこちらも思わず感慨深くなりましたね。
 今シーズンをステップの1年として、オリンピックが控える来季はさらに飛躍し、オズモンド選手の笑顔が輝くことを願っています。


 3位となったのはこちらもカナダのガブリエル・デールマン選手です。

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 冒頭はショートで極めて高い評価を得た3トゥループ+3トゥループ、これをまたもや完璧に成功させてショートと同じく2.1点の加点を得ます。続く3ルッツ、3フリップも完璧に着氷。後半に入ってもジャンプを全て予定どおりに下り、最後の2アクセルのランディングが多少乱れたほかはミスらしいミスなく滑り切り、フィニッシュしたデールマン選手は歓喜を爆発させました。得点は自己ベストを一気に12点以上更新する141.33点でフリーも3位、総合3位で初めての銅メダルを手にしました。
 今シーズンはぐっと安定感が増して存在感を強めていたデールマン選手ですが、まさか一気に世界の表彰台にまで到達するとは素晴らしい演技を見せた四大陸の後でさえ予想もしませんでした。以前と何が変わったのか、きっかけとなるような出来事があったのかどうかはわかりませんが、何よりもコツコツと積み上げた成果がこの大舞台で結実したということなのでしょうね。
 トップスピードのまま跳び上がってその勢いを殺すことなく下りてくるデールマン選手のジャンプは、見ている方も胸がスッとするような痛快で気持ちの良いジャンプですし、年々磨かれているスケーティングから繰り出される演技面も明らかな成長を感じさせて、日本勢にとってはまた一人恐ろしい選手が覚醒してしまったなという感じですね。世界のメダリストとなったデールマン選手が来シーズンどんな姿を見せてくれるのか、今まで以上にプレッシャーがかかり真価が問われるシーズンになりそうですね。


 4位はアメリカのチャンピオン、カレン・チェン選手です。

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 まずは大技3ルッツ+3トゥループをしっかり回り切って下り1.2点の加点を獲得。続けて3フリップも成功させ最高の形でスタートを切ります。後半に5つのジャンプを固め、最初の2アクセル+1ループ+3サルコウを美しい流れで成功。3ループと3サルコウ+2トゥループもクリーンに下りて波に乗るかに見えましたが、続く3ルッツは回転不足で転倒します。最後の2アクセルも着氷が乱れますが、最後は柔軟性を活かしたしなやかなスパイラルを含むコレオシークエンス、回転速度と美しいポジションが特徴的なレイバックスピンで締めくくり、チェン選手は苦笑いを浮かべました。しかし得点は自己ベストを8点以上更新する129.31点をマークし、総合4位と初めての世界選手権で好成績を収めました。
 終盤でミスが重なってしまったのはもったいなかったですが、そのこともほとんど気にならないくらい演技全体の勢いや雰囲気の良さが印象に残りましたね。今季はショートもフリーもチェン選手の年齢からすると少し背伸びしているのかなという選曲でしたが、それが見事にピタリとハマり彼女の新たな魅力を引き出していて、プログラムの成功とも言えそうです。もちろんそれ以上にチェン選手自身のメンタル面の成長もうかがえて、全米女王として初めて臨んだ四大陸で12位に沈んでから短期間でまるで別人のように仕上げてきたのを見ると、四大陸での失敗があったからこそ一皮剥けて選手としても一段レベルを上げられたのかなと思います。
 アメリカの女子は本当に層が厚いのでチェン選手にとってもまだまだ難しい局面が続くでしょうが、この経験を活かして来季も頑張ってほしいですね。


 5位となったのは日本の新星、三原舞依選手です。

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 まずは得点源の3ルッツ+3トゥループ、これをいつもどおりの軽やかさで成功させて加点1.3を獲得すると、続く3フリップ、2アクセルも危なげなく着氷。後半に入るとますます勢いを増し、2アクセル+3トゥループ、3+2+2と重要なコンビネーションジャンプを相次いで成功。終盤の2つの3回転ジャンプもクリーンにまとめ、フィニッシュした三原選手はガッツポーズで喜びを表しました。得点はパーソナルベストの138.29点でフリー4位、総合5位とショートの15位から大幅に順位を上げました。
 SPは予想外のミスで思いがけず下位に沈んだ三原選手でしたが、元々練習は絶好調だったのでフリーは本来の姿がようやく見られたという感じでしたね。三原選手の今シーズンを振り返ると、まず9月のネーベルホルン杯での優勝から始まって、GPスケートアメリカでの3位、全日本での3位、そして四大陸では日本女子史上4人目の200点超えでの優勝と順調そのもののシーズンを送ってきました。最後にまさかの落とし穴があったわけですが、それさえも自分の力で跳ね除けてさらなる歓喜をつかんだのは素晴らしいとしか言いようがなく、シニア1年目でこの活躍は称賛しかないですね。
 オリンピック出場を目指す来季は今季以上に厳しい戦いを強いられるでしょうが、「滑れる幸せ」を感じながら演じた今回のフリーのように、自身の原点、初心を忘れず三原選手らしさを貫いてほしいなと思います。


