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各選手の15/16シーズンの新プログラムについて・その④

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 すっかり秋らしくなり、本格的なフィギュアスケートの新シーズン開幕も間近に近づいております。すでにジュニアのGPシリーズやシニアの小さな国際大会も始まっていて、フィギュアファンにとってはたまらない季節ですね。
 ということで、日本の選手始め、世界のフィギュア選手たちの新プログラム情報をざっくりとまとめてお伝えしていきます。


 まずはベテランの域に入ってきた村上佳菜子選手です。村上選手は9月16日から20日にかけてアメリカのソルトレイクシティで行われたチャレンジャーシリーズの第1戦USインターナショナルクラシックに出場、ここで今季の新プログラムを初お披露目しました。SPは「ロクサーヌのタンゴ」、フリーは「映画『SAYURI』より」です。
 ショートはこれまでも多くの選手が演じている定番のタンゴ。映画『ムーラン・ルージュ』の劇中曲で、村上選手はボーカル入りのものをそのまま使用しています。村上選手は以前にもタンゴを滑っていますが、その時はピアソラのタンゴでした。今回はヨーロッパのタンゴなので多少イメージや雰囲気が違いますし、男性ボーカル入りでより力強さもあり、情熱的な演技やキレのある動きが魅力的な村上選手に合っているなと思いますね。
 そしてフリーは日本を舞台にした芸者の物語『SAYURI』のサントラを使用したプログラム。こちらも大定番と言えます。激しさが特徴的なSPから一転、しっとりとした女性的な世界観の作品で、ショートとフリーでメリハリがありますね。昨季はショート、フリーともに「オペラ座の怪人」で、女性的なショートと男性的なフリーという演じ分けを見せた村上選手ですが、今季は昨季の試みをさらに発展させた形という感じがします。もちろんプログラムの雰囲気は昨季とは全く異なりますが、SPで強いプログラムを演じて、フリーでいかにエレガンスさを表現するかというところが注目ですね。ただ、近年の村上選手はフェミニンで柔らかい滑りもとてもうまくなっているので、表現面での心配はないかなと思います。
 その一方で、村上選手は14/15シーズン終了後に足を怪我していて、出演予定だったアイスショーを辞退するということもあったので、そういった意味でいつものシーズンよりスタートが遅めだったりするのかなという点が気になりますね。上述したとおり、今季はシニアに上がってから初めて9月という早い時期にB級国際大会でシーズン初戦を迎えていて、そのあたりからも例年との違いがうかがえるのですが、うまく調整してGPシリーズに向かっていってほしいなと思いますね。


 続いては今季からシニアに移行する永井優香選手。永井選手は初夏にはすでにSPの演目を発表していましたが、その後変更があり、変更後のSPは「蝶々夫人」、フリーは「オーガスト・ラプソディ 映画『奇跡のシンフォニー』より」だそうです。
 ショートは元々はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」を演じる予定で、アイスショーでも披露済みでしたが、実際に演じてみた上で永井選手自身が合わないと感じ、変更を決めたそうです。変更後のプログラムが宮本賢二さん振り付けの「蝶々夫人」ということで、浅田真央選手のフリーとも被ることになりますが、それぞれ全く違った雰囲気を持つ選手なので、プログラムもまたイメージの違うものになるでしょうね。
 フリーは映画音楽ですが、複数ある候補の中から永井選手自身が気に入って選んだとのこと。振り付けはシェイ=リン・ボーンさんです。この映画はなんとなく知ってはいますが見たことはないので、どういう曲かは分からないのですが、どんな世界観、空気感のプログラムになるのか楽しみですね。


 本格的なシニア参戦としては2年目となる田中刑事選手は、ショートが「ブエノスアイレスの春」、フリーが昨季と同じ「椿姫」です。
 「ブエノスアイレスの春」はピアソラのタンゴですが、華やかな雰囲気を持つ田中選手に合った選曲だなと感じますね。フリーは昨季からの持ち越しですが、昨季はなかなか実力を発揮できず苦しいシーズンに終わったということもあり、「椿姫」も不完全なままだったので、続けて演じることでプログラムとしての完成を目指すということでしょうね。
 そんな田中選手は今季すでに2大会を戦っていて、8月のアジア杯では2位、先日行われたUSインターナショナルクラシックでも2位と好結果を残しています。特にUSインターナショナルクラシックではフリーとトータルでパーソナルベストをマークし、良いシーズンのスタートを切っています。自国開催のNHK杯にも初めての出場が決まっており、昨シーズンの悔しさを晴らす今シーズンになるといいなと願っています。


