各選手の14/15シーズンの新プログラムについて・その④

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 前回書いた、その③からだいぶ時間が経ってしまいましたが、その間に発表された新プログラムや、これまでの記事では言及しなかった新プログラムについて、この記事では書いていきたいと思います。


 冒頭の写真はジェレミー・アボット選手ですが、まずは日本選手の新プログラム情報についてまとめます。
 一人目は今井遥選手。SPは「マラゲーニャ」、フリーはバレエ「ジゼル」とのこと。
 「マラゲーニャ」は無良崇人選手が2シーズン前のSPに使用していましたね。スパニッシュで勇ましい感じのする曲ですが、最近の今井選手には珍しい選曲です。以前、バレエ『ドン・キホーテ』の中の一曲「ジプシー・ダンス」を滑ったことがありましたが、それ以来のラテン系です。男性的な力強さのある音楽を、今井選手がどう表現するのか楽しみですね。
 「ジゼル」は中野友加里さんや安藤美姫さん、韓国の金妍兒(キム・ヨナ)さんが使用したことがあり、とても女性らしい、ある意味バレエらしいバレエといえる作品です。女性的な柔らかさ、優雅さを持った今井選手にピッタリな音楽だと思いますね。


 スケートカナダでGPシリーズデビュー予定の本郷理華選手は、SPがバレエ「海賊」、フリーが「カルメン」だそうです。「海賊」は頻繁にというほどではないですが、しばしば使用されるバレエ音楽ですね。「カルメン」は王道中の王道。華やかでエネルギッシュな演技が特徴的な本郷選手なら、魅力的な“カルメン”を演じてくれるでしょうね。
 そんな本郷選手は既に、今季の初戦を終えていて、台湾の台北で8月に行われたアジアンオープントロフィーで優勝しています。今後は、フィンランディア杯、スケートカナダと国際大会の出場が続いていきます。


 同じく今シーズン、本格的なシニアデビューを迎える加藤利緒菜選手は、SPが「花の二重唱 歌劇『ラクメ』より」、フリーはラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」。SPは昨季に引き続きの使用。「花の二重唱」はいろんなメディアでBGMなどとして使われることも多く、華麗でしっとりとした曲想が印象的な音楽ですね。ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」は「ピアノ協奏曲第2番」ほどではありませんが、たびたびフィギュア界でも使用されています。「第2番」とはまた一味違った難しさがあるのではないかと思います。なかなか挑戦的な選曲と言えますね。
 加藤選手も本郷選手同様、シーズン初戦、そして2戦目を消化しています。初戦のアジアンオープントロフィーは本郷選手に次ぐ2位、2戦目は9月中旬にアメリカで行われたUSシニアインターナショナルで、こちらでは3位と、2大会とも表彰台に上っています。シニアデビューの年、良い滑り出しですね。


 一方、NHK杯に出場予定の村上大介選手は、SPが「映画『風とライオン』より」、フリーがラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」です。SPは映画音楽ですね。この映画を見たことがないのでどういう音楽かといったことは言えないのですが、映画は歴史映画でアラブの世界を描いたものなので、そんな雰囲気のプログラムになるんでしょうか。フリーは正統派の「ピアノ協奏曲第2番」。昨シーズンの浅田真央選手の演技もまだ強烈に記憶に残っていますし、そのほかにも有名なスケーターが多く滑っている曲なので、そのあまりにも有名な曲をどう表現するか、どう個性を出していくかという点に注目ですね。


 また、その①で新プログラム情報をお伝えした無良崇人選手ですが、その際はショートプログラムがメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」と発表されていましたが、その後、新たに「カルメン」がショートに追加されました。今のところ(9月25日時点)国際スケート連盟のプロフィールでは、「ヴァイオリン協奏曲」と「カルメン」の両方がSPとして列記されています。実際にどちらを使用していくのかは分かりませんが、「カルメン」も無良選手に合いそうですし、楽しみですね。


