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グランプリファイナル2017・女子&アイスダンス―アリーナ・ザギトワ選手、パーソナルベストで初優勝

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 12月7日から10日にかけて日本の名古屋で行われたグランプリファイナル2017。前回の男子&ペア編に続き、今回は女子&アイスダンス編をお送りします。
 女子を制したのは今季シニアデビューしたばかりのロシアの新星、アリーナ・ザギトワ選手です。トータルで自己ベストをマークし、シニア1季目にして初優勝の快挙を達成しました。2位は同じくロシアのマリア・ソツコワ選手、3位はカナダのケイトリン・オズモンド選手となりました。
 アイスダンスはフランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組が世界最高得点を塗り替え、圧巻の初優勝を果たしました。

ISU Grand Prix Final 2017/18 この大会の詳しい結果、各選手の採点表が見られます。

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 優勝は昨季の世界ジュニア女王、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手です。

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 SPはスピンで幕を開け、続いてステップシークエンスと、丁寧に確実にこなしてレベル4を獲得。後半に入りようやくジャンプが登場し、最初の3ルッツ+3ループを完璧に成功させて加点1.2を得ると、続く3フリップは若干着氷で乱れたものの最小限のミスに抑え、最後の2アクセルも成功。終盤の2つのスピンも問題なくクリアし、自己ベストとなる76.27点で2位と好発進します。
 フリーもジャンプは全て後半で、前半はコレオシークエンス、スピン、ステップシークエンスを比較的ゆったりした曲調の中でメリハリをつけながらこなしていきます。そして後半、最初はショートできれいに決めた得点源の3ルッツ+3ループ、これをクリーンに回り切って着氷すると、2アクセル+3トゥループはセカンドジャンプでバランスを崩しかけるも大きなミスなくまとめ、3+2+2も成功。次の3ルッツでも着氷ミスによる減点はありましたが、3サルコウ、3フリップ、2アクセルと終盤のジャンプは軽やかに決め、フィニッシュしたザギトワ選手はホッとしたような笑みを浮かべました。得点は147.03点でフリー1位、トータルでは223.20点とパーソナルベストをマークし1位となり、逆転で金メダルを手にしました。
 ショート、フリーともに細かなミスはありましたが、大勢に影響を及ぼすような致命的なミスはなく、シリーズ2戦と変わらない安定感を発揮しましたね。そのシリーズ2戦に関してはショートで出遅れて、フリーで驚異の追い上げを見せるというパターンが続いていたのですが、今回はショートでもミスを最小限にとどめて首位と僅差の2位につけ、フリーでも大きなミスはなしと、ザギトワ選手にとって理想的な試合運びができたのではないでしょうか。ファイナル初出場とあってさすがに緊張感の感じられる場面もありましたが、その中でも自分のペースを崩すことなく平常どおりの演技に徹する姿は腹が据わっているなという感じがしますし、シリーズ2戦での課題をしっかり克服してきたのもお見事でした。
 次戦のロシア選手権はまた今回とは違うプレッシャーがかかる試合になると思いますが、ここまでのシーズンで得た経験を活かして頑張ってほしいですね。ファイナル初優勝、おめでとうございました。


 2位に入ったのはロシアの成長株、マリア・ソツコワ選手です。

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 SPはまず得点源の3ルッツ+3トゥループから、両方のジャンプで片手を上げて跳び1.4点の加点を得ます。後半に組み込んだ3フリップ、2アクセルもクリーンに着氷。ステップシークエンス、スピンは全てレベル4と隙のない演技を披露し、パーソナルベストとなる74.00点で4位につけます。
 フリーも冒頭は3ルッツ+3トゥループ、これを確実に決めると、次いで3フリップも正確な踏み切りと着氷で加点1.4点を引き出します。後半に5つのジャンプ要素を固め、その最初の3ループは若干着氷で身体が傾いたものの、直後の3+1+3の高難度の連続ジャンプはきっちり成功。さらに3ルッツ、終盤の2アクセル+2トゥループ、2アクセルと全てクリーンに決め、ソツコワ選手は控えめながらも安堵したように微笑みました。得点はショートに続き自己ベストの142.28点でフリー2位、総合でも2位となり、銀メダルを獲得しました。
 今大会ショート、フリーともに全選手中最も安定感を発揮したと言えるソツコワ選手。昨シーズンは自身の高身長に対応し切れていなかったためか回転不足も多く見られましたが、今季はその癖もかなり修正されたように感じます。プログラムもソツコワ選手のエレガンスさ、可憐さを存分に活かした作りとなっていて、さらに演技全体で緩急をつけられるようになれば演技構成点の得点アップも望めるのかなと思いますし、まだまだ伸びしろの大きい選手ですね。
 オリンピック選考に関しては、ソツコワ選手といえども代表の座はまだ確定的ではありませんが、ロシア選手権でも今回のような演技ができればぐっとオリンピックは近づいてくるでしょうね。