 今シーズン本格的なシニアデビューを果たす中塩美悠選手。フリーについてはだいぶ前に当ブログでも書きましたが、SPについては「GopherMambo/TakiRari」だということが分かっています。
 「GopherMambo」と「TakiRari」はペルーの歌手イマ・スマックの楽曲で、坪井遥司選手がエキシビションで滑っているのを見て気に入り、中塩選手自身が選曲したのだそうです。昨シーズンもショートでミュージカルナンバー、フリーでタンゴと“ダンス系”を得意としている中塩選手らしい選曲だなと思いますね。


 こちらもシニアデビューかつ初めてのNHK杯出場が決まっている木原万莉子選手は、SPが「さくらさくら」、フリーが「映画『ブラック・スワン』より」
 ショートは日本を代表する歌曲である「さくらさくら」。つややかでしなやかな優雅さを持つ木原選手にぴったりですね。他方、フリーはゾクッとするような女の魔性を描いた映画『ブラック・スワン』。対照的なイメージの両プログラムですが、豊かな表現力を持つ木原選手なら、この二面性をうまく表現してくれそうですね。


 アイスダンスの村元哉中、クリス・リード組も公式ブログで新プログラムを発表済み。SDは「Vienna Waltz」、フリーは「Silent Film Medley」とのことです。
 今季のショートダンスのパターンダンスの課題は“ラベンスバーガーワルツ”。ワルツにもさまざまありますが、その中から村元&リード組が選んだのはウィンナー・ワルツ。ブログで発表したのは具体的な曲名ではなくワルツの種類だと思いますが、正統派のワルツを二人がどんなふうに表現するのか楽しみですね。そして、フリーはサイレント映画音楽のメドレー。ブログによると、“1920年代の世界に吸い込まれる”とのことですから、クラシカルでエレガンスな作品になっているのではないかなと想像します。上品な雰囲気を漂わせる二人に合いそうで、今から早く見たいなとワクワクしますね。
 そんな村元&リード組は10月8日から開催されるフィンランディア杯の出場が決定。二人のデビューが充実したものになることを祈っています。


 さて、ここからは海外勢の新プログラム情報です。

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 現世界チャンピオン、ロシアのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手はニュースサイトのインタビューなどで新プログラムについて明かしています。SPは「カルミナ・ブラーナ」、フリーは「ペール・ギュント」だそうです。
 SPはドイツの音楽家カール・オルフ作曲のカンタータ。元々ドイツに存在した詩歌集にカール・オルフが曲をつけたもので、その特徴的で壮大な旋律が有名でBGMとして多用されています。印象としてはとても男性的で力強い音楽というイメージなので、それを女性的な色っぽさやしなやかさが魅力的なトゥクタミシェワ選手がどう表現するか、おもしろい選曲だなと思います。ちなみに、「カルミナ・ブラーナ」は今シーズン競技復帰する予定だったものの怪我のために復帰を取りやめたエフゲニー・プルシェンコ選手もSPの演目として用意していて、やはり同じアレクセイ・ミーシンコーチの門下生ですから、何かしら関連があるのかもしれませんね。
 そして、フリーはノルウェーの作曲家グリーグの代表作「ペール・ギュント」。クラシック音楽界では著名な劇音楽ですが、フィギュア界ではさほど使用頻度の高くない作品と言えます。ただ、劇中曲である「山の魔王の宮殿にて」はBGMとしていろんな場面で使われており、以前チェコのミハル・ブレジナ選手がSPで演じたのが記憶に新しいのではないかと思います。戯曲としての「ペール・ギュント」は同じくノルウェーの劇作家イプセンが制作したもので、主人公ペール・ギュントの人生を描いた壮大な物語です。こういった選曲だけでも、これまでラテン系プログラムの多かったトゥクタミシェワ選手にしては珍しく、新鮮な試みだなと思いますが、実はトゥクタミシェワ選手はジュニアの頃にも「ペール・ギュント」の中の一曲「ソルヴェイグの歌」を使用したことがあるので、再演に近い形となるんですね。ただ、もちろん構成も振り付けも全く違うプログラムですし、さらに振付師はあのステファン・ランビエールさんということで、トゥクタミシェワ選手の新境地が見られそうで本当に楽しみだなと思います。