 6位に入ったのは元世界女王、イタリアのカロリーナ・コストナー選手です。

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 最初のジャンプは得点源の3トゥループ+3トゥループでしたが、着氷で若干乱れて減点を受けます。続く3フリップ、3ループはクリーンに成功させすぐに立て直します。中盤のステップシークエンスは加点1.7点の高評価で勢いに乗って後半に向かいましたが、3ループからの連続ジャンプは1+2に、2アクセル+1ループ+3サルコウは最後のジャンプが2回転にとミスが重なります。その後は目立ったミスなく深遠な世界観のプログラムを演じ切り130.05点でフリー5位、トータル5位とショートから順位を上げました。
 ショートもフリーも大きくリズムを乱すというようなことはありませんでしたが、多少ブランクの影響もあったのか細かなジャンプのズレを完全には修正し切れなかったのかなという印象を受けます。ただ、ミスがある中でも演技構成点では9点台が普通に出る選手なので、来シーズンもやはり怖い存在だなと思います。今季は復帰戦となった12月のゴールデンスピンからしっかりとした練習の跡というのがうかがえましたし、復帰シーズンだからと焦ったり気負ったりする感じもなくほどよい余裕を漂わせた佇まいで、ベテランならではの強みを感じさせられました。来シーズンはどんなプログラムでどんな演技を見せてくれるのか楽しみにしたいと思います。



 さて、前編はここまで。残りの女子選手とペアについては後編に続きますので、しばらくお待ちください。


:女子メダリスト3選手のスリーショット写真はマルチメディアサイト「Newscom」から、それ以外の写真は全てスポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

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# by hitsujigusa | 2017-04-03 01:55 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)

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※2017年4月3日、羽生選手の演技について、一部記述を訂正しました。

 3月29日から始まった世界選手権2017。競技が順調に進捗していますが、この記事では男子のショートプログラムを取り上げます。
 1位に立ったのは世界選手権2連覇中のハビエル・フェルナンデス選手。パーソナルベスト更新&世界歴代2位の驚異的なハイスコアで3連覇に向けてこれ以上ない滑り出しとなりました。そして2位につけたのは日本の宇野昌磨選手。こちらも自己ベストを更新し世界歴代3位のスコアです。3位は元世界王者のパトリック・チャン選手でこちらもまた自己ベストを更新しています。

ISU World Figure Skating Championships 2017 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 圧巻の首位発進を果たしたのはスペインのハビエル・フェルナンデス選手です。

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 まずは4トゥループ+3トゥループから、これを完璧に決めて2.86点という極めて高い加点を得ると、続く4サルコウも非の打ちどころのないクリーンさでこちらも2.86の加点。後半の3アクセルも全く危なげなく満点となる加点3を獲得。スピン、ステップシークエンスも全てレベル4というパーフェクトな演技で、世界歴代2位となる109.05点を叩き出し1位となりました。
 とにもかくにも完全無欠としか言いようのない素晴らしい演技でしたね。ジャンプを始めとした技術点はもちろんですが、それ以上に2シーズン滑り込んでいる「マラゲーニャ」だからこその隅々まで計算された過不足のない動きや所作が本当に美しく、まさに芸術の域まで極めたプログラムになったと思います。そして改めて感じたのはこの大舞台にきっちり最高の状態を持ってこられるフェルナンデス選手の強さ。やはり昨年、一昨年と優勝しているという成功体験が圧倒的な自信と余裕に繋がっていて、彼のメンタルを乱すものは何もないという感じがします。フリーもこの調子でやってのけてしまうのではないかと感じますし、今までどおりにやれば大丈夫という自分自身に対する信頼感がフェルナンデス選手の姿からヒシヒシと伝わってきますね。


 2位となったのは全日本王者の宇野昌磨選手です。

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 冒頭は代名詞の4フリップを着氷でこらえながらも大きなミスにはせずきっちり加点も稼ぎます。続く4トゥループ+3トゥループはクリーンに成功。後半の3アクセルも難しい入り方とランディングでパーフェクトにこなして2.29点の加点。スピン、ステップシークエンスも取りこぼしなく丁寧に実施し、フィニッシュした宇野選手は力強く拳を天に突き上げました。得点はパーソナルベストを4点以上更新する104.86点で2位と好発進しました。
 ジャンプに関してはわずかにこらえる場面があり決して非の打ちどころのない出来ではなかったのですが、転倒やパンクといった大きなミスにはしない安定感というのはさすがでしたね。さらに際立っていたのは表現面で、音楽の緩急に合わせた滑りのメリハリだったり、音一つ一つにピッタリと合った動きというのが随所に見られて、宇野選手といえばとかく最近はジャンプが注目されがちですが、それ以上にこの1年での表現面での成長、進化を強く感じました。
 昨年は涙に暮れたフリー。今シーズンは満面の笑みで終われることを心から祈っています。