 3位となったのは世界選手権2017銀メダル、カナダのケイトリン・オズモンド選手です。

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 ショート冒頭は得点源の3フリップ+3トゥループ、これを抜群のスピードと高さで決め1.4点の加点を得ると、続く3ルッツは踏み切りのエッジが不正確とされたもののしっかり加点を引き出します。後半の2アクセルも難なく下り、スピン、ステップシークエンスは全てレベル4に加え、加点は1点以上と高い質でまとめ、77.04点と世界歴代6位となる自己ベストを叩き出し、トップに立ちます。
 フリーもまずは3フリップ+3トゥループ、ショートに続いてパーフェクトに決めて1.6点の加点を獲得。さらに、2アクセル+3トゥループ、3ルッツも成功させ前半を最高の形で終えます。しかし後半に入ると、3ループが2回転に。3フリップはきれいに着氷しますが、3サルコウはアンダーローテーション(軽度の回転不足)で転倒。最後の2アクセルからの3連続ジャンプは成功させたものの、尻すぼみの演技となってしまい、演技を終えたオズモンド選手は疲れたように顔を曇らせました。
 昨季から継続している「パリの空の下/ミロール」のSPはいつもどおりの安定感でしたが、懸念だったフリー後半は予想どおりと言ったら失礼かもしれませんが、やはり崩れてしまいましたね。演技序盤のパワーがどうしても後半では萎んでしまうのがもったいないのですが、それでも一つ一つのエレメンツは手を抜くことなくしっかりこなしているので加点は稼げますし、演技構成点での評価も高いので、オリンピックの表彰台候補であることに変わりはないですね。ショートに関してはオズモンド選手本人も余裕と自信を持って臨めていると思いますので、あとはフリーの完成度をどれだけ高められるか、ミスを最小限にとどめられるか、カナダ選手権を経て、オリンピックでショート、フリーともに完成されるのを楽しみにしたいですね。


 惜しくも表彰台まであと一歩の4位だったのは、イタリアの大ベテラン、カロリーナ・コストナー選手です。

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 SP冒頭は得点源の3トゥループ+3トゥループでしたが、セカンドジャンプが2回転となってしまいます。直後の3ループはスムーズな流れで決め、後半の2アクセルも問題なし。ステップシークエンス、スピンは全部レベル4とそつなくこなしますが、コンビネーションジャンプのミスが響き、72.82点で6位にとどまります。
 フリーは3+3なしの構成で臨み、まず3フリップ+2トゥループを完璧に下りて1.3点の加点を得ると、続く単独の3フリップもパーフェクト。さらに3ループは加点1.5と前半のジャンプを申し分ない出来でクリアします。後半最初の3トゥループもノーミス。続いて2アクセル+1ループ+3サルコウでしたが、これは3つ目が2回転に。2アクセルは決め、最後の3+2はファーストジャンプで氷に手をつきかけますが何とかこらえセカンドジャンプに繋げます。最終盤のコレオシークエンス、ステップシークエンスでは2点という極めて高い加点を得るなど本領を発揮し、フィニッシュでは両手を合わせて喜びを抑えきれないというように破顔しました。得点は自己ベストに0.78点と迫る141.83点をマークしフリー3位、総合4位と順位を上げました。
 ショートもフリーも細かなミスはあったのですが、全体を通してコストナー選手らしさ、そして彼女の滑る喜びというのが滲み出るような素晴らしい演技でしたね。ジャンプの難度はほかの5選手と比べて圧倒的に劣りますが、それらを補って余りある表現力というのがやはり大きな武器となっていて、シリーズを勝ち残ったファイナリストたちというのは全員極めて素晴らしいスケーターですが、その中でもコストナー選手の滑りによって生み出される空気感や世界観というのはまた別次元というのを改めて感じて、思わず見とれため息がこぼれてしまいました。また、ステップはもちろん、ジャンプもスピンも非常に高い加点を引き出せるので、技術点でも充分に点を稼げますし、何より過去3度のオリンピックの経験というのはほかの誰も持っていない最強の強みであり、総合的に見てオリンピックでコストナー選手がメダルを取る可能性は大いにあるのではないかなと思います。
 4度目のオリンピックでコストナー選手がどんな集大成の演技を披露してくれるのか、期待ですね。


 5位となったのは日本のエース、宮原知子選手です。

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 SP冒頭は今季まだクリーンな成功がない3ルッツ+3トゥループでしたが、これをしっかり回り切って着氷します。後半の3ループ、2アクセルも危なげなく下り、スピン、ステップシークエンスは全てレベル4と完璧にまとめ、パーソナルベストに0.03点と迫る74.61点で3位と好位置につけました。