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 2015年世界選手権銅メダリスト、ロシアのエレーナ・ラディオノワ選手もインタビュー記事で新プログラムを発表しています。ショートは「Je t'aime」、フリーは「映画『タイタニック』より」とのことです。
 SPはベルギー出身の歌手ララ・ファビアンさんの楽曲。以前ユリア・リプニツカヤ選手もエキシビションで使用しています。また、今季はソチ五輪女王のアデリナ・ソトニコワ選手もフリーでララ・ファビアンさんが歌う「Je suis malade」を演じることが分かっていて、ロシアでは人気がある歌手なんですね。
 また、フリーはおなじみの映画音楽。あまりにも有名すぎて逆にフィギュア界では使い辛いのか意外に使用頻度は高くないですね。たぶんセリーヌ・ディオンのボーカル入りになるのではないかと思いますが、大定番の悲恋の物語にどのようにラディオノワ選手らしさをプラスして表現するのか、注目です。
 さらに注目点としてはショート、フリーともに振り付けがあのニコライ・モロゾフさんということで、どういったプログラムになっているのか、これまでのラディオノワ選手の表現とどんな違いがあるのか、期待ですね。


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 世界選手権2014の銀メダリスト、ユリア・リプニツカヤ選手。苦しんだ昨季からの復活を期する今季は、SPがエルヴィス・プレスリーの「好きにならずにいられない/悲しき悪魔」、フリーが「Leningrad」です。
 SPはエルヴィス・プレスリーの楽曲を組み合わせたものですが、リプニツカヤ選手とプレスリーのコラボというのがどんな感じが想像つかなくておもしろいですね。
 一方フリーはアメリカのピアニスト、ウィリアム・ジョセフの楽曲を使用したプログラム。タイトルがロシアの都市レニングラードを冠していますから、まさにロシア人のリプニツカヤ選手らしい選曲と言えます。
 そして、SP、フリーともに振り付けはマリーナ・ズエワさん。ズエワさんは日本でも中野友加里さんや小塚崇彦選手の振り付けを手がけた名振付師として知られ、また、アイスダンスのソチ五輪王者のメリル・デイビス&チャーリー・ホワイト組やバンクーバー五輪王者のテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組、現在では村元&リード組のコーチをしていることでもおなじみです。ただ、ロシア出身ではあるものの長らくアメリカを拠点にしているということもあって、意外にロシア選手との接点は少なかったのですが、今回初めてリプニツカヤ選手とタッグを組むこととなりました。品格溢れる繊細な振り付けが魅力のズエワさん作のプログラムで、リプニツカヤ選手がどのように新たな顔を見せてくれるのか、楽しみです。


 2012年世界選手権銀メダリスト、ベテランのアリョーナ・レオノワ選手はSPが昨季と同じ「スマイル/序曲 彫像の序幕 映画『街の灯』より/テリーのテーマ 映画『ライムライト』より」、フリーが「サマータイム/監獄ロック/イン・アザー・ワーズ/シング・シング・シング」であることが分かっています。
 SPは昨季から引き続きのチャップリン・メドレー。レオノワ選手のキャラクターにとても合っていて、このプログラムによって昨年のNHK杯でパーソナルベストをマークしていますから、縁起の良いプログラムですね。フリーはジャズやロックの組み合わせで、全体的にノリの良い、こちらもレオノワ選手の快活なイメージにぴったりな感じがします。ショートもフリーも比較的元気の良い、アップテンポな印象という点では共通しているのかなと思うのですが、実際どういった形で両プログラムにメリハリをつけていくのか、レオノワ選手の表現の仕方に注目ですね。


