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フィギュアスケーター衣装コレクション①―アシュリー・ワグナー編

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12/13シーズンの主な大会が終わってしばらく経ち、各スケーターたちの来シーズンに向けた動きが風の噂で聞こえてくるようになりました。
プログラム作りのことなど気になるニュースもいろいろありますが……。
それはとりあえず置いといて。
フィギュアスケート選手のいろんな衣装を振り返ってみようという、非常に個人的趣味満載の記事でございます。

私hitsujigusaがフィギュアを見始めたのはたった数年前、フィギュアブーム初期。
きっかけは単純なもので、安藤美姫選手や浅田真央選手といった世界レベルの新星が次々と現れ、荒川静香選手がトリノ五輪で金メダルを獲得したこと。
こんなすごい世界があるのか!と驚き、感動し、見事にハマっていってしまいました。
その一方で、技やプログラム同様に惹かれたのが衣装。
今でも毎年、どんな衣装で滑るのだろうと新シーズンの訪れを待ち焦がれてしまいます。
各プログラムの世界観に合わせ作られる各選手の衣装は、それぞれオリジナリティにあふれていますが、その中でもその選手の衣装に共通している特徴だったり、個性だったりが見られるような気がします。(あくまでも気がするだけですが)
記事を通して、そういったものを探れたらいいなとも思います。

というわけで、あまり深く考えず……
早速始めます。

第1回はアシュリー・ワグナー選手(Ashley Wagner)編です。


いまやフィギュア大国アメリカのエースとして貫録さえ感じられるワグナー選手ですが、1、2年ほど前までは「the almost girl」=「もうちょっとの女の子」(だっけ?)と呼ばれるような選手でした。
たしかに過去の成績を振り返ると、惜しい!という印象があります。
グランプリシリーズではシニアデビュー以来、毎シーズン2大会に出場し、6位以下になったことは一度もありません。
その一方、グランプリ最高位は2位で、しかも一度だけ。それ以外は3位や4位というのが目立っていて、成績的に言えば極端に落ちることもないけど、ものすごく良いというわけでもない。だから「もうちょっと」だったんですね。
しかし、11/12シーズン、全米女王になって以降は金メダルや銀メダルが増え、人ってこんなに変わるものなんだなーと、彼女には驚かされっぱなしです。

というように、かつては惜しさが目立ったワグナー選手ですが、そんな中私にとって彼女は、「衣装が素敵だなー」と衣装の可愛さが印象に残る選手でした。

最も古く印象に残ってるのはこちらの2つ。
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どちらも08/09シーズンのものです。
上がSPの「ある日どこかで」、下がフリーの「スパルタクス」。
穏やかで優しい曲調のSPは淡いピンクの衣装、壮大なバレエ音楽であるフリーはブロンズ色の衣装で、曲の世界観に合った色だと思います。
衣装の形としては、SPはわりとシンプルなワンピース型で、肩のあたりのヒラヒラの部分が優雅なドレス的なイメージを作り出しています。フリーはワンピースというよりリボンのような布が身体に巻きついている感じで、肌色の部分が多め。「スパルタクス」は古代ローマ時代が舞台のバレエだそうですが、その時代の服装って服というよりはシンプルに布を身体に巻きつけてる、というイメージが強いので、そのイメージを上手く再現した衣装だなと思います。布のまわりの刺繍?も、唐草模様っぽくてエキゾチックな雰囲気を醸し出していますね。

次はこちら。09/10シーズンのSP「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の衣装。
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ヴァイオリンの独特な旋律が印象的なプログラムなのですが、緊張感があると言ったらいいのか、硬質な感じ、ひんやりとしたガラスのようなシャープさが感じられるプログラムです。
衣装の落ち着いた色合いのブルーはその硬質さにぴったり合っていますし、また、雪の結晶のようなシルバーの刺繍も、曲調のクールさを表現した良いデザインだなと感じます。