 3位にはカナダのベテラン、パトリック・チャン選手が入りました。

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 冒頭は得点源となる4トゥループ+3トゥループ、これを無駄な力なくスムーズに跳び切って加点2.43の高評価。続く苦手の3アクセルも問題なく決めて2点の加点と最高の前半にします。そして後半は得意の3ルッツを難なく成功。終盤のスピン1つではチャン選手にしては珍しくレベル4を取り逃しましたが、全体的にはほぼノーミスでまとめ、安堵したように穏やかに破顔しました。得点は自己ベストとなる102.13点で3位と好位置につけました。
 最初から最後まで途切れることのない優雅なスケーティングと洗練された動き、音楽との一体感がいかんなく発揮されたチャン選手らしい演技でしたね。かつて世界選手権を3連覇したチャン選手といえども、ほんの少しのミスでも優勝争いどころかメダル争いから脱落しかねないという現状の中で、そうしたギラギラと燃えたぎるような熾烈な競争というのを忘れさせるようなアーティスティックなプログラムであり演技だったと思います。フリーは4回転の種類や数の少ないチャン選手にとってはショート以上に厳しい戦いとなりますが、チャン選手にしかできない演技を楽しみにしています。


 4位となったのは昨年の銅メダリスト、中国の金博洋(ジン・ボーヤン)選手です。

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 冒頭は代名詞となっている4ルッツ+3トゥループの連続ジャンプ、これを回り切った上で綺麗に着氷して加点2を得ます。スピンを挟んで中盤の3アクセルも問題なし。直後の4トゥループもクリーンに下りると、最後は「スパイダーマン」のアップテンポなリズムに乗せた躍動感たっぷりのステップで観客を大いに沸かせました。得点は自己ベストをわずかに更新し98.64点で4位となりました。
 シーズン序盤は昨季と比べると得意のジャンプに安定感を欠き、バラつきが多かった金選手ですが、シーズンが進むにつれて徐々に調子を取り戻ししっかりとこの大会にピークを合わせてきましたね。今季はジャンプを成功させても出来栄えの面で綺麗ではないジャンプが目立っていたのですが、このSPのジャンプは全て申し分ない出来で、ようやく昨季のイケイケだった時の金選手の姿に戻ったなという感じがしました。昨年はSP5位からフリー3位と追い上げての銅メダルでしたから、今年もほぼ同じ状況ということでフリーは思い切った演技ができるのではないでしょうか。


 5位は昨年の銀メダリスト、日本の羽生結弦選手です。

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 冒頭は大技4ループを完璧な回転と流れで着氷し2.43点の加点。続いて4サルコウからのコンビネーションでしたが、4サルコウの着氷で片膝をつくミス。急遽2トゥループをつけてリカバリーしたものの、膝をついたことによって2トゥループは認められず単独ジャンプの扱いとなります。後半の3アクセルはいつもどおりの安定感で難なく跳び切り、ステップシークエンス、スピンも全てレベル4を揃えましたが、フィニッシュした羽生選手は顔をしかめました。得点は規定となっているコンビネーションジャンプが入らなかったことに加え、演技開始が遅れたことによる減点1もあり、98.39点と伸び切らず5位にとどまりました。
 4ループがあまりにも完璧だった分、4サルコウのミスが残念で惜しまれます。4サルコウ自体は軸も真っすぐでそんなに悪くなかったように思うのですが、微妙に体重の乗っかるところが後ろに偏ったためバランスを崩してしまいましたね。また、演技開始の遅れという珍しいミスに関しては、グループの1番滑走だった羽生選手には名前をコールされてから1分の準備時間が与えられていたわけですが、羽生選手はグループの最初に滑るということがあまりないので、1分という時間をギリギリまで使おうとして余裕を持ちすぎてしまったのかなと想像します。(以前はグループの1番滑走者は1分の準備時間がありましたが、現在は全ての選手が30秒となっています。)
 フリーでの逆転優勝ということを考えると、トップまで約10点という点差は大技の多いジャンプ構成を鑑みると逆転可能な点差と言いたいところですが、追いかける相手がフェルナンデス選手ですから彼がミスを連発するというのは想像しにくいので、さまざまな条件が重ならないとひっくり返すのは難しいのではないかと思います。ただ、追いかける立場になった時の羽生選手の強さは誰もが知るところですので、一体どんな爆発的な演技を見せてくれるのか期待したいですね。