 2014年世界選手権4位のアンナ・ポゴリラヤ選手はSPが「Bolero for Violin and Orchestra」、フリーが「シェヘラザード」。どちらもニコライ・モロゾフさん振り付けです。
 SPはシンガポールのヴァイオリニスト、ヴァネッサ・メイの楽曲。タイトルに“ボレロ”と入っているように3拍子のリズムですが、有名なラヴェルの「ボレロ」とは違ってヴァイオリンの音色が前面に出ていて、より女性的でエレガンスな作品ですね。フリーは王道の「シェヘラザード」。ポゴリラヤ選手は昨季のフリーもロシア音楽の「火の鳥」でしたが、今季も大定番中の大定番ですから、いかにポゴリラヤ選手らしい「シェヘラザード」を作り上げていくかがポイントですね。


 ロシア女子に続いてロシア男子についてお伝えします。
 まず、2014年グランプリファイナル3位のセルゲイ・ボロノフ選手はSPが「Butterflies and Hurricanes」、フリーが「映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』より」です。
 SPはフィギュア界ではもうおなじみ、イギリスのバンド、ミューズの楽曲です。そしてフリーはこちらもフィギュア界ではしばしば見られる映画音楽。振り付けはどちらもジェフリー・バトルさんで、バトルさんがロシアの選手のプログラムを制作するのは珍しいですね。どちらかというと激しさだったり荒々しさが特徴的だったボロノフ選手ですが、バトルさんの繊細で優雅な振り付けによって、どのような変化が見られるのか注目したいと思います。


 同じくロシアのベテラン、コンスタンティン・メンショフ選手はSPが昨季と同じ「Rotting Romance」、フリーが「Mad World/Radioactive」です。
 ショートについては省略して、フリーについて書きますと、「Mad World」と「Radioactive」の二つの歌を組み合わせたものになっているようですね。前者はイギリスのバンド、ティアーズ・フォー・フィアーズの楽曲のカバーバージョン、後者もアメリカのバンド、イマジン・ドラゴンズが2012年に発表して大ヒットした楽曲のカバーバージョン。いつもメッセージ性の強いプログラムを届けてくれるメンショフ選手ならではの意図を感じる選曲ですね。


 ペアのソチ五輪銀メダリスト、クセニア・ストルボワ&ヒョードル・クリモフ組はSPが「I Put a Spell On You 映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』より」、フリーが「映画『The Unknown Known』より」だそうです。
 どちらも映画のサントラからですが、SPはアメリカの歌手スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの楽曲をイギリスの歌手アニー・レノックスがカバーして映画で使用されたものなので、映画音楽というよりはポピュラー・ソングですね。フリーはアメリカのドキュメンタリー映画のサントラなので、かなりマニアックな選曲となっています。


 ここまで一気にロシア勢の情報をお伝えしましたが、ここからはそれ以外の海外勢です。
 2015年四大陸選手権銀メダリスト、アメリカのジョシュア・ファリス選手は、SPが昨季と同じ「Give Me Love」、フリーが「ローマの松」です。
 ショートは昨季からの持ち越しですが、派手さはないもののしみじみとした味わいのある歌でファリス選手のスケーティングによく合っていましたね。フリーはイタリアの音楽家レスピーギの代表作。レスピーギは世界的に著名な作曲家ですが、フィギュアではそんなに使われることがないのでマニアックなチョイスと言えます。誰もが知る有名曲というわけではありませんが、玄人好みの音楽という感じでちょっと気になりますね。


 チェコの実力者ミハル・ブレジナ選手はSPが「The Way You Look Tonight」、フリーは「海賊」です。
 ショートプログラムは映画『有頂天時代』の劇中曲で、多くの歌手にカバーされているスタンダード・ナンバー。ブレジナ選手はオリジナルのフランク・シナトラバージョンを使用しています。フリーはバレエ音楽「海賊」ですが、本郷理華選手が昨季のSPで演じたのが記憶に新しいところです。ブレジナ選手のバレエというのはこれまでほとんどないので、新鮮味がありますね。


 スウェーデンのヨシ・ヘルゲソン選手はSPが「Too Darn Hot」、フリーが「レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード/Shot You Down/バン・バン/Las Bandidas」であることが判明しています。
 ショートはミュージカル『キス・ミー・ケイト』の劇中曲で、ヘルゲソン選手が使用しているのはジャズシンガーのエラ・フィッツジェラルドが歌うバージョンのようです。フリーはさまざまな映画音楽やポピュラーソングなどのメドレーで、演技をちゃんと見ていないので何とも言えませんが、いろんな世界観を持ったプログラムになっていそうですね。