 さて、日本選手の新プログラム情報は以上です。続いては海外選手について。
 アメリカのジェレミー・アボット選手は、SPがイギリスのシンガー、サム・スミスの「Lay Me Down」、フリーが「弦楽のためのアダージョ」になるようです。
 SPに関しては、ダンスミュージックデュオのディスクロージャーの曲で、同じくサム・スミスがフィーチャリングされている「Latch」を使用すると当初は発表されていたのですが、後に「Lay Me Down」に変更されたみたいですね。アボット選手はこの曲について、「歌詞は悲しいが、幸せな気分になれる」と話しています。そのままボーカル入りを使うんですかね。また、アボット選手の新たな面が見られるかもしれません。
 フリーの「弦楽のためのアダージョ」は悲しく重厚な旋律が印象的ですが、アボット選手はやはりこういった壮大さのある音楽はうまく表現できるスケーターだと思うので、良いプログラムになるんじゃないかという予感がしますね。


 カナダのエース、ケイトリン・オズモンド選手は、SPに「ラ・ヴィ・アン・ローズ」、フリーに「ダンサリン/オブリヴィオン/タンゲーラ」を使用するとのこと。

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 SPはフィギュア界でもおなじみのシャンソン。アレンジがどういったものなのかは分かりませんが、これまでのオズモンド選手のイメージとはまた違った選曲ですね。力強い女性というよりは、艶のある大人の女性のイメージです。
 フリーはタンゴメドレー。今までもラテン系のプログラムは多くあったので既視感も覚えますが、厳密に言えば“タンゴ”というのは初めてなので、新鮮味のあるプログラムを期待したいと思います。
 ただ、残念なことに9月11日、オズモンド選手は練習中にほかの選手と接触して転倒、右脚の腓骨を骨折し手術するというアクシデントに見舞われました。6週間の安静を必要とするため、グランプリシリーズは欠場することになります。新プログラムのお披露目が遅れるのも残念ですが、何よりも怪我が重傷ですし、完治までにある程度時間がかかるものなので心配ですね。焦らずゆっくりと怪我を治して、またあの素敵な笑顔を氷上で見せてほしいと思います。


 チェコの実力者、ミハル・ブレジナ選手はSPが「テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』より」、フリーが「フィガロの結婚」だそうです。
 ショートはアメリカのテレビドラマのサントラを使用するようですが、このドラマはファンタジー小説を原作としているので、ブレジナ選手のプログラムもドラマのイメージを用いた感じになるのかもしれませんね。ただ、チェロアレンジとのことなので、いかにもファンタジックというのではなくて、シックな雰囲気になるのでしょうか。
 フリーはモーツァルトのオペラ。誰もが知る有名な作品ですが、そのわりにはフィギュアスケートでの使用はさほどないような気がします。最近のブレジナ選手は映画音楽が多かったので、こういった正統派のクラシックというのは久しぶりですね。壮麗で華美な音楽とブレジナ選手とのコラボレーション、新鮮な楽しみがあります。


 こちらもすでにベテラン感の出てきたフランスのフローラン・アモディオ選手。SPは「映画『オーケストラ!』より」、フリーは「映画『ブラッド・ダイヤモンド』より/映画『ライオン・キング』より」
 ショートはフランス映画のサントラを使ったプログラム。タイトルのとおり、オーケストラをテーマにした映画なので、音楽もクラシカルな雰囲気が濃いものになるのかなと想像します。
 フリーはふたつの映画のサントラを組み合わせたもの。はたして『ブラッド・ダイヤモンド』と『ライオン・キング』との組み合わせで、どんなイメージのプログラムになるのか、モチーフはどういった感じなのか、あまり想像がつきませんね。いつも斬新で独創的なプログラムを見せてくれるアモディオ選手なので、今季も楽しみにしています。


 その④はこれで終わりです。次のその⑤では主にロシアの選手について取り上げようと思います。では。


:アボット選手の写真、オズモンド選手の写真は、エンターテインメント情報ウェブサイト「Zimbio」から引用させていただきました。

【参考リンク】
Weir shows 'human' side at 'EWC' benefit show | Icenetwork.com 記事内にアボット選手の新しいショートプログラムに関する言及があります。
Injury will keep skater Kaetlyn Osmond out of fall competitions - Skate Canada オズモンド選手の負傷について報じた記事です。

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by hitsujigusa | 2014-09-25 20:13 | フィギュアスケート(大会関連) | Comments(0)