そして、同じく09/10シーズンのフリー「だったん人の踊り」。これは私が特に、「あっ!これ好き!」と思った衣装です。
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「だったん人の踊り」はロシアを舞台にしたオペラ「イーゴリ公」の中の一曲ですが、異国情緒あふれるスラブらしい旋律が印象的。
衣装も、小さな花と蔓が絡み合うような刺繍が胸から肩にかけてあしらわれていて、それが「スパルタクス」の時の唐草模様のように異国的な雰囲気を作り出しているんじゃないかなと思います。
また、この写真ではわかりにくいんですが、頭に衣装の刺繍のような花冠風の髪飾りを付けていて、衣装だけではない全身コーディネートの徹底ぶりを感じられますね。

こちらは10/11シーズンのフリー「マラゲーニャ」の衣装。
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「マラゲーニャ」はスペイン風の曲ですが、衣装に金色の、これまた唐草模様っぽい刺繍があしらわれていて、ここらへんがスペインっぽさかなと感じます。
なぜ金色の唐草模様だとスペインっぽく感じられるんでしょう? って、これはもしかしたら私だけの印象なのかもしれませんが。でも、同じ「マラゲーニャ」の無良崇人選手の衣装とか、スパニッシュな雰囲気漂う映画『マスク・オブ・ゾロ』の音楽を使った村上佳菜子選手の衣装とか、スペイン風(もしくはラテン)な曲の衣装で部分的に金色を使うというのはよくある気がします。やはりスパニッシュなイメージに合ってるから使われるんでしょうが、なぜそういうイメージがあるんでしょうね。あ、あと、小塚崇彦選手の「序奏とロンド・カプリチオーソ」の衣装も思い出しました。この曲もスペイン風ですね。

次はこちらの2つ。ワグナー選手がブレイクを果たした11/12シーズンの衣装です。
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上がSP「ポロック 2人だけのアトリエ」、下がフリー「ブラック・スワン」です。
SPもフリーも映画音楽を使っていますが、フリーは映画(もしくは映画のモチーフとなっているバレエ)の内容を反映したようなプログラム、主人公のバレリーナをワグナー選手が演じるようなプログラムとなっているように感じます。一方SPは映画の内容をというよりは、音楽のみを使用している感じかなと思います。
そういう目で見ると、衣装もSPは赤いシンプルなワンピースで曲の明るさ、リズミカルさを表現し、フリーは「ブラック・スワン」なのでもちろん黒、ワンショルダーの部分は葉が連なったようなデザインですが、羽が連なった翼のように見えないこともないですね。ワグナー選手=バレリーナという印象を衣装によって強めていて、よく考えられたコスチュームだなと感じます。

最後は今シーズンのフリー「サムソンとデリラ」。
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この曲もエキゾチックなイメージの曲ですが、お腹のあたりのデザインはアラベスクに似た細かい模様になっていて、プログラムの世界観と合っているように思います。

こうして見ると、ワグナー選手のフリーはエキゾチック系が多いですね。「スパルタクス」「だったん人の踊り」「マラゲーニャ」「サムソンとデリラ」。そして、それに合わせて唐草模様やアラベスクといったモチーフ、デザインを多用することで、とてもシンボリックで印象的な衣装になっているような気がします。
それと比較すると、SPはシンプル系が多めでしょうか。ここに載せていない衣装を含めても、フリーほど細かいデザインを取り入れていないシンプルなものが目立ちます。

プログラムに合わせ、曲調・曲想に合わせ、よく考えられた衣装を見せてくれるワグナー選手。
来シーズン、彼女がどんなプログラムを滑るのか、そしてどんな衣装をまとうのか、今からワクワクドキドキ、楽しみが募ります。

と、ここまで自由にああでもないこうでもないと書き連ねましたが……
今回、フィギュアスケーター衣装コレクション①ということで、できたら②も、こんな感じで書きたいと思います。では。


:記事内の写真についてですが、冒頭のポートレート写真、「ある日どこかで」「スパルタクス」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「だったん人の踊り」「ブラック・スワン」の衣装の写真は、アシュリー・ワグナー選手のオフィシャルウェブサイト「Ashley Wagner Online」から、「マラゲーニャ」「ポロック 2人だけのアトリエ」の衣装の写真は朝日新聞のニュースサイト「朝日新聞デジタル」から、「サムソンとデリラ」の衣装の写真は、国際スケート連盟のフィギュアスケートに関するFacebookページ「ISU Figure Skating」から引用させていただきました。


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by hitsujigusa | 2013-05-27 16:53 | フィギュアスケート(衣装関連)