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 フリーはまず得意の3ループから、これはクリーンに回り切って成功させます。次いで得点源の3ルッツ+3トゥループでしたが、高さが足りず両ジャンプともアンダーローテーションと判定されます。続く若干苦手としている3フリップも勢いに欠け回転不足に。スピン2つとステップシークエンスは丁寧にこなしてレベル4を獲得し勝負の後半、最初の3+2+2を着氷すると、2アクセル+3トゥループも問題なく下ります。3サルコウ、2アクセルと残りのジャンプも確実に決め、最後は柔軟性を活かした美しいレイバックスピンで締めくくると、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。ただ、得点はジャンプの回転不足が響き138.88点と伸び切らずフリー4位、総合5位と表彰台には届きませんでした。
 世界女王のエフゲニア・メドベデワ選手の辞退により、3年連続となるファイナル出場のチャンスが巡ってきた宮原選手。結果というよりも全日本選手権に向けた実戦感覚を養う場として臨み、SPは思い切りの良い演技でキャリアベストと言っても過言ではない演技を披露。フリーは序盤こそ慎重さが目立ち回転不足が続きましたが、そこから中盤の軽快かつ滑らかなステップシークエンスを経て、後半に入るとどんどんスピード感と力強さを増していって、息を呑むような迫力が感じられました。元々繊細で優雅な表現力の持ち主ではありましたが、左股関節の疲労骨折によって休養せざるをえなかった時期、表現力向上やスケーティング強化に力を入れてきたというのが、一つのプログラムの中での緩急や身のこなしの使い分けの巧みさからヒシヒシと伝わってきました。正直個人的にはフリーの演技構成点がオズモンド選手より下というのは納得がいかないのですが、ジャッジの宮原選手に対する評価が高まっているのは間違いないですから、一歩一歩着実にフィジカルを100%の状態に戻していけば、技術点も演技構成点ももっともっと上積みしていけるでしょうね。
 たった2枠しかない五輪代表の切符を狙う全日本選手権は、栄光も挫折も経験してきた宮原選手といえども難しい試合になるでしょうが、自分のペースで順調に調整することさえできれば“ミス・パーフェクト”の名にふさわしい演技が見られると思うので、楽しみにしたいですね。


 6位は日本の有望株、樋口新葉選手です。

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 SPは得意の2アクセルから、余裕たっぷりに成功させ1点の加点を得ます。後半に入り鍵となる3ルッツ+3トゥループもクリーンに着氷。最後の3フリップは踏み切りのエッジが不正確とされわずかにマイナス評価となりますが、ステップシークエンス、スピンは全てレベル4で、特にステップシークエンスでは躍動感に満ち溢れた滑りで観客を沸かせました。得点は73.26点で5位発進とします。

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 フリーも冒頭は2アクセルで、これはいつもどおり危なげなく着氷。続いて3ルッツ+3トゥループはいつもより高さが低めとなりましたがノーミスでまとめます。スピンを挟んで中盤の3サルコウはパンクして2回転に。そして後半の3ルッツ+3トゥループは、3ルッツが2回転となって予定どおりとはならず。直後の3ループはクリーンに決め、次の2アクセルに急遽3トゥループを付けますがオーバーターンの着氷に。3フリップ+2トゥループ+2ループは回転は問題ありませんでしたが、3フリップの踏み切りのエッジが不正確だったことにより減点。終盤のステップシークエンスやコレオシークエンスは丁寧にこなしそれぞれ1.4点の加点を獲得しましたが、実力を発揮し切れずフィニッシュした樋口選手はがっくりと肩を落としました。得点は128.85点でフリー6位、総合6位で初めてのファイナルを終えました。
 今大会は練習からジャンプの感覚が狂っていたとのことで、本番での立て直しに苦慮する様子がうかがえた樋口選手。SPはジャンプの数が少ないということもあって大きなミスなくまとめられましたが、フリーは冒頭から硬さが見受けられ、演技終盤は樋口選手にしては珍しくぐっとスピードが落ちて本来のキレのある滑りは見られませんでした。フリー後はかなり落ち込んでいるような様子で、「去年から何も変わっていない」というような発言もありましたが、たった一度の試合だけで樋口選手がこれまで地道に積み重ねてきたものが否定されるわけではありませんし、ファイナル前の3試合で得たものの方がファイナル1試合で失ったものよりずっと多いはずなので、気を落とさず全日本選手権に向かっていってほしいですね。
 ファイナルは悔しい試合になったと思いますが、樋口選手が1年前よりも強い選手になっているのは間違いないですから、気負いすぎずに自信を持って、全日本では笑顔が見られることを祈っています。