 6位は全米王者のネイサン・チェン選手です。

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 冒頭の大技4ルッツ+3トゥループはファーストジャンプの着氷で若干こらえながらもうまくセカンドジャンプに繋げてクリーンな成功とします。続く4フリップも着氷で踏ん張ってノーミス。後半に入り課題の3アクセルは回転は十分だったものの着氷でこらえきれず転倒。スピンやステップシークエンスも多少取りこぼしがあり、97.33点での6位となりました。
 今季は怖いもの知らずの無敵さで突き進んできたチェン選手ですが、世界選手権というのはやはり今までの大会とは雰囲気が違ったのか、演技冒頭から動きに硬さが目立ちましたね。元々苦手な3アクセルも最近は安定感が増していたのですが、今回は練習からミスが多かったとのことで力んでしまったのかもしれません。しかしチェン選手は世界最高レベルの高難度プログラムを用意していますから、まだまだ表彰台までは挽回可能。ショートからの気持ちの切り替えが鍵になってきそうですね。


 7位はロシアチャンピオンのミハイル・コリヤダ選手です。

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 まずは得点源の4トゥループ+3トゥループ、これをクリーンに下りると、続く3アクセルもきっちりと成功させます。後半の3ルッツも全く問題なく、スピンは全てレベル4とジャンプ以外もコンスタントにまとめ、自己ベストを3点上回る93.28点で7位に入りました。
 最終グループの前の第5グループの1番滑走として登場したコリヤダ選手。彼がノーミスの演技を披露したことでその後のノーミス連発の流れが作り出されたような気がしますね。ジャンプが安定していたことはもちろんですが、そのほかのスピンやステップでもおおむね高いGOE加点がついていて、ジャンプ以外のエレメンツでも点を稼げるのがコリヤダ選手の武器ですね。


 8位はアメリカの実力者ジェイソン・ブラウン選手。

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 上位に入った選手の中では唯一4回転を組み込まず臨んだブラウン選手。まずは得点源の3アクセルをパーフェクトに決めて加点2を獲得します。さらに3フリップ+3トゥループもクリーンに成功。後半の3ルッツも難なく下り、ステップシークエンス、スピンでは全てレベル4で揃え、さらに全て加点1以上というクオリティーの高さを見せつけ、これまでのパーソナルベストを一気に6点以上も更新する93.10点で8位と好位置につけました。
 最終グループの最終滑走者として演技に臨んだブラウン選手。直前に滑った選手たちが皆4回転をバンバン跳んでみせる中、4回転を1本も跳ばずに観客を自分のプログラムの世界に引き込み、90点超えというハイスコアを叩き出した彼もまた、ある意味で異次元さを示しました。4回転が全てではないというのを改めて強く印象づける演技でしたが、一方でジャンプ、スピン、フットワーク、つなぎなど全ての面において高い質を誇るブラウン選手だからこそ、4回転なしでも4回転ジャンパーだらけの猛者たちと同レベルで戦えるのだということも感じさせられましたね。フリーでは4回転に挑むのか挑まないのかはわかりませんが、どちらにしてもこのショート同様、ブラウン選手にしか表現できない世界を見せてほしいと思います。


 日本の田中刑事選手は22位となりました。

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 冒頭は大技の4サルコウからでしたが、わずかに回転が足りず転倒してしまいます。続く3アクセルは確実に成功。レベル4のスピンを2つ挟んだ後半、3+3はセカンドジャンプの着氷でバランスを崩します。2つのジャンプミスが響き、得点は73.45点で22位と出遅れました。
 練習では好調だったという田中選手ですが、演技が始まった瞬間に緊張が襲ってきたとのことで独特の雰囲気に飲まれてしまったのかなと思いますね。上位24名によるフリー進出もギリギリという順位となってしまいましたが、フリー次第でまだまだ順位を上げられますから、フリーは田中選手らしい躍動感あふれる滑りでショートの悔しさを晴らしてほしいと思います。



 さて、男子SPの記事は以上です。それにしても90点以上が9人、100点以上が3人という信じられないようなハイレベルな争いになりましたね。予想されていたことではありますが、実際にその数字を目の前にすると愕然とします。一体フリーでは200点超えが何人、さらにはトータル300点超えが何人になるのか、想像するとちょっと怖くさえなります。男子フリーは4月1日、日本時間の16:50からです。


:男子SP上位3選手のスリーショット写真は、スケート情報サイト「icenetwork」の公式インスタグラムから、フェルナンデス選手の写真、金選手の写真、コリヤダ選手の写真、ブラウン選手の写真、田中選手の写真は、マルチメディアサイト「Newscom」から、宇野選手の写真、チャン選手の写真、羽生選手の写真、チェン選手の写真は、スポーツ情報サイト「スポーツナビ」のフィギュアスケートページから引用させていただきました。

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# by hitsujigusa | 2017-03-31 17:12 | フィギュアスケート(大会関連) | Trackback | Comments(0)