 ペアの現世界チャンピオン、カナダのメ―ガン・デュアメル&エリック・ラドフォード組はSPが「Your Song 映画『ムーラン・ルージュ』より」、フリーがアデルの「ホームタウン・グローリー」です。
 「Your Song」はエルトン・ジョンの代表曲ですが、デュアメル&ラドフォード組が使うのはミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』の中で主役のユアン・マクレガーが歌っているバージョン。エルトン・ジョンバージョンとはまた違った魅力があって良いですね。また、フリーはイギリスの歌手アデルの楽曲ということで、ショート、フリーともにボーカル入りという新しい挑戦となっています。


 アイスダンスの現世界選手権銀メダリスト、アメリカのマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ組は現在ドイツで開催中のネーベルホルン杯に出場していて、SDは「黒い瞳」、FDはラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」であることが分かっています。
 今季のショートダンスの課題はワルツ。「黒い瞳」はロシア民謡なので本来はワルツではありませんが、それをワルツという形で表現しようというのがおもしろいですね。一方フリーは正統派のクラシックですが、ダンスがメインのアイスダンスでは意外にラフマニノフというのは珍しい感じがして、過去のチョック&ベイツ組のプログラムを見ても純粋なクラシックはほとんどないので楽しみですね。


 アイスダンスの現世界選手権銅メダリストのカナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ組は、SDは「好きにならずにいられない/ハートブレイク・ホテル」のエルヴィス・プレスリーメドレー、FDは「On the Nature of Daylight/Walk/Run」とのことです。
 SDはプレスリーということで、上述したリプニツカヤ選手もプレスリーメドレーですが、プレスリーの楽曲というのはフィギュア界ではそんなに頻繁に登場するわけではないので、おもしろい偶然ですね。ですが、ウィーバー&ポジェ組の場合は“ワルツ”という課題がある上でのプレスリーなので、さらに興味が増します。フリーは複数のミュージシャンや作曲家の楽曲を組み合わせたプログラムになっているようです。


 最後はイタリアのペア、ヴァレンティーナ・マルケイ&オンドレイ・ホタレク組です。SPは「Morir D'amor」、フリーは「映画『追憶』より/映画『サタデー・ナイト・フィーバー』より」であることを、マルケイ選手が自身のフェイスブックで明かしています。
 ショートはベートーヴェンの「月光ソナタ」に歌詞を付けたものをイタリアの歌手マリアンナ・カタルディが歌った楽曲。一般的な「月光ソナタ」とは少し違った雰囲気を醸し出せそうですね。一方、フリーは二つの映画のサントラを使用したものですが、しっとりとした情緒漂うメロディが印象的な「追憶」と、ノリノリのディスコサウンドが有名な「サタデー・ナイト・フィーバー」というそれぞれ対照的な映画で、意外性のある組み合わせがどう一つのプログラムになっているのか、気になります。



 ということで、とりあえずこの記事は以上です。今後この新プログラムシリーズを追加することもあるかもしれませんが、おおむね強豪選手の新プログラム情報は取り上げられたんじゃないかなと思います。
 現在はジュニアのグランプリシリーズも半分を過ぎ、シニアのチャレンジャーシリーズも始まっていて、いよいよフィギュアシーズンの到来だなという実感が沸いてきています。当ブログでは10月末のグランプリシリーズアメリカ大会から本格的にフィギュア記事を開始していきますが、それまでのあいだもできる限りフィギュア関連の記事をお届けしたいなと思っています。では。


:村上選手の写真は写真画像ウェブサイト「ゲッティイメージズ」から、トゥクタミシェワ選手の写真、ラディオノワ選手の写真は、フィギュアスケート情報ウェブサイト「Absolute Skating」から、リプニツカヤ選手の写真はエンターテインメント情報ウェブサイト「Zimbio」から引用させていただきました。

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羽生結弦選手、15/16シーズンのフリープログラムを発表&新プログラム情報① 2015年6月19日
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各選手の15/16シーズンの新プログラムについて・その③ 2015年8月13日
by hitsujigusa | 2015-09-27 01:32 | フィギュアスケート(大会関連)