 ここからはアイスダンスです。

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 アイスダンスを制したのは前世界王者、フランスのガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組です。SDは非接触のステップ以外は全てレベル4を揃え、軒並み高い加点を積み重ね、パーソナルベストを上回る82.07点をマークし首位発進。FDも2つのステップ以外は全てレベル4で、隅々まで非の打ちどころのない完全無欠に近い演技を披露し、自身が保持する世界最高得点に迫る120.09点を叩き出し、トータルでは自己ベストかつ世界最高を塗り替える202.16点をマークし、初優勝に花を添えました。
 今季は出場した全試合でSD、FDともに1位を逃していないパパダキス&シゼロン組。中国杯でアイスダンス史上初めて総合200点を突破してからというもの敵なしの快進撃を続けていますが、今大会も強敵の世界チャンピオン、テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組が背後に迫っているのもお構いなしという感じでしたね。優勝を意識せざるをえないはずのFDも全く硬さを感じさせないゆとりのある滑りでしたし、演技構成点も徐々に10点満点を出すジャッジの数が増えてきて、オリンピックの頃にはどうなっているんだろうと今からワクワクします。その前にフランス選手権や欧州選手権があり、また世界最高得点の更新の可能性もありますから、パパダキス&シゼロン組がどこまで点を伸ばしていくかにも注目です。ファイナル初優勝、おめでとうございました。

 2位は現世界王者、カナダのテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイア組です。SDは非接触のステップ以外で全てレベル4を獲得し自身が持つ世界最高得点に迫るハイスコアで2位につけると、FDも死角のない演技でパーソナルベストを更新、トータルでも自己最高をマークしましたが、パパダキス&シゼロン組には及ばず連覇は逃しました。
 ショート、フリーともに本当に完璧に近い演技だったと思うのですが、結果的にはパパダキス&シゼロン組に2点以上の差をつけられての2位ということで、ヴァーチュー&モイア組としてはパーソナルベストを更新した嬉しさなどよりも、優勝に届かなかった悔しさの方が大きいんじゃないかなと思います。たった2点差と言えばたった2点差なのですが、アイスダンスではなかなかこの2点差を埋めるのは難しく、パパダキス&シゼロン組が明確なミスでも犯さない限り、この格付けをシーズン中にひっくり返すのは厳しい状況です。それでもオリンピックでは実際に何が起こるかはわかりませんから、ヴァーチュー&モイア組にも五輪金の可能性はもちろんあって、その目標のために二人がこれからの約2ヵ月間で、どのようにプログラムを仕上げてくるか期待したいと思います。

 3位は全米王者のマイア・シブタニ&アレックス・シブタニ組です。SDは序盤のパターンダンスのレベルが2にとどまる取りこぼしがあり、自己ベストから約1点ほど低い得点で3位。FDは珍しく得意なツイズルで二人のタイミングがずれるミスがあり、その後のステップでもいつもほどの伸びのあるスケーティングではなくレベルも2どまりで、自己ベストから5点以上低い得点でまさかの6位に。しかしトータルでは4位のカップルを0.6点上回り、ギリギリで表彰台を死守しました。
 確かな技術力が最大の武器であるシブタニ兄弟にしては珍しいミスが散見されたフリー。演技後は兄のアレックス選手が特に疲労感を強く漂わせていて、キス&クライで点数が表示されると頭を抱えていましたが、何かいつもとは違う感じがあったのか、体の調子が悪かったのかはわかりませんが、予想外の演技ではありました。普段ミスらしいミスをするということがほとんどないカップルですので、滅多にないことが起こって二人の動揺も画面越しに伝わってきましたが、この経験も必ず今後の競技人生に活きてくるはずですから、全米選手権では満足のいく演技となることを願いたいですね。



 GPファイナル2017、女子&アイスダンス編は以上です。
 女子は大本命のメドベデワ選手が不在となり、シリーズのポイントランキングでメドベデワ選手に次ぐ2位のザギトワ選手が優勝と、下馬評どおりの結果でした。ただ、2位がソツコワ選手というのは少し意外で、驚くべき大技や目を引くような新鮮な特徴を持っている選手ではないのですが、確実に安定感をつけてきているなと感じました。そのソツコワ選手から5位の宮原選手までは3点差もなく、本当にちょっとしたミスや取りこぼしで順位が大きく左右された試合となり、現在の女子フィギュア界の混沌とした勢力図を如実に反映した結果と言えるのではないでしょうか。
 アイスダンスは予想どおりのワンツースリーの顔ぶれ。4位以下も順当な順位でしたが、あのシブタニ兄妹でさえもミスをすれば銅メダルは危うかったということで、試合は何が起こるかわからないなと改めて感じさせられましたね。
 ほとんどの選手は次戦は国内選手権になると思いますが、当ブログではこのファイナルと同時に開催されたジュニアのGPファイナルについての記事を次はアップしたいと思いますので、しばしお待ちください。では。


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by hitsujigusa | 2017-12-13 02:42 | フィギュアスケート(大